巡りめぐ

桐束 かえで

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一章

ナイト・チェンジズ

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目前の景色は時を刻む秒針に空気を読むセンスを期待することこそナンセンスだと青年に気づかせた。昼間に貧血を疑わせたほどの景色は見る影もなく代わりに広がるのは楽しかった時間も発する言葉さえも静かに吸い取ってしまう切ない景色。さざなむ波の音とその奥で凜として居座る山影が、絵に描いたような空に浮かぶ雲と星が「儚い」という言葉では足りないくらいに二人の時間をエスコートした。紡ぐ言葉の一つ一つが時間と景色と絡み合って特別な意味を持ち取り返しのつかない今も、消えて無くなりそうな今でさえもじんわりと心が癒やされ心地が良いと満たされるのは季節のせいではない。砂浜のない人工島を囲む手すりに手をかける二人は遠く焦点の合わないキャンパスを見つめ宵によった。
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みんなの感想(1件)

22
2023.10.04 22

続きが気になります
2人の関係がどうなっていくのか楽しみです

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