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第二章
13 赤い魔玉を!
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魔力に関心を敢えて示さないスタード公爵邸で、魔力関連に詳しい者は少ない。
たった3人だ。
彼等は魔玉管理者として魔玉を管理する為に雇われている。
魔玉は大変に貴重で、しかも危険なので、魔力関連危険物取扱者の資格がある者しか魔玉管理者になれない。
大変に難関だと言われている国家試験をステラは試験だと気付かぬままパスし、ステラが資格取得後は殆どステラが邸内の魔玉を管理していた為、3人の魔玉管理者の仕事は、魔玉保管庫を守る事だけになっていた。
ステラが去ったと聞いて青褪めている魔玉管理者たち。
カロンの指示で、赤い魔力が消えて空になってしまった黒い魔玉と、6年前から保管庫の奥に置いてあった銀の魔玉を整理していた彼等のもとへ、乱れたドレスに髪を振り乱したクレアがやって来て、騒ぎ立てる。
「こんなんじゃないわッ!
赤いヤツ、いっぱいあったでしょう!?
あの赤くてキラキラしたヤツを出しなさいよ!
命令よ!
出さなきゃ、あんたたち、拷問死にしてやるわよ!」
あまりにも異様なクレアに恐れをなし、今や貴重な銀の魔玉を差し出している魔玉管理者が必死にクレアを説得中である。
ちなみに彼は過去にクレアを抱く代わりとして魔玉保管庫の鍵のスペアを渡した男である。
「赤いのはもう無いんです!
この銀の魔玉だって、大変高価で貴重なものなんです!
コレ一つで、高給取りの王宮文官の一年分の報酬に匹敵するんですから!
コレで我慢して下さい!」
「ソッチは前に試したけど、全然ダメだったのよ!
赤いヤツとは比べ物にならないのよッ!
赤いヤツが無いなら、今すぐ取り寄せなさいよ!
あぁッ、早くぅッ、
早くしてよぅッ!」
「何をやっているんだ!?
この騒ぎは何事だ!?」
「‥‥ッ!?
カロン!?
‥‥アッ!」
ゴロゴロゴロゴロッ!
カロンの出現に驚いたクレアが自室から持って来ていた黒い魔玉を落としてしまう。
ゴロゴロと床を転がる黒い魔玉を見て、カロン始め魔玉管理者たちも眉を顰める。
「何故、あなたがこれを!?
10個も‥‥
あなたは魔玉管理者しか入れない魔玉保管庫からこれらを盗んだのですね?
どうやって魔玉保管庫に入ったんです?
誰の手引きで?」
堪らずクレアに鍵を渡した魔玉管理者が額を床に擦り付ける。
「お、御許しをッ!
まさかクレア様が魔玉を盗むとは思わずに、鍵を渡してしまいましたッ!」
「そうよッ!
私はちゃぁんと対価を払ってその男から鍵を貰ったの!
盗んだんじゃなくて正当に手に入れたんだから何にも悪い事はしてないわよッ!」
「対価?」
「そうよッ!」
すぐ近くにディングが居る事に気付かずクレアは声を張り上げる。
たった3人だ。
彼等は魔玉管理者として魔玉を管理する為に雇われている。
魔玉は大変に貴重で、しかも危険なので、魔力関連危険物取扱者の資格がある者しか魔玉管理者になれない。
大変に難関だと言われている国家試験をステラは試験だと気付かぬままパスし、ステラが資格取得後は殆どステラが邸内の魔玉を管理していた為、3人の魔玉管理者の仕事は、魔玉保管庫を守る事だけになっていた。
ステラが去ったと聞いて青褪めている魔玉管理者たち。
カロンの指示で、赤い魔力が消えて空になってしまった黒い魔玉と、6年前から保管庫の奥に置いてあった銀の魔玉を整理していた彼等のもとへ、乱れたドレスに髪を振り乱したクレアがやって来て、騒ぎ立てる。
「こんなんじゃないわッ!
赤いヤツ、いっぱいあったでしょう!?
あの赤くてキラキラしたヤツを出しなさいよ!
命令よ!
出さなきゃ、あんたたち、拷問死にしてやるわよ!」
あまりにも異様なクレアに恐れをなし、今や貴重な銀の魔玉を差し出している魔玉管理者が必死にクレアを説得中である。
ちなみに彼は過去にクレアを抱く代わりとして魔玉保管庫の鍵のスペアを渡した男である。
「赤いのはもう無いんです!
この銀の魔玉だって、大変高価で貴重なものなんです!
コレ一つで、高給取りの王宮文官の一年分の報酬に匹敵するんですから!
コレで我慢して下さい!」
「ソッチは前に試したけど、全然ダメだったのよ!
赤いヤツとは比べ物にならないのよッ!
赤いヤツが無いなら、今すぐ取り寄せなさいよ!
あぁッ、早くぅッ、
早くしてよぅッ!」
「何をやっているんだ!?
この騒ぎは何事だ!?」
「‥‥ッ!?
カロン!?
‥‥アッ!」
ゴロゴロゴロゴロッ!
カロンの出現に驚いたクレアが自室から持って来ていた黒い魔玉を落としてしまう。
ゴロゴロと床を転がる黒い魔玉を見て、カロン始め魔玉管理者たちも眉を顰める。
「何故、あなたがこれを!?
10個も‥‥
あなたは魔玉管理者しか入れない魔玉保管庫からこれらを盗んだのですね?
どうやって魔玉保管庫に入ったんです?
誰の手引きで?」
堪らずクレアに鍵を渡した魔玉管理者が額を床に擦り付ける。
「お、御許しをッ!
まさかクレア様が魔玉を盗むとは思わずに、鍵を渡してしまいましたッ!」
「そうよッ!
私はちゃぁんと対価を払ってその男から鍵を貰ったの!
盗んだんじゃなくて正当に手に入れたんだから何にも悪い事はしてないわよッ!」
「対価?」
「そうよッ!」
すぐ近くにディングが居る事に気付かずクレアは声を張り上げる。
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