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春
③
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「……ここが、景瑠高校なのね……」
そよ風が髪を撫で、頬を通り過ぎて行く。私は、かっちりとした門の前に立っていた。予定した時間よりも少し早めに着いた。でも、何人かが門をくぐり抜けて、大きく聳え立つ景瑠高校へと進んで行った。私もそれについて行き、少し挙動不審になりながらも、歩いて行った。
……にしても、広いなぁ……
これは真面目に迷子になってきそうな気がしてくる。周りには、誰も知ってる人がいない。そりゃそうだ。周りを見れば、友達2、3人で並び、楽しそうに話している人達。1人で静かに歩いている人達。中には、なぜか走って登校してくる人もいた。
「ねぇ……あの子……」
「誰だ……?」
「見た時ない人だなぁ……もしかして不登校だった生徒?」
「ちょっと、それは違うでしょ……!初対面の人に失礼すぎ……!!転校生じゃないの?」
鋭い目線が痛くて、怖い。敏感になっているせいか、ひそひそ話が小耳に入ってきて、ますます不安を募らせていった。私は歩くスピードを早め、そそくさと玄関に入った。
まぁ、学校の中も見事に広いこと。
下駄箱の多さに呆気にとられていた。ダメだ。全然分かんない。私が玄関でうろちょろして、戸惑っていると、後ろから「あの」と声をかけられた。「はいぃ……」と恐る恐る言い、後ろを向くと、そこには私よりも背が少し高い男の人がいた。綺麗な艶のある黒髪を襟足で結んでいた。猫目で、ツンとすました顔。そして、オレンジっぽいような茶色の潤いのある瞳。
「おはよう。……あんた、名前は?」
「…………白宵 時雨です……」
急でびっくりした……
本当は月白兎って言う名前だけど。本名で来たら絶対バレると思ったから、名前を作ってきた。この名前は、過去の出来事を思い浮かべながら作った。そうしたら、こんな名前が出来た。
「白宵……白宵……あ、あった。ん、ここ」
その男の人は、人差し指で下駄箱を指していた。そこには、しっかり白宵 時雨と書かれていた。しかも、1番左下に。これは恥ずかしい。こんなのも見つけられなかったなんて。超恥ずかしい。
「あ、ありがとうございます……あの……ちなみに、あなたのお名前は……」
「あぁ、そうだった、そうだった。まだ名前を言ってなかった。俺は、3年B組の星昊明。よろしくな、転校生さん」
「あ……えと、何で転校生だって……」
「んー、何となく。なんかオドオドしてて、不安がってたから」
「そ、そうですか……」
「うん。じゃ」
私は、彼が去った後にふと我に返り、落ち着きを取り戻した。その後、ようやく気づいたんだ。
あの人は、私の初恋相手であって、幼なじみだということを。
そよ風が髪を撫で、頬を通り過ぎて行く。私は、かっちりとした門の前に立っていた。予定した時間よりも少し早めに着いた。でも、何人かが門をくぐり抜けて、大きく聳え立つ景瑠高校へと進んで行った。私もそれについて行き、少し挙動不審になりながらも、歩いて行った。
……にしても、広いなぁ……
これは真面目に迷子になってきそうな気がしてくる。周りには、誰も知ってる人がいない。そりゃそうだ。周りを見れば、友達2、3人で並び、楽しそうに話している人達。1人で静かに歩いている人達。中には、なぜか走って登校してくる人もいた。
「ねぇ……あの子……」
「誰だ……?」
「見た時ない人だなぁ……もしかして不登校だった生徒?」
「ちょっと、それは違うでしょ……!初対面の人に失礼すぎ……!!転校生じゃないの?」
鋭い目線が痛くて、怖い。敏感になっているせいか、ひそひそ話が小耳に入ってきて、ますます不安を募らせていった。私は歩くスピードを早め、そそくさと玄関に入った。
まぁ、学校の中も見事に広いこと。
下駄箱の多さに呆気にとられていた。ダメだ。全然分かんない。私が玄関でうろちょろして、戸惑っていると、後ろから「あの」と声をかけられた。「はいぃ……」と恐る恐る言い、後ろを向くと、そこには私よりも背が少し高い男の人がいた。綺麗な艶のある黒髪を襟足で結んでいた。猫目で、ツンとすました顔。そして、オレンジっぽいような茶色の潤いのある瞳。
「おはよう。……あんた、名前は?」
「…………白宵 時雨です……」
急でびっくりした……
本当は月白兎って言う名前だけど。本名で来たら絶対バレると思ったから、名前を作ってきた。この名前は、過去の出来事を思い浮かべながら作った。そうしたら、こんな名前が出来た。
「白宵……白宵……あ、あった。ん、ここ」
その男の人は、人差し指で下駄箱を指していた。そこには、しっかり白宵 時雨と書かれていた。しかも、1番左下に。これは恥ずかしい。こんなのも見つけられなかったなんて。超恥ずかしい。
「あ、ありがとうございます……あの……ちなみに、あなたのお名前は……」
「あぁ、そうだった、そうだった。まだ名前を言ってなかった。俺は、3年B組の星昊明。よろしくな、転校生さん」
「あ……えと、何で転校生だって……」
「んー、何となく。なんかオドオドしてて、不安がってたから」
「そ、そうですか……」
「うん。じゃ」
私は、彼が去った後にふと我に返り、落ち着きを取り戻した。その後、ようやく気づいたんだ。
あの人は、私の初恋相手であって、幼なじみだということを。
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