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恋人たちの秘密

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「キミはボクにかくしごとなんかしてないよね?」
サタケシンスケが糾弾するように、恋人のメイカに詰め寄った。
「もし、してたら?」
「そうだなあ」
サタケが意味ありげに間をもたせた。
「罰を受けてもらおうかな」
「じゃあ、あなたに秘密が発覚したら?」
「どうにでもしてくれ」
サタケが胸を張った。

それから三か月ほどは何もなかった。
「ワタシ、あなた以外の人を好きになって
しまったの」
だが、メイカの突然の告白にサタケは
驚きを隠せなかった。
「一体、誰を」
「別人格のあなたよ」
「何だって」
「知らないうちにあなた他のひとに
なっちゃってることがあるのよ」
「まっ、いいか」
「ゴメンね」
メイカは素直に謝った。
「でも、罰は受けてもらう」
「なに」
「それは、つまりボクももれなくついて
くるっていうか」
「なるほど、そりゃ、そうね。考え
なかったわ」
メイカは大きなため息をひとつついた。
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