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38.叔父はシロ?
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――― 叔父は、ユニを殺したんだろうか? ―――
そうでなければ、俺の命が終わろうとしていたあの時に、偶然ユニが事故か何かで死に、偶然他の待機者の都合がつかず、俺に移植されたことになる。
そんなはず無いだろう。
叔父の母が俺の祖父と結婚したのは、第一のフェムトと第二のフェムト、この二つの王族の血を受け継ぐ子孫を作る為。 だが結局待望の子孫は生まれなかった。 相性が悪いんだろう。 いまだに諦めず色々試しているらしい・・・恐ろしい。
そんな母親の考えを受け継いでいるであろう叔父が、第三のフェムトである可能性を持ったユニの命星を俺に移植させようと考えても不思議はない ――― と思ったのだが、叔父のあの様子からすると・・・違うのか・・・
「あ・・あの・・モル様、 談話室はこちら、そのドアになります。」
考えながら歩いていると、叔父の部下が声を掛けて来る。
「談話・・・ あぁ、犬か・・」
忘れていた。 麻酔銃で眠らされたモルちゃんは目覚めただろうか?
「クゥ~~ン」 スリスリ・・ ペロペロ・・
犬はボンヤリした様子で、俺が近付くと甘える仕草を見せるが、まだ立ち上がる事が出来ない。 ・・・・本当にデカいな!
「・・はぁ~~~、こうして見ると、可愛いですね。」
「ハハッ、お前、男も女もデカいのが好きだからな!」
「オイ、モル様の前で失礼だろ!」
叔父の3人の部下がゴチャゴチャ言っている。 ・・・本当に訓練がなっていない。 あの厳しい叔父の部下とはとても思えない。
「君達は、この犬を見るのは初めてか? 3~5年ぐらい前に見た事は?」
と訊いてみると、リーダーっぽいのが答える。
「私達は皆、2年と11ヶ月前にこちらに雇われました。 ですので、3年以上前の事となると分かりかねます。」
・・・やはり怪しい。 3年以上前の事を知っている者達を排除したように見える。
「モル様はケルビン様に感じが似ていらっしゃいますね! ご子息のパスカル様より似ておいでのようです。 だからこそケルビン様にとってモル様は特別で、我ら数名の部下しかお入れしないこの城に、モル様だけはお招きになったのですね!」
俺と叔父の間に血縁関係は無いという事すら知らないのか・・・コイツラからは情報を得られそうに無いな。
ちなみにパスカルとは叔父の長男(23才)。 叔父は結婚することなく、自分の遺伝子のみで4人の子供をもうけた。
遺伝子のみの子作りは同性カップルやシングルの悲願だった為、研究が進み、30年ほど前から可能になったそうだ。 ただのコピーにならない様に出来る画期的な技術が開発され、実用可能になったという。
・・・研究が進む分野と置き去りにされる分野・・・理不尽感がつきまとう。
「モル様をお送りするよう命じられております。 どうされますか? 犬が完全復活するまでお待ちになるなら・・・コーヒーなど如何ですか? 実は私、以前はシティで有名なバリスタだったのですが・・・」
「時間が無いのですぐに失礼する。 犬は運んでくれ。」 と即答する。
「あ・・・ハイ・・・」
シュンとするな。 シャンとしろ。
コーヒー淹れたいならずっとバリスタやってろ!
