あと6日で王太子を振り向かせたい王女は護衛にドキドキしている場合ではない!

ハートリオ

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34 ならず者達の襲撃

ドドドドドドド…

森は整備されており道は広い。

その道幅いっぱいに広がって。騎乗した6人のならず者達が目の前に迫って来る。

「タキトゥス、今だ!」
「はっ!」

ブワッ…
ヒヒ~~~ン!

御者を務めるタキトゥスがウィースの合図でならず者達が乗る馬に向かって植物を投げる。

ブルルッ、食み…
ブルルル、食み食み…

馬達は鼻息荒くその植物を食べ始め…

ゴロ~~ン。

「うわっ」
「何なんだ!?」
「立て!この野郎、ぶっ殺すぞ!」

襲撃する為馬に乗って森を駆けて来たドロースス男爵の手下、6人のならず者達は馬達がゴロンと横になった拍子に振り落とされて地面の上に倒れ込む。

馬達はならず者達の言う事など耳に入らない様子。

「くそっ何を食わせやがった!?毒か!?」

毒を食らったにしては馬達はうっとりしている。

馬達が食べたのは猫にとってのマタタビのような物。

馬達は体を地面に横たえトロンとした目でフンフン、ブルルと鼻を鳴らしている。

――とその時、馬車から走り出す2つの影!

1人は背の高い茶髪の男
もう1人は頭からケープを被っている!

「‥あっ逃げたぞ!」
「お嬢が言ってた護衛と王女だ!」
「待てッおい!追うぞ!」
「ああ、逃がすか!」

もう馬は諦めてならず者達も走って追いかける。

ならず者達は20代前半と若い。
足が速いし元気いっぱい。
獲物を追う野生動物よろしく物凄い勢いで2人を追う。

護衛に守られながら走るケープの人物は足が遅く、茂みの奥でとうとう追いつかれてしまう。

2人を囲むならず者達。

舌なめずりしながらジリジリと2人を追い詰めていく。

「へっへっへ、馬を役立たずにして逃げる――アイデアは良かったけどなぁ?」
「王女様の足じゃ俺等から逃げるなんて無理ってもんよ」
「おい、護衛の坊や、さっさとどっか行けば命までは取らねえ。俺達が用があんのは王女様だけだからな」

「王女殿下に何の用だ」
ウィースが険しい声で問う。

「はっ!決まってんだろう!?たっぷり男を教えてやんのさ!」

いやらしく腰を振りながら1人が答えれば他の男達も次々に…

「王太子殿下より俺等の方が全然いいぜ?王太子はまだ覚えたてで勢いだけ。テクはねえからな…ヒヒッ、王太子よりずっといい気持にしてやるよ!」
「ホラこっち来いよ。大人しく言う事聞きゃ殺しはしねえ」
「さぁ‥先ずは俺様が王女様を女にしてやる‥」
ザンッ
ボトッ

一味のボスらしい男がケープを剥ぎ取ろうと伸ばした手が

地面に落ちた。

「‥あ?‥ああ!?おれ…俺の手がッうわぁ~~~ッ」

膝をついて落ちた手を拾い絶叫した後気絶するボスらしい男。

ぼんやりそれを見る残りの男達は何が起こっているのか分からない。

「てっ、てめえ何を‥」
バサッ!
「「「なあぁ!?」」」

ケープを外した人物は絶世の美女…
ではなく美青年。
黒目黒髪の――
そう、アクーメンだ。

「王女殿下を凌辱しようとは――」
「アクーメン、俺がや‥」
「グワッ」「ヒッ」「ギャァッ」

‥るという前に片付けられてしまったウィース。

「‥待て、4人しかいない!」
「ッ、2人は馬車へ向かったか!」

6人全員で追って来たはずだが。
いつの間にか2人減っている。

「クソッ!ピウス姫に危険が及ばない様に、ピウス姫に暴力を見せない様にと馬車から離れた場所までおびき出したのにッ――」
「戻るぞ!馬車には‥」


馬車にはピウス姫が隠れている――
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