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第一章
07 ステラの提案
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「はい、書類の方、不備なく整っております。
私にはこれを受理、承認する権限がございます。
この場ですぐに承認致しますか?
それとも‥‥」
「「今すぐお願い致します」」
ちょ!
いや、私もそう言いたかったよ?
だがさすがにステラが可哀相かなと思って言わなかったのに‥‥
何でステラとカロンが声を揃えて即答するのだ?
ネッチャ、ニッチャ、
ズズズズビップハッ、
チュチュゥッペロッ、
ネッチャネッチャ‥‥
‥‥可愛いクレアは下品極まりない音を立てていてもやはり可愛いなぁ。
お菓子を手掴みで豪快に食べる姿も、拾って来たばかりの飢えた小動物の様な愛らしさだ‥‥
「‥‥ところで、婚約解消の理由がスタード公爵令息の浮気となると‥‥
双方で穏便な破談を望んでいるとしても、公爵令息は慰謝料を支払うのが普通だと思われますが、」
「あぁ、そう‥」
「はぁ!?
冗談じゃないわよッ!
何でこんな人外にウチの金を奪われなきゃなんないのよッ!?
醜い姿を晒してアタシ達を不快にして来たんだから、金を払うのはソッチだろう!
ザケんなよ!?
舐めてんじゃねーぞ?
オラッ!」
「ク、クレア!
いくら宇宙一可愛いからって、その物言いはアウトだぞ?」
「リン様、こーゆーのは、舐められたら負けなんです!
最初にカマシた方の勝ちなんです!
アタシ、平民として長屋暮らししてた時に学習してるから、ここはアタシに任して下さい!
チンタラやってたら‥‥」
「公爵令嬢、少しよろしいでしょうか?」
「あぁ? あッ‥‥
ま、イケメン眼鏡君、
私にな~~に?」
「お耳を‥‥」
「ヤダぁ、
リン様の前で内緒話?
ん? なになに?
‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
なッ、何だこの文官!
私の可愛いクレアの耳に口を近づけて!
許さ‥‥ん?
クレアが真っ青に?
一体、何を耳打ち‥‥
薄っすら『地下長屋時代の男遊びの酷さを証拠付きでバラされたくなかったら大人しくしろ』と聞こえたが‥‥空耳だろうな。
「あの、慰謝料は要りませんが、一つだけ提案があります」
淀んだ空気を澄ませる様な声が!
まぁ、声の発生元が異臭を放つ化物令嬢なのだが‥‥
というか、恐れていた事が来た!
きっとステラは、
『第二夫人にしろ』
『愛人にしろ』
『子種を仕込め』
『一生面倒見ろ』
『旅行連れてけ』
――などと言い出す気だろう。
クソッ、どうする!?
「エハース文官様は、魔法契約の締結を行えるのですよね?」
「以前お話させて頂いた時に口にした事を覚えていて下さっていたのですか?
嬉しいです。
はい、私はその資格と権限も持っていますので、すぐに行えます」
「以前?
ステラ、この文官と知り合いだったのか?」
「ステラ様には度々御指導頂いているのです。
作成される文書が素晴らしいので‥‥」
「その話は‥‥
それよりディング様、私達、魔法契約で接近禁止にしたらどうでしょう?」
私にはこれを受理、承認する権限がございます。
この場ですぐに承認致しますか?
それとも‥‥」
「「今すぐお願い致します」」
ちょ!
いや、私もそう言いたかったよ?
だがさすがにステラが可哀相かなと思って言わなかったのに‥‥
何でステラとカロンが声を揃えて即答するのだ?
ネッチャ、ニッチャ、
ズズズズビップハッ、
チュチュゥッペロッ、
ネッチャネッチャ‥‥
‥‥可愛いクレアは下品極まりない音を立てていてもやはり可愛いなぁ。
お菓子を手掴みで豪快に食べる姿も、拾って来たばかりの飢えた小動物の様な愛らしさだ‥‥
「‥‥ところで、婚約解消の理由がスタード公爵令息の浮気となると‥‥
双方で穏便な破談を望んでいるとしても、公爵令息は慰謝料を支払うのが普通だと思われますが、」
「あぁ、そう‥」
「はぁ!?
冗談じゃないわよッ!
何でこんな人外にウチの金を奪われなきゃなんないのよッ!?
醜い姿を晒してアタシ達を不快にして来たんだから、金を払うのはソッチだろう!
ザケんなよ!?
舐めてんじゃねーぞ?
オラッ!」
「ク、クレア!
いくら宇宙一可愛いからって、その物言いはアウトだぞ?」
「リン様、こーゆーのは、舐められたら負けなんです!
最初にカマシた方の勝ちなんです!
アタシ、平民として長屋暮らししてた時に学習してるから、ここはアタシに任して下さい!
チンタラやってたら‥‥」
「公爵令嬢、少しよろしいでしょうか?」
「あぁ? あッ‥‥
ま、イケメン眼鏡君、
私にな~~に?」
「お耳を‥‥」
「ヤダぁ、
リン様の前で内緒話?
ん? なになに?
‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
なッ、何だこの文官!
私の可愛いクレアの耳に口を近づけて!
許さ‥‥ん?
クレアが真っ青に?
一体、何を耳打ち‥‥
薄っすら『地下長屋時代の男遊びの酷さを証拠付きでバラされたくなかったら大人しくしろ』と聞こえたが‥‥空耳だろうな。
「あの、慰謝料は要りませんが、一つだけ提案があります」
淀んだ空気を澄ませる様な声が!
まぁ、声の発生元が異臭を放つ化物令嬢なのだが‥‥
というか、恐れていた事が来た!
きっとステラは、
『第二夫人にしろ』
『愛人にしろ』
『子種を仕込め』
『一生面倒見ろ』
『旅行連れてけ』
――などと言い出す気だろう。
クソッ、どうする!?
「エハース文官様は、魔法契約の締結を行えるのですよね?」
「以前お話させて頂いた時に口にした事を覚えていて下さっていたのですか?
嬉しいです。
はい、私はその資格と権限も持っていますので、すぐに行えます」
「以前?
ステラ、この文官と知り合いだったのか?」
「ステラ様には度々御指導頂いているのです。
作成される文書が素晴らしいので‥‥」
「その話は‥‥
それよりディング様、私達、魔法契約で接近禁止にしたらどうでしょう?」
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