23 / 64
23サプライズプレゼント
しおりを挟む
今日は私の13歳の誕生日。
空は冴え渡り、雲ひとつない青空で。
神様もエールを贈ってくれているみたい。
だって、いよいよ物語が始まるのだ。
この一月後のデビュタントの大舞踏会から。
結局あの後も、デビュタントでフランクリンが絡んできた時の対処法に良い案は浮かばなかった。
自然と落ち込みがちになる私にケインは、
「もう大丈夫です。対策はバッチリです!」
と微笑んでくれたのだけど、具体的なことは何も教えてくれず、
「もう直ぐ分かります!楽しみにしてて下さい。」
と言うばかり。
ケインは信用してるわよ?
でも、そんなの、不安なのはしょうがないじゃない?
何で教えてくれないの?
そんな風に悶々としてたからか、お兄様が仰った。
「ミリアンナ、お前の誕生日には、王太子殿下が来てくれるって言ってたよ。とびっきりのプレゼントを持っていくから楽しみにしておいてくれ、とも仰ってたよ。」
「えええ⁈」
「ただな~、お前にとってもすっごいプレゼントだぞ!って仰ったんだよ。ミリアンナと僕へのすっごいプレゼントって何だろうね?」
お兄様がしきりに首を傾げる。
王太子殿下からのプレゼント。
恐れ多いのだけど、何かしらね?
一昨年も去年もロイヤルローズの花束を自ら持って来てくださった。
花言葉を思い出しては心が温かくなった。
すっごいプレゼントだぞって事は、違う物よね?
何かしら、、、?
そんな事を考えている間に誕生日がやって来た。
今日は私が主役。
メイミが指示する中、メイド達がドレスと髪を綺麗に整えてくれる。
淡いピンクから薄碧へのグラデーションが綺麗なエンパイアタイプのドレスに、少しだけ大人っぽくハーフアップにした髪には、ドレスを飾る小さな薔薇とリボンの装飾とお揃いで作った髪飾りを付ける。
お母様とお兄様と一緒に一生懸命考えて作ってもらった、私だけのドレス。
着るのがとても楽しみだったの。
ドレスを作りに行くと言ったら、お兄様もついて来て。
一番ノリノリで楽しんでたわ。
あの時は、一体何着のドレスを試着させられたかしら?
そして、一緒に注文したデビュタント用のドレスももう直ぐ出来上がるそう。
うん、くよくよ考え込んでも仕方ないわよね。
今日は思いっきり楽しみましょう!
「さぁ、ミリアンナ様、お支度が整いましたよ。皆様お待ちです。参りましょう。」
「ありがとう。」
そう言って立ち上がると、
メイミ達支度を手伝ってくれていたメイド達が一斉に頭を下げた。
「「「ミリアンナ様、お誕生日おめでとうございます。これからの1年間もつつがなく幸福であられる事をお祈りいたします。」」」
「!ありがとう、みんな。」
幸せを願ってくれる人達がいる。
それはなんてありがたい事だろう。
思わず涙が出そうになったけれど、ぐっと我慢する。
だって、今日は楽しく過ごすと決めたから。
できる限りの笑顔を見せて。
身支度が終わり、メイミに付き添われて階下に向かう。
今回もパーティーに使うのは舞踏室ではなくて晩餐室。
エントランスに続く大階段を降りていくと、お兄様を始め、家族と沢山の使用人達が出迎えてくれていた。
デビュタント後の来年の誕生日からは、社交のために付き合いのある貴族を中心に呼び、大々的なパーティーを開く様になるので、こんな風に内輪だけで祝うのはこれが最後となる。
「13歳おめでとう、ミリアンナ。」
「おめでとう。もう立派なレディね。」
「見違えるほど綺麗だよ!勿論いつもだってとびきり可愛いけどね!」
「「「おめでとうございます、お嬢様!」」」
みんなが笑顔で祝ってくれる。
お兄様もブレないわぁ。
「ありがとうございます。とっても嬉しいです。」
あぁ、やっぱり気心の知れた人達からのお祝いは気楽で楽しいわぁ。
来年からは、ずーっとおすまししてなきゃいけなくなっちゃうんだなぁ。
ストレス溜まりそうだなぁ。
そんな風にお祝いしてもらっていたら、執事のケインが王太子殿下の来訪を伝えてきた。
「アレクサンダー殿下の馬車がおつきです。」
知らせと同時に、正面玄関の重厚なドアが開かれる。
使用人達は即座に一列に並び頭を下げた。
何だかここ一年くらいで、使用人の質が上がった気がするのは気のせいかな?
いけないいけない、私達家族もご挨拶。
「アレクサンダー王太子殿下にご挨拶申し上げます。ようこそお越し下さいました。」
「わざわざのお運びありがたく存じます。」
父と母が挨拶の口上を述べ、私もカーテシーでご挨拶をする。
「うん。歓待ありがとう。お邪魔するよ。皆楽にしてくれ。そしてミリアンナ嬢、誕生日おめでとう。」
「勿体無いお言葉です。ありがとうございます。」
そう言って下げていた頭を上げると。
いつも通りに、鮮やかなターコイズブルーのロイヤルローズの大きな花束を抱えた王太子殿下の横に、恐ろしく美しい少年と少女が立っていた。
二人とも色味がよく似ているし雰囲気も似ているからおそらく姉弟なのだろう。
少年は私と同じくらいの年齢かな?
短めのサラサラなプラチナブロンドに、煌めくアメジストの様な紫の瞳で、神様どんだけ精魂込めたのって位に整った顔立ちなのに、表情はなく憮然として立っていた。
表情がないから、本当に人間?って言いたくなるほど。
精霊とか天使って言われても納得するわぁ。
え、少年よね?ズボン履いてるし。
少女の方は多分お兄様位の年齢?
少年と同じ、サラッサラストレートのプラチナブロンドの髪は腰まで届き、絹糸の様に光を反射して煌めいていた。
瞳も同じアメジストみたいに綺麗だけれど、こちらは少しだけ吊り目がちで、それがちょっとだけ悪戯っぽい雰囲気を纏わせてて、、、。
「、、、まさか、ユリアーナ様、、、?」
隣に立っていたお兄様が呆然とした様に呟いた。
「え⁈」
ユリアーナ様ってラジアン王国のリンドバーグ公爵令嬢の⁈
予知夢を見て、私達を助けてくれようとしてた、あの⁈どうしてここに⁈
パニックになりかけた時に、お兄様の言葉を拾ったらしいユリアーナ様?が、パッとお顔を嬉しそうにお兄様に向けた。
「サイラス様!覚えていてくれて嬉しいわ!久しぶり!会えて本当に嬉しいわ‼︎」
そう言って、あろうことか、お兄様に抱きついたのだ。
空は冴え渡り、雲ひとつない青空で。
神様もエールを贈ってくれているみたい。
だって、いよいよ物語が始まるのだ。
この一月後のデビュタントの大舞踏会から。
結局あの後も、デビュタントでフランクリンが絡んできた時の対処法に良い案は浮かばなかった。
自然と落ち込みがちになる私にケインは、
「もう大丈夫です。対策はバッチリです!」
と微笑んでくれたのだけど、具体的なことは何も教えてくれず、
「もう直ぐ分かります!楽しみにしてて下さい。」
と言うばかり。
ケインは信用してるわよ?
でも、そんなの、不安なのはしょうがないじゃない?
何で教えてくれないの?
そんな風に悶々としてたからか、お兄様が仰った。
「ミリアンナ、お前の誕生日には、王太子殿下が来てくれるって言ってたよ。とびっきりのプレゼントを持っていくから楽しみにしておいてくれ、とも仰ってたよ。」
「えええ⁈」
「ただな~、お前にとってもすっごいプレゼントだぞ!って仰ったんだよ。ミリアンナと僕へのすっごいプレゼントって何だろうね?」
お兄様がしきりに首を傾げる。
王太子殿下からのプレゼント。
恐れ多いのだけど、何かしらね?
一昨年も去年もロイヤルローズの花束を自ら持って来てくださった。
花言葉を思い出しては心が温かくなった。
すっごいプレゼントだぞって事は、違う物よね?
