40 / 64
40 物語は変えられる
しおりを挟む
(区切りたくて短くなったので連続投下です)
お兄様は
最後まで私を心配してくれていたのね。
命が消えるその瞬間まで。
「お兄様っ!」
ユリア様の仰ったように泣き出してしまった私を、ユリア様はずっと抱きしめて背を撫でていてくれた。
「そんな風にミリアンナを大切に思い続けたサイラス様がいじらしくて可哀想で大好きだったのよ。」
と、ユリア様が仰った。
「ユリア様、変えられますよね?物語とは違う未来を迎える事が出来ますよね?強制力なんて無いですよね?」
絶対あんな未来を迎える訳にはいかないもの!
だけどどうしても不安が消えなくて。
「もちろんよ。そのために私がいるんだもの。」
ユリア様は力強く断言された。
迷いのない言葉に涙が止まる。
「ねぇ、ミリアちゃんはエストリア物語は読んだのよね?」
「え?はい、アリーチェ様のお話ですよね。ユリア様のお母様の。」
「そうよ。ねぇ、その結末は覚えてる?」
「はい、もちろんです。卒業式の後でアリーチェ様は、ずっと不実な態度だったデヴィッド様に婚約破棄を申し出たんだけど、デヴィッド様は本当はアリーチェ様がお好きで、自分が婿養子に入るせいでアリーチェ様から伯爵位を奪う事になった罪悪感からそっけない態度を取ってたと知って、お許しになって二人でエストリア領を盛り立てるっていうハッピーエンド、、、え?でも、アリーチェ様はリンドバーグ公爵様とご結婚されて、、、る?」
「ふふふ、そうね。お母様はデヴィッド卿を許したりしなかったわ。それどころか、エストリア伯爵家もこのエスト王国さえも捨ててラジアンに渡ったの。」
「、、、物語と違う、、、。」
「そうね。更に言うと、エストロジアの本編は覚えてる?」
「フランクリンの娘のイライザがラジアンに留学して色々あって王太子に見そめられるんですよね?」
「ええ。で、ディアンジェロも出てきたわよね?リンドバーグ公爵として。王太子の側近の父親だったわよね?彼の家族構成覚えてる?リンドバーグ家には代々子供は1人しか生まれない、なんて揶揄される場面が無かったかしら?」
「、、、ディアンジェロ様は、公爵家の一人息子だったはず⁈」
「そうよ。アリーチェお母様はリンドバーグに嫁いでなかったし、まして、ユリアーナという娘は存在してなかったわ。」
「そんな⁈」
「安心して?強制力なんて存在しないわ。私という存在がその証だもの。」
「ユリア様。」
「ね?絶対貴女を守ってみせるから、安心してね。私には、リンドバーグにはその力があるわ。サイラス様が大切にしていた貴女を、私が守るわ。」
強い瞳で言い切って下さる。
ストンと腑に落ちた。
ああ、この方は本当にお兄様が大切なんだ。
だから私たちも大切に思って下さる。
こんなにも思って下さる。
「ありがとうございます。お義姉様。」
「えっ⁈」
「うふふ。」
もう大丈夫。
この世界は物語なんかじゃ無い。
自分の力で努力すれば未来は絶対変わる。
変えてみせるわ。
お兄様は
最後まで私を心配してくれていたのね。
命が消えるその瞬間まで。
「お兄様っ!」
ユリア様の仰ったように泣き出してしまった私を、ユリア様はずっと抱きしめて背を撫でていてくれた。
「そんな風にミリアンナを大切に思い続けたサイラス様がいじらしくて可哀想で大好きだったのよ。」
と、ユリア様が仰った。
「ユリア様、変えられますよね?物語とは違う未来を迎える事が出来ますよね?強制力なんて無いですよね?」
絶対あんな未来を迎える訳にはいかないもの!
