34 / 65
34 ならず者達の襲撃
しおりを挟む
ドドドドドドド…
森は整備されており道は広い。
その道幅いっぱいに広がって。騎乗した6人のならず者達が目の前に迫って来る。
「タキトゥス、今だ!」
「はっ!」
ブワッ…
ヒヒ~~~ン!
御者を務めるタキトゥスがウィースの合図でならず者達が乗る馬に向かって植物を投げる。
ブルルッ、食み…
ブルルル、食み食み…
馬達は鼻息荒くその植物を食べ始め…
ゴロ~~ン。
「うわっ」
「何なんだ!?」
「立て!この野郎、ぶっ殺すぞ!」
襲撃する為馬に乗って森を駆けて来たドロースス男爵の手下、6人のならず者達は馬達がゴロンと横になった拍子に振り落とされて地面の上に倒れ込む。
馬達はならず者達の言う事など耳に入らない様子。
「くそっ何を食わせやがった!?毒か!?」
毒を食らったにしては馬達はうっとりしている。
馬達が食べたのは猫にとってのマタタビのような物。
馬達は体を地面に横たえトロンとした目でフンフン、ブルルと鼻を鳴らしている。
――とその時、馬車から走り出す2つの影!
1人は背の高い茶髪の男
もう1人は頭からケープを被っている!
「‥あっ逃げたぞ!」
「お嬢が言ってた護衛と王女だ!」
「待てッおい!追うぞ!」
「ああ、逃がすか!」
もう馬は諦めてならず者達も走って追いかける。
ならず者達は20代前半と若い。
足が速いし元気いっぱい。
獲物を追う野生動物よろしく物凄い勢いで2人を追う。
護衛に守られながら走るケープの人物は足が遅く、茂みの奥でとうとう追いつかれてしまう。
2人を囲むならず者達。
舌なめずりしながらジリジリと2人を追い詰めていく。
「へっへっへ、馬を役立たずにして逃げる――アイデアは良かったけどなぁ?」
「王女様の足じゃ俺等から逃げるなんて無理ってもんよ」
「おい、護衛の坊や、さっさとどっか行けば命までは取らねえ。俺達が用があんのは王女様だけだからな」
「王女殿下に何の用だ」
ウィースが険しい声で問う。
「はっ!決まってんだろう!?たっぷり男を教えてやんのさ!」
いやらしく腰を振りながら1人が答えれば他の男達も次々に…
「王太子殿下より俺等の方が全然いいぜ?王太子はまだ覚えたてで勢いだけ。テクはねえからな…ヒヒッ、王太子よりずっといい気持にしてやるよ!」
「ホラこっち来いよ。大人しく言う事聞きゃ殺しはしねえ」
「さぁ‥先ずは俺様が王女様を女にしてやる‥」
ザンッ
ボトッ
一味のボスらしい男がケープを剥ぎ取ろうと伸ばした手が
地面に落ちた。
「‥あ?‥ああ!?おれ…俺の手がッうわぁ~~~ッ」
膝をついて落ちた手を拾い絶叫した後気絶するボスらしい男。
ぼんやりそれを見る残りの男達は何が起こっているのか分からない。
「てっ、てめえ何を‥」
バサッ!
「「「なあぁ!?」」」
ケープを外した人物は絶世の美女…
ではなく美青年。
黒目黒髪の――
そう、アクーメンだ。
「王女殿下を凌辱しようとは――」
「アクーメン、俺がや‥」
「グワッ」「ヒッ」「ギャァッ」
‥るという前に片付けられてしまったウィース。
「‥待て、4人しかいない!」
「ッ、2人は馬車へ向かったか!」
6人全員で追って来たはずだが。
いつの間にか2人減っている。
「クソッ!ピウス姫に危険が及ばない様に、ピウス姫に暴力を見せない様にと馬車から離れた場所までおびき出したのにッ――」
「戻るぞ!馬車には‥」
馬車にはピウス姫が隠れている――
森は整備されており道は広い。
その道幅いっぱいに広がって。騎乗した6人のならず者達が目の前に迫って来る。
「タキトゥス、今だ!」
「はっ!」
ブワッ…
ヒヒ~~~ン!
