38 / 120
第二章
05 スタード公爵邸から灯が消える時
しおりを挟む
カロンがうんうんと頷きながら決定するのを見ながら、ステラが続ける。
「私が心配なのは魔道具の保守点検の方です。
6年前には新しくてそれ程問題が発生しなかった魔道具ですが、今は公爵邸のあちこちで壊れたり、動作が狂ったりと、頻繁に問題発生しています。
昨日までは私が修理出来ていましたが、これからは人を雇って行わなければなりませんので、その事をお伝えしなければと」
「ああ‥‥一体どれだけのものをあなたは‥‥
あなたを蔑ろにした挙句追い出すなど、スタード公爵家は本当に救いようがない。
どうせ魔力や魔法を馬鹿にしているんだ、
魔道具など使うのをやめるべきだと進言します。
彼等には魔道具の恩恵を受ける資格が無い‥‥」
カロンは額に掛かった艶やかな黒髪を無造作にかき上げ、悩まし気な視線をステラに向ける。
女なら誰でも腰を抜かすほどの色気がダダ漏れしているが、ステラはモフモフに夢中なので一切感知しない。
カロン自身も意識してセクシーオーラを出しているわけではなく、全くの無自覚なので、セクシーがスルーされていても気付かない。
「アハハ‥‥
私への評価が高過ぎです。
でも、仰る通り、必要無い魔道具は使うのを止めた方がいいですね。
噴水とか‥‥
広大な公爵邸に張り巡らされている水路に大量に設置されている噴水は一番魔玉を消費していますから。
今までは私が庭を歩きながら充魔していましたが、充魔師に頼むとなると、一ヶ月の費用だけでも今年の公爵家の動力費や設備管理費などを合わせた予算をオーバーしてしまいます。
厨房など、やめるわけにいかない場所は、とにかく点検をしっかりやる様にして、
‥‥って、もう私が口を出す事ではありませんね」
「歩きながら充魔って
‥‥そんな事出来るんですか!?
あなたは一体‥‥
あぁいや、あなたは女神だ。
女神には不可能など無いのですね」
「えぇっ? 女神!?
アハハ‥‥?
あ~~と、一番重要な事を伝え忘れるところでした。
私はスタード公爵邸を出るのと同時に、今現在スタード公爵邸にある私の魔力を全て引き揚げて行きます」
「‥‥え?」
「ごめんなさい。
でも、意地悪では無いんです。
私の魔力は、暴走しやすい性質なんです。
私が近くに居ればコントロール出来ますが、去るとなると無理です。
私が制御出来ない状態で私の魔力が暴走すれば‥‥
人が死ぬでしょう」
「なッ‥‥!」
「ですから、魔玉一つも残しては行けません」
「ですが、どうやって‥‥
魔玉保管庫に保管されている物だけでも膨大な数になります。
‥‥今邸内で稼働している魔道具に使用中の魔玉を含めると‥‥
取り外しにも時間が掛かりますし、ましてや邸外に運ぶとなると‥‥」
「あ、そこは大丈夫です。
魔力だけを吸い上げますから。
空になった魔玉は新たに充魔師に充魔してもらえば使えますし。
魔力の入っていない魔玉だけでも結構なお値段ですからね。
使いまわして下さい」
あぁそうだった、女神に不可能など無いのだったと虚ろな目で納得するカロン。
スタード公爵邸から灯が消える時はもうそこまで迫っている‥‥
「私が心配なのは魔道具の保守点検の方です。
6年前には新しくてそれ程問題が発生しなかった魔道具ですが、今は公爵邸のあちこちで壊れたり、動作が狂ったりと、頻繁に問題発生しています。
昨日までは私が修理出来ていましたが、これからは人を雇って行わなければなりませんので、その事をお伝えしなければと」
「ああ‥‥一体どれだけのものをあなたは‥‥
あなたを蔑ろにした挙句追い出すなど、スタード公爵家は本当に救いようがない。
どうせ魔力や魔法を馬鹿にしているんだ、
魔道具など使うのをやめるべきだと進言します。
彼等には魔道具の恩恵を受ける資格が無い‥‥」
カロンは額に掛かった艶やかな黒髪を無造作にかき上げ、悩まし気な視線をステラに向ける。
女なら誰でも腰を抜かすほどの色気がダダ漏れしているが、ステラはモフモフに夢中なので一切感知しない。
カロン自身も意識してセクシーオーラを出しているわけではなく、全くの無自覚なので、セクシーがスルーされていても気付かない。
「アハハ‥‥
私への評価が高過ぎです。
でも、仰る通り、必要無い魔道具は使うのを止めた方がいいですね。
噴水とか‥‥
広大な公爵邸に張り巡らされている水路に大量に設置されている噴水は一番魔玉を消費していますから。
今までは私が庭を歩きながら充魔していましたが、充魔師に頼むとなると、一ヶ月の費用だけでも今年の公爵家の動力費や設備管理費などを合わせた予算をオーバーしてしまいます。
厨房など、やめるわけにいかない場所は、とにかく点検をしっかりやる様にして、
‥‥って、もう私が口を出す事ではありませんね」
「歩きながら充魔って
‥‥そんな事出来るんですか!?
あなたは一体‥‥
あぁいや、あなたは女神だ。
女神には不可能など無いのですね」
「えぇっ? 女神!?
アハハ‥‥?
あ~~と、一番重要な事を伝え忘れるところでした。
私はスタード公爵邸を出るのと同時に、今現在スタード公爵邸にある私の魔力を全て引き揚げて行きます」
「‥‥え?」
「ごめんなさい。
でも、意地悪では無いんです。
私の魔力は、暴走しやすい性質なんです。
私が近くに居ればコントロール出来ますが、去るとなると無理です。
私が制御出来ない状態で私の魔力が暴走すれば‥‥
人が死ぬでしょう」
「なッ‥‥!」
「ですから、魔玉一つも残しては行けません」
「ですが、どうやって‥‥
魔玉保管庫に保管されている物だけでも膨大な数になります。
‥‥今邸内で稼働している魔道具に使用中の魔玉を含めると‥‥
取り外しにも時間が掛かりますし、ましてや邸外に運ぶとなると‥‥」
「あ、そこは大丈夫です。
魔力だけを吸い上げますから。
空になった魔玉は新たに充魔師に充魔してもらえば使えますし。
魔力の入っていない魔玉だけでも結構なお値段ですからね。
使いまわして下さい」
あぁそうだった、女神に不可能など無いのだったと虚ろな目で納得するカロン。
スタード公爵邸から灯が消える時はもうそこまで迫っている‥‥
93
あなたにおすすめの小説
訳あり侯爵様に嫁いで白い結婚をした虐げられ姫が逃亡を目指した、その結果
柴野
恋愛
国王の側妃の娘として生まれた故に虐げられ続けていた王女アグネス・エル・シェブーリエ。
彼女は父に命じられ、半ば厄介払いのような形で訳あり侯爵様に嫁がされることになる。
しかしそこでも不要とされているようで、「きみを愛することはない」と言われてしまったアグネスは、ニヤリと口角を吊り上げた。
「どうせいてもいなくてもいいような存在なんですもの、さっさと逃げてしまいましょう!」
逃亡して自由の身になる――それが彼女の長年の夢だったのだ。
あらゆる手段を使って脱走を実行しようとするアグネス。だがなぜか毎度毎度侯爵様にめざとく見つかってしまい、その度失敗してしまう。
しかも日に日に彼の態度は温かみを帯びたものになっていった。
気づけば一日中彼と同じ部屋で過ごすという軟禁状態になり、溺愛という名の雁字搦めにされていて……?
虐げられ姫と女性不信な侯爵によるラブストーリー。
※小説家になろうに重複投稿しています。
婚約破棄寸前だった令嬢が殺されかけて眠り姫となり意識を取り戻したら世界が変わっていた話
ひよこ麺
恋愛
シルビア・ベアトリス侯爵令嬢は何もかも完璧なご令嬢だった。婚約者であるリベリオンとの関係を除いては。
リベリオンは公爵家の嫡男で完璧だけれどとても冷たい人だった。それでも彼の幼馴染みで病弱な男爵令嬢のリリアにはとても優しくしていた。
婚約者のシルビアには笑顔ひとつ向けてくれないのに。
どんなに尽くしても努力しても完璧な立ち振る舞いをしても振り返らないリベリオンに疲れてしまったシルビア。その日も舞踏会でエスコートだけしてリリアと居なくなってしまったリベリオンを見ているのが悲しくなりテラスでひとり夜風に当たっていたところ、いきなり何者かに後ろから押されて転落してしまう。
死は免れたが、テラスから転落した際に頭を強く打ったシルビアはそのまま意識を失い、昏睡状態となってしまう。それから3年の月日が流れ、目覚めたシルビアを取り巻く世界は変っていて……
※正常な人があまりいない話です。
幼馴染の生徒会長にポンコツ扱いされてフラれたので生徒会活動を手伝うのをやめたら全てがうまくいかなくなり幼馴染も病んだ
猫カレーฅ^•ω•^ฅ
恋愛
ずっと付き合っていると思っていた、幼馴染にある日別れを告げられた。
そこで気づいた主人公の幼馴染への依存ぶり。
たった一つボタンを掛け違えてしまったために、
最終的に学校を巻き込む大事件に発展していく。
主人公は幼馴染を取り戻すことが出来るのか!?
