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19.笑顔一つで
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「ヒィアァ~~~~~~~~~ンンンン・・・」
多分若者にしか聞き取れない、超音波クラスの女性達の悲鳴が乱れ飛ぶ。
「いや~~~ん、怪しい、時が止まるぅ・・」
「眼福が過ぎて鼻血が、鼻血が・・・ッ」
「え~~、見つめ合うとかァ~~ど~ゆ~関係~~!?」
「なっ、何なのでしょう、この状況は・・・ッ!?」
是非、俺も知りたい。
目隠しになってくれるはずの人垣は、まるでプロの警備員が交通整理したかのように、俺と吉田君との間に道を作るように左右に分かれ、結果、フェンスを挟んではいるものの俺と吉田君の間には視覚的には何も遮るものがなく。
俺達は真正面に向き合い、真正面に見つめ合っている。
――様に見えるのかもしれないが・・・
吉田君の清らかすぎる瞳に見つめられると、俺は身動きが取れなくなり、その瞳にくぎ付けになってしまうので、見つめ合ってる様に見えてるだけで、実際は単に俺が吉田君に捕まっている状態、と言える。
強力な、瞳の拘束・・・
そして案の定、吉田君は俺を凝視したまま無言で、微動だにしない。
林の如く、山の如し・・・
ええと・・・
俺、どうしたらいいんだ?
どうしたいんだ?吉田君。
このままでは埒が明かない。
吉田君は永遠に俺を凝視し続ける気かもしれない。
もしくは何か行動を起こすとしても俺の許容範囲を遥かに超えた度肝を抜く何かな気がしてならない。
いや、きっとそうだ。
ソッチの方が恐い。
謎の生物の予想できない攻撃をまともに食らう勇気はない。
仕方ない。
俺から動くぞ。
俺は右手を軽く上げ、精一杯の笑顔で叫ぶ。
「や・・、やぁ! 応援に来たよ! ガンバレ、吉田君!」
どうか間違ってませんように・・・!
・・トッ・・・
吉田君が目を瞠りその手からボールを落とす。
「・・ヒァッ・・」
超音波悲鳴を吹き上げ、女子がバタバタと倒れる。
・・・なっ!?
俺は、何を間違った!?
「だ、大丈夫ですか!? 大丈・・・はっ・・!?」
倒れた女子を救助しようとしたけど、俺は見てはいけないものを見た気がして思わず後ずさる。
だって、女の子が・・その可愛らしい口を半開きにしてヨダレを垂らしてる・・・
表情は・・この上なく幸せそうに笑っている・・・
さらにショートパンツの股間が濡れて・・・え、失禁!?
え、どうしよう? どうし・・・それにしても・・・何か・・非常にエロい・・
グゥイッ!!
「!?」
強く腕を引かれ 振り返ると小池の強い視線に出会う。ヒィッ!?さっきまでワンだったはずなのに、いつの間にガルルに・・・
「ダメ・・・ソッチには行かせませんよ。
女なんか覚えたら、あれん先輩の場合行ったっきりの確率が高い・・・」
「は? 何言って・・・と、とにかく救助・・・」
「これ以上幸せにしてやる気ですか? ほっときゃいいんです。
彼女達はキュン死中・・・すぐ復活するから大丈夫。
全く・・・笑顔一つで何人の女イかせてるんですか・・・」
などと事実無根な事を言いながら今度は吉田君の方を向き、
「吉田君! 何やってんだよ!? 試合中だろ!?
よそ見してないでサッサとスローイン・・・審判さん! ちゃんと注意して下さい!試合止まってますよ!」 大人(審判さん)にまで注意している。
こ、小池はすごいな。
何か一番大人に見える・・・
それにしても・・・「キュン死」か・・・
やたら青春臭のするワードが飛び出たな。
俺の中では“俺には一生無縁の言葉”に分類されてきたから何かちょっと感動だな。
「・・・・・・」
顔を俺に向けたまま、吉田君がスローインする。
いや、よそ見が過ぎる。顔だけコッチ見てるって、ルール的にどうなん?
第一マトモに前に飛ばな・・・あ?
ちゃんと森口高チームの先輩の正面に届いた・・スゴ・・・
ああ!? なのに先輩の顔面にボールがヒット・・・ちょ・・
何で先輩も俺見てんだよ!?
「何やってんだ?ちゃんとやれ!!」
――テレビでのサッカー観戦のノリで思わず叫んでしまった・・・
実は俺、サッカーの試合見るの好きで・・・
一瞬で熱くなってしまった・・・ヤバい。
先輩よりも、後輩(吉田君)が恐い・・・
吉田君に視線を向けると、
ニコッ
「!!??」
え? 笑った!?
吉田君が!?
何か・・・うれしそうに・・・
ちょっと・・・照れたように・・
ちょ・・・
ちょっと~~~~~~、吉田く~~~~~~~ん!!!
ッも~~~~~~、吉田く~~~~~~~ん!!!
うあぁもう、俺~~~~~~???
多分俺は今、メチャメチャ赤面してる!
色んな汗かいてる!!
なっ・・・何で・・・!?
笑顔・・・一つで・・・・
ドキッ ドキッ ドキッドキッドキッドキッドッドッドッドッ・・・・
あ・・ダメ・・・
俺、キュン死しそう・・・ッ
多分若者にしか聞き取れない、超音波クラスの女性達の悲鳴が乱れ飛ぶ。
「いや~~~ん、怪しい、時が止まるぅ・・」
「眼福が過ぎて鼻血が、鼻血が・・・ッ」
「え~~、見つめ合うとかァ~~ど~ゆ~関係~~!?」
「なっ、何なのでしょう、この状況は・・・ッ!?」
是非、俺も知りたい。
目隠しになってくれるはずの人垣は、まるでプロの警備員が交通整理したかのように、俺と吉田君との間に道を作るように左右に分かれ、結果、フェンスを挟んではいるものの俺と吉田君の間には視覚的には何も遮るものがなく。
俺達は真正面に向き合い、真正面に見つめ合っている。
――様に見えるのかもしれないが・・・
吉田君の清らかすぎる瞳に見つめられると、俺は身動きが取れなくなり、その瞳にくぎ付けになってしまうので、見つめ合ってる様に見えてるだけで、実際は単に俺が吉田君に捕まっている状態、と言える。
強力な、瞳の拘束・・・
そして案の定、吉田君は俺を凝視したまま無言で、微動だにしない。
林の如く、山の如し・・・
ええと・・・
俺、どうしたらいいんだ?
どうしたいんだ?吉田君。
このままでは埒が明かない。
吉田君は永遠に俺を凝視し続ける気かもしれない。
もしくは何か行動を起こすとしても俺の許容範囲を遥かに超えた度肝を抜く何かな気がしてならない。
いや、きっとそうだ。
ソッチの方が恐い。
謎の生物の予想できない攻撃をまともに食らう勇気はない。
仕方ない。
俺から動くぞ。
俺は右手を軽く上げ、精一杯の笑顔で叫ぶ。
「や・・、やぁ! 応援に来たよ! ガンバレ、吉田君!」
どうか間違ってませんように・・・!
・・トッ・・・
吉田君が目を瞠りその手からボールを落とす。
「・・ヒァッ・・」
超音波悲鳴を吹き上げ、女子がバタバタと倒れる。
・・・なっ!?
俺は、何を間違った!?
「だ、大丈夫ですか!? 大丈・・・はっ・・!?」
倒れた女子を救助しようとしたけど、俺は見てはいけないものを見た気がして思わず後ずさる。
だって、女の子が・・その可愛らしい口を半開きにしてヨダレを垂らしてる・・・
表情は・・この上なく幸せそうに笑っている・・・
さらにショートパンツの股間が濡れて・・・え、失禁!?
え、どうしよう? どうし・・・それにしても・・・何か・・非常にエロい・・
グゥイッ!!
「!?」
強く腕を引かれ 振り返ると小池の強い視線に出会う。ヒィッ!?さっきまでワンだったはずなのに、いつの間にガルルに・・・
「ダメ・・・ソッチには行かせませんよ。
女なんか覚えたら、あれん先輩の場合行ったっきりの確率が高い・・・」
「は? 何言って・・・と、とにかく救助・・・」
「これ以上幸せにしてやる気ですか? ほっときゃいいんです。
彼女達はキュン死中・・・すぐ復活するから大丈夫。
全く・・・笑顔一つで何人の女イかせてるんですか・・・」
などと事実無根な事を言いながら今度は吉田君の方を向き、
「吉田君! 何やってんだよ!? 試合中だろ!?
よそ見してないでサッサとスローイン・・・審判さん! ちゃんと注意して下さい!試合止まってますよ!」 大人(審判さん)にまで注意している。
こ、小池はすごいな。
何か一番大人に見える・・・
それにしても・・・「キュン死」か・・・
やたら青春臭のするワードが飛び出たな。
俺の中では“俺には一生無縁の言葉”に分類されてきたから何かちょっと感動だな。
「・・・・・・」
顔を俺に向けたまま、吉田君がスローインする。
いや、よそ見が過ぎる。顔だけコッチ見てるって、ルール的にどうなん?
第一マトモに前に飛ばな・・・あ?
ちゃんと森口高チームの先輩の正面に届いた・・スゴ・・・
ああ!? なのに先輩の顔面にボールがヒット・・・ちょ・・
何で先輩も俺見てんだよ!?
「何やってんだ?ちゃんとやれ!!」
――テレビでのサッカー観戦のノリで思わず叫んでしまった・・・
実は俺、サッカーの試合見るの好きで・・・
一瞬で熱くなってしまった・・・ヤバい。
先輩よりも、後輩(吉田君)が恐い・・・
吉田君に視線を向けると、
ニコッ
「!!??」
え? 笑った!?
吉田君が!?
何か・・・うれしそうに・・・
ちょっと・・・照れたように・・
ちょ・・・
ちょっと~~~~~~、吉田く~~~~~~~ん!!!
ッも~~~~~~、吉田く~~~~~~~ん!!!
うあぁもう、俺~~~~~~???
多分俺は今、メチャメチャ赤面してる!
色んな汗かいてる!!
なっ・・・何で・・・!?
笑顔・・・一つで・・・・
ドキッ ドキッ ドキッドキッドキッドキッドッドッドッドッ・・・・
あ・・ダメ・・・
俺、キュン死しそう・・・ッ
応援ありがとうございます!
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