御者を務めるタキトゥスがウィースの合図でならず者達が乗る馬に向かって植物を投げる。
ブルルッ、食み…
ブルルル、食み食み…
馬達は鼻息荒くその植物を食べ始め…
ゴロ~~ン。
「うわっ」
「何なんだ!?」
「立て!この野郎、ぶっ殺すぞ!」
襲撃する為馬に乗って森を駆けて来たドロースス男爵の手下、6人のならず者達は馬達がゴロンと横になった拍子に振り落とされて地面の上に倒れ込む。
馬達はならず者達の言う事など耳に入らない様子。
「くそっ何を食わせやがった!?毒か!?」
毒を食らったにしては馬達はうっとりしている。
馬達が食べたのは猫にとってのマタタビのような物。
馬達は体を地面に横たえトロンとした目でフンフン、ブルルと鼻を鳴らしている。
――とその時、馬車から走り出す2つの影!
1人は背の高い茶髪の男
もう1人は頭からケープを被っている!
「‥あっ逃げたぞ!」
「お嬢が言ってた護衛と王女だ!」
「待てッおい!追うぞ!」
「ああ、逃がすか!」
もう馬は諦めてならず者達も走って追いかける。
ならず者達は20代前半と若い。
足が速いし元気いっぱい。
獲物を追う野生動物よろしく物凄い勢いで2人を追う。
護衛に守られながら走るケープの人物は足が遅く、茂みの奥でとうとう追いつかれてしまう。
2人を囲むならず者達。
舌なめずりしながらジリジリと2人を追い詰めていく。
「へっへっへ、馬を役立たずにして逃げる――アイデアは良かったけどなぁ?」
「王女様の足じゃ俺等から逃げるなんて無理ってもんよ」
「おい、護衛の坊や、さっさとどっか行けば命までは取らねえ。俺達が用があんのは王女様だけだからな」
「王女殿下に何の用だ」
ウィースが険しい声で問う。
「はっ!決まってんだろう!?たっぷり男を教えてやんのさ!」
いやらしく腰を振りながら1人が答えれば他の男達も次々に…
「王太子殿下より俺等の方が全然いいぜ?王太子はまだ覚えたてで勢いだけ。テクはねえからな…ヒヒッ、王太子よりずっといい気持にしてやるよ!」
「ホラこっち来いよ。大人しく言う事聞きゃ殺しはしねえ」
「さぁ‥先ずは俺様が王女様を女にしてやる‥」
ザンッ
ボトッ
一味のボスらしい男がケープを剥ぎ取ろうと伸ばした手が
地面に落ちた。
「‥あ?‥ああ!?おれ…俺の手がッうわぁ~~~ッ」
膝をついて落ちた手を拾い絶叫した後気絶するボスらしい男。
ぼんやりそれを見る残りの男達は何が起こっているのか分からない。
「てっ、てめえ何を‥」
バサッ!
「「「なあぁ!?」」」
ケープを外した人物は絶世の美女…
ではなく美青年。
黒目黒髪の――
そう、アクーメンだ。
「王女殿下を凌辱しようとは――」
「アクーメン、俺がや‥」
「グワッ」「ヒッ」「ギャァッ」
‥るという前に片付けられてしまったウィース。
「‥待て、4人しかいない!」
「ッ、2人は馬車へ向かったか!」
6人全員で追って来たはずだが。
いつの間にか2人減っている。
「クソッ!ピウス姫に危険が及ばない様に、ピウス姫に暴力を見せない様にと馬車から離れた場所までおびき出したのにッ――」
「戻るぞ!馬車には‥」
馬車にはピウス姫が隠れている――
0
あなたにおすすめの小説
【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。
猫屋敷 むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で――
私の願いは一瞬にして踏みにじられました。
母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、
婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。
「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」
まさか――あの優しい彼が?
そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。
子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。
でも、私には、味方など誰もいませんでした。
ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。
白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。
「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」
やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。
それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、
冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。
没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。
これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。
※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ
※わんこが繋ぐ恋物語です
※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ
白い結婚に、猶予を。――冷徹公爵と選び続ける夫婦の話
鷹 綾
恋愛
婚約者である王子から「有能すぎる」と切り捨てられた令嬢エテルナ。
彼女が選んだ新たな居場所は、冷徹と噂される公爵セーブルとの白い結婚だった。
干渉しない。触れない。期待しない。
それは、互いを守るための合理的な選択だったはずなのに――
静かな日常の中で、二人は少しずつ「選び続けている関係」へと変わっていく。
越えない一線に名前を付け、それを“猶予”と呼ぶ二人。
壊すより、急ぐより、今日も隣にいることを選ぶ。
これは、激情ではなく、
確かな意思で育つ夫婦の物語。
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。
猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。
復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。
やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、
勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。
過去の恋、未来の恋、政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。
魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に歩む勇者パーティは、
四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そしてそれぞれの試練を迎え――。
輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私。
けれど魔王討伐の旅路の中で、“仲間を支えるとは何か”に気付き、
やがて――“本当の自分”を見つけていく――。
そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。
※本作の章構成:
第一章:アカデミー&聖女覚醒編
第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編
第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編
※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。
「いらない」と捨てられた令嬢、実は全属性持ちの聖女でした
ゆっこ
恋愛
「リリアーナ・エヴァンス。お前との婚約は破棄する。もう用済み
そう言い放ったのは、五年間想い続けた婚約者――王太子アレクシスさま。
広間に響く冷たい声。貴族たちの視線が一斉に私へ突き刺さる。
「アレクシスさま……どういう、ことでしょうか……?」
震える声で問い返すと、彼は心底嫌そうに眉を顰めた。
「言葉の意味が理解できないのか? ――お前は“無属性”だ。魔法の才能もなければ、聖女の資質もない。王太子妃として役不足だ」
「無……属性?」
【完結】もう辛い片想いは卒業して結婚相手を探そうと思います
ユユ
恋愛
大家族で大富豪の伯爵家に産まれた令嬢には
好きな人がいた。
彼からすれば誰にでも向ける微笑みだったが
令嬢はそれで恋に落ちてしまった。
だけど彼は私を利用するだけで
振り向いてはくれない。
ある日、薬の過剰摂取をして
彼から離れようとした令嬢の話。
* 完結保証付き
* 3万文字未満
* 暇つぶしにご利用下さい
婚約者が妹と結婚したいと言ってきたので、私は身を引こうと決めました
日下奈緒
恋愛
アーリンは皇太子・クリフと婚約をし幸せな生活をしていた。
だがある日、クリフが妹のセシリーと結婚したいと言ってきた。
もしかして、婚約破棄⁉
婚約者の私を見捨てたあなた、もう二度と関わらないので安心して下さい
神崎 ルナ
恋愛
第三王女ロクサーヌには婚約者がいた。騎士団でも有望株のナイシス・ガラット侯爵令息。その美貌もあって人気がある彼との婚約が決められたのは幼いとき。彼には他に優先する幼なじみがいたが、政略結婚だからある程度は仕方ない、と思っていた。だが、王宮が魔導師に襲われ、魔術により天井の一部がロクサーヌへ落ちてきたとき、彼が真っ先に助けに行ったのは幼馴染だという女性だった。その後もロクサーヌのことは見えていないのか、完全にスルーして彼女を抱きかかえて去って行くナイシス。
嘘でしょう。
その後ロクサーヌは一月、目が覚めなかった。
そして目覚めたとき、おとなしやかと言われていたロクサーヌの姿はどこにもなかった。
「ガラット侯爵令息とは婚約破棄? 当然でしょう。それとね私、力が欲しいの」
もう誰かが護ってくれるなんて思わない。
ロクサーヌは力をつけてひとりで生きていこうと誓った。
だがそこへクスコ辺境伯がロクサーヌへ求婚する。
「ぜひ辺境へ来て欲しい」
※時代考証がゆるゆるですm(__)m ご注意くださいm(__)m
総合・恋愛ランキング1位(2025.8.4)hotランキング1位(2025.8.5)になりましたΣ(・ω・ノ)ノ ありがとうございます<(_ _)>
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる