Passing 〜僕達の「好き」〜

*花*

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「……よし……!いいんじゃないかな」

生まれつきの白めの肌に、淡いピンクのリップが映える。チークもいい感じ。髪型は、ロング。この日のために、ちょいちょい整えながら、伸ばしてきた。僕はくるりと回ってみる。すると、灰色がかった白い髪が、さらさらとなびく。制服も女物。胸元の赤いリボン。紺色のブレザー。緑色のチェックのスカート。変にドキドキしてくる。

やっぱりまだ慣れないなぁ……スカート……

僕は下を向いた。でも、これまで練習を積み重ねてきた。スカートを履いて、少し内股気味に歩いたり、座る時も、しっかり足を閉じて座ったりと色々やってきた。もう十分だろと思うくらいやったのに、いざ学校に行くとなると、少し心配してくる。

そして、声の練習もやってきた。僕が男だってバレないように、裏声を駆使して話す練習をしてきた。これもまた、学校で周りに上手く話すことが出来るか分からない。

「大丈夫……かな?早く新しい高校に馴染むことが出来たらいいんだけど……」

僕は、鏡の中にいる僕自身を見つめる。
そうだ。こんなに不安で、緊張するのも、僕がとして、新たな学校へ行くからだと思う。
そして――

久しぶりに僕の幼なじみと会うから。

ふらりと、僕は学校に行くための準備を始めた。荷物の確認をしたり、学校案内の紙を何度も見返したりと、あちこちを歩き回っていた。学校へ行く時間も刻一刻と迫ってくる。僕は準備する手を早め、スピードアップした。


「……ふぅ、完了ぅ……」

額を拭い、ふぅと一息ついた。持ち物も忘れがなかったし、何回も紙を見て確認したから、多分、多分だけど迷うことはないだろう。

「……それじゃ、いってきます」

僕は誰もいない部屋の中に呼びかけた。誰かに対して言ったわけじゃない。に対して言ったんだ。この部屋を出れば、僕はもうとして見られるだろう。女装をしているから。

ドアノブに手をかける。そして、思いっきりドアノブを押した。

見慣れない景色を前に、僕はそっと一歩を踏み出した。すると、だんだんと景色が広がっていく。また一歩、二歩と歩いてみる。車の交通量が多い道路。歩道を歩く色んな人達。所々に木々が立ち並び、その辺りで木陰を作っている。

私が前住んでいたところとは大違いだなぁ……

少しキョロキョロしながら、地図通りの道を歩いていく。追い風が、私の背中を柔らかく押してくれているような気がして、何だか気持ちよかった。





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