24 / 64
24 リンドバーグ姉弟
しおりを挟む
「あねうえー‼︎」
お兄様に抱きついたユリアーナ様の首根っこを引っ張って引き剥がしながら、天使様が叫んだ。
「まずは挨拶が先です!母様に告げ口しますよ⁈礼儀正しくして下さい!」
「‼︎御免なさい‼︎」
そうして、一歩下がって恭しくカーテシーをされ、ご挨拶をして下さる。
「非礼お詫び致します。ラジアン国より参りました。リンドバーグ公爵家が長女ユリアーナにございます。エストロジア家の皆様にはお初にお目もじ致します。こちらは弟のディアンジェロでございます。」
「公爵家嫡男、ディアンジェロ・フォン・リンドバーグと申します。姉が大変失礼いたしました。どうぞよろしくお願い致します。」
天使様の名前はディアンジェロ様と仰るのね。
完璧なボウアンドスクレープ。
さすが公爵家、二人ともなんて綺麗な所作。
はっ、私も一応公爵令嬢だったわ。
もっと礼儀作法頑張ろう!
「もう、アンジェいじわる言わないで。だってサイラス様に逢えたの9年ぶりよ?懐かしくて嬉しかったんですもの。」
「アンジェと呼ぶのはやめて下さい。僕の名前はディアンジェロです。9年前なら止めてませんよ。姉上はもういいお年でしょうが。」
「ちょっと、失礼ね、その言い方は無くない⁈」
仲のいいご姉弟なのね。
でもまるで妹と兄みたい。
天使様もといディアンジェロ様は、ユリアーナ様とお話ししてると表情が豊かになって人間ぽくなるのね、って元々人間だわ。
自分の思考に内心クスクスと笑っていると、
「初めまして?貴方がミリアンナ様かしら。サイラス様から貴女の事を聞いていたの。逢えて本当に嬉しいわ。私とも仲良くして下さるかしら?」
にっこりと笑ってユリアーナ様が仰った。
うわぁ、なにこれなにこれ!笑ったお顔は雰囲気が全然変わって、むっちゃくちゃ可愛すぎるんですけどー‼︎
「も、もつ、勿論です‼︎こちらこそよろしくお願い致します‼︎」
噛んじゃったー!!
公爵令嬢にあるまじき行為ー!
後でお母様に怒られるー!
「うふふ、緊張なさらないでね?嬉しいわ。貴女とはたくさんお話ししたい事があるの。まずは、お誕生日おめでとうございます。」
そう言って、王太子殿下と共に、薔薇の花束を贈って下さった。
「ありがとうございます。」
この薔薇をいただくたびに思い出す。
ターコイズブルーのバラの花言葉。
それは、
「奇跡」
「夢かなう」
「不可能を可能にする」
「神の祝福」
みんなの気持ち。
きっと大丈夫。
そう思わせてくれる、勇気をくれるから。
私は今も笑顔でいられるのだ。
「さぁ、殿下方、立ち話も何ですし、どうぞこちらへお越しください。ささやかながら祝いの準備をしております。どうぞ一緒に祝ってやって下さい。」
お父様が皆んなを晩餐室に促していく。
ふと横に居るお兄様が、あれから何も話さないでいるのに気付いて見上げた。
「お兄様?」
お兄様は口元に手を当てて、目を見開いてユリアーナ様の後ろ姿を凝視しながら、、、顔を真っ赤にしていた‼︎
え~⁈なにこれなにこれ⁈
お兄様の真っ赤な顔ってすっごいレアなんですけどー‼︎
ユリアーナ様に抱きつかれて照れちゃった⁈
いや、あのお兄様が⁈ナイナイ‼︎
て事は、て事は、てことは~⁈
脳内キャッキャしてたら、お兄様がはっとして気を取り直しちゃった。
チェッ、残念。
「コホン」
と、わざとらしく咳をしてお兄様が手を差し出してエスコートしてくれる。
「さぁ、僕たちも行こうミリアンナ。」
「はい、お兄様。」
「お花は飾ってもらおうね、貸してごらん。」
と言って、私が抱えた花束を受け取ってくれた。
近くに控えていたメイドに、
「とりあえず晩餐室に飾ってくれるかな?パーティーが終わったら、ミリアンナの部屋に飾り直してあげて。」
「はい、かしこまりました。」
「よろしくね。さぁ、行こう?ミリアンナ。」
我が兄ながらスマートだわぁ。
だからこそ、さっきの顔が気になっちゃう。
うーん、聞いちゃえ。
「お兄様、ユリアーナ様とお知り合いなのですか?」
「えっ!あー、うん。9年くらい前にアレク殿下が立太子された時に、ラジアンへ挨拶と交友の為に行かれてね、その時ご一緒させていただいたんだよ。その時にお会いしたんだ。ほら、ユリアーナ様も9年ぶりって仰っていただろう?」
「そうだったんですね。」
チラリとお兄様を見上げる。
目を細めて懐かしむ様なお顔。
初恋、、、だったりして?
