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本編
魔物の群れ
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「…お父さん、少し良いですか?」
「ん?カムラか。どうしたんだ?」
「門の所に重傷の衛兵が居るんです。なにか急いでいるようだったのですが、用事があるんですか?」
「重傷の衛兵?…少し聞いてこよう。ありがとうな、教えてくれて」
…さてと、それじゃあ俺は上から見てみるか。
「俺の部屋は3階だから窓から屋根に乗り移れるよな。そこから街の外を確認しよう」
「少し危ねぇぞ」
「危険も承知だ。だが、嫌な予感がどんどん強くなってる状況なら仕方ない」
「直感の効果か」
「…さてと、登ろうか。…よっと、ふぅ…中々にしんどい。だが…これはいい成果が得られそうだな。ついでだし、新しく覚えたものを使ってみよう」
『気配察知』
「…これは、森の中に複数体の反応か?」
「…ゴブリンの群れだ。ここまで多いと…やっぱ、上位種も混じってるな」
『夜目を覚えました。
鷹の目を覚えました。』
「鷹の目?」
「遠くを見るスキルだな」
『鷹の目、夜目』
「…おお!これは見やすいな。弓使う時とかにも使えそうだ…だが、やっぱこれは厄介だな」
「どうする?こっそり抜ければスキルを取得し放題だぞ」
「…無理だとわかってて言ってるだろ?それ…まぁ、安心しろ。幾らでも手段はある…一旦お父さんの所に行くぞ」
「…カムラ。衛兵から、森でゴブリンの群れに襲われたと報告があった。俺は討伐隊に入るから、大人しくしておいてくれ」
「…大丈夫です、この屋敷に留まっておきます」
「そうか、すまないな」
『隠密、縮地』
〘隠密を覚えました。
縮地を覚えました。〙
「…執事さん、森に行ってきますね。お父さんには秘密にしておいてください」
「分かりました。行ってらっしゃいませ」
『隠密、縮地、気配察知』
「…なぁ、なんか変じゃないか?なんであんなに簡単に外に出れるんだ?」
「…あわよくば森で死んで欲しいって思ったからじゃないか?幸い、お父さんは俺に優しく接してくれているが、他の使用人達は俺のことを嫌ってるからな。それも、死んでほしいと思うくらいに。
なら、死ぬ確率があるこんな時こそ許可も直ぐに出せるだろ」
「…面倒な家に居るんだな」
「ま、それこそありがてぇけどな。おかげでこうやって普段からある程度自由に動けてるんだし」
「…おい、もう魔物の近くまで来てるがどうすんだ?」
「そりゃもちろん、戦うに決まってるだろ。お父さんの方には近付かずにある程度こっちで討伐して、もし近付いてきたらここから逃げる。そんな感じで数を減らしていく」
「召喚獣は?」
「痕跡が残るからダメだ。さてと…そんじゃ、始めていくぞ。今回は危険じゃない限りは極力スキルに頼らずにやってみよう」
ザシュッ…うん、スキルなしでもちゃんと切れるな。
『土属性魔法を獲得しました』
「お、新しい属性が増えたな。この調子でどんどん倒していくぞ」
『剣術﹣中﹣に進化しました』
「あれ、剣なんて使ってないぞ?」
「あー、相手の剣術を獲得して、小が何個か統合されたんだろ」
「なるほど」
『棒術﹣小﹣を獲得しました』
「そういや、棒術使ってるところ見た事ないな」
「群れが出来ねぇ限りそうそう棒術なんてのは使わねぇな。剣術は、恐らく冒険者の死体や倒した冒険者から武器を奪ってそれで戦ってたんだろ」
「なるほど、ゴブリンは低知能ってことか。お?今倒したの普通のゴブリンと違うな」
『治癒魔法を獲得しました。
水属性魔法を獲得しました。
風属性魔法を獲得しました。』
「お?一気に何個か増えたな」
「ゴブリンクレリック、ゴブリンの上位種の内の1つで味方回復する。
ゴブリンメイジ、ゴブリンの上位種の内の1つで魔法を2種類以上使用する」
「なるほど、これが上位種か。所詮はゴブリンって感じだな」
「なんなら、数が多い所を一気に攻めるか?」
「そうだな、そうするか」
となると…進行しているど真ん中に行くか。
『瞬歩に進化しました』
「お、縮地が進化したか。これは楽だな」
「見えてきたぞ」
『抜刀術﹣一閃﹣』
「お、技名を短縮してみたがこれでも使えるみたいだな」
『詠唱短縮を覚えました。』
「別に態々技名を口にする必要はねぇんじゃねぇのか?」
「…それもそうだな。ザシュッ…んー、ちゃんと使えるよな」
『詠唱破棄に進化しました。
剣鬼Lv.1に進化しました。
棒術﹣中﹣に進化しました。
侍Lv.1に進化しました。
魔術師Lv.1に進化しました。』
「…なんか色々と追加されたな?」
「お、順調だな。ジョブが増えていってるぞ」
「ジョブ?」
「ああ、剣術を技術とするなら、剣鬼はそれを職としている者だな。他も同じようなものだが…基本的に、魔術師は出てこねぇけどな」
「魔術師はどんな条件下で出てくるんだ?」
「全属性を持ったら出てくる。スキルは基本1つしか貰えねぇから早々出てこねぇな」
「だったらどういう時に出てくるんだ?」
「そりゃ勿論…全属性魔法がスキルとして貰えた時しかねぇだろ」
「あー、賢者と呼ばれるような人がそれなのか」
「賢者は魔術師の最終進化先だがな」
「うへぇ、道程は長いな」
『追跡者Lv.1に進化しました。
棒術﹣大﹣に進化しました。』
「といっても…やっぱゴブリン程度だと同じスキルしか出てこねぇな」
「グォォォ!」
「お?なんか強そうな奴が来たな」
「上位種が更に進化した先、手下のホブゴブリンとゴブリンの最終進化先のゴブリンキングだな」
「倒せそうか?」
「まあ、スキルを使えば行けるんじゃないか?」
「なら、倒す」
『侍﹣千本桜﹣』
「…雰囲気大事にしてるな?」
「…こっちの方がかっこよくないか?」
「まあ、どうでもいいけどよ」
『剣姫Lv.1に特殊進化しました。
威圧を獲得しました。
重剣士Lv.5を獲得しました。
統率者Lv.2を獲得しました。
指揮を獲得しました』
「…なぁ、俺って男だよな?」
「あー、剣姫に性別は関係ねぇぞ?剣姫は、いかに綺麗に、美しく、静かに強敵を殲滅できるかが条件になる。
さっきのが条件だったんだろうな。ちなみに剣姫は侍の特殊進化だ」
「あ、そっちなんだな…んー、それにしても…ゴブリンキングのスキルは4つだけか」
「多い方だからな?ゴブリンにしてはだが」
「まあ、それもそうか。…っと、そろそろ誰か来そうだから逃げるぞ」
「もう戦果は十分か?」
「んー、まあこれ以上居てもスキルの強化しか入りそうにないしな」
「それもそうか」
「ん?カムラか。どうしたんだ?」
「門の所に重傷の衛兵が居るんです。なにか急いでいるようだったのですが、用事があるんですか?」
「重傷の衛兵?…少し聞いてこよう。ありがとうな、教えてくれて」
…さてと、それじゃあ俺は上から見てみるか。
「俺の部屋は3階だから窓から屋根に乗り移れるよな。そこから街の外を確認しよう」
「少し危ねぇぞ」
「危険も承知だ。だが、嫌な予感がどんどん強くなってる状況なら仕方ない」
「直感の効果か」
「…さてと、登ろうか。…よっと、ふぅ…中々にしんどい。だが…これはいい成果が得られそうだな。ついでだし、新しく覚えたものを使ってみよう」
『気配察知』
「…これは、森の中に複数体の反応か?」
「…ゴブリンの群れだ。ここまで多いと…やっぱ、上位種も混じってるな」
『夜目を覚えました。
鷹の目を覚えました。』
「鷹の目?」
「遠くを見るスキルだな」
『鷹の目、夜目』
「…おお!これは見やすいな。弓使う時とかにも使えそうだ…だが、やっぱこれは厄介だな」
「どうする?こっそり抜ければスキルを取得し放題だぞ」
「…無理だとわかってて言ってるだろ?それ…まぁ、安心しろ。幾らでも手段はある…一旦お父さんの所に行くぞ」
「…カムラ。衛兵から、森でゴブリンの群れに襲われたと報告があった。俺は討伐隊に入るから、大人しくしておいてくれ」
「…大丈夫です、この屋敷に留まっておきます」
「そうか、すまないな」
『隠密、縮地』
〘隠密を覚えました。
縮地を覚えました。〙
「…執事さん、森に行ってきますね。お父さんには秘密にしておいてください」
「分かりました。行ってらっしゃいませ」
『隠密、縮地、気配察知』
「…なぁ、なんか変じゃないか?なんであんなに簡単に外に出れるんだ?」
「…あわよくば森で死んで欲しいって思ったからじゃないか?幸い、お父さんは俺に優しく接してくれているが、他の使用人達は俺のことを嫌ってるからな。それも、死んでほしいと思うくらいに。
なら、死ぬ確率があるこんな時こそ許可も直ぐに出せるだろ」
「…面倒な家に居るんだな」
「ま、それこそありがてぇけどな。おかげでこうやって普段からある程度自由に動けてるんだし」
「…おい、もう魔物の近くまで来てるがどうすんだ?」
「そりゃもちろん、戦うに決まってるだろ。お父さんの方には近付かずにある程度こっちで討伐して、もし近付いてきたらここから逃げる。そんな感じで数を減らしていく」
「召喚獣は?」
「痕跡が残るからダメだ。さてと…そんじゃ、始めていくぞ。今回は危険じゃない限りは極力スキルに頼らずにやってみよう」
ザシュッ…うん、スキルなしでもちゃんと切れるな。
『土属性魔法を獲得しました』
「お、新しい属性が増えたな。この調子でどんどん倒していくぞ」
『剣術﹣中﹣に進化しました』
「あれ、剣なんて使ってないぞ?」
「あー、相手の剣術を獲得して、小が何個か統合されたんだろ」
「なるほど」
『棒術﹣小﹣を獲得しました』
「そういや、棒術使ってるところ見た事ないな」
「群れが出来ねぇ限りそうそう棒術なんてのは使わねぇな。剣術は、恐らく冒険者の死体や倒した冒険者から武器を奪ってそれで戦ってたんだろ」
「なるほど、ゴブリンは低知能ってことか。お?今倒したの普通のゴブリンと違うな」
『治癒魔法を獲得しました。
水属性魔法を獲得しました。
風属性魔法を獲得しました。』
「お?一気に何個か増えたな」
「ゴブリンクレリック、ゴブリンの上位種の内の1つで味方回復する。
ゴブリンメイジ、ゴブリンの上位種の内の1つで魔法を2種類以上使用する」
「なるほど、これが上位種か。所詮はゴブリンって感じだな」
「なんなら、数が多い所を一気に攻めるか?」
「そうだな、そうするか」
となると…進行しているど真ん中に行くか。
『瞬歩に進化しました』
「お、縮地が進化したか。これは楽だな」
「見えてきたぞ」
『抜刀術﹣一閃﹣』
「お、技名を短縮してみたがこれでも使えるみたいだな」
『詠唱短縮を覚えました。』
「別に態々技名を口にする必要はねぇんじゃねぇのか?」
「…それもそうだな。ザシュッ…んー、ちゃんと使えるよな」
『詠唱破棄に進化しました。
剣鬼Lv.1に進化しました。
棒術﹣中﹣に進化しました。
侍Lv.1に進化しました。
魔術師Lv.1に進化しました。』
「…なんか色々と追加されたな?」
「お、順調だな。ジョブが増えていってるぞ」
「ジョブ?」
「ああ、剣術を技術とするなら、剣鬼はそれを職としている者だな。他も同じようなものだが…基本的に、魔術師は出てこねぇけどな」
「魔術師はどんな条件下で出てくるんだ?」
「全属性を持ったら出てくる。スキルは基本1つしか貰えねぇから早々出てこねぇな」
「だったらどういう時に出てくるんだ?」
「そりゃ勿論…全属性魔法がスキルとして貰えた時しかねぇだろ」
「あー、賢者と呼ばれるような人がそれなのか」
「賢者は魔術師の最終進化先だがな」
「うへぇ、道程は長いな」
『追跡者Lv.1に進化しました。
棒術﹣大﹣に進化しました。』
「といっても…やっぱゴブリン程度だと同じスキルしか出てこねぇな」
「グォォォ!」
「お?なんか強そうな奴が来たな」
「上位種が更に進化した先、手下のホブゴブリンとゴブリンの最終進化先のゴブリンキングだな」
「倒せそうか?」
「まあ、スキルを使えば行けるんじゃないか?」
「なら、倒す」
『侍﹣千本桜﹣』
「…雰囲気大事にしてるな?」
「…こっちの方がかっこよくないか?」
「まあ、どうでもいいけどよ」
『剣姫Lv.1に特殊進化しました。
威圧を獲得しました。
重剣士Lv.5を獲得しました。
統率者Lv.2を獲得しました。
指揮を獲得しました』
「…なぁ、俺って男だよな?」
「あー、剣姫に性別は関係ねぇぞ?剣姫は、いかに綺麗に、美しく、静かに強敵を殲滅できるかが条件になる。
さっきのが条件だったんだろうな。ちなみに剣姫は侍の特殊進化だ」
「あ、そっちなんだな…んー、それにしても…ゴブリンキングのスキルは4つだけか」
「多い方だからな?ゴブリンにしてはだが」
「まあ、それもそうか。…っと、そろそろ誰か来そうだから逃げるぞ」
「もう戦果は十分か?」
「んー、まあこれ以上居てもスキルの強化しか入りそうにないしな」
「それもそうか」
応援ありがとうございます!
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