6 / 6
一章
ナイト・チェンジズ
しおりを挟む
目前の景色は時を刻む秒針に空気を読むセンスを期待することこそナンセンスだと青年に気づかせた。昼間に貧血を疑わせたほどの景色は見る影もなく代わりに広がるのは楽しかった時間も発する言葉さえも静かに吸い取ってしまう切ない景色。さざなむ波の音とその奥で凜として居座る山影が、絵に描いたような空に浮かぶ雲と星が「儚い」という言葉では足りないくらいに二人の時間をエスコートした。紡ぐ言葉の一つ一つが時間と景色と絡み合って特別な意味を持ち取り返しのつかない今も、消えて無くなりそうな今でさえもじんわりと心が癒やされ心地が良いと満たされるのは季節のせいではない。砂浜のない人工島を囲む手すりに手をかける二人は遠く焦点の合わないキャンパスを見つめ宵によった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
3
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
続きが気になります
2人の関係がどうなっていくのか楽しみです