・・あ。 いけない。
つい心が荒んで不必要に冷たい対応になっているかもしれない・・・
――― なんて反省するようになったのは移植を受けてから・・ユニ成分が作用しているとしか思えない・・・クソッ、ユニに叱られている気がする・・
ユニに叱られては仕方ない。 俺は作り笑いとバレバレかもしれないが一応笑顔を作り、元有名バリスタに一言添える。
「・・親切にどうも。 もし次に機会があったらお願いするよ。」
「えぇッ・・!! は、はいッ!! 喜んでッ!!」
元有名バリスタが目をキラキラさせワントーン高い声で頬を染めて答える。
・・・ほっときゃ良かった・・・
そうでなければ、俺の命が終わろうとしていたあの時に、偶然ユニが事故か何かで死に、偶然他の待機者の都合がつかず、俺に移植されたことになる。
そんなはず無いだろう。
叔父の母が俺の祖父と結婚したのは、第一のフェムトと第二のフェムト、この二つの王族の血を受け継ぐ子孫を作る為。 だが結局待望の子孫は生まれなかった。 相性が悪いんだろう。 いまだに諦めず色々試しているらしい・・・恐ろしい。
そんな母親の考えを受け継いでいるであろう叔父が、第三のフェムトである可能性を持ったユニの命星を俺に移植させようと考えても不思議はない ――― と思ったのだが、叔父のあの様子からすると・・・違うのか・・・
「あ・・あの・・モル様、 談話室はこちら、そのドアになります。」
考えながら歩いていると、叔父の部下が声を掛けて来る。
「談話・・・ あぁ、犬か・・」
忘れていた。 麻酔銃で眠らされたモルちゃんは目覚めただろうか?
「クゥ~~ン」 スリスリ・・ ペロペロ・・
犬はボンヤリした様子で、俺が近付くと甘える仕草を見せるが、まだ立ち上がる事が出来ない。 ・・・・本当にデカいな!
「・・はぁ~~~、こうして見ると、可愛いですね。」
「ハハッ、お前、男も女もデカいのが好きだからな!」
「オイ、モル様の前で失礼だろ!」
叔父の3人の部下がゴチャゴチャ言っている。 ・・・本当に訓練がなっていない。 あの厳しい叔父の部下とはとても思えない。
「君達は、この犬を見るのは初めてか? 3~5年ぐらい前に見た事は?」
と訊いてみると、リーダーっぽいのが答える。
「私達は皆、2年と11ヶ月前にこちらに雇われました。 ですので、3年以上前の事となると分かりかねます。」
・・・やはり怪しい。 3年以上前の事を知っている者達を排除したように見える。
「モル様はケルビン様に感じが似ていらっしゃいますね! ご子息のパスカル様より似ておいでのようです。 だからこそケルビン様にとってモル様は特別で、我ら数名の部下しかお入れしないこの城に、モル様だけはお招きになったのですね!」
俺と叔父の間に血縁関係は無いという事すら知らないのか・・・コイツラからは情報を得られそうに無いな。
ちなみにパスカルとは叔父の長男(23才)。 叔父は結婚することなく、自分の遺伝子のみで4人の子供をもうけた。
遺伝子のみの子作りは同性カップルやシングルの悲願だった為、研究が進み、30年ほど前から可能になったそうだ。 ただのコピーにならない様に出来る画期的な技術が開発され、実用可能になったという。
・・・研究が進む分野と置き去りにされる分野・・・理不尽感がつきまとう。
「モル様をお送りするよう命じられております。 どうされますか? 犬が完全復活するまでお待ちになるなら・・・コーヒーなど如何ですか? 実は私、以前はシティで有名なバリスタだったのですが・・・」
「時間が無いのですぐに失礼する。 犬は運んでくれ。」 と即答する。
「あ・・・ハイ・・・」
シュンとするな。 シャンとしろ。
コーヒー淹れたいならずっとバリスタやってろ!
・・あ。 いけない。
つい心が荒んで不必要に冷たい対応になっているかもしれない・・・
――― なんて反省するようになったのは移植を受けてから・・ユニ成分が作用しているとしか思えない・・・クソッ、ユニに叱られている気がする・・
ユニに叱られては仕方ない。 俺は作り笑いとバレバレかもしれないが一応笑顔を作り、元有名バリスタに一言添える。
「・・親切にどうも。 もし次に機会があったらお願いするよ。」
「えぇッ・・!! は、はいッ!! 喜んでッ!!」
元有名バリスタが目をキラキラさせワントーン高い声で頬を染めて答える。
・・・ほっときゃ良かった・・・
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