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40. 呪いの発生

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「はぁ…はぁ…きっつ…くそ…体が重いからかいつもより体力の消耗が早い…」

それにしても、本当に何も無いな…
薄暗いが、外からの光がまだ入ってきていて、全体は薄らと見えているし…

「…ん?生気の心眼が一瞬発動した?
…周りには生物は居ないようだが…反応だけなら、もしかしたらアンデッドの可能性もなくはないが…」

だが、その場合はその部分が黒く染まるんだが…うーん、ここら辺を重点的に探してみるか…

「キョロッ…ん!?…この角度か?…やっぱり、ここに透明の何かがある…これを感知したのか?」

「…お前は誰だ?」

「あ?」

…!?なっ…これは…鏡!?な、なんでここに…!
てか、なんで鏡が喋って…

「ビクッ…まじかよ」

…鏡じゃない、これは…実際に俺とは別の動きをしているのか…
っつうことは、このダンジョンは…マジで呪われたダンジョンってわけか。

「…だが、まさか西洋の呪いもあるとは…ドッペルゲンガーってやつか?」

『呪いの正体を突き止めました。
1つの呪いが呪縛から解放されました』

「!…なるほど、そういうことか…このダンジョンは、2つの攻略方法が存在している…
1個は正攻法、そして…もうひとつは…
呪いを全て解き明かせって訳か…っつうことは、あの手も何かの呪いで間違いなさそうだ…適当に言ってみるか。
えー…神隠し」

「…見るな」

「!?…こいつは初めての反応だな…振り返ってはいけない…
もしかして…見返り橋!」

『忘れ去られた呪いが再び存在を現しました。話しかけて下さい』

「…話しかける?」

「見るな、見るな…振り返ってはいけない」

「見たんだが?」

「…み、見るな…」

「みてるんだが…」

「…急げ、急げ」

「?…一体…!?し、心眼が暴走してる!?」

「白き手、白き手
伸びては捉え
引き摺る、引き摺る…
見るな、見るな、振り返ってはいけない
見るな、見るな…
この道、渡れ」

「!…なるほど、そこか!」

「!…見るな、見るな
白き手は増える
呪いよ、呪いよ
静まり返れ」

「…なるほど、見返り橋の和服の傷女…
これが、犯人…いや、呪いを止める正体となった幽霊、か」

「見るな、見るな
急いで渡れ
見るな、見るな
来る手、来る手
迫り来る
走れ、走れ
白き手
逃げろ、逃げろ
捕まる前に」

「…折角なんだ…すまんが、スキル獲得とさせてもらう!」

ザシュッ…動けないなら…黒腕武装!呪いを1箇所に集めて…自分の力に!

「そぉいっ!」

「走れ、走れ
この道見るな
帰るな、帰るな
呪いが迫る」

「…チッ…胸糞悪ぃな…おい、そこの!てめぇもう役目終えてんだろ!
いつまで続ける気だ!」

「ポロッ…見るな、見るな
未来よ進め
見るな、見るな
過去を越え」

「!…まさか、過去の境界線とでも、言いたいようだが…なるほど、あのドッペルゲンガーの位置は丁度半分…
はっ!わっかりにくい仕掛けだな!」

「見るな、見るな
急いで渡れ」

…このダンジョンの答え、それは…寧ろ後ろに飛び込む!

「呪いが…どうした!おらおら!勢いよえぇなぁ!」

「ありがとう、ありがとう
見つけてくれた
過去は、過去は
大切に
忘れる、記憶
忘れる、歴史
守れ、守れ
全てが現実
遠くへ、遠くへ
また逢う日まで」

『忘れ去られた黒き手の本質を完全に解読し、元ある形に修繕しました。
これにより、呪いが解放されます』

「…さぁて、それじゃあ…行こうか。えー…正攻法の道はこっちだな」

…ふぅ、さてと…もう出口か…

「チリンッ」

「…!…か、神隠し!」

『呪いの正体を解き明かしました。これより、最終呪縛霊として存在を明らかにします』

「…ここからが本当のステージって訳か」

…神社ステージ…くっそこりゃ不味ったな…

『忘れ去られた神社の入場券を獲得しました。
入場回数は、1回までです。
裏・三峰ダンジョン攻略完了!
現実に戻ります』
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