誰かこの子のお父さんをしりませんかぁ?

かみい

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25◇聖女(親友)に会いにいきませんかぁ?◇

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皆さま、GW連休はいかがでしたでしょうか?
私は、暦よりも短いお休みしかなかったですが何とか筆は進みました。
とはいえ、内容は左程進んでおりませんorz,
次の視点違いを早めに入れたいと思います。

もだもだした回ですが、よろしくお願いします。



~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇












「君にはこの予言の書が読めると思う。
それを踏まえた上での話だが、お祖母様に会って聖女の継承を行って欲しい。

さあ、会いに行こう!」


そう言われて手を差し出されたのは、お色気王子ことウィルフレッド様。
さらに差し出されたとは反対の手には、日奈子がこの世界に転移してきた時に持っていたという『予言の書』と呼ばれている攻略本がある。
詳しい説明は、聖堂でと言われて仕舞えばその手を取るしかない。
濡れたような艶やかな黒髪から覗く、妖しく光る金色の瞳の王子様の手に見える『予言の書』
『予言の書』と大層な名前だが、名前のような重厚さはなく、厚さは位センチ未満でB5サイズ、素材もインク印刷のツルツルした素材、更に表紙には攻略対象の美形男子達がイラスト画で微笑んでいるのだった。









お城の奥深くそこだけが違う澄んだ空気の中、真っ白な屋根と繊細な花模様レリーフの柱の建物があった。

柱と柱の間は、壁ではなく美しいステンドグラスが嵌っていた。



温室とも礼拝堂ともとれるそれは、50年前聖女召喚の為に建てられた聖堂だという。

神からの啓示があり、古い文献をもとに建てられ中も召喚に適した環境で建築された。



屋根の形、柱のレリーフ、ステンドグラスの幾何学模様、そして建っている場所さえも聖女召喚の大切な条件だった。



魔物の侵攻に世界中が体力的にも精神的にも憔悴しきっていた。

神からの救済の聖女召喚は、失敗の許されない儀式だった。

世界中から集まった聖魔法の使い手。
希少な人材をこの時の為にリド国のこの聖堂に集結させた。
ほんの僅かしか使えない見習いさえもこの場に集まり行われた。



そして、すべての条件が揃い、満を期して世界中の期待を集めた儀式が行われた。







ギギギッ・・・





純白の扉を開けたそこには、もう召喚の魔法陣は無い。



高い天井、目の前には偉大で美しい神を象ったステンドグラス。

優美なレリーフの柱と幾何学模様の壁代わりのステンドグラスは、外から見たまま。

室内は仕切りはなく、ただ広い空間となっていた。



そこに現在は、魔法陣の代わりに置かれたガラスの棺が二つ。




魔王の驚異から世界を救った聖女とその忠実な女騎士が眠る花で飾られた美しい棺。





封印された魔王が復活するその時、新たな聖女が現れるまで前聖女の体は朽ちることなく特別な魔法が施された棺で眠る─────────








「やあ、君が次代の聖女なのかい?」

ただ広い聖堂の中、美しく花で飾られた中央のガラスの棺の側に一人の美丈夫がにこやかに私たちを招き入れてくれた。
この世界の人々は、魔力が多ければいつまでも若々しくいることが出来ると言う。
そういう意味では、迎えてくれたこの男性はとてもすごい魔力を秘めていると言うことになる。

なにせ、お色気王子と並んでも、祖父と孫には見えない。
精々、言って親子。否、年の離れた兄弟で十分通じるくらいの若々しい男性。
垂れた瞳も、煌めく金髪も画面越しで見ていた時よりも年齢は重ねているがその麗しさは損なわれていないように見える。
寧ろ年を重ねてことで出る、大人の色気がすごい。
少し垂れた目尻からはフェロモン駄々洩れではないかと思う程の、色気が出ている。
お色気王子、お色気王子と言っていたウィルフレッド様の色気なんてお子様に感じるくらいだ。

そうか、この王子のお色気の根本はここなのね。遺伝って、お色気も遺伝するのかしら?

