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58 神の采配
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「前の人生ではね、父の言うなりにしかできない自分が情けなくて惨めで泣いてばかりいたわ。後宮からほとんど出ないにも関わらず悪評だらけで皆に嫌われて。でもね、フランクリンが結婚すると言って会わせてくれた貴女は私にも優しかったわ。ご両親が亡くなった後、私に元気でいて下さいってこの護符を下さった程に。すごく嬉しかったのよ?貴女と結婚したフランクリンにも感謝するほど。」
そんな風に思って下さっていたの?
いつも悲しそうに微笑んでるイメージしかなくて。
どうしてこの方はあんなに悪く言われてるんだろうって思ってた。
「でも、そんな貴女も死んでしまった。悲しくて悲しくて。なのに、あの子は、フランクリンはすぐに別の娘と再婚するなんて言い出した。もちろん反対したわ。不義理が過ぎるって。なのにあの子は言ったの。元々愛人のつもりだったけど、ミリアンナが死んだから夫人にすればいいって言われたんだと。私はあの子の教育に口をはさめなかったから、愚か者だろうとは思ってた。でもこんなに情のない子だったなんて。それから色々調べて、父達がエストロジア簒奪を企てて、皆様を殺したのだと知ったわ。私が父達を恐れて言いなりになったせいで、フランクリンはあんな子に育ってしまった。直接手を下してなくても同じ事。だから、私の意気地なさから始まったこの狂気を私が終わらせようと思ったの。そして、フランクリンを殺して私も命を絶ったのよ。」
「!!」
「フランクリンという傀儡がなくなり、娘の私が王族殺しという罪人になればアズロは破滅するわ。、、、皆滅べばいいと思ったの。」
あまりの事に言葉が出ない。
自分の子を殺すなんて、どれほど、、、!
「でもね、死んだはずなのに気がついたら時間を巻き戻っていたの。夢でも見たのかと思ったけれど、私の手にはこの護符が握られていたわ。それが今から1ヶ月前の事。」
「えっ⁈」
巻き戻った時期が違うの⁈
何で⁈
「1番驚いたのはアズロ叔父様が生きていて宰相になっていた事ね。そしてエストロジアにリンドバーグが味方に付いてた。前世と違うのだと思ったわ。ならば運命も変えられるはずだって。それから必死で父達の罪を証明できる証拠を探して、、、やっと見つけたので急いでユリアーナ様にお知らせしたの。」
「それがあの時の手紙よ。話を聞いてから大慌てでロイエンタールに協力を求めて、昨日フレッドが証拠を持って来てくれたのよ。まさしく神の采配ね?」
カミノサイハイ
「さっきの質問ね?フランクリンは何も知らなかった。今世でも。あの子は自分で考えるという事を学ばされなかった。これはあの子ではなく、親である私の罪です。だからこそ前世の貴女に最大の謝罪を。、、、今世では間に合って良かったわ。」
「ね?ミリアちゃん、フランクリンは初めから貴女や貴女の家族を殺そうとして近付いた訳じゃなかったの。それは信じてね。」
殺すつもりで近付いて来た人に、心を許した自分が許せなかった。
そのせいで家族が殺されたのだと。
でも、違ったのね?
それだけでも少しだけ救われた気がするわ。
「分かりました。ありがとうございます。全て終わったんですね。だったら、大丈夫です。明日からは怯える事なく生きて行けますから。」
にっこりと笑えたと思う。
「、、、そう。」
ユリア様が何か言いたそうに、でも口をつぐむ。
「ミランダ妃様とフランクリン王子は国外へ追放と伺いました。どうなさるんですか?」
「実はね、フランクリンの父親と共に国を出るの。親子3人でひっそり暮らす予定よ。ユリアーナ様にお力添え頂いたので。」
「えっ?」
「今度こそ親子3人でやり直すわ。私も幸せになる努力をしてみるわね。貴女から頂いた護符は持っていてもいいかしら?」
「!もちろんです!ご無事をお祈りしています。」
「ありがとう。もう会う事もないけれど、私も貴女の幸せをずっと願っています。」
そう言って、ミランダ様はお帰りになっていった。
ミランダ様の後ろ姿を見つめながら、ユリア様に質問する。
「ユリア様、わからないんですけど、どうして私達回帰した時期や転生前の記憶を取り戻した時期がバラバラなんでしょうね?」
「そうよね~、でもね、考えてみると、私があの時点で記憶を取り戻さなきゃサイラス様との出会いはなかったし、ミリアちゃんがあのタイミングで回帰しなければグレンが執事になってたし、ミランダ様がアズロの罪を暴けたのも、みんなギリギリのタイミングだったと思うのよ。」
「そうですね。」
「たとえば本当に神様がいて手を加えられるのだとしてもギリギリが精一杯なのかなって。」
「運命に逆らうための?」
「そう。人は自分で人生を決めなくちゃいけないって事ね。神様はほんの僅かなチャンスしかくれないのよ。」
「そうですね。じゃぁ、私も自分で頑張ってみます。」
「うふふ、そうね。あとはみんなで幸せになりましょう?」
ああ、本当に全部終わったんだなぁ。
明日からは何の心配もしなくていい、穏やかな日々が続いていくのね。
「あ」
「?どうかしたの?」
「ユリア様は、ラジアンに帰っちゃうんですか?」
「ええ、そうね。全部片付いたから、そろそろ帰らなくちゃいけないわね。」
「ディアンジェロ様もですよね、、、。」
「うふふ、寂しいって思ってくれるの?」
「もちろんです!」
「う、、、うーん、そうキッパリ言われるとねぇ。」
「?」
「まぁいいわ、みんなの所に行きましょう。きっとアンジェ達が心配してるわ。」
「はい!」
「アンジェ、貴方の恋路もなかなか大変そうね?」
小さな声で呟かれたユリア様の声は私には届かなかった。
そんな風に思って下さっていたの?
いつも悲しそうに微笑んでるイメージしかなくて。
どうしてこの方はあんなに悪く言われてるんだろうって思ってた。
「でも、そんな貴女も死んでしまった。悲しくて悲しくて。なのに、あの子は、フランクリンはすぐに別の娘と再婚するなんて言い出した。もちろん反対したわ。不義理が過ぎるって。なのにあの子は言ったの。元々愛人のつもりだったけど、ミリアンナが死んだから夫人にすればいいって言われたんだと。私はあの子の教育に口をはさめなかったから、愚か者だろうとは思ってた。でもこんなに情のない子だったなんて。それから色々調べて、父達がエストロジア簒奪を企てて、皆様を殺したのだと知ったわ。私が父達を恐れて言いなりになったせいで、フランクリンはあんな子に育ってしまった。直接手を下してなくても同じ事。だから、私の意気地なさから始まったこの狂気を私が終わらせようと思ったの。そして、フランクリンを殺して私も命を絶ったのよ。」
「!!」
「フランクリンという傀儡がなくなり、娘の私が王族殺しという罪人になればアズロは破滅するわ。、、、皆滅べばいいと思ったの。」
あまりの事に言葉が出ない。
自分の子を殺すなんて、どれほど、、、!
「でもね、死んだはずなのに気がついたら時間を巻き戻っていたの。夢でも見たのかと思ったけれど、私の手にはこの護符が握られていたわ。それが今から1ヶ月前の事。」
「えっ⁈」
巻き戻った時期が違うの⁈
何で⁈
「1番驚いたのはアズロ叔父様が生きていて宰相になっていた事ね。そしてエストロジアにリンドバーグが味方に付いてた。前世と違うのだと思ったわ。ならば運命も変えられるはずだって。それから必死で父達の罪を証明できる証拠を探して、、、やっと見つけたので急いでユリアーナ様にお知らせしたの。」
「それがあの時の手紙よ。話を聞いてから大慌てでロイエンタールに協力を求めて、昨日フレッドが証拠を持って来てくれたのよ。まさしく神の采配ね?」
カミノサイハイ
「さっきの質問ね?フランクリンは何も知らなかった。今世でも。あの子は自分で考えるという事を学ばされなかった。これはあの子ではなく、親である私の罪です。だからこそ前世の貴女に最大の謝罪を。、、、今世では間に合って良かったわ。」
「ね?ミリアちゃん、フランクリンは初めから貴女や貴女の家族を殺そうとして近付いた訳じゃなかったの。それは信じてね。」
殺すつもりで近付いて来た人に、心を許した自分が許せなかった。
そのせいで家族が殺されたのだと。
でも、違ったのね?
それだけでも少しだけ救われた気がするわ。
「分かりました。ありがとうございます。全て終わったんですね。だったら、大丈夫です。明日からは怯える事なく生きて行けますから。」
にっこりと笑えたと思う。
「、、、そう。」
ユリア様が何か言いたそうに、でも口をつぐむ。
「ミランダ妃様とフランクリン王子は国外へ追放と伺いました。どうなさるんですか?」
「実はね、フランクリンの父親と共に国を出るの。親子3人でひっそり暮らす予定よ。ユリアーナ様にお力添え頂いたので。」
「えっ?」
「今度こそ親子3人でやり直すわ。私も幸せになる努力をしてみるわね。貴女から頂いた護符は持っていてもいいかしら?」
「!もちろんです!ご無事をお祈りしています。」
「ありがとう。もう会う事もないけれど、私も貴女の幸せをずっと願っています。」
そう言って、ミランダ様はお帰りになっていった。
ミランダ様の後ろ姿を見つめながら、ユリア様に質問する。
「ユリア様、わからないんですけど、どうして私達回帰した時期や転生前の記憶を取り戻した時期がバラバラなんでしょうね?」
「そうよね~、でもね、考えてみると、私があの時点で記憶を取り戻さなきゃサイラス様との出会いはなかったし、ミリアちゃんがあのタイミングで回帰しなければグレンが執事になってたし、ミランダ様がアズロの罪を暴けたのも、みんなギリギリのタイミングだったと思うのよ。」
「そうですね。」
「たとえば本当に神様がいて手を加えられるのだとしてもギリギリが精一杯なのかなって。」
「運命に逆らうための?」
「そう。人は自分で人生を決めなくちゃいけないって事ね。神様はほんの僅かなチャンスしかくれないのよ。」
「そうですね。じゃぁ、私も自分で頑張ってみます。」
「うふふ、そうね。あとはみんなで幸せになりましょう?」
ああ、本当に全部終わったんだなぁ。
明日からは何の心配もしなくていい、穏やかな日々が続いていくのね。
「あ」
「?どうかしたの?」
「ユリア様は、ラジアンに帰っちゃうんですか?」
「ええ、そうね。全部片付いたから、そろそろ帰らなくちゃいけないわね。」
「ディアンジェロ様もですよね、、、。」
「うふふ、寂しいって思ってくれるの?」
「もちろんです!」
「う、、、うーん、そうキッパリ言われるとねぇ。」
「?」
「まぁいいわ、みんなの所に行きましょう。きっとアンジェ達が心配してるわ。」
「はい!」
「アンジェ、貴方の恋路もなかなか大変そうね?」
小さな声で呟かれたユリア様の声は私には届かなかった。
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