だけどどうしても不安が消えなくて。
「もちろんよ。そのために私がいるんだもの。」
ユリア様は力強く断言された。
迷いのない言葉に涙が止まる。
「ねぇ、ミリアちゃんはエストリア物語は読んだのよね?」
「え?はい、アリーチェ様のお話ですよね。ユリア様のお母様の。」
「そうよ。ねぇ、その結末は覚えてる?」
「はい、もちろんです。卒業式の後でアリーチェ様は、ずっと不実な態度だったデヴィッド様に婚約破棄を申し出たんだけど、デヴィッド様は本当はアリーチェ様がお好きで、自分が婿養子に入るせいでアリーチェ様から伯爵位を奪う事になった罪悪感からそっけない態度を取ってたと知って、お許しになって二人でエストリア領を盛り立てるっていうハッピーエンド、、、え?でも、アリーチェ様はリンドバーグ公爵様とご結婚されて、、、る?」
「ふふふ、そうね。お母様はデヴィッド卿を許したりしなかったわ。それどころか、エストリア伯爵家もこのエスト王国さえも捨ててラジアンに渡ったの。」
「、、、物語と違う、、、。」
「そうね。更に言うと、エストロジアの本編は覚えてる?」
「フランクリンの娘のイライザがラジアンに留学して色々あって王太子に見そめられるんですよね?」
「ええ。で、ディアンジェロも出てきたわよね?リンドバーグ公爵として。王太子の側近の父親だったわよね?彼の家族構成覚えてる?リンドバーグ家には代々子供は1人しか生まれない、なんて揶揄される場面が無かったかしら?」
「、、、ディアンジェロ様は、公爵家の一人息子だったはず⁈」
「そうよ。アリーチェお母様はリンドバーグに嫁いでなかったし、まして、ユリアーナという娘は存在してなかったわ。」
「そんな⁈」
「安心して?強制力なんて存在しないわ。私という存在がその証だもの。」
「ユリア様。」
「ね?絶対貴女を守ってみせるから、安心してね。私には、リンドバーグにはその力があるわ。サイラス様が大切にしていた貴女を、私が守るわ。」
強い瞳で言い切って下さる。
ストンと腑に落ちた。
ああ、この方は本当にお兄様が大切なんだ。
だから私たちも大切に思って下さる。
こんなにも思って下さる。
「ありがとうございます。お義姉様。」
「えっ⁈」
「うふふ。」
もう大丈夫。
この世界は物語なんかじゃ無い。
自分の力で努力すれば未来は絶対変わる。
変えてみせるわ。
104
あなたにおすすめの小説
『婚約破棄ありがとうございます。自由を求めて隣国へ行ったら、有能すぎて溺愛されました』
鷹 綾
恋愛
内容紹介
王太子に「可愛げがない」という理不尽な理由で婚約破棄された公爵令嬢エヴァントラ。
涙を流して見せた彼女だったが──
内心では「これで自由よ!」と小さくガッツポーズ。
実は王国の政務の大半を支えていたのは彼女だった。
エヴァントラが去った途端、王宮は大混乱に陥り、元婚約者とその恋人は国中から総スカンに。
そんな彼女を拾ったのは、隣国の宰相補佐アイオン。
彼はエヴァントラの安全と立場を守るため、
**「恋愛感情を持たない白い結婚」**を提案する。
「干渉しない? 恋愛不要? 最高ですわ」
利害一致の契約婚が始まった……はずが、
有能すぎるエヴァントラは隣国で一気に評価され、
気づけば彼女を庇い、支え、惹かれていく男がひとり。
――白い結婚、どこへ?
「君が笑ってくれるなら、それでいい」
不器用な宰相補佐の溺愛が、静かに始まっていた。
一方、王国では元婚約者が転落し、真実が暴かれていく――。
婚約破棄ざまぁから始まる、
天才令嬢の自由と恋と大逆転のラブストーリー!
---
悪役令嬢に転生!?わたくし取り急ぎ王太子殿下との婚約を阻止して、婚約者探しを始めますわ
春ことのは
恋愛
深夜、高熱に魘されて目覚めると公爵令嬢エリザベス・グリサリオに転生していた。
エリザベスって…もしかしてあのベストセラー小説「悠久の麗しき薔薇に捧ぐシリーズ」に出てくる悪役令嬢!?
この先、王太子殿下の婚約者に選ばれ、この身を王家に捧げるべく血の滲むような努力をしても、結局は平民出身のヒロインに殿下の心を奪われてしまうなんて…
しかも婚約を破棄されて毒殺?
わたくし、そんな未来はご免ですわ!
取り急ぎ殿下との婚約を阻止して、わが公爵家に縁のある殿方達から婚約者を探さなくては…。
__________
※2023.3.21 HOTランキングで11位に入らせて頂きました。
読んでくださった皆様のお陰です!
本当にありがとうございました。
※お気に入り登録やしおりをありがとうございます。
とても励みになっています!
※この作品は小説家になろう様にも投稿しています。
「不吉な黒」と捨てられた令嬢、漆黒の竜を「痛いの飛んでいけー!」で完治させてしまう
ムラサメ
恋愛
漆黒の髪と瞳。ただそれだけの理由で「不吉なゴミ」と虐げられてきた公爵令嬢ミア。
死の森に捨てられた彼女が出会ったのは、呪いに侵され、最期を待つ最強の黒竜と、その相棒である隣国の竜騎士ゼノだった。
しかし、ミアが無邪気に放った「おまじない」は、伝説の浄化魔法となって世界を塗り替える。
向こう見ずな天才騎士に拾われたミアは、隣国で「女神」として崇められ、徹底的に甘やかされることに。
一方、浄化の源を失った王国は、みるみるうちに泥沼へと沈んでいき……?
神託の聖女様~偽義妹を置き去りにすることにしました
青の雀
恋愛
半年前に両親を亡くした公爵令嬢のバレンシアは、相続権を王位から認められ、晴れて公爵位を叙勲されることになった。
それから半年後、突如現れた義妹と称する女に王太子殿下との婚約まで奪われることになったため、怒りに任せて家出をするはずが、公爵家の使用人もろとも家を出ることに……。
分厚いメガネを外した令嬢は美人?
しゃーりん
恋愛
極度の近視で分厚いメガネをかけている子爵令嬢のミーシャは家族から嫌われている。
学園にも行かせてもらえず、居場所がないミーシャは教会と孤児院に通うようになる。
そこで知り合ったおじいさんと仲良くなって、話をするのが楽しみになっていた。
しかし、おじいさんが急に来なくなって心配していたところにミーシャの縁談話がきた。
会えないまま嫁いだ先にいたのは病に倒れたおじいさんで…介護要員としての縁談だった?
この結婚をきっかけに、将来やりたいことを考え始める。
一人で寂しかったミーシャに、いつの間にか大切な人ができていくお話です。
第二王女と次期公爵の仲は冷え切っている
山法師
恋愛
グレイフォアガウス王国の第二王女、シャーロット。
フォーサイス公爵家の次期公爵、セオドア。
二人は婚約者であるけれど、婚約者であるだけだった。
形だけの婚約者。二人の仲は冷め切っているし冷え切っている。
そもそも温度など、最初から存在していない。愛も恋も、友情も親しみも、二人の間には存在しない。
周知の事実のようなそれを、シャーロットもセオドアも否定しない。
お互いにほとんど関わりを持とうとしない、交流しようとしない、シャーロットとセオドアは。
婚約者としての親睦を深める茶会でだけ、顔を合わせる。
親睦を深める茶会だというのに、親睦は全く深まらない。親睦を深めるつもりも深める意味も、二人にはない。
形だけの婚約者との、形だけの親睦を深める茶会。
今日もまた、同じように。
「久しぶりに見る君が、いつにも増して愛らしく見えるし愛おしく思えて、僕は今にも天に召されそうなほどの幸福を味わっている。──?!」
「あたしのほうこそセオ様とお顔を合わせること、夢みたいに思ってるんですからね。大好きなセオ様を独り占めしているみたいに思えるんですよ。はっ?!」
顔を合わせて確認事項を本当に『確認』するだけの茶会が始まるはずが、それどころじゃない事態に陥った。
出来損ないと呼ばれた公爵令嬢の結婚
奏千歌
恋愛
[できそこないと呼ばれても][魔王]
努力をしてきたつもりでした。
でもその結果が、私には学園に入学できるほどの学力がないというものでした。
できそこないと言われ、家から出ることを許されず、公爵家の家族としても認めてもらえず、使用人として働くことでしか、そこに私の居場所はありませんでした。
でも、それも、私が努力をすることができなかった結果で、悪いのは私のはずでした。
私が悪いのだと、何もかもを諦めていました。
諦めた果てに私に告げられたことは、魔法使いとの結婚でした。
田舎町に住む魔法使いさんは、どんな方なのか。
大きな不安を抱え、長い長い道のりを歩いて行きました。
【1話完結】あなたの恋人は毎夜わたしのベッドで寝てますよ。
ariya
ファンタジー
ソフィア・ラテットは、婚約者アレックスから疎まれていた。
彼の傍らには、いつも愛らしい恋人リリアンヌ。
婚約者の立場として注意しても、アレックスは聞く耳を持たない。
そして迎えた学園卒業パーティー。
ソフィアは公衆の面前で婚約破棄を言い渡される。
ガッツポーズを決めるリリアンヌ。
そのままアレックスに飛び込むかと思いきや――
彼女が抱きついた先は、ソフィアだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる