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19(オマケ). 別れた後

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「あ、あの…季芳さん。先程のは…」

「関わらない方がいいだろうな…だが、剣聖という名を付けるのであれば…あれが、本来の姿なんだろうな」

「はい…それにしても、凄かったです。一振でボスごと全てを切り伏せるとは…」

「…しかも、威圧感がなぁ…まぁ、関わりさえ持たなければ敵対はしないことだろう」

「ですね。東京を沈められるよりはマシです」

「…ただ、一つ気になったのは…あの2人のお互いの呼び名、覚えているか?」

「え?…はい、確か…女性の方が雷鳴、男性の方が悟空でしたよね?」

「ああ。恐らく、こちらの情報を盗まれた」

「…え、えぇ!?ど、どういう…」

「ほんの少しだったが…頭がチクッとしなかったか?」

「あ、はい…でも、気のせいかなって無視したんですけど…」

「…雷鳴、あの女性は恐らく覚醒者だ。
それも、ランクを付けるのであれば…そうだな、Sランクだろう」

「そ、そんなに強いのですか?」

「強いというより…それだけ厄介ってことだな。悟空と呼ばれた兄の方が強いのは確かだが…雷の速度で移動したり、攻撃したり…そういうのも可能なんだ。
外国にも1人いるんだが…その人は、Bランクだった。あまり、強くない訳だが…
ただ、あの女性は別。
あの力を正しく使うことができていた…
恐らく、電脳…つまり、電気を伝って情報を抜き出す事も出来るんだろう…」

「…機械のハッキングみたいなものですか?」

「ああ」

「な、なるほど…それを、人間相手にもできると…」

「それと、あの2人の電話を取った人からの情報によると…直接でも、間接でも関係なしに繋げられるらしい…
つまり、情報を得るにはもってこいの能力…
彼女が司令塔であるなら、彼は恐らく軍事を持ってしてでも世界最強だ」

「…あれ、ですが待って下さい」

「なんだ?」

「いや、多分なんですけど…彼と一瞬目が合った時、危機感知が発動したんです。ほんの一瞬なんですが…
その時、多分僕の情報も…」

「…!なるほど…2人の策がわかった。
おそらく、彼が相手のステータスなどを読み取り、彼女がその情報を分析…
といった感じだ。
これならば、対モンスターであっても…」

「…確実な情報を得られる…」

「しかも、相手に情報を与える程こちらが不利になる訳だが…
それを問答無用で行われる」

「…化け物ですね」

「だろうな」
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