何かしら、、、?
そんな事を考えている間に誕生日がやって来た。
今日は私が主役。
メイミが指示する中、メイド達がドレスと髪を綺麗に整えてくれる。
淡いピンクから薄碧へのグラデーションが綺麗なエンパイアタイプのドレスに、少しだけ大人っぽくハーフアップにした髪には、ドレスを飾る小さな薔薇とリボンの装飾とお揃いで作った髪飾りを付ける。
お母様とお兄様と一緒に一生懸命考えて作ってもらった、私だけのドレス。
着るのがとても楽しみだったの。
ドレスを作りに行くと言ったら、お兄様もついて来て。
一番ノリノリで楽しんでたわ。
あの時は、一体何着のドレスを試着させられたかしら?
そして、一緒に注文したデビュタント用のドレスももう直ぐ出来上がるそう。
うん、くよくよ考え込んでも仕方ないわよね。
今日は思いっきり楽しみましょう!
「さぁ、ミリアンナ様、お支度が整いましたよ。皆様お待ちです。参りましょう。」
「ありがとう。」
そう言って立ち上がると、
メイミ達支度を手伝ってくれていたメイド達が一斉に頭を下げた。
「「「ミリアンナ様、お誕生日おめでとうございます。これからの1年間もつつがなく幸福であられる事をお祈りいたします。」」」
「!ありがとう、みんな。」
幸せを願ってくれる人達がいる。
それはなんてありがたい事だろう。
思わず涙が出そうになったけれど、ぐっと我慢する。
だって、今日は楽しく過ごすと決めたから。
できる限りの笑顔を見せて。
身支度が終わり、メイミに付き添われて階下に向かう。
今回もパーティーに使うのは舞踏室ではなくて晩餐室。
エントランスに続く大階段を降りていくと、お兄様を始め、家族と沢山の使用人達が出迎えてくれていた。
デビュタント後の来年の誕生日からは、社交のために付き合いのある貴族を中心に呼び、大々的なパーティーを開く様になるので、こんな風に内輪だけで祝うのはこれが最後となる。
「13歳おめでとう、ミリアンナ。」
「おめでとう。もう立派なレディね。」
「見違えるほど綺麗だよ!勿論いつもだってとびきり可愛いけどね!」
「「「おめでとうございます、お嬢様!」」」
みんなが笑顔で祝ってくれる。
お兄様もブレないわぁ。
「ありがとうございます。とっても嬉しいです。」
あぁ、やっぱり気心の知れた人達からのお祝いは気楽で楽しいわぁ。
来年からは、ずーっとおすまししてなきゃいけなくなっちゃうんだなぁ。
ストレス溜まりそうだなぁ。
そんな風にお祝いしてもらっていたら、執事のケインが王太子殿下の来訪を伝えてきた。
「アレクサンダー殿下の馬車がおつきです。」
知らせと同時に、正面玄関の重厚なドアが開かれる。
使用人達は即座に一列に並び頭を下げた。
何だかここ一年くらいで、使用人の質が上がった気がするのは気のせいかな?
いけないいけない、私達家族もご挨拶。
「アレクサンダー王太子殿下にご挨拶申し上げます。ようこそお越し下さいました。」
「わざわざのお運びありがたく存じます。」
父と母が挨拶の口上を述べ、私もカーテシーでご挨拶をする。
「うん。歓待ありがとう。お邪魔するよ。皆楽にしてくれ。そしてミリアンナ嬢、誕生日おめでとう。」
「勿体無いお言葉です。ありがとうございます。」
そう言って下げていた頭を上げると。
いつも通りに、鮮やかなターコイズブルーのロイヤルローズの大きな花束を抱えた王太子殿下の横に、恐ろしく美しい少年と少女が立っていた。
二人とも色味がよく似ているし雰囲気も似ているからおそらく姉弟なのだろう。
少年は私と同じくらいの年齢かな?
短めのサラサラなプラチナブロンドに、煌めくアメジストの様な紫の瞳で、神様どんだけ精魂込めたのって位に整った顔立ちなのに、表情はなく憮然として立っていた。
表情がないから、本当に人間?って言いたくなるほど。
精霊とか天使って言われても納得するわぁ。
え、少年よね?ズボン履いてるし。
少女の方は多分お兄様位の年齢?
少年と同じ、サラッサラストレートのプラチナブロンドの髪は腰まで届き、絹糸の様に光を反射して煌めいていた。
瞳も同じアメジストみたいに綺麗だけれど、こちらは少しだけ吊り目がちで、それがちょっとだけ悪戯っぽい雰囲気を纏わせてて、、、。
「、、、まさか、ユリアーナ様、、、?」
隣に立っていたお兄様が呆然とした様に呟いた。
「え⁈」
ユリアーナ様ってラジアン王国のリンドバーグ公爵令嬢の⁈
予知夢を見て、私達を助けてくれようとしてた、あの⁈どうしてここに⁈
パニックになりかけた時に、お兄様の言葉を拾ったらしいユリアーナ様?が、パッとお顔を嬉しそうにお兄様に向けた。
「サイラス様!覚えていてくれて嬉しいわ!久しぶり!会えて本当に嬉しいわ‼︎」
そう言って、あろうことか、お兄様に抱きついたのだ。
98
あなたにおすすめの小説
『婚約破棄ありがとうございます。自由を求めて隣国へ行ったら、有能すぎて溺愛されました』
鷹 綾
恋愛
内容紹介
王太子に「可愛げがない」という理不尽な理由で婚約破棄された公爵令嬢エヴァントラ。
涙を流して見せた彼女だったが──
内心では「これで自由よ!」と小さくガッツポーズ。
実は王国の政務の大半を支えていたのは彼女だった。
エヴァントラが去った途端、王宮は大混乱に陥り、元婚約者とその恋人は国中から総スカンに。
そんな彼女を拾ったのは、隣国の宰相補佐アイオン。
彼はエヴァントラの安全と立場を守るため、
**「恋愛感情を持たない白い結婚」**を提案する。
「干渉しない? 恋愛不要? 最高ですわ」
利害一致の契約婚が始まった……はずが、
有能すぎるエヴァントラは隣国で一気に評価され、
気づけば彼女を庇い、支え、惹かれていく男がひとり。
――白い結婚、どこへ?
「君が笑ってくれるなら、それでいい」
不器用な宰相補佐の溺愛が、静かに始まっていた。
一方、王国では元婚約者が転落し、真実が暴かれていく――。
婚約破棄ざまぁから始まる、
天才令嬢の自由と恋と大逆転のラブストーリー!
---
悪役令嬢に転生!?わたくし取り急ぎ王太子殿下との婚約を阻止して、婚約者探しを始めますわ
春ことのは
恋愛
深夜、高熱に魘されて目覚めると公爵令嬢エリザベス・グリサリオに転生していた。
エリザベスって…もしかしてあのベストセラー小説「悠久の麗しき薔薇に捧ぐシリーズ」に出てくる悪役令嬢!?
この先、王太子殿下の婚約者に選ばれ、この身を王家に捧げるべく血の滲むような努力をしても、結局は平民出身のヒロインに殿下の心を奪われてしまうなんて…
しかも婚約を破棄されて毒殺?
わたくし、そんな未来はご免ですわ!
取り急ぎ殿下との婚約を阻止して、わが公爵家に縁のある殿方達から婚約者を探さなくては…。
__________
※2023.3.21 HOTランキングで11位に入らせて頂きました。
読んでくださった皆様のお陰です!
本当にありがとうございました。
※お気に入り登録やしおりをありがとうございます。
とても励みになっています!
※この作品は小説家になろう様にも投稿しています。
「不吉な黒」と捨てられた令嬢、漆黒の竜を「痛いの飛んでいけー!」で完治させてしまう
ムラサメ
恋愛
漆黒の髪と瞳。ただそれだけの理由で「不吉なゴミ」と虐げられてきた公爵令嬢ミア。
死の森に捨てられた彼女が出会ったのは、呪いに侵され、最期を待つ最強の黒竜と、その相棒である隣国の竜騎士ゼノだった。
しかし、ミアが無邪気に放った「おまじない」は、伝説の浄化魔法となって世界を塗り替える。
向こう見ずな天才騎士に拾われたミアは、隣国で「女神」として崇められ、徹底的に甘やかされることに。
一方、浄化の源を失った王国は、みるみるうちに泥沼へと沈んでいき……?
