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12◇それぞれ思い出しませんかぁ?その5◇
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ヒューバードside
パチッ
じいちゃんの言う通り物置にある、ランタンに今までなかったレバーを上に向けると明かりが灯った。
「・・・すげぇ」
胸が高鳴る。
今まで見たことのない魔法術式だった。
ランタンの中には魔石があり、僕たちが集めて使い道がない屑魔石を使っているという。
家の中にあった、スイドウというもののジャグチにつけられた魔石を見た時踊りだしそうになった。
組み込まれた魔法術式は、驚くほど複雑で緻密だった。こんな術式普通描けないし、解くこともできない。
どうやって、こんな魔法術式を思いついたのか気になって、『アイリ』と名乗った少女に詰め寄るほど興奮したのだが、「あったらいいなぁっておもって・・・」とあり得ないほど簡潔な答えが返ってきた。もっと掘り下げようとしたのだが、久々に食らった絶対零度級のじいちゃんの睨みで背筋が凍ったのでやめておいた。
尤も、アイリって子も変わっていた。
僕らが順に名乗ったあと、なにか気になったらしく僕をマジマジ見つめてきたと思えばいきなり目が爛々として頬を紅潮させたかと思えば、興奮気味に僕の耳を指さしたんだよね。
エルフだよって言ったら『ファンタジー小説の鉄板!』そのあとは一人ですごいって連発して悶えたりしてた。最後には拝まれた。
なんでだろう?
この国は、エルフも獣人もいるってのに珍しくもないだろうに。じいちゃんの家から一番近い町の薬屋は僕と同じハーフエルフだし、大工をやっているジンも町の門番のブルーノも獣人だ。まあ、獣人は人族と変わりはないから分からないかぁ。
だけど、ちょっと観察すればわかるだろうに
変わってるなぁ
まあ、往々にして魔術を使うやつの中には変わり者が多いから気にしないけどね。
変わり者じゃないと、新しい魔術なんて奇抜な発想はできない。
この魔術だってそうだ。
どこの誰が魔石に魔術を組み込まそうと思う?
魔石には元の魔物魔獣の魔力が残っている。それをそのまま使うならあり得る。でも魔術を組み込ませるなんて、反発が起きるのが普通。下手すりゃ暴走暴発の危険性があってタブーとされているものだ。
それをことなさげにあんな小娘がやってのけたなんて信じられない。
こんなことに出会うなんて、やっぱり世界は面白いなぁ。
「どうやってんだ、これ。こんな魔法術式見たことない・・・、はあぁ、なにもんなんだあの子は・・・」
埃舞う小屋の中で僕のつぶやきは、ランタンから放たれるわずかな光と同じようにぼんやりと口から無意識に出ていた。
こんなの本当に見たことがない。
ただの魔法術式じゃない。
ばあちゃんが見たら間違いなくあの子は、数日間、いや数年はばあちゃんの部屋から出られないだろうな。
僕も子供のころ遠慮なく、魔力の研究材料にされたもんなぁ。
ああ、気になるぅ。
背筋がゾクゾクする。いままでかんじたことのない未知への興奮が収まらない。小屋の中の吊るされたランタンをいつまでも見ている僕は、奥に入りじーっとこっちを見ているじいちゃんに気が付かない・・・ふりをしてずっと見ていたい。
できないのはわかっているけどな。
「オイ、これを早く運べ。アイリが使えるようにしてくれるんだ早くせんか!」
もともと神経質なじいちゃんだけど、今日も絶好調にイラついてる。そんなところはフィオナとそっくりなんだから。
まったく少しはのんびりすればいいのに。
いや、いつもはのんびりしてるんだった。自分のペースを崩されるのを極端に嫌うんだったな。
このままほっとくと、青筋立てるのも変わってないなぁ。