【完結】妹ばかり愛され追い出された姉ですが、無口な夫と暮らす日々が幸せすぎます
コトミ
恋愛
セラフィナは、実の親と、妹によって、家から追い出されることとなった。セラフィナがまだ幼い頃、両親は病弱なカタリナのため設備環境が良い王都に移り住んだ。姉のセラフィナは元々両親とともに住んでいた田舎に使用人のマーサの二人きりで暮らすこととなった。お金のない子爵家な上にカタリナのためお金を稼がなくてはならないため、子供二人を王都で暮らすには無理があるとセラフィナだけ残されたのだ。そしてセラフィナが19歳の時、3人が家へ戻ってきた。その理由はカタリナの婚約が上手くいかず王宮にいずらくなったためだ。やっと家族で暮らせると心待ちにしていたセラフィナは帰宅した父に思いがけないことを告げられる。
「お前はジェラール・モンフォール伯爵と結婚することになった。すぐに荷物をまとめるんだ。一週間後には結婚式だ」
困惑するセラフィナに対して、冷酷にも時間は進み続け、結婚生活が始まる。
虐げられた人生に疲れたので本物の悪女に私はなります
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
伯爵家である私の家には両親を亡くして一緒に暮らす同い年の従妹のカサンドラがいる。当主である父はカサンドラばかりを溺愛し、何故か実の娘である私を虐げる。その為に母も、使用人も、屋敷に出入りする人達までもが皆私を馬鹿にし、時には罠を這って陥れ、その度に私は叱責される。どんなに自分の仕業では無いと訴えても、謝罪しても許されないなら、いっそ本当の悪女になることにした。その矢先に私の婚約者候補を名乗る人物が現れて、話は思わぬ方向へ・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
新しい人生を貴方と
緑谷めい
恋愛
私は公爵家令嬢ジェンマ・アマート。17歳。
突然、マリウス王太子殿下との婚約が白紙になった。あちらから婚約解消の申し入れをされたのだ。理由は王太子殿下にリリアという想い人ができたこと。
2ヵ月後、父は私に縁談を持って来た。お相手は有能なイケメン財務大臣コルトー侯爵。ただし、私より13歳年上で婚姻歴があり8歳の息子もいるという。
* 主人公は寛容です。王太子殿下に仕返しを考えたりはしません。
結婚結婚煩いので、愛人持ちの幼馴染と偽装結婚してみた
夏菜しの
恋愛
幼馴染のルーカスの態度は、年頃になっても相変わらず気安い。
彼のその変わらぬ態度のお陰で、周りから男女の仲だと勘違いされて、公爵令嬢エーデルトラウトの相手はなかなか決まらない。
そんな現状をヤキモキしているというのに、ルーカスの方は素知らぬ顔。
彼は思いのままに平民の娘と恋人関係を持っていた。
いっそそのまま結婚してくれれば、噂は間違いだったと知れるのに、あちらもやっぱり公爵家で、平民との結婚など許さんと反対されていた。
のらりくらりと躱すがもう限界。
いよいよ親が煩くなってきたころ、ルーカスがやってきて『偽装結婚しないか?』と提案された。
彼の愛人を黙認する代わりに、贅沢と自由が得られる。
これで煩く言われないとすると、悪くない提案じゃない?
エーデルトラウトは軽い気持ちでその提案に乗った。
我儘令嬢なんて無理だったので小心者令嬢になったらみんなに甘やかされました。
たぬきち25番
恋愛
「ここはどこですか?私はだれですか?」目を覚ましたら全く知らない場所にいました。
しかも以前の私は、かなり我儘令嬢だったそうです。
そんなマイナスからのスタートですが、文句はいえません。
ずっと冷たかった周りの目が、なんだか最近優しい気がします。
というか、甘やかされてません?
これって、どういうことでしょう?
※後日談は激甘です。
激甘が苦手な方は後日談以外をお楽しみ下さい。
※小説家になろう様にも公開させて頂いております。
ただあちらは、マルチエンディングではございませんので、その関係でこちらとは、内容が大幅に異なります。ご了承下さい。
タイトルも違います。タイトル:異世界、訳アリ令嬢の恋の行方は?!~あの時、もしあなたを選ばなければ~
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる