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キール
13 エピローグ~最大の魔法は君の~
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キールがステラに自身の話をする為いつもより長く設けたティータイム。
わざわざ時間を作ったのにキールの話は実に簡潔、あっさりしたもので――
――俺は家族に疎まれ0才から11才までを牢で育った。
髪と目の色が変化した11才で父王に牢から出され王子として扱われる様になった。
その後母に呪いを掛けられスタード公爵邸の森に獣の姿で飛ばされた。
(森でのステラとの日々はステラも知っている事なので省略する(何故か赤面))
呪いが解けた後、謀反を起こした母と異父兄とその一派をを拘束した。
異父兄が母を殺し、自らも命を絶った。
その後はステラを迎えて現在に至る(ここでも何故か赤面)――
ステラが関わるタイミングで頬を染めた以外は一切感情的になる事無く語られた短い話を、ステラは顔色を青くしたり赤くしたり白くしたりしながら聞いた。
そして全てを聞き終わった後、無言でキールを抱き締めた。
随分と長い間そうした後、『私があなたを産めば良かった』と震えながら口にすれば、キールは『それは困る。君が母親だったら抱けないだろう』と本当に困った様に即答してステラを泣き笑いさせた。
今日も二人はキールの執務室の応接セットのソファに座り、お茶を楽しんでいる。
忙しい日々、僅かな時間でも顔を合わせられるこのひと時が宝物‥‥
(*夜は勿論一緒のベッドで過ごすけど、昼間は、という事)
ステラはお気に入りのお茶を少しだけ口に含み、転がし、ゆっくり飲み込む。
香ばしくも爽やかな香りがフワリと鼻に抜ける。
【美味しい‥‥】
そう漏らしたステラの声にソファの対面に座りお茶を飲んでいたキールが瞳を上げると、頬を染めたステラが柔らかに華やかに微笑んでいる。
しばし見惚れて呆けた後、キールはちょっと拗ねた様子でお茶をテーブルに戻す。
【キール様?】
【何でもない。
‥‥‥お茶に妬いた】
【‥‥おお茶に?】
【お茶を飲んで凄く幸せそうだ。
ステラを一番幸せにするのは俺でありたい】
ステラはキョトンとした後、くふふと笑いながら心を晒す。
【くふふふっ、
私が幸せなのは、キール様が居るからです。
キール様が何をしても、何もしなくても、ただ居てくれるだけで‥‥
存在している、
それだけで私は嬉しくて幸せなのです】
見開いたキールの瞳にステラの満面の笑顔が映る。
初めて会った時からずっと変わらないキールを見つめて嬉しそうに輝く笑顔。
【‥‥フッ‥‥】
小さく息を漏らしキールは瞼を閉じる。
欲しかった唯一がここに在る―――
わざわざ時間を作ったのにキールの話は実に簡潔、あっさりしたもので――
――俺は家族に疎まれ0才から11才までを牢で育った。
髪と目の色が変化した11才で父王に牢から出され王子として扱われる様になった。
その後母に呪いを掛けられスタード公爵邸の森に獣の姿で飛ばされた。
(森でのステラとの日々はステラも知っている事なので省略する(何故か赤面))
呪いが解けた後、謀反を起こした母と異父兄とその一派をを拘束した。
異父兄が母を殺し、自らも命を絶った。
その後はステラを迎えて現在に至る(ここでも何故か赤面)――
ステラが関わるタイミングで頬を染めた以外は一切感情的になる事無く語られた短い話を、ステラは顔色を青くしたり赤くしたり白くしたりしながら聞いた。
そして全てを聞き終わった後、無言でキールを抱き締めた。
随分と長い間そうした後、『私があなたを産めば良かった』と震えながら口にすれば、キールは『それは困る。君が母親だったら抱けないだろう』と本当に困った様に即答してステラを泣き笑いさせた。
今日も二人はキールの執務室の応接セットのソファに座り、お茶を楽しんでいる。
忙しい日々、僅かな時間でも顔を合わせられるこのひと時が宝物‥‥
(*夜は勿論一緒のベッドで過ごすけど、昼間は、という事)
ステラはお気に入りのお茶を少しだけ口に含み、転がし、ゆっくり飲み込む。
香ばしくも爽やかな香りがフワリと鼻に抜ける。
【美味しい‥‥】
そう漏らしたステラの声にソファの対面に座りお茶を飲んでいたキールが瞳を上げると、頬を染めたステラが柔らかに華やかに微笑んでいる。
しばし見惚れて呆けた後、キールはちょっと拗ねた様子でお茶をテーブルに戻す。
【キール様?】
【何でもない。
‥‥‥お茶に妬いた】
【‥‥おお茶に?】
【お茶を飲んで凄く幸せそうだ。
ステラを一番幸せにするのは俺でありたい】
ステラはキョトンとした後、くふふと笑いながら心を晒す。
【くふふふっ、
私が幸せなのは、キール様が居るからです。
キール様が何をしても、何もしなくても、ただ居てくれるだけで‥‥
存在している、
それだけで私は嬉しくて幸せなのです】
見開いたキールの瞳にステラの満面の笑顔が映る。
初めて会った時からずっと変わらないキールを見つめて嬉しそうに輝く笑顔。
【‥‥フッ‥‥】
小さく息を漏らしキールは瞼を閉じる。
欲しかった唯一がここに在る―――
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みんなの感想(5件)
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一気読みしました✨!!
私的にはキールとルア殿下が推しです!
キールとステラが幸せになって嬉しかったのですが
ルア殿下にも幸せになって欲しいのでそちらの方もお願いしますm(_ _;)m!!!!
紗羅様、感想ありがとうございます!
一気読みありがとうございます~~
キールもルアも喜んでます!
まさかのルア推しとは、お目が高いッ!
彼は今後、メチャメチャいい男に成長予定ですッ
国の立て直しでしばらく大変ですが、必ず幸せに‥‥
ああ、妄想が止まりませんッッ
一気読みしましたーー( ´͈ ᗨ `͈ )◞♡⃛
ステラの芯の強い事 ヨシ!! モフモフで癒されたー♡
つか 頭 上げられない程の泥髪剤って それも凄いわ……
カロンさんが幸せなる話しも ぜひお願いします! きっと溺愛だよねー!! スパダリになりそう…(笑 中身観る人だから きっとお相手は素敵な人だよねーーヽ(*´▽)ノ♪
sakikaname様、感想ありがとうございます!
一気読みありがとうございます~~
色々伝わっていて嬉しいです!
カロンが幸せになる話、妄想中ですッ
ムフフ‥‥溺愛‥‥スパダリ‥‥いいわ~~
一気読みしました!
キール殿下とステラが幸せで嬉しいんですが、告白をことごとく邪魔され、最後まで誤解されたままだったカロン…!不憫ッ!😂
面白かったです!
あ、クレア、気持ち悪かったです!彼女に相応しい最後、ありがとうございました!
かかし様、感想ありがとうございます!
一気読みありがとうございます~~
面白かったと言ってもらえて感動です!
カロンもかかし様に同情してもらえて救われていると思います!
クレアは因果応報ですよね~~