[完結]転生したので私を殺したクズな王子に復讐します。、、、お兄様達が。

masato

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39 物語の中のお兄様

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ユリア様が語ってくれた物語。

実はお兄様が重度のシスコンになったのには訳があった。
7歳の時初めて訪れたラジアンでの淡い初恋。
相手はラジアンの王太子の婚約者だった。
他国の王女様で、彼女にも可愛い妹がいるそうでお兄様と話が盛り上がったのだとか。
お互い妹を大切にしましょうね、なんて言われた言葉を後生大事に思い続けてたとかって、どんだけちょろいの?
まぁそれで、王女様には到底向けられない愛情をひたすら妹に向けてたのね。
健気というかなんというか?

ちょっと遠い目になったけど、ユリア様にはそんな兄がとても可愛く映ったらしい。

やがて両親がフランクリン達によって殺される。
郊外の離宮で開かれた夜会に招待された夫妻は、途中の川に馬車ごと転落させられたのだ。
彼らは最後まで、まだ若いサイラスとミリアンナを心配していた。

サイラスは公爵位を継承し、哀しみの中、ミリアンナを守れるのは僕だけだと、必死に家門を守ろうとしていた。

サイラスは最初からフランクリンを信用してはいなかった。
だから彼がミリアンナと結婚して婿入りしてくると、常にそちらにも神経を尖らせなくてはならなかった。
彼がミリアンナを傷付ける事がない様に。
けれどそのせいもあって、疲労はどんどん溜まってくる。
体調を崩す事も増えてきた。
でもそれは、フランクリン達が少しずつ毒を盛っているせいでもあった。

体調が思わしくない中、王家主催の狩猟大会が催される。
筆頭公爵家として出席しないわけにもいかず。
護衛の従者数人を連れて参加した森の中で、サイラスは彼らの裏切りを知る。
体調が万全ならそんな不覚を取る事もなかったはずだった。
だが、思う様に動かない体は碌な反撃さえできずに崖に追い詰められた。

「まさかお前達に裏切られるとは思わなかったよ。父上達の事故もお前達の仕業だったのか?」
「エストロジアが邪魔だそうです。申し訳ありませんが、諦めて下さい。」
「ミリアンナはどうなる?」
「いずれお会いできるかと。」
「貴様ら!ミリアンナに手を出したら許さない!!」
「は、貴方はここで死ぬのに、何ができると?」


結局、反撃も虚しくサイラスは崖下へと突き落とされる。
事故に見せかけるために、愛馬と共に。

全身が悲鳴を上げ血が流れ出る中、サイラスは死を覚悟した。

もう指一本さえ動かせない。
息を吸うことさえ激痛の中、とめどなく涙が流れる。
父母が殺され、自分も殺され、やがておそらく近いうちにミリアンナまでも。
何故自分は気付かなかった?
不甲斐なくて情けない。
おそらくはフランクリンの仕業なのだろう。
あれほど警戒していたのに。

ごめんね、ミリアンナ。
不甲斐ないお兄様で。
お前を絶対に守ると誓ったのに。
もう僕はお前を守ってあげられない。

僕が死んだらきっとまた悲しむ。
僕を忘れてくれていいから。
お願いだから悲しまないで。

誰でもいい、お願いだ。
ミリアンナを守って。
あの子が幸せでさえいてくれるなら
他に望むものなんてないから。

誰か、どうか、あの子を救って、、、。
ミリアンナ
お前の幸せだけを願ってる、、、。



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