こんなじいちゃんがよく、見知らぬ女の子を家に入れて一緒に過ごしてるもんだなぁ。かわいい子だったから惚れたか?じいちゃんに限ってそりゃないか。
「ほ~い」
じいちゃんのイライラマックスになる絶妙な直前で、示された木箱を持ち上げる。
蓋をされていないそれは、中に仕切りを付けられて色分けされていた。
もともとごちゃごちゃに入れてあったものをあの子が大きさや色で分けたらしい。
これにどうやって魔法術式を付与するのか、見せてほしいと言ったらフィオナが起きてから話が済んだら見せてくれるというので家に運ぶことにしたのだ。本当はそれを聞いたときにフィオナの部屋に突撃してたたき起こそうとしたけど、ジェフに拳骨をこちらも久々にもらって我慢した。
木箱を持ち上げて周りを見たら、同じように屑魔石はまだ3箱も残っている。
アイリが勝手に使ってすいませんって言ってたけど、使い道もなく捨てるわけにもいかない余っていたものだからいくらでも使ってくれていいから目の前で見せてほしい。
寧ろ全部使ってくれたらいいのに・・・
ああ、楽しみだぁ。
◇
自分でいうのもなんだが、僕は見てくれもいいし魔力は豊富、魔法についての知識も操作も得意だ。しかもばあちゃんが魔王討伐成功報酬としてもらった爵位が、王宮魔術師団に入ってたくさんの魔法術式についての研究によって国に貢献したとして陞爵して最終的に侯爵までになっていた。僕自身も王宮魔術団に属して功績だけでいうならばあちゃんと同様なくらいに挙げている。
寄ってくる女性はそれこそ幼少から後を絶たない。
だが、正直興味がない。別に性欲がないわけじゃない。
僕は人族の親父とエルフ族のオカンとの間に生まれたことでエルフと同じくらい長寿になっている。大凡だが200年は生きるのかな?しかもこのエルフ族特有の中性的な美貌が長年維持されることになる。それなりにきれいなだけの女性には興味がないし、面白みのない人間にも興味を持てなかった。
兎角、物心ついた時から僕は大抵のことはそれなりにできることもあり、世の中『おもしろい』か『おもしろくない』かで判断する癖があった。
幼馴染の3人は別だ.
こいつらは楽しいとか楽しくないとかでない。一緒にいたいと思うそんなやつらだ。
何故・なんで?そんな理由を付ける様な無粋なことはしない。
ただ、一緒にいたい、そんな理由でいいんだ。
小難しいことなんてどうでもいい。
冒険者になるとジェフとアシュから聞いたときに、僕はすでに国の筆頭魔術師としてばあちゃんの下で働いていた。人使いの荒いばあちゃんは、僕が5歳になるや否や両親のもとから引取り、王宮魔術団に特例で上層部を脅して入れて所属させ、新しい魔術や新規発見魔獣・魔族の研究にこき使いだした。
親父譲りの器用さと、おかん譲りの豊富な魔力でいかようにも魔法魔術の実践で使える僕は、ばあちゃんの片腕どころか四肢のように働いた。ばあちゃん以外だったら反抗していただろうけど、ばあちゃんには僕さえも使えない特殊な魔術が使える。それを別にしても、昔から僕を遠慮なく怒るばあちゃんは怖い。本能的に逆らうことに警鐘を鳴らされている。
それでも、ばあちゃんに逆らって冒険者として飛び出した。
まあ一緒に行くのがジェフたちだったことで、ばあちゃんもあきらめて送り出してくれた。
後から聞けばいつも影が薄い親父が頑張って仲裁してくれたみたいだ。
親父はばあちゃんが全くしない上がるだけ上がった爵位と褒賞で貰いまくった領地経営に忙しくしていた。侯爵としての仕事はともかく、領地経営は領民、そこに暮らす人々がいることだから、できなじゃ済まされない。親父は魔法もだがそういうところにも器用さを発揮して小まめに領地開拓を行った。それをよく引き継いだのが1つ下の弟で親父の助手をしている。こいつはすでに18歳の時に結婚していて子供までいるんだよな。手の早いやつだ。だから、実家の侯爵家は問題ない。そうしているのは誰のおかげだってばあちゃんに食ってかかってくれたらしい。親子で・・・。そうじゃないと、今頃僕は拘束の為に魔法の網でがんじがらめにされていたことだろうと思う。5歳からばあちゃんにこき使われている僕を不憫に思っていたらしい。申し訳ないっていわれたけど、別にいいよ~んって軽くかえしといた。だって僕は親父や弟と違って魔力が膨大で魔術しか取り柄がないかったし、魔法を使ったり研究するのは嫌いじゃない。
でも、親父のそのやさしさのおかげで旅立てたんでよかった。親父様様だ。
冒険者になって旅に出たからこそ、毎日が楽しかった。
魔獣を倒すのも、魔法が効かない物理的に攻撃をしないといけない魔獣から、物理的攻撃も効かない魔法も魔力を吸収する魔獣など、書物では知っているそれらが目の前に現れると、興奮して仕方がなかった。
いつもいつも楽しい事ばかりじゃないけど、魔術研究に付き合わされているだけの日々よりも楽しかった。
生きているって感じられる。
仲間がいるのが楽しかった。
その仲間で幼馴染のフィオナが昨日は、初めて見るくらい様子がおかしかった。
気の強いフィオナでも冒険者でもない一般人に食って掛かっているのも珍しい。僕やアシュに纏わりつく女たちを冷たく傲慢に見える態度であしらってるのに、昨日のフィオナは余裕が全くないようで見ていて苦しそうだったなぁ。どう考えてもフィオナのほうが強いと思うのに負けそうなときの様な気迫があった。
フィオナを苦しめるあの女の子は嫌だけど、魔法付与とやらには興味があるんだよな。
組み込まれた魔法術式が緻密で繊細で芸術作品のように綺麗で、あの子が考えたなんて信じられない。
フィオナは嫌ってるみたいだけど、仲良くはしないから許してくれないかなぁ。
魔法だけに興味があるんだからいいよね。
早くみたいなぁ。
そう思いながら小屋にあるランタンをもう一度まじまじと愛おしい気に見つめた。
パチッと音を立ててランタンに付いたレバーを動かす。
付いた時と同じように中の魔石の明かりが消えた。
パチッ
じいちゃんの言う通り物置にある、ランタンに今までなかったレバーを上に向けると明かりが灯った。
「・・・すげぇ」
胸が高鳴る。
今まで見たことのない魔法術式だった。
ランタンの中には魔石があり、僕たちが集めて使い道がない屑魔石を使っているという。
家の中にあった、スイドウというもののジャグチにつけられた魔石を見た時踊りだしそうになった。
組み込まれた魔法術式は、驚くほど複雑で緻密だった。こんな術式普通描けないし、解くこともできない。
どうやって、こんな魔法術式を思いついたのか気になって、『アイリ』と名乗った少女に詰め寄るほど興奮したのだが、「あったらいいなぁっておもって・・・」とあり得ないほど簡潔な答えが返ってきた。もっと掘り下げようとしたのだが、久々に食らった絶対零度級のじいちゃんの睨みで背筋が凍ったのでやめておいた。
尤も、アイリって子も変わっていた。
僕らが順に名乗ったあと、なにか気になったらしく僕をマジマジ見つめてきたと思えばいきなり目が爛々として頬を紅潮させたかと思えば、興奮気味に僕の耳を指さしたんだよね。
エルフだよって言ったら『ファンタジー小説の鉄板!』そのあとは一人ですごいって連発して悶えたりしてた。最後には拝まれた。
なんでだろう?
この国は、エルフも獣人もいるってのに珍しくもないだろうに。じいちゃんの家から一番近い町の薬屋は僕と同じハーフエルフだし、大工をやっているジンも町の門番のブルーノも獣人だ。まあ、獣人は人族と変わりはないから分からないかぁ。
だけど、ちょっと観察すればわかるだろうに
変わってるなぁ
まあ、往々にして魔術を使うやつの中には変わり者が多いから気にしないけどね。
変わり者じゃないと、新しい魔術なんて奇抜な発想はできない。
この魔術だってそうだ。
どこの誰が魔石に魔術を組み込まそうと思う?
魔石には元の魔物魔獣の魔力が残っている。それをそのまま使うならあり得る。でも魔術を組み込ませるなんて、反発が起きるのが普通。下手すりゃ暴走暴発の危険性があってタブーとされているものだ。
それをことなさげにあんな小娘がやってのけたなんて信じられない。
こんなことに出会うなんて、やっぱり世界は面白いなぁ。
「どうやってんだ、これ。こんな魔法術式見たことない・・・、はあぁ、なにもんなんだあの子は・・・」
埃舞う小屋の中で僕のつぶやきは、ランタンから放たれるわずかな光と同じようにぼんやりと口から無意識に出ていた。
こんなの本当に見たことがない。
ただの魔法術式じゃない。
ばあちゃんが見たら間違いなくあの子は、数日間、いや数年はばあちゃんの部屋から出られないだろうな。
僕も子供のころ遠慮なく、魔力の研究材料にされたもんなぁ。
ああ、気になるぅ。
背筋がゾクゾクする。いままでかんじたことのない未知への興奮が収まらない。小屋の中の吊るされたランタンをいつまでも見ている僕は、奥に入りじーっとこっちを見ているじいちゃんに気が付かない・・・ふりをしてずっと見ていたい。
できないのはわかっているけどな。
「オイ、これを早く運べ。アイリが使えるようにしてくれるんだ早くせんか!」
もともと神経質なじいちゃんだけど、今日も絶好調にイラついてる。そんなところはフィオナとそっくりなんだから。
まったく少しはのんびりすればいいのに。
いや、いつもはのんびりしてるんだった。自分のペースを崩されるのを極端に嫌うんだったな。
このままほっとくと、青筋立てるのも変わってないなぁ。
こんなじいちゃんがよく、見知らぬ女の子を家に入れて一緒に過ごしてるもんだなぁ。かわいい子だったから惚れたか?じいちゃんに限ってそりゃないか。
「ほ~い」
じいちゃんのイライラマックスになる絶妙な直前で、示された木箱を持ち上げる。
蓋をされていないそれは、中に仕切りを付けられて色分けされていた。
もともとごちゃごちゃに入れてあったものをあの子が大きさや色で分けたらしい。
これにどうやって魔法術式を付与するのか、見せてほしいと言ったらフィオナが起きてから話が済んだら見せてくれるというので家に運ぶことにしたのだ。本当はそれを聞いたときにフィオナの部屋に突撃してたたき起こそうとしたけど、ジェフに拳骨をこちらも久々にもらって我慢した。
木箱を持ち上げて周りを見たら、同じように屑魔石はまだ3箱も残っている。
アイリが勝手に使ってすいませんって言ってたけど、使い道もなく捨てるわけにもいかない余っていたものだからいくらでも使ってくれていいから目の前で見せてほしい。
寧ろ全部使ってくれたらいいのに・・・
ああ、楽しみだぁ。
◇
自分でいうのもなんだが、僕は見てくれもいいし魔力は豊富、魔法についての知識も操作も得意だ。しかもばあちゃんが魔王討伐成功報酬としてもらった爵位が、王宮魔術師団に入ってたくさんの魔法術式についての研究によって国に貢献したとして陞爵して最終的に侯爵までになっていた。僕自身も王宮魔術団に属して功績だけでいうならばあちゃんと同様なくらいに挙げている。
寄ってくる女性はそれこそ幼少から後を絶たない。
だが、正直興味がない。別に性欲がないわけじゃない。
僕は人族の親父とエルフ族のオカンとの間に生まれたことでエルフと同じくらい長寿になっている。大凡だが200年は生きるのかな?しかもこのエルフ族特有の中性的な美貌が長年維持されることになる。それなりにきれいなだけの女性には興味がないし、面白みのない人間にも興味を持てなかった。
兎角、物心ついた時から僕は大抵のことはそれなりにできることもあり、世の中『おもしろい』か『おもしろくない』かで判断する癖があった。
幼馴染の3人は別だ.
こいつらは楽しいとか楽しくないとかでない。一緒にいたいと思うそんなやつらだ。
何故・なんで?そんな理由を付ける様な無粋なことはしない。
ただ、一緒にいたい、そんな理由でいいんだ。
小難しいことなんてどうでもいい。
冒険者になるとジェフとアシュから聞いたときに、僕はすでに国の筆頭魔術師としてばあちゃんの下で働いていた。人使いの荒いばあちゃんは、僕が5歳になるや否や両親のもとから引取り、王宮魔術団に特例で上層部を脅して入れて所属させ、新しい魔術や新規発見魔獣・魔族の研究にこき使いだした。
親父譲りの器用さと、おかん譲りの豊富な魔力でいかようにも魔法魔術の実践で使える僕は、ばあちゃんの片腕どころか四肢のように働いた。ばあちゃん以外だったら反抗していただろうけど、ばあちゃんには僕さえも使えない特殊な魔術が使える。それを別にしても、昔から僕を遠慮なく怒るばあちゃんは怖い。本能的に逆らうことに警鐘を鳴らされている。
それでも、ばあちゃんに逆らって冒険者として飛び出した。
まあ一緒に行くのがジェフたちだったことで、ばあちゃんもあきらめて送り出してくれた。
後から聞けばいつも影が薄い親父が頑張って仲裁してくれたみたいだ。
親父はばあちゃんが全くしない上がるだけ上がった爵位と褒賞で貰いまくった領地経営に忙しくしていた。侯爵としての仕事はともかく、領地経営は領民、そこに暮らす人々がいることだから、できなじゃ済まされない。親父は魔法もだがそういうところにも器用さを発揮して小まめに領地開拓を行った。それをよく引き継いだのが1つ下の弟で親父の助手をしている。こいつはすでに18歳の時に結婚していて子供までいるんだよな。手の早いやつだ。だから、実家の侯爵家は問題ない。そうしているのは誰のおかげだってばあちゃんに食ってかかってくれたらしい。親子で・・・。そうじゃないと、今頃僕は拘束の為に魔法の網でがんじがらめにされていたことだろうと思う。5歳からばあちゃんにこき使われている僕を不憫に思っていたらしい。申し訳ないっていわれたけど、別にいいよ~んって軽くかえしといた。だって僕は親父や弟と違って魔力が膨大で魔術しか取り柄がないかったし、魔法を使ったり研究するのは嫌いじゃない。
でも、親父のそのやさしさのおかげで旅立てたんでよかった。親父様様だ。
冒険者になって旅に出たからこそ、毎日が楽しかった。
魔獣を倒すのも、魔法が効かない物理的に攻撃をしないといけない魔獣から、物理的攻撃も効かない魔法も魔力を吸収する魔獣など、書物では知っているそれらが目の前に現れると、興奮して仕方がなかった。
いつもいつも楽しい事ばかりじゃないけど、魔術研究に付き合わされているだけの日々よりも楽しかった。
生きているって感じられる。
仲間がいるのが楽しかった。
その仲間で幼馴染のフィオナが昨日は、初めて見るくらい様子がおかしかった。
気の強いフィオナでも冒険者でもない一般人に食って掛かっているのも珍しい。僕やアシュに纏わりつく女たちを冷たく傲慢に見える態度であしらってるのに、昨日のフィオナは余裕が全くないようで見ていて苦しそうだったなぁ。どう考えてもフィオナのほうが強いと思うのに負けそうなときの様な気迫があった。
フィオナを苦しめるあの女の子は嫌だけど、魔法付与とやらには興味があるんだよな。
組み込まれた魔法術式が緻密で繊細で芸術作品のように綺麗で、あの子が考えたなんて信じられない。
フィオナは嫌ってるみたいだけど、仲良くはしないから許してくれないかなぁ。
魔法だけに興味があるんだからいいよね。
早くみたいなぁ。
そう思いながら小屋にあるランタンをもう一度まじまじと愛おしい気に見つめた。
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付いた時と同じように中の魔石の明かりが消えた。
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