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56. 仙気

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「このよう雑魚の力を小僧に真似させるのも難儀なものだが…仙人ともなれば、仙気と呼ばれる力を使うのだ。
それが…ブオンッ(オーラ可視化)…このような低俗な力だ。
だが、まぁ…これも下賎な者共にとっては、使えるものなのだろうな…」

仙気…ググッ…うーん、動かない…感覚は、何となく掴めたが…

「動かすのでは無い。力に流れを作るのだ。
仙人の操る力は、流れに従って動くのだ」

流れ…

「仙気を意識しつつ、正しき流れに従い…動かす。
ふむ、名を付けるならば…正流仙技、とでも名付けようか。
我が魅せるこれは、相手に仙気を自慢する時に使ったのだが…これは、正しき流れに従えば…
スルッ(攻撃を去なす)…
攻撃を去なすことも…
フワッ(相手を浮かす)…
相手を血に伏せさせる事も出来る」

綺麗だな…

「うむ!もっと褒めよ!」

「ガハッ…い、一体何が…」

スゥゥ…こ、こんな感じか?

「ふぅむ…まぁ、及第点か。
だが、これはまだ始まりに過ぎぬ。
我ほどの上仙ともなれば…
仙気のさらに上、神通力と呼ばれる力を使う。
筋斗雲は、今回は特別に使わせてやったが…今後は、我を呼ばぬ限りは使えぬ。如意棒もだ」

神通力、ねぇ…どういう力なんだ?

「今小僧が使えば、力に肉体が耐え切れず、破裂するだろうな」

うん、取り敢えず使用はやめておこう。

「して、ここからは実践といこう。
小僧、此奴の相手をしてやれ」

「…おう!」

「…フンッ…仙気も操れぬ小僧が、我に勝とうとは。片腹痛いわ!」

「スルッ…流れを意識する」

「なっ…」

ふぅむ…ある程度感覚は掴めるが…まだ、動きに無駄があらのか違和感が残るな…

〚我の如く、無我の境地に至ることができればそのようなことにはならぬのだが…
ふむ、そうだな…少し難しいだろうが…肉体を動かす時、小僧は動かす事を意識しているだろう?〛

「シュシュッ…(避け続ける)
ああ」

〚それを止め、相手を倒すのに最適な動きというのを意識しろ〛

「相手を倒す為の最適解…ふぅ(集中)」

相手の攻撃に合わせて軌道をずらす…
相手の仙気の動きを読み取り、弱い部分に仙気を当て…体を浮かして、体勢を崩したら…
重い、一撃を!

「ドゴォンッ!!…ふぅっ!はぁ…はぁ…どうだった?」

〚中々良かったぞ。それにしても、凄まじい集中力だったな…中々に素質のある奴だ〛

「ん、ありがとな。
さて…取り敢えず、ドロップアイテムを確認しよう」

〚次へ向かわなくても良いのか?〛

「ああ、まぁ…行くのは行くが、そこまで急ぐ必要はないと思ってな。
それに…ちょっと聞きたいことがあるんだ。
アイテムについてなんだが…なんか、さっき獲得したんだが…」

〚ほう!仙桃を持っているのか!素晴らしい!〛

「これって…なんなんだ?仙松って木にあったんだが…」

〚その実は、1000年に1度宿るものでな。
仙人としての器を増幅させ、強化することの出来る桃なのだ。
だが、仙気の持っていないものが食せば、良くて仙気の獲得、運が悪ければ肉体が耐えきれず、崩壊してしまうのだ〛

「おれは?」

〚我が居るのもあるが…既に、仙人の領域に踏み込んでおる小僧ならば問題なかろう。
だが、気を付けろ。肉体の改造とでも言えるようなものだからな、非常に危険で、相当な痛みが生じる〛

「おう…ガブッ」
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