誰かこの子のお父さんをしりませんかぁ?

かみい

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6◇魔法付与しませんかぁ?◇

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大きめの赤黒い魔石を両手で緩く包み込んでそっと魔力を少量ずつ流し込む。
魔力を魔石に注ぎながら付与したい魔法のイメージを浮かべる。

地が割れそこから燃え盛るマグマが溢れ、草木生い茂る地面を舐めるように覆っていく。そこは灼熱の地獄・・・

熱い・・・

イメージをリアルにすればするほど苦しい。
魔力を注ぐことにもイメージもどちらも手が抜けない。

つーーーーっ

いつの間にか額に汗が浮かびそれが頬を伝って落ちる。



時間は宵の口。

汗が伝ったところに夜の気温が下がった空気が冷たく触れていく。


もう少し・・・

このイメージを定着させるだけ・・・



もともと魔石の持つ火属性と擦り合わせる。
私の魔力と溶け合うような混ざり合うような・・・
魔力が強すぎても弱すぎてもダメ。
イメージに合わせてじわりじわりと巻き付けて浸透させていく。

「ふぅ・・・・・・」

どのくらいそうしていたか、第一段階の魔法付与が終わった。
あとこれをヒューバートさんに鑑定してもらってきちんと付与が定着しているか見てもらってから、さらに第二段階の魔法を付与する予定だ。
やっぱりこのくらい大きな魔石は魔力の容量も大きい。まだまだいくらでも入る。ファイヤーアローで降らす幻影でも入れてみようかしら?そしたら攻撃も広範囲に及ぶしいいなぁ。


魔石は大切に小さな皮袋に収めた。
きちんと収めておかないと、以前マナに興味本位で持ち出されて大騒動したのだから。

あの時は私が悪かった。
簡単な付与だったけど数をこなしたことで、終わって力尽きて片付けもせずにそのまま椅子で眠ってしまったのだから・・・
私が悪い。
子供に触れてほしくないものはきちんと収めておかないといけない。
このことでよくよく肝に命じました。

その時は幸いにジェフさんが見つけて回収してくれたので事なきを得たけど次もそうとも限らないから、気を付けないとね。
小さな皮袋はチュニックの隠しポケットに収めて安心だ。


さて、ラビットジャガーの魔石は少量だがストックがある。
これも今のうちに魔法付与しておこう。

状態異常解呪の魔法付与は、私にとっては簡単な作業。
だって『ふつ~のじょうたいにも~どれ!』って唱えながら魔力を注ぐだけ。その後魔石がキラッと光れば完成だ。最初のころに比べると雑になってるけど、なぜか性能は上がっているらしい・・・解せぬ。
まあでも攻撃魔法をイメージするよりも、精神的にも楽でいい。これは楽な気持ちでやったほうが効果がいいのだ。
さあ!サクサク付与しましょう。

現在、マナはヒューバートさんたちのお部屋で遊んでもらっている。フィオナさんも一緒だ。ジェフさんとアシュトンさんは、さっきの食堂で数人の若い冒険者に囲まれていた。先に部屋に戻ったからあれから私は知らない。
寝るには少し早い時間もあり、今日依頼された魔法付与も魔石がある程度集まれば忙しくなるから、できたらアシュトンさんから頼まれた魔法付与を先にやっておきたかったのだ。
今日の討伐は予定通りで、特別多くの魔法を使っていない。まだ、十分魔力は余っていたのでマナのお相手をお願いして私は、フィオナさんとの相部屋で一人集中してせっせと魔法付与活動をしていた。

しかし、気が付けばかなり遅い時間となってた。
大人たちはともかく、小さなマナはもう寝る時間だ。

さっきまで集中していたから気が付かなかったが、かすかに泣き声が聞こえる。
それはもう聞き覚えのある泣き声。
手を止め耳を澄ませばその鳴き声はだんだん大きくなってきている?いや、ここに近づいてきているのか?

「まぁまぁ~、ぎゃぁぁぁまぁまぁ、まっまぁぁぁ~うえぇ~ん」

間違いない、うちの子だ。
こんな冒険者だらけのギルドの宿屋にマナ以外の幼児の泣き声がするはずがない!

泣き声は、バタバタという大きな足音と共に近づいてきていた。


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