「ユリアーナ様すっごくお綺麗ですよね。お小さい頃も可愛かったですか?」
「そうだね、初めて見た時は妖精かと思ったよ。」
おお!ディアンジェロ様に対する私の感想と同じ!
あの姉弟、やっぱりヒト以上の美しさよね!
「でも、中身はやんちゃでね、表情はコロコロ変わるし、好奇心旺盛だしで僕はずっと振り回されまくりだったよ。」
クスクスと笑いながら語ってくれる。
ああ、なんて優しい表情。
「素敵な思い出なんですね。」
「そうだね。」
「逢えてよかったですね。」
「、、、そうだね。」
あれ?ちょっと暗くなっちゃった?
会いたくなかったなんて事は無いわよね?
お兄様に抱きついたユリアーナ様の首根っこを引っ張って引き剥がしながら、天使様が叫んだ。
「まずは挨拶が先です!母様に告げ口しますよ⁈礼儀正しくして下さい!」
「‼︎御免なさい‼︎」
そうして、一歩下がって恭しくカーテシーをされ、ご挨拶をして下さる。
「非礼お詫び致します。ラジアン国より参りました。リンドバーグ公爵家が長女ユリアーナにございます。エストロジア家の皆様にはお初にお目もじ致します。こちらは弟のディアンジェロでございます。」
「公爵家嫡男、ディアンジェロ・フォン・リンドバーグと申します。姉が大変失礼いたしました。どうぞよろしくお願い致します。」
天使様の名前はディアンジェロ様と仰るのね。
完璧なボウアンドスクレープ。
さすが公爵家、二人ともなんて綺麗な所作。
はっ、私も一応公爵令嬢だったわ。
もっと礼儀作法頑張ろう!
「もう、アンジェいじわる言わないで。だってサイラス様に逢えたの9年ぶりよ?懐かしくて嬉しかったんですもの。」
「アンジェと呼ぶのはやめて下さい。僕の名前はディアンジェロです。9年前なら止めてませんよ。姉上はもういいお年でしょうが。」
「ちょっと、失礼ね、その言い方は無くない⁈」
仲のいいご姉弟なのね。
でもまるで妹と兄みたい。
天使様もといディアンジェロ様は、ユリアーナ様とお話ししてると表情が豊かになって人間ぽくなるのね、って元々人間だわ。
自分の思考に内心クスクスと笑っていると、
「初めまして?貴方がミリアンナ様かしら。サイラス様から貴女の事を聞いていたの。逢えて本当に嬉しいわ。私とも仲良くして下さるかしら?」
にっこりと笑ってユリアーナ様が仰った。
うわぁ、なにこれなにこれ!笑ったお顔は雰囲気が全然変わって、むっちゃくちゃ可愛すぎるんですけどー‼︎
「も、もつ、勿論です‼︎こちらこそよろしくお願い致します‼︎」
噛んじゃったー!!
公爵令嬢にあるまじき行為ー!
後でお母様に怒られるー!
「うふふ、緊張なさらないでね?嬉しいわ。貴女とはたくさんお話ししたい事があるの。まずは、お誕生日おめでとうございます。」
そう言って、王太子殿下と共に、薔薇の花束を贈って下さった。
「ありがとうございます。」
この薔薇をいただくたびに思い出す。
ターコイズブルーのバラの花言葉。
それは、
「奇跡」
「夢かなう」
「不可能を可能にする」
「神の祝福」
みんなの気持ち。
きっと大丈夫。
そう思わせてくれる、勇気をくれるから。
私は今も笑顔でいられるのだ。
「さぁ、殿下方、立ち話も何ですし、どうぞこちらへお越しください。ささやかながら祝いの準備をしております。どうぞ一緒に祝ってやって下さい。」
お父様が皆んなを晩餐室に促していく。
ふと横に居るお兄様が、あれから何も話さないでいるのに気付いて見上げた。
「お兄様?」
お兄様は口元に手を当てて、目を見開いてユリアーナ様の後ろ姿を凝視しながら、、、顔を真っ赤にしていた‼︎
え~⁈なにこれなにこれ⁈
お兄様の真っ赤な顔ってすっごいレアなんですけどー‼︎
ユリアーナ様に抱きつかれて照れちゃった⁈
いや、あのお兄様が⁈ナイナイ‼︎
て事は、て事は、てことは~⁈
脳内キャッキャしてたら、お兄様がはっとして気を取り直しちゃった。
チェッ、残念。
「コホン」
と、わざとらしく咳をしてお兄様が手を差し出してエスコートしてくれる。
「さぁ、僕たちも行こうミリアンナ。」
「はい、お兄様。」
「お花は飾ってもらおうね、貸してごらん。」
と言って、私が抱えた花束を受け取ってくれた。
近くに控えていたメイドに、
「とりあえず晩餐室に飾ってくれるかな?パーティーが終わったら、ミリアンナの部屋に飾り直してあげて。」
「はい、かしこまりました。」
「よろしくね。さぁ、行こう?ミリアンナ。」
我が兄ながらスマートだわぁ。
だからこそ、さっきの顔が気になっちゃう。
うーん、聞いちゃえ。
「お兄様、ユリアーナ様とお知り合いなのですか?」
「えっ!あー、うん。9年くらい前にアレク殿下が立太子された時に、ラジアンへ挨拶と交友の為に行かれてね、その時ご一緒させていただいたんだよ。その時にお会いしたんだ。ほら、ユリアーナ様も9年ぶりって仰っていただろう?」
「そうだったんですね。」
チラリとお兄様を見上げる。
目を細めて懐かしむ様なお顔。
初恋、、、だったりして?
「ユリアーナ様すっごくお綺麗ですよね。お小さい頃も可愛かったですか?」
「そうだね、初めて見た時は妖精かと思ったよ。」
おお!ディアンジェロ様に対する私の感想と同じ!
あの姉弟、やっぱりヒト以上の美しさよね!
「でも、中身はやんちゃでね、表情はコロコロ変わるし、好奇心旺盛だしで僕はずっと振り回されまくりだったよ。」
クスクスと笑いながら語ってくれる。
ああ、なんて優しい表情。
「素敵な思い出なんですね。」
「そうだね。」
「逢えてよかったですね。」
「、、、そうだね。」
あれ?ちょっと暗くなっちゃった?
会いたくなかったなんて事は無いわよね?
92
あなたにおすすめの小説
『婚約破棄ありがとうございます。自由を求めて隣国へ行ったら、有能すぎて溺愛されました』
鷹 綾
恋愛
内容紹介
王太子に「可愛げがない」という理不尽な理由で婚約破棄された公爵令嬢エヴァントラ。
涙を流して見せた彼女だったが──
内心では「これで自由よ!」と小さくガッツポーズ。
実は王国の政務の大半を支えていたのは彼女だった。
エヴァントラが去った途端、王宮は大混乱に陥り、元婚約者とその恋人は国中から総スカンに。
そんな彼女を拾ったのは、隣国の宰相補佐アイオン。
彼はエヴァントラの安全と立場を守るため、
**「恋愛感情を持たない白い結婚」**を提案する。
「干渉しない? 恋愛不要? 最高ですわ」
利害一致の契約婚が始まった……はずが、
有能すぎるエヴァントラは隣国で一気に評価され、
気づけば彼女を庇い、支え、惹かれていく男がひとり。
――白い結婚、どこへ?
「君が笑ってくれるなら、それでいい」
不器用な宰相補佐の溺愛が、静かに始まっていた。
一方、王国では元婚約者が転落し、真実が暴かれていく――。
婚約破棄ざまぁから始まる、
天才令嬢の自由と恋と大逆転のラブストーリー!
---
悪役令嬢に転生!?わたくし取り急ぎ王太子殿下との婚約を阻止して、婚約者探しを始めますわ
春ことのは
恋愛
深夜、高熱に魘されて目覚めると公爵令嬢エリザベス・グリサリオに転生していた。
エリザベスって…もしかしてあのベストセラー小説「悠久の麗しき薔薇に捧ぐシリーズ」に出てくる悪役令嬢!?
この先、王太子殿下の婚約者に選ばれ、この身を王家に捧げるべく血の滲むような努力をしても、結局は平民出身のヒロインに殿下の心を奪われてしまうなんて…
しかも婚約を破棄されて毒殺?
わたくし、そんな未来はご免ですわ!
取り急ぎ殿下との婚約を阻止して、わが公爵家に縁のある殿方達から婚約者を探さなくては…。
__________
※2023.3.21 HOTランキングで11位に入らせて頂きました。
読んでくださった皆様のお陰です!
本当にありがとうございました。
※お気に入り登録やしおりをありがとうございます。
とても励みになっています!
※この作品は小説家になろう様にも投稿しています。
「不吉な黒」と捨てられた令嬢、漆黒の竜を「痛いの飛んでいけー!」で完治させてしまう
ムラサメ
恋愛
漆黒の髪と瞳。ただそれだけの理由で「不吉なゴミ」と虐げられてきた公爵令嬢ミア。
死の森に捨てられた彼女が出会ったのは、呪いに侵され、最期を待つ最強の黒竜と、その相棒である隣国の竜騎士ゼノだった。
しかし、ミアが無邪気に放った「おまじない」は、伝説の浄化魔法となって世界を塗り替える。
向こう見ずな天才騎士に拾われたミアは、隣国で「女神」として崇められ、徹底的に甘やかされることに。
一方、浄化の源を失った王国は、みるみるうちに泥沼へと沈んでいき……?
神託の聖女様~偽義妹を置き去りにすることにしました
青の雀
恋愛
半年前に両親を亡くした公爵令嬢のバレンシアは、相続権を王位から認められ、晴れて公爵位を叙勲されることになった。
それから半年後、突如現れた義妹と称する女に王太子殿下との婚約まで奪われることになったため、怒りに任せて家出をするはずが、公爵家の使用人もろとも家を出ることに……。
分厚いメガネを外した令嬢は美人?
しゃーりん
恋愛
極度の近視で分厚いメガネをかけている子爵令嬢のミーシャは家族から嫌われている。
学園にも行かせてもらえず、居場所がないミーシャは教会と孤児院に通うようになる。
そこで知り合ったおじいさんと仲良くなって、話をするのが楽しみになっていた。
しかし、おじいさんが急に来なくなって心配していたところにミーシャの縁談話がきた。
会えないまま嫁いだ先にいたのは病に倒れたおじいさんで…介護要員としての縁談だった?
この結婚をきっかけに、将来やりたいことを考え始める。
一人で寂しかったミーシャに、いつの間にか大切な人ができていくお話です。
第二王女と次期公爵の仲は冷え切っている
山法師
恋愛
グレイフォアガウス王国の第二王女、シャーロット。
フォーサイス公爵家の次期公爵、セオドア。
二人は婚約者であるけれど、婚約者であるだけだった。
形だけの婚約者。二人の仲は冷め切っているし冷え切っている。
そもそも温度など、最初から存在していない。愛も恋も、友情も親しみも、二人の間には存在しない。
周知の事実のようなそれを、シャーロットもセオドアも否定しない。
お互いにほとんど関わりを持とうとしない、交流しようとしない、シャーロットとセオドアは。
婚約者としての親睦を深める茶会でだけ、顔を合わせる。
親睦を深める茶会だというのに、親睦は全く深まらない。親睦を深めるつもりも深める意味も、二人にはない。
形だけの婚約者との、形だけの親睦を深める茶会。
今日もまた、同じように。
「久しぶりに見る君が、いつにも増して愛らしく見えるし愛おしく思えて、僕は今にも天に召されそうなほどの幸福を味わっている。──?!」
「あたしのほうこそセオ様とお顔を合わせること、夢みたいに思ってるんですからね。大好きなセオ様を独り占めしているみたいに思えるんですよ。はっ?!」
顔を合わせて確認事項を本当に『確認』するだけの茶会が始まるはずが、それどころじゃない事態に陥った。
出来損ないと呼ばれた公爵令嬢の結婚
奏千歌
恋愛
[できそこないと呼ばれても][魔王]
努力をしてきたつもりでした。
でもその結果が、私には学園に入学できるほどの学力がないというものでした。
できそこないと言われ、家から出ることを許されず、公爵家の家族としても認めてもらえず、使用人として働くことでしか、そこに私の居場所はありませんでした。
でも、それも、私が努力をすることができなかった結果で、悪いのは私のはずでした。
私が悪いのだと、何もかもを諦めていました。
諦めた果てに私に告げられたことは、魔法使いとの結婚でした。
田舎町に住む魔法使いさんは、どんな方なのか。
大きな不安を抱え、長い長い道のりを歩いて行きました。
【1話完結】あなたの恋人は毎夜わたしのベッドで寝てますよ。
ariya
ファンタジー
ソフィア・ラテットは、婚約者アレックスから疎まれていた。
彼の傍らには、いつも愛らしい恋人リリアンヌ。
婚約者の立場として注意しても、アレックスは聞く耳を持たない。
そして迎えた学園卒業パーティー。
ソフィアは公衆の面前で婚約破棄を言い渡される。
ガッツポーズを決めるリリアンヌ。
そのままアレックスに飛び込むかと思いきや――
彼女が抱きついた先は、ソフィアだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる