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一章
デイ・ライト
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地元の出張は人手不足を補うだけの損な役回りであった。しかし俄然やる気だけは人一倍にあった。三日間ある日帝の中日に午後からブースの運営を任されているのも今夜のデートのためなら何の重みも感じることはなかった。そして産まれながらの気の早い青年は九時発の特急で現地へと向かい時間を持て余していた。
会場のある場所は空港島で改札を抜けた途端地元であるはずがアウェイの空気感にさらされた。移動中は気づかなかったが同じ列車の乗客の誰しもが大型のキャリーケースを携帯し来るバカンスを満喫せんとしていた。スーツに身を包みビジネスバッグ片手に単身闊歩する身は場違いも良いところであった。家を出る前の余裕は雲のようにつかみ所がなくなった。代わりに胃を逆なでするかのような感触が身に染みた。腕時計を確認するそぶりを見せ、空港方面と出張先の会場へ行き先の分かれるコンコースで辛うじて自分の歩幅とペースを取り戻せた。空港と反対側へと続く渡り通路から望む内湾と半島がいっしょくたに映える景色が猛暑にやられ色白く見える。一瞬自分が貧血を起こしたかと錯覚するほどであった。
会場のある場所は空港島で改札を抜けた途端地元であるはずがアウェイの空気感にさらされた。移動中は気づかなかったが同じ列車の乗客の誰しもが大型のキャリーケースを携帯し来るバカンスを満喫せんとしていた。スーツに身を包みビジネスバッグ片手に単身闊歩する身は場違いも良いところであった。家を出る前の余裕は雲のようにつかみ所がなくなった。代わりに胃を逆なでするかのような感触が身に染みた。腕時計を確認するそぶりを見せ、空港方面と出張先の会場へ行き先の分かれるコンコースで辛うじて自分の歩幅とペースを取り戻せた。空港と反対側へと続く渡り通路から望む内湾と半島がいっしょくたに映える景色が猛暑にやられ色白く見える。一瞬自分が貧血を起こしたかと錯覚するほどであった。
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