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31閑話 ロイエンタールの家風なの?(レティシア)
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医務官とアレクサンダー王子にサイラス公子の様子を伝えた後、私達ロイエンタール家に用意された控室に向かう。
癇癪を起こして飛び出した愚息と夫が居るはず。
公爵家の嫡男としてはあり得ない態度だけれど、まぁ、息子の気持ちも分からなくはない。
あの子はほんの小さい頃からずっとユリアーナが好きだったのだから。
私とリンデンバーグ家の当主リディアムは従姉弟で幼馴染。
同い年ではあるけれど、ずっと弟の様に可愛がってきた。
互いに結婚して子供が生まれると、子どもを連れて行き来をしていた。
ユリアは小さい頃から本当に妖精の様に可愛くて、フレッドは一目見た時から夢中だったわ。
何度も婚約を打診したけどユリア次第と断われ、その内王子達からも縁談が持ち込まれる様になった。
家柄も容姿も何もかもが文句なしだものね。
最も、リディアムもユリアも我関せずだったけれど。
フレッドは王子が相手では勝ち目がない、とでも思ったのか、諦めた様に見えた。
我が息子ながら本当にヘタレだわ。
まぁ、それがポッとやってきた他国の公爵子息にユリアが執着したものだから、許せなかったのね。
認めたくなかったと言うのかしら?
「ほんっとうにヘタレだわ。」
部屋に入り、泣いて暴れて疲れて寝てしまったと言う息子の寝顔を見て、心底呆れた言葉が出た。
「レティシア、そう言ってやるな。」
精悍なはずの面差しが、眉を下げてひどく情けない顔になった夫が言う。
「ヘタレはロイエンタール家の家風なのかしらね?」
「レティシア、、、。」
もっと情け無い顔になった。
「だって貴方からのプロポーズの言葉まだ覚えていてよ?」
「頼むからもう許してくれ。」
片手で顔を覆ってしまった。
あら、虐めすぎたかしら?
この男は、長年王家からの私との縁談を保留し続けていたのだ。
保留なので、他に縁談を持っていくわけにもいかず。
王女相手にキープするつもり?いい度胸ね、なんて思っていたのだけれど。
リディアムが結婚を決めたらしい、と聞いた途端に私の所にやって来て言ったのだ。
「リディアム卿の事はもう諦めて、私と結婚して欲しい。愛してくれとは言わない。共にいてくれるだけでいい。私は生涯貴方だけを愛すると誓う。誰よりも大切にすると誓う。」
どうやら彼は私がリディアムを好いていると思っていたらしく、リディアムが結婚して私が彼を諦めるまで待っていたらしい。
「全く、貴方といいフレッドといい、正面からぶつかって砕けるくらいの気概は無いのかしら。」
「砕けたくないから、待ってたんだ!」
「それがヘタレなんでしょうが。」
「ぐ」
涙の跡が頬に残る息子の頭を優しく撫でながら、
「本当に、仕方のないところがお父様に似てしまった事。」
「レティシア、、、。」
「でも、お父様も今は幸せみたいだから、貴方もきっと幸せになれるわよ。残念ながらユリアーナとの縁は無さそうだけれど。」
貴方の人生はまだまだ始まったばかりなんだから。
たくさんの色々な経験をして強くおなりなさい。
好きな人たちの幸せを願ってあげられるくらいに。
癇癪を起こして飛び出した愚息と夫が居るはず。
公爵家の嫡男としてはあり得ない態度だけれど、まぁ、息子の気持ちも分からなくはない。
あの子はほんの小さい頃からずっとユリアーナが好きだったのだから。
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同い年ではあるけれど、ずっと弟の様に可愛がってきた。
互いに結婚して子供が生まれると、子どもを連れて行き来をしていた。
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最も、リディアムもユリアも我関せずだったけれど。
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我が息子ながら本当にヘタレだわ。
まぁ、それがポッとやってきた他国の公爵子息にユリアが執着したものだから、許せなかったのね。
認めたくなかったと言うのかしら?
「ほんっとうにヘタレだわ。」
部屋に入り、泣いて暴れて疲れて寝てしまったと言う息子の寝顔を見て、心底呆れた言葉が出た。
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精悍なはずの面差しが、眉を下げてひどく情けない顔になった夫が言う。
「ヘタレはロイエンタール家の家風なのかしらね?」
「レティシア、、、。」
もっと情け無い顔になった。
「だって貴方からのプロポーズの言葉まだ覚えていてよ?」
「頼むからもう許してくれ。」
片手で顔を覆ってしまった。
あら、虐めすぎたかしら?
この男は、長年王家からの私との縁談を保留し続けていたのだ。
保留なので、他に縁談を持っていくわけにもいかず。
王女相手にキープするつもり?いい度胸ね、なんて思っていたのだけれど。
リディアムが結婚を決めたらしい、と聞いた途端に私の所にやって来て言ったのだ。
「リディアム卿の事はもう諦めて、私と結婚して欲しい。愛してくれとは言わない。共にいてくれるだけでいい。私は生涯貴方だけを愛すると誓う。誰よりも大切にすると誓う。」
どうやら彼は私がリディアムを好いていると思っていたらしく、リディアムが結婚して私が彼を諦めるまで待っていたらしい。
「全く、貴方といいフレッドといい、正面からぶつかって砕けるくらいの気概は無いのかしら。」
「砕けたくないから、待ってたんだ!」
「それがヘタレなんでしょうが。」
「ぐ」
涙の跡が頬に残る息子の頭を優しく撫でながら、
「本当に、仕方のないところがお父様に似てしまった事。」
「レティシア、、、。」
「でも、お父様も今は幸せみたいだから、貴方もきっと幸せになれるわよ。残念ながらユリアーナとの縁は無さそうだけれど。」
貴方の人生はまだまだ始まったばかりなんだから。
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