神託の聖女様~偽義妹を置き去りにすることにしました
青の雀
恋愛
半年前に両親を亡くした公爵令嬢のバレンシアは、相続権を王位から認められ、晴れて公爵位を叙勲されることになった。
それから半年後、突如現れた義妹と称する女に王太子殿下との婚約まで奪われることになったため、怒りに任せて家出をするはずが、公爵家の使用人もろとも家を出ることに……。
分厚いメガネを外した令嬢は美人?
しゃーりん
恋愛
極度の近視で分厚いメガネをかけている子爵令嬢のミーシャは家族から嫌われている。
学園にも行かせてもらえず、居場所がないミーシャは教会と孤児院に通うようになる。
そこで知り合ったおじいさんと仲良くなって、話をするのが楽しみになっていた。
しかし、おじいさんが急に来なくなって心配していたところにミーシャの縁談話がきた。
会えないまま嫁いだ先にいたのは病に倒れたおじいさんで…介護要員としての縁談だった?
この結婚をきっかけに、将来やりたいことを考え始める。
一人で寂しかったミーシャに、いつの間にか大切な人ができていくお話です。
出来損ないと呼ばれた公爵令嬢の結婚
奏千歌
恋愛
[できそこないと呼ばれても][魔王]
努力をしてきたつもりでした。
でもその結果が、私には学園に入学できるほどの学力がないというものでした。
できそこないと言われ、家から出ることを許されず、公爵家の家族としても認めてもらえず、使用人として働くことでしか、そこに私の居場所はありませんでした。
でも、それも、私が努力をすることができなかった結果で、悪いのは私のはずでした。
私が悪いのだと、何もかもを諦めていました。
諦めた果てに私に告げられたことは、魔法使いとの結婚でした。
田舎町に住む魔法使いさんは、どんな方なのか。
大きな不安を抱え、長い長い道のりを歩いて行きました。
第二王女と次期公爵の仲は冷え切っている
山法師
恋愛
グレイフォアガウス王国の第二王女、シャーロット。
フォーサイス公爵家の次期公爵、セオドア。
二人は婚約者であるけれど、婚約者であるだけだった。
形だけの婚約者。二人の仲は冷め切っているし冷え切っている。
そもそも温度など、最初から存在していない。愛も恋も、友情も親しみも、二人の間には存在しない。
周知の事実のようなそれを、シャーロットもセオドアも否定しない。
お互いにほとんど関わりを持とうとしない、交流しようとしない、シャーロットとセオドアは。
婚約者としての親睦を深める茶会でだけ、顔を合わせる。
親睦を深める茶会だというのに、親睦は全く深まらない。親睦を深めるつもりも深める意味も、二人にはない。
形だけの婚約者との、形だけの親睦を深める茶会。
今日もまた、同じように。
「久しぶりに見る君が、いつにも増して愛らしく見えるし愛おしく思えて、僕は今にも天に召されそうなほどの幸福を味わっている。──?!」
「あたしのほうこそセオ様とお顔を合わせること、夢みたいに思ってるんですからね。大好きなセオ様を独り占めしているみたいに思えるんですよ。はっ?!」
顔を合わせて確認事項を本当に『確認』するだけの茶会が始まるはずが、それどころじゃない事態に陥った。
【1話完結】あなたの恋人は毎夜わたしのベッドで寝てますよ。
ariya
ファンタジー
ソフィア・ラテットは、婚約者アレックスから疎まれていた。
彼の傍らには、いつも愛らしい恋人リリアンヌ。
婚約者の立場として注意しても、アレックスは聞く耳を持たない。
そして迎えた学園卒業パーティー。
ソフィアは公衆の面前で婚約破棄を言い渡される。
ガッツポーズを決めるリリアンヌ。
そのままアレックスに飛び込むかと思いきや――
彼女が抱きついた先は、ソフィアだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる