[完結]転生したので私を殺したクズな王子に復讐します。、、、お兄様達が。

masato

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29 妖精姫に拉致された僕(サイラス)

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ちょっと待て、なんでこうなった⁈

今僕は王宮の何処だか分からない庭の巨大な樹の大きく張り出した枝の上にいる。
横には涼しい顔をしたユリアーナ様。

「大丈夫?サイラス様?」

心配そうに聞いてくれるけれど、答える余裕もなく、ぜぇはぁと肩で息をしている状態だ。

お茶会会場から連れ出された僕は、この樹の前まで連れてこられた。
そして、

「この上から見る景色は最高なのよ!それにまず見つからないから、内緒のお話するのにぴったりなの!」

と、可愛い笑顔で宣った後、スルスルと木に登って行った。

「えええー⁈」

驚愕していると、

「サイラス様も早くー!」

なんて手を振って言ってきた。
いや、僕一応公爵令息だからね?
普通木になんか登らないからね?
とはいえ、期待に満ちた目で見られたら、出来ないなんて言えなくて。

「サイラス様は木に登るの苦手だったのね?御免なさい。」

シュンと気落ちされてしまって、プライドが傷つくやら、なぜか罪悪感がおきるやら。

「初めて登ったので、要領が分からなくて。」

やっと息が整ってきたので、言い訳をする。

「そうなのね。」
「ラジアンでは貴族の子息子女も木に登ったりするんですか?」

ドレスでは無いだろうな~と思いながら話の矛先を変える。

「うーん、どうかしら?ユスト達は付き合ってくれるけど、アンジェにはお小言言われるし、お母様に告げ口されて怒られてるわ。」

ああ、やっぱりラジアンでも普通じゃないか。
ちょっとホッとした。

「アンジェとは?」
「弟よ。ディアンジェロって言うんだけど、アンジェの方が可愛くて好きなの。でも本人はいつも怒るのよね。顔は可愛いのに、中身は可愛くないのよ。ちっちゃい頃は、ねぇたまねぇたまってそりゃぁ可愛かったのに!」

ぷんぷん、って擬態語が聞こえそうな様子で言ってる貴女こそとんでもなく可愛いですけど、ディアンジェロ君には同情するよ、、、。

「ねぇ、サイラス様には妹さんがいるんでしょう?」
「えっ?よくご存知ですね?」
「ミリアンナちゃんよね!蒼銀の髪にターコイズブルーの瞳の美少女‼︎水の妖精なんて呼び名ぴったりよね!めちゃくちゃ可愛いんでしょうね!会いたいわぁ‼︎私も可愛い妹が欲しいわぁ♡」
「、、、は?なんでそんな事⁈」

容姿だけならまだしも、なんで僕が小さい頃つけたあだ名を知ってるんだ⁈
驚愕して見つめていると、「あっ!」って感じでまずいこと言ったって顔で口を塞いだ。
いやもう聞こえてるからね?
うーんうーんと唸った後、如何にも内緒よって風に顔を近づけてきた。
いやいやいや、近いってば!

「あのね、信じてもらえないかもしれないけど、私ちょっとだけ未来を知ってるの。」
「は?」

未来とミリアンナとなんの関係が?

「うーんとね、既視感?未来視?って言たっけ?予知夢とかかな?うーん難しいや。つまりね、こんなこと前にあったとかこの後こんなことが起きるとか?そう言うのが分かるのよ。内緒よ?あ、でもご家族にだけは言ってもいいわよ?」
「えっ?」
「昨日ね、謁見の間でサイラス様をみて、私貴方を知ってるわって思ったの。」
「、、、僕を見て泣いてたのは?」
「貴方に会えて嬉しかったの。私貴方が小さい頃から知ってたわ。ミリアンナちゃんが生まれた時も。」
「は?」
「出産でお母様がとても苦しんでて、貴方は赤ちゃんのせいだって言って怒ってた。でもミリアンナちゃんが生まれて、「赤ちゃんも頑張ってくれたのよ。だから嫌わないであげてね。」ってお母様に言われて、ちっちゃな手を貴方に伸ばしてくるミリアンナちゃんを見て「御免ね。ミリアンナは悪く無いよ。」って、「これからはお兄様が絶対守ってあげるからね。」って泣きながら言ってた事とか、、、、。」
「うわぁぁ~‼︎」

やめて、なにそれ!なんで知ってるの⁈
黒歴史じゃん!

「うふふ、素敵なお兄様よね。それからずっとずっと貴方がミリアンナちゃんを大切に思っている事私知ってるの。」

そう言って少し目線を遠くに飛ばした表情がとても綺麗だけれどもの哀しくて印象的で。
何を思っているの?
そう聞きたかったけれど、聞けなくて。

「だからね、サイラス様。この先何があってもミリアンナちゃんを守ってね?」

そう言って戻した視線は驚くほど真剣で。
何故?とはやっぱり聞けなくて。

「もちろんです。ミリアンナは大切な妹ですから。」
「うふふ、そうよね。でもね、サイラス様、貴方自身も大切にしてね?貴方に何かあれば、ミリアンナちゃんが悲しむし、私も悲しいわ。」
「え?」
「だからね、サイラス様。覚えていてね?私は貴方達の味方よ。私にできる事があればなんでもするわ。何かあった時は絶対私を思い出してね?」

そう言って微笑んだ表情は、なんだか泣いてる様に見えた。

「ユリアーナ様はどうしてそこまで、、、、」

僕を気にしてくれるの?
と言いかけたところで、叫び声が響いた。

「ユリアー!そんなところで何してるんだー!」
「きゃぁ⁈」
「ユリアッ、、、⁈」

大声に驚いたユリアーナ様が、バランスを崩して木から落ちかけた。
慌てて手を伸ばしたけれど、子供の僕に支えきれる訳もなく、二人して木から落っこちた。

せめてもと、ユリアーナ様を庇って受け身を取ったつもりだったけれど。

衝撃の後、意識は途切れた。
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