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33 王太子の秘密
『光り輝く』王太子、
『光り輝く』国王――
それはアッロガーンス王国の希望の光。
過去、長きにおいて異母きょうだい間やいとこ間などで近親婚を繰り返したアッロガーンス王家は後継問題に悩まされる事態が続いている。
子が生まれにくいのだ。
近親婚をやめて随分経つが未だに後継者を得るには大変な努力を余儀なくされ他の9王国には無い悩みに頭を痛めている。
特に男性に問題が多くこれまで何度も王家の血が途絶える危機に晒されてきた。
そんな中、何代かに1人、絶倫男が生まれるのだ。
アッロガーンス王国にとっては救世主となる絶倫男は『光り輝く』存在として最低でも100人の子を残す。
昼間の騒動の際、テナークスはつい口を滑らせて自分を『光り輝く王太子』だと言ってしまった。
(…アレを聞かれたか…だが、今肯定する訳にはいかない…母上が言っていた…結婚前に知られたら逃げられるから絶対隠せと…)
「…それはアッロガーンス王国に関わること。今ここで軽々しく答えるべきではない」
「婚約者には知る権利があります。大量の側妃を抱えるであろう未来を知っておかねばなりません」
「必要ない!私は側妃を持つつもりなど無い!生涯君だけを愛する!」
薄っぺらい事を言っていることに王太子は気付いていない。
既に婚約者を裏切りクピドゥスを寵愛している男がどの口で言うのか――
「殿下は私1人で100人の子を産めるとお思いですか?」
「エッ…いやそれは…努力すれば…いやう~~ん…何も今考えなくても…」
すぐ目の前の問題なのに先延ばしにしようとする王太子をピウスはじっと見て…
「…卒業パーティーには他国からの来賓もいらっしゃいます。入場だけでも私と出来ないか…パートナーの令嬢に確認して頂きたいのですが」
「‥!‥ああ、分かった!クピドゥスに聞いてみよう!」
話題が『光り輝く王太子』から逸れた事にホッとして王太子は笑顔になる。
「ありがとうございます。お引止めして申し訳ございませんでした」
「エッもういいのか?まだ‥あ、いや。‥では私は行くぞ。忙しいのでな」
問題が解決した様な錯覚を得て元気に馬車に乗り込み去って行く王太子。
「…もうあの男に関わることないんじゃないですか」
斜め後ろから低い声を出す護衛ウィースにピウスはやんわりと返す。
「テナークス殿下の御考えを知った以上、諦める訳にはいかないわ…絶対にね。
――さ、私達も帰りましょう」
そう言って歩き出す美しい人にウィースはもう何も言えない。
馬車の中でも互いに一言も話すことなく馬車は森へと入って行く。
森を抜ければすぐに修道院だ。
静かに窓の外を見ている美しい人は何を考えているのだろう…
昼休みの出来事でいっぱいのウィースは口を開けば想いが溢れてしまいそうで口を真一文字に引き結んでいる。
熱い想いを堪えるウィース。
と、突然馬車の天井からアクーメンが入ってくる。
「失礼します、ピウス姫!」
「まぁ…アク‥」
「アクーメン!どうした!?」
「襲撃です!6人の荒くれ者が進行方向から馬でこちらへ向かっています!」
「タキトゥス!止まれ!」
ウィースは御者を務める部下の1人タキトゥスに停止を命じる。
馬車はすぐに止まったが前方から複数の馬の足音が聞こえてくる。
「6人全てドロースス男爵の手下です!」
アクーメンの報告にピウスが眉を顰める。
「まぁ…何故?男爵令嬢は多分テナークス殿下のお考えを知らない――現時点で彼女にとって私は脅威ではないはずなのに…」
答えが出ないまま荒くれ者達の姿が視界に入る。
『光り輝く』国王――
それはアッロガーンス王国の希望の光。
過去、長きにおいて異母きょうだい間やいとこ間などで近親婚を繰り返したアッロガーンス王家は後継問題に悩まされる事態が続いている。
子が生まれにくいのだ。
近親婚をやめて随分経つが未だに後継者を得るには大変な努力を余儀なくされ他の9王国には無い悩みに頭を痛めている。
特に男性に問題が多くこれまで何度も王家の血が途絶える危機に晒されてきた。
そんな中、何代かに1人、絶倫男が生まれるのだ。
アッロガーンス王国にとっては救世主となる絶倫男は『光り輝く』存在として最低でも100人の子を残す。
昼間の騒動の際、テナークスはつい口を滑らせて自分を『光り輝く王太子』だと言ってしまった。
(…アレを聞かれたか…だが、今肯定する訳にはいかない…母上が言っていた…結婚前に知られたら逃げられるから絶対隠せと…)
「…それはアッロガーンス王国に関わること。今ここで軽々しく答えるべきではない」
「婚約者には知る権利があります。大量の側妃を抱えるであろう未来を知っておかねばなりません」
「必要ない!私は側妃を持つつもりなど無い!生涯君だけを愛する!」
薄っぺらい事を言っていることに王太子は気付いていない。
既に婚約者を裏切りクピドゥスを寵愛している男がどの口で言うのか――
「殿下は私1人で100人の子を産めるとお思いですか?」
「エッ…いやそれは…努力すれば…いやう~~ん…何も今考えなくても…」
すぐ目の前の問題なのに先延ばしにしようとする王太子をピウスはじっと見て…
「…卒業パーティーには他国からの来賓もいらっしゃいます。入場だけでも私と出来ないか…パートナーの令嬢に確認して頂きたいのですが」
「‥!‥ああ、分かった!クピドゥスに聞いてみよう!」
話題が『光り輝く王太子』から逸れた事にホッとして王太子は笑顔になる。
「ありがとうございます。お引止めして申し訳ございませんでした」
「エッもういいのか?まだ‥あ、いや。‥では私は行くぞ。忙しいのでな」
問題が解決した様な錯覚を得て元気に馬車に乗り込み去って行く王太子。
「…もうあの男に関わることないんじゃないですか」
斜め後ろから低い声を出す護衛ウィースにピウスはやんわりと返す。
「テナークス殿下の御考えを知った以上、諦める訳にはいかないわ…絶対にね。
――さ、私達も帰りましょう」
そう言って歩き出す美しい人にウィースはもう何も言えない。
馬車の中でも互いに一言も話すことなく馬車は森へと入って行く。
森を抜ければすぐに修道院だ。
静かに窓の外を見ている美しい人は何を考えているのだろう…
昼休みの出来事でいっぱいのウィースは口を開けば想いが溢れてしまいそうで口を真一文字に引き結んでいる。
熱い想いを堪えるウィース。
と、突然馬車の天井からアクーメンが入ってくる。
「失礼します、ピウス姫!」
「まぁ…アク‥」
「アクーメン!どうした!?」
「襲撃です!6人の荒くれ者が進行方向から馬でこちらへ向かっています!」
「タキトゥス!止まれ!」
ウィースは御者を務める部下の1人タキトゥスに停止を命じる。
馬車はすぐに止まったが前方から複数の馬の足音が聞こえてくる。
「6人全てドロースス男爵の手下です!」
アクーメンの報告にピウスが眉を顰める。
「まぁ…何故?男爵令嬢は多分テナークス殿下のお考えを知らない――現時点で彼女にとって私は脅威ではないはずなのに…」
答えが出ないまま荒くれ者達の姿が視界に入る。
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