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第三章 エスケープ・エスケープ
33 気づけばそこは…
しおりを挟むサザーン・ザザーン
美しい白い砂浜に、緑色の透き通った波が打ち寄せる。
暖かい風が草木を揺らすここは「イルオーレ」美しき獣人の楽園である。
「アイリ~」
ゆさゆさ
「アイリ~」
ゆさゆさ
「おきて~」
ゆさゆさ
「ね~」
「おきて~!!」
「……………」
神島を出発してから数時間後、無事にイルオーレに到着したはいいもののアイリはあまりのスピードに気絶したままの上陸となり
「エイエイオー」便は、アイリを静かに砂浜に下ろすと『ご利用ありがとうございました。キラン』ムキムキ!と挨拶し去っていった。
マリンはひとり、心細い思いをしていた。
「だいじょ~ぶアイリ??」
そこに、ゆっくりと伸びた影が近づく
一一一一一一
「う~ん…」
アイリがゆっくりと目を開けると、見知らぬ建物の中だった
「……え?」
パチパチと目を瞬くが景色は変わらず、全体的に白い粘土壁のような建物の中にいる。
「ここどこ?」
身体を起こすと、ベッドに寝かされていたことがわかる。
ベッドから足を下ろし、建物の中を見回し涼やかな青いカーテンがかけられた出入口のようなところを見つけ、そちらへ進む
緊張しながらゆっくりとカーテンを開き向こう側を覗くと…
緑色の肌の人間!?がマリンを抱き上げているところだった!!
「マリン!!」
マリンの体はピンク色になっており、捕まった!と思った私は救出しないと!と思い、考えるより先に飛び出した!
「やめて!その子になにもしないで!!」
緑色の人間?はこちらを見て、目を見開いたがその目に白目の部分はなく全てが真っ黒でまぶたのようなものもない…あ、でも今、まばたきした!
アイリは昔見た映画の宇宙人みたいと思ったがこの宇宙人は白い髪が生えている…
「わ、私の言葉通じますか?その子を返してください」
出会ったことのない生き物に恐怖を感じるがマリンを取り返さないと!という気持ちで話しかける。
・
・
・
・
見つめ合うこと、数秒
緑色さんが口を開いた!
「キミ大丈夫?浜辺に倒れてたんだ、このおサルちゃんがすごく心配してたよ、お腹が空いていたみたいで、ご飯を食べたら寝ちゃったけど」
普通にしゃべった!しかも、たぶん若い感じの声がする!
意思疎通できる!!よし!
「あ、あの助けてくれたりしたのでしょうか?」
「う~ん、助けたっていうか成り行き?ここ浜辺から近いんだ、変な魔力を感じて密漁者でもいるのかと思ったらキミが倒れてて、おサルちゃんに助けを求められたって感じかな」
マリンをソファに寝かせると、こちらに緑色さんが向かって歩いてくる。
な、なにか話すこと…聞きたいこと…どうしよう
「なにしてたの?あんな何にも無いところで」
え?もしかして、さっきの密漁?疑われてるとか??
「いや!あのなにもしてません!無実です!」
「なに言ってるの?別に疑ってないよ、密漁者だったらマヌケすぎだよ」
えっ、普通に失礼…
「なに?その不服そうな顔…キミ本当は密漁してたの?」
「ち、ちがいます!ただの旅行者です!」
「旅行者!?こんな何にもないところに?首都から3日はかかるのに…」
こちらを、ジーッと見つめてくる…え、やばい疑いが深まった気がする…
「あの、本当に旅行者なんですちょっと降りる場所間違えたっていうか…気づいたらここにいた。みたいな…ハハハ…」
「………だまされた?」
「え?いや、だまされてはいないような…」
お互い沈黙し、またもや見つめ合う…
どうしたらいいか困りつつ、この隙に彼に気づかれないよう姿をよく見てみる。
身長がすごく高い…2メートルくらい?身体の色が緑…ってか黄緑~緑~青緑?そして、なんか鱗っぽい皮膚をしている、そして強そう…ムキムキしてる…細マッチョ的な?ムキムキはしばらくいらないけど。
髪の毛?真っ白でなんかふわふわしている毛をビーズでおしゃれに飾っている。
服装はアフリカの民族衣裳みたいにカラフルだけど…たぶん染め物?幾何学な模様が上下麻っぽい生地に刺繍されてとても綺麗で涼しそう。
彼を観察していると、バチッと音がしそうなほど目が合った…
気まずい…
この緑さん耳がないかも?人間なら耳がある場所はツルっとしていて変わりにおへそみたいな穴?があるっぽい…?不思議…
「ねぇ」
首の周りの鱗っぽいの固そうな感じ、ちょっと大きいし…
「ねぇ」
しかし、黒目しかないってのはエイリアン風味強いな~
「ねぇってば!」
「はい!?」
急に大きな声で呼ばれて、身体がビクッとした。
「じろじろ見ないでよね、ボクは見世物じゃないよ…もう身体が大丈夫なら出て行ってくれない?キミの面倒ずっと見てる暇なんて無いんだよね」
大きな目で、キッ!と睨まれている…そりゃそうだよね、急に現れた不審者を助けてくれただけでもかなり優しいよ…
「は、はい!すぐに出ていきます!助けてくれてありがとうございました!」
すぐに出ていく為、マリンに近づこうとすると
「別に、そんなすぐでなくてもいいよ…この子が起きるくらいまではいたらいい、ボクはあっちの部屋にいるから」
そう言い残すと緑さんは部屋から出ていってしまった…
「……ツンデレのツン的な?デレはないけど」
マリンを近くからそっと覗き込むと、すやすや気持ち良さそうに眠っている。リラックス状態だけど擬態は解けておらずちゃんと土色のおサルちゃんである、さっきピンク色に見えたのは焦って見えた幻覚だったみたい…。よかった。
「ワシの訓練のたまものじゃ~」
どこからともなく、長老の声が聞こえた気がする…
「本当に危機感ないおサルなんだから…気を失ってた私が言えることじゃないけど」
起きるまで、とは言われたものの…どんな人なのかもわからないし、いつまでもここにいるのが安全とは限らない。
さっき言ってた観光客をだますってやつも危なそうだし…
まずは安全確保が最優先。
助けてもらっておいて、声もかけずに出ていくのは申し訳ないけど、しかたない。
マリンを起こさないようそっと抱き上げておんぶすると…窓から外へ……
お礼に、アイリちゃん特製傷薬を置いていこう。気づいてくれたらいいな
「アリガトウ…」
小声で隣の部屋に向かって、お礼を告げると静かに部屋から抜け出した。
一一一一一一
ぬき足・さし足・しのび足・・・・・足音を立てないよう、慎重に身を隠しつつ、戻って来た海!!
イルオーレに来てから意識を取り戻して初めて見る場所ではあるけど…おそらくあの家から近いこの浜辺が最初にたどり着いた場所だろう。
「はぁ…もうやっと着いたと思ったら最初から予想外の展開ってやつだったわ~」
砂浜に座り込みドキドキしている胸をおさえる、島にいた小さい動物や妖精さんとは違う人みたいな生き物と久しぶりに会話した。
会話した嬉しさ・驚き・緊張、色んな感情が混ざりあってドキドキが収まらない。
「こんなにドキドキしてたら心臓発作起こさないか心配になるわ…はぁー」
これからの事を考えなくちゃ
とはいえ前と同じく拠点を決めて、稼ぎながら首都を目指す!しかないんだけど…
まずは、あまり人が来なそうな場所にテントを立てて、ナンシーにBOX3点セット送ってもらわなきゃ!
早速すま~ほを見ながら、辺りにいい場所をさがしていると別のアプリが目に入ってきた。
(dステ)ってこの地上ならどこでも行けるんだったよね。そしたら…ここから神島に帰るのもできちゃうのかな?
………やってみる?
行き来が楽に出来れば、わざわざテント張らなくても神島からココに来たらいいじゃん!私頭いい~
(dステ)ポチっ!スタート!
地面に青白い足跡型が浮かび上がり
3・2・1、カウントダウンが始まり足跡が動き始める。
右→左→右→左♪
『イエ~イ!!エブリバディ今日も元気にジャンプしてるかぁ~い!俺の歌声に合わせてステキなステップ見してくんね~♪ハッハッハ!』
『それじゃ、準備はいいかぁ~い??いくぜ!スリー・ツー・ワン!光に合わせてLet's ステ~ップ』
『ヤッハー!右→左→右→左♪決めポーズ!』
と歌に合わせてステップしていく。
右→左→右→左♪ポーズ!
しゃきーん!!
ステップをこなし、ポーズを決めた足元の青白い光からキラキラした光の粒が舞い上がってくる。
『サンキュー♪ナイスステ~プ!いってらっしゃ~い』
目の前が光の粒で白くそまると同時に目的地にジャンプした!!
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