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第1章 転生した世界

第11話 現代兵器vsモンスター軍団(2)

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   そのまま塹壕で射撃していれば楽に全滅出来たのにわざわざ突撃するあたりさすがハイパーだと思った。
 しかもそれに気づいて前線に飛び込もうとしていた父を止めるのに苦労した。
 俺一人では止めることが出来ず周りの兵士を合わせた四人がかりでなんとか止めることが出来た。
 すると父は、
「次の戦闘になったら俺も突っ込むからな❗」
 とやけに気合いの入った感じで言っていたので仕方なく了承した。
   そんな事をしていると敵の本隊が前進しだした。先程の戦闘を見て少しは頭を働かせたようだ。
   戦闘に皮膚が固く移動速度も速いオーガを戦闘にオークジェネラル、その後方に群のリーダであるゴブリンキングとオークキング、そしてジャイアントオーガの陣形で突っ込んで来た。少しでも砲弾の被害を減らすためか散開して広がって来ているため、砲弾の効果は確かに低くなる。
 だが効果がなくなるわけではない、先ほどと同じ距離で砲撃を行うように伝令を走らせた。
 伝令が戻って来てしばらくすると砲撃が開始された。今回は敵が散開しているため瞬発信管のみにさせた。
 さらに九四式は曲射射撃から水平射撃に移行させた。
 距離2000を切ったら、タ弾をオーガに向かって射撃するように指示してある。
 迫撃砲も通常弾ではなく跳躍弾で頭上から破片を降らせてダメージを蓄積させて弱らせていく。
   砲撃を開始して10分ぐらいしてもあまり数は減らなかった。オークやゴブリンならこの時点で百体以上は殺傷していた。
 やはりオーガやジェネラルのようなランクの高いモンスターは生命力が高いようだ。
 特に種族の最上位であるゴブリンキングやオークキング、ジャイアントオーガなどは傷がつくもののすぐに塞がってしまう。怯んではいるものの効果は薄いようだった。
   そこでM2の弾薬を徹甲弾に替えて、射撃開始距離も九四式と同じ2000メートルにした。
   モンスターの集団は怯みながらも距離を詰めてきた。そして対オーガ用に用意したタ弾を装填した。丘の裏からの着弾観測射撃から直接照準に移行した。こちらの有効射程に入ったと同時に合図した。そして、それを見たパットンが声を発した。

「撃てーーー❗」

 それと同時に二十門の砲口から対戦車用の成形弾薬のタ弾が砲身から発射された。さらに砲声を合図に前線のM2と九二式も射撃を開始した。
   タ弾が命中したオーガやジェネラルは胴体なら穴が空き、頭部なら頭が吹き飛び、手足なら跡形もなく吹き飛んでいた。
 M2もにたようなもので頭部は吹き飛んでいたが胴体や手足は穴が空く程度だが心臓や魔石などを砕かれ次々倒れていく。九二式の銃手は頭部と心臓、魔石を的確に狙い撃ち抜いていった。 
 徐々に数を減らしいくモンスター軍団、戦闘のオーガとジェネラルが少なくなってきた。
  すると距離千メートル程までモンスターが迫った時、後方のジャイアントオーガが咆哮を挙げながら走ってきた。思わぬ音量にすべての兵士は攻撃をやめて耳をふさいだ。大気が震えるほどの音量だった。
 油断していたこともありほとんどの兵士は三半規管がダメージを受けて上手く動けない者も多かった。
   そんな中よく見るとオーガに向かって突っ込んで行く人影が見えた。
 まさかと思い周りを見渡して見るとさっきまで近くにいた父がいないことに気がついた。まさかと思い望遠鏡を人影に合わせて覗くと最低限の鎧とグレートソードを担いでオーガに向かって走る父の姿だった。それを確認したので急いで砲撃と機銃の射撃を中止させた。仕方がない。ここである命令を出した。

「全軍、突撃ーー。我らが領主、剣聖ロメルに続けー❗」
「「「おーーー❗」」」

 雄叫びが上がり銃を持って突撃するもの剣や槍で突撃するものなどに別れて突撃が開始された。
   先頭を走った父の方を見るとなんとジャイアントオーガと大剣で切りあっていた。体長五メートル以上あるジャイアントオーガと常人では振り回せない大剣で打ち合うなど、どんな筋力をしているのかと思うほどの打ち合いをしていた。
「ガンッ」「キンッ」「ブンッ」
   などの様々な音がしていた。父はその最中ずっと笑いっていた。父とまともに剣で打ち合いができるやつなどこの大陸に数えるほどしかいないためだろう。
   打ち合っているとジャイアントオーガが少しずつ押され始めた。それを見て父がスキルを発動させた。父が本気を出すとき、必ず使うのがリミットブレク、3分間だけすべての能力を2倍なる。
 それが父の本気で相手を倒す時に使用するスキルだ。剣の斬激速度が速くなりジャイアントオーガは手に持っている三メートルの大剣で防戦一方になっていた。
 一瞬、父の姿が見えなくなった時、オーガの大剣が宙を舞い、オーガの首がゆっくり落ちた。それをみたいたものは誰一人声を出さずに停止していた。モンスター達も例外ではなかった。すると父が「おぉぉぉぉぉおーーー」と叫び、手に持っていたグレートソードを掲げた。
 周りの兵士も「「「おぉぉぉぉぉーー」」」歓声をあげた。
   するといきなりモンスターが逃げ始めた。無論逃がすつもりはないため全軍で残存勢力を壊滅させた。特に俺はゴブリンキングとオークキングは逃がさないようにロングソードを抜きオーガやジェネラルを切り捨てながらゴブリンキングとオークキングの首を切り飛ばした。逃げて敵にホルスターから銃を抜き、狙える範囲で撃ち殺していった。
 見える範囲のモンスターが全滅したのを確認して勝鬨を挙げた。

「全軍❗我々の勝利だァァァァァァ」
「「「「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーー」」」」

 全員武器を掲げ歓声や雄叫びがあがった。

 この戦いは後にディナメス平原の奇跡と呼ばれ小数の兵士で2000に迫るモンスターの大軍を全滅させた。話として後世に語り継がれた。

「良かった❗」「俺達の町を守ったぞーー!」「マンシュ様、ロメル様、万歳ーーー」

   など叫び喜びを分かち合っていた。
   ここでモンスターから魔石や素材などを集める作業に取りかかった。
 と言ってもほとんどの物は砲撃や銃弾をくらって砕けた物や傷だらけのものがほとんどでたいした額にはならないとのこと、少しは金になるためできるだけ多くの素材や魔石を回収した。
 回収した魔石や素材は荷馬車に載せ町に戻った。
   行きよりも積み荷が増えたため三時間かけ町まで戻ってきた。城門をくぐって町に入ると 

「英雄達の帰還だーーーーーー❗」
「「「わぁァァァァァァ」」」

  歓声とともに凱旋のように町に入っていた。
   一旦、屋敷の近くにある訓練場に全軍を集めて今回の戦争を祝った。

「諸君、君達のおかげでこの町を守ることができた。感謝する。まー、固いことは抜きにして、全員、今夜は宴だ❗楽しんでこい。」

   父がそう 言い放ち解散すると

「ヤホーーー!」「宴だ。」「今夜は飲むぞ❗」「盛り上がってきた❗」

   など口々に叫び町に向かって走っていった。

「父上、母上にも速く会いにいきましょう。きっと待ってますよ。」
「そうだな、マンシュ、よし、家に帰るぞ!」

  十分歩き家に着いた。すると母親とこの屋敷に勤めているメイド四人と執事二人が出迎えてくれた。母は泣きながら俺達二人に抱きついてきた。

「二人とも無事で良かった。今夜はゆっくり休んでくださいね。戦いの話しは明日詳しく話してくださいね。」
「ご飯の用意はもうすぐ出来ますがあなた達、まず、お風呂に入ってキレイしてきてください。」

   そういえば汚れたまんまだったので父とお風呂に入りキレイな服に着替えて家族で食事をする部屋に父と一緒に向かった。部屋に着くと母がいつも使っている四人用のテーブルに座って7待ったいた。

「二人とも速く座って、今回の戦いついての話を聞かせて、」

   すぐ、返事をしてイスに座り食事をしながら今日の出来事を話した。母に父がジャイアントオーガに向かって突っ込んでいったことを話すと「相変わらずね。」と言って笑ってもいた。テーブルにあった料理を食べ終え少し眠くなったので先に眠ることにした。

「それでは、今日の戦闘で疲れたので先に寝ます。父さん、母さん、」
「「ああ、お休み。」」
   二人はワインを飲みながらお休みの挨拶をしてきた。
   普段は貴族が当たり前に使う呼び方で二人を呼んでいるがプライベートでは普通の家族のように呼んでいる。
   部屋に向かいベットに入るとすぐに瞼が重くなり意識を手放した。





モンスター軍団と現代兵器の戦闘楽しんでいただけましたか?あと一話で第1章が終わります。第2章をお楽しみしてください。
    
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