マジックアイテム「すま~ほ」異世界だって稼ぎます!

八木小町

文字の大きさ
7 / 11
第一章 異世界で生き抜くチュートリアル

6 異世界の蝶は虹色

しおりを挟む
 あーアゴが鍛えられるランチだった、明日顔筋肉痛とかになるかも…

「すま~ほ」は更新中だから、今のうちにテントを立てよう!初心者キャンパーセットから携帯食と水だけ出したけど、テント以外だとなにが入ってるんだろう?

初心者キャンパーセット

テント1人用…
防水・防塵・防寒・防火・耐風・耐熱・防刃。入り口を閉じると完全防御空間となります。外からは開けられません。


寝袋+マット…軽くて暖かい。防水・防火。


ランタン…太陽光充電。日中太陽光を集めて夜じんわり光ります。太陽がない時は魔石でも充電可。


調理器具…クッカー・カトラリー・マグカップ・ミニナイフ。


雨具…カッパ。完全防水。


焚き火台+メタルマッチ…
焚き火の火が消えづらく、煙が少ない高性能品質。メタルマッチは石やナイフなどと叩き合わせて使う事で火花を散らします。

一一一一一一一

 防水・防塵…完全防御!テントのポテンシャルが想定外に高い!防刃がちょっと気になるけど…この世界って刃物飛んで来たりしますか?

 砂浜と森の境目あたりの、なるべく水平な所にテントを立ててみよう。説明書によると折り畳まれているテントの両端を掴み、力強く振ればいいらしい…

グッとテントの両端を掴み、上から下に力強く腕を振る!

バン!!と、テントが広がりあっという間に完成した。かんた~ん!片付けも決まった箇所を押してたたむだけみたい。ヌルゾン、グッジョブ!
あとは、飛ばないように地面に杭を打ち込む!と…

ゲッ。サラサラ…サラサラ…砂浜には固定できなかった!最悪~移動するけどさー…もー。

 
 その後ちょっとずらして、森の地面にしっかり固定し。ランタンを太陽光に当てて、完成ーい!!
私ってば、やればできるじゃーん!


 テントも完成したから、ちょっと森を探索してみようかな、日がもう傾いてきているから遠くに行かないように気をつけなきゃ。

 探索するからには、できれば水と食料を見つけたい!と火を起こせるような枝とか葉っぱ?とかそんな感じのものを拾えたら拾うって事で早速行ってみよー。


 人も動物もいないってわかっているから、足元と帰り道さえ気を付けていれば不安なんてないのでザクザクと進む。

 うーん、なんだろ、密林?ジャングル?って感じかな、植物は葉っぱが大きくて南国っぽい雰囲気だし何よりじっとり暑い…海とはなんか暑さが違う気がする。

枯れ木など集めながら、しばらく歩いてみて

「なんもな~い。せめて怪しいキノコとか謎の果物とか、何か出てきて欲しかった」

 現実はそんなに甘くないか…もう日が暮れそうだし、一旦戻って明日に備えよう。
 前向きに切り替えてこー!!


 探索を切り上げて、戻ろうとしたその時…

 いままで見たことがない、不思議な色の蝶々が飛んでいるのに気づいた。じっと見ていると不思議な色の理由は羽ばたくたびに羽の色が変わっているからだと気づいた。

「レインボー??綺麗~めっちゃ不思議~」

 鱗粉りんぷんまでキラキラしているように見える、目の前を優雅に飛んでいく蝶々の行き先はどこなのか気になって目で追っていると…
木々の隙間から水しぶきが見えた気がした。

「ん?あれって…もしかして滝では?」

 やったー水だー!!木々の間を走り抜けて滝に着いたー………って、あれ!?

 着いた先には、滝はなく水の気配もない、なんで? さっき見えたのに!?

 おかしいな?と思いつつ戻ろうとすると、また水しぶきが別の木々のすき間から見えた!

 今度こそ!! と、走ってたどり着いたけど、やっぱり水はなく…なんで? 確かに見えたのに

 そしてまた、別の木々の隙間から水しぶきが見えた…なんか変かも気持ち悪い、帰り道どっちだっけ?右、左と見てみるが、全部同じに見えてどちらへ進めばいいのかわからない。

ドクッ!ドクッ!ドクッ!

自分の心臓の音が大きく聞こえて…すごく怖くて

目の前がグルグルする……日が落ちてきて暗くなっていた道を、足をもつれさせながら無我夢中で走った!

 どこをどう走ったかわからないが、なんとか無事テントまで戻ってくることができ膝をついて荒くなった呼吸を整える。心臓のドキドキが収まらない。
 思ったよりも森の奥深くまで進んでいて危うく帰れなくなるところだった?

「はぁ、はぁ、はぁ…気持ち悪い~なんだったの!迷子になるところだった、帰れないのは1回経験したら十分だって!はぁ…疲れた」

 テントの前に座ってすっかり暗くなったあたりをランタンで明るく灯す。ぼんやりとした明かりを見るとホッとして力が抜けた。

「あ…枯れ木、投げてきちゃった」


一一一一一一一


ランタンの明かりの中、バリカタクッキーを食べていると「すま~ほ」の更新が終わった。私、アゴ絶対強くなるよ…

ブーン、更新が完了しました。再起動後ご利用になれます。再起動完了まで

10・9・8・7・6・5・4・3・2・1…

ピンポーン!

…再起動音インターホンみたいなの!?


 更新されて、なんか変わったのかな??あ!アイコンが2つ増えてる!

(ゴロミ)・(Bank)

まんまやん。アイコンまで(ゴロミ)なんだ…

 これでGOとバンクが使えるようになったから明日は、タイGO。について色々聞いてみよ…

ナンシー、私負けないから!

(代神)ポチっ

「ナビ助ー」

『なーにー?』

「「すま~ほ」が更新されている間ちょっと森を探索してたんだけど、不思議な事がおきてね。滝みたいなのがあったのに、近づくと無くなっちゃうの…それが、すごい怖くて走って戻ってきたんだ。」

『・・・そこに存在しているものは、急に無くなったりはしないよ?なにかの魔法でもかかっていたのかもね』

「魔法か~、魔法なんでもありだね…そういえばすごく綺麗な蝶々がいてね、羽ばたく度に羽の色が違うの!鱗粉がキラキラしてて、まさに魔法!ああいうのを幻想的っていうんだと思う」

『一確認中一…羽ばたく度に羽の色が変わる、鱗粉がキラキラしている蝶々だと、「幻惑蝶げんわくちょう」ってのがいるよ。名前の通り幻を見せる特性を持つ蝶々だよ。キミ、まぼろしを見せられたんじゃない?』

「え?幻惑蝶!?なんで?私に幻?」

一一一一一一一


『エサだから』

「え?」

『だから、エサだから』

「なにが?」

『キミが』

「私が!?」

『そう言ってるでしょ』

「えっ、エサ!私食べられるところだったの!?嘘でしょ、あの蝶肉食なの!?」

『そんな、バリバリムシャムシャ食べるんじゃなくて、幻で誘って仲間がいるところまで誘導するんだよ、そしてキミが綺麗だって言っていた鱗粉でシビレさせて…あとは…』

「あとは…?」

『ちゅーって、養分を吸われちゃう感じ!貴重なタンパク質ってやつ。』

ちゅーって、なに明るく言ってくれちゃってるの!怖!異世界の蝶々怖すぎか!

「あんなに綺麗な蝶々だったのに…」

 異世界でもがんばろう!と決意したけど、蝶々すら私が知っているものでは無くて、危うく死ぬところだったなんて思いもよらなくて…ショックで涙がでてきた。

「うっ、ぐす…」



『そんな、泣かなくてもさ大丈夫だよ!ちゅーって、されてる間は幻惑見せられてて痛くも痒くもない間に、この世からバイバイだからさ!』

一一一一一一



は?

「ナビ助ー!!」

涙も引っ込んで、ナビ助に怒りまくった。

そういう問題じゃなーい!!
プンプンしながら、ナビ助にその日の出来事を話した。

おかげで気持ちは持ち直したけど…ムカつくから感謝なんてしないけどね!ふん!



 その夜初めてテントの中で寝袋を使ったのだけど、マットレスもあるし思った以上に快適で、気づいたら寝ていた。昨日は浜辺で泣いていたのに、昨日の今日で考えたらすごい進歩、私って意外と適応力…高い………Zzz……






しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

のほほん素材日和 ~草原と森のんびり生活~

みなと劉
ファンタジー
あらすじ 異世界の片隅にある小さな村「エルム村」。この村には魔物もほとんど現れず、平和な時間が流れている。主人公のフィオは、都会から引っ越してきた若い女性で、村ののどかな雰囲気に魅了され、素材採取を日々の楽しみとして暮らしている。 草原で野草を摘んだり、森で珍しいキノコを見つけたり、時には村人たちと素材を交換したりと、のんびりとした日常を過ごすフィオ。彼女の目標は、「世界一癒されるハーブティー」を作ること。そのため、村の知恵袋であるおばあさんや、遊び相手の動物たちに教わりながら、試行錯誤を重ねていく。 しかし、ただの素材採取だけではない。森の奥で珍しい植物を見つけたと思ったら、それが村の伝承に関わる貴重な薬草だったり、植物に隠れた精霊が現れたりと、小さな冒険がフィオを待ち受けている。そして、そんな日々を通じて、フィオは少しずつ村の人々と心を通わせていく――。 --- 主な登場人物 フィオ 主人公。都会から移住してきた若い女性。明るく前向きで、自然が大好き。素材を集めては料理やお茶を作るのが得意。 ミナ 村の知恵袋のおばあさん。薬草の知識に詳しく、フィオに様々な素材の使い方を教える。口は少し厳しいが、本当は優しい。 リュウ 村に住む心優しい青年。木工職人で、フィオの素材探しを手伝うこともある。 ポポ フィオについてくる小動物の仲間。小さなリスのような姿で、実は森の精霊。好物は甘い果実。 ※異世界ではあるが インターネット、汽車などは存在する世界

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

処理中です...