そんな、関係ないことを考えながら入口で立ち止まった動けないでいた。

中にはいれば嫌でも目にはいる、棺。
花で埋め尽くされた中にあるカラスの棺は、入口からでもはっきりとわかる、中にいれられた人影。
まだ、入口からだと距離があり姿かたちははっきり見えない。だが、傍に寄れば見るだろう。

そこに横たわる親友が・・・



「大丈夫だよ、僕らが付いているから・・・」

動けずにいる私の手が大きくて温かい手に包まれる。
そっと横を見れば、私を安心させようとして優しい笑みを浮かべたアシュトンさんが居た。
いつもなら、こんな風に手を取られでもすれば慣れていない私は真っ赤になってしまうが、この時ばかりは手から与えられる仲間のぬくもりに安心する。

「うわぁ、アイリってば、手が冷たっ!」

そう言って、もう片方の手をギュッと強く両手で包み撫で温めてくれるのはフィオナさん。
目があえば、こちらも優しく微笑みを向けてくれる。
フィオナさんの微笑みにぎこちない笑みを返そうとしたら、頭にポンとが乗ってきた。
見上げるとニヤッと笑うジェフさんのいつもの笑顔があった。

「ほらっ、早く終わらせて戻らないとマナが泣いちゃうぞ」

そう言って、背内をポンと割と本気に力強く押してくるのはヒューバートさん。
両手をアシュトンさんとフィオナさんに取られていたので、前に倒れ込むことはなかったけどつんのめるくらいに結構な力で押された。

「「「ヒューッ!!!」」」

勿論、他の3人が抗議の声を上げるけど本人はどこ吹く風。
まあ、実際にマナを置いてここに来ているので立ち止まってる時間がもったいないと思うのはその通りです。
みんなからの後押し、物理的にもあったけど押されて一歩踏み出せば怖い気持ちは残っているけど、耐えられないことはない。
まあ、さっきあれだけ醜態を晒したのだ、この後また涙脆くなったとしても誰も笑ったりしないだろう・・・引かれるかもしれないけど。

「アイリさん、お母様は新たな聖女が現れるのを待っています。さぁ、あなたの手で起こしてください」

先に聖堂の中に入っていた、女王様と王子様、マーリンさんが棺の手前で待っている。
聖堂には、アシュトンさんたちいつものメンバーと、女王様、王子様、マーリンさんと一緒に来た。ほかの方々は、マナの相手をするという名のもと元のサロンで待ってもらっている。ヒューバートさんもマナと一緒にいると言っていたけどマーリンさんの手によって引きずって、本当に引きずられて来た。
さらに聖堂の扉の中、美しく飾られた棺の傍で前国王オーフェンが待っていた。

オーフェンさんは、年を感じさせない壮年ではあるが年齢を考えると若々しい出で立ちだ。
私は、アシュトンさんとフィオナさんと手を繋いだまま、そこまでしずしずと足を進める。
近づくにつれて見えてくる棺。

棺は一段高くなった場所にあり、その周りを花で埋め尽くされていた。
唯一、人が入れる場所にはオーフェン前国王が陣取っていた。
ガラス製の棺の中にも花が入れられており、それは中の人物を埋め尽くすように大量に色とりどりの花が飾られていた。

「・・・日奈、子?」

一段高くなった棺の手前、花の傍で足を止めて棺を見ると、体は花で埋め尽くされ顔は目元半分はシフォンのようなベールで隠されてはっきりと顔が確認できなかった。

「君が、ヒナが言っていた新たな聖女?」

棺の傍から離れようとしないオーフェン様は、王子様たちよりも幾分かラフな格好でシャツにベストパンツスタイルでいた。だが、恰好ではなくその人が持つ気品がこの方こそが王たる存在と示していた。
今は、王位を退いたと聞いたがその赫々たる存在にいまだに衰えぬ威厳を思わせた。

「あっ、あの・・・本当に、この方が、日奈子なのですか?」

そのオーフェン様が口にする『ヒナ』が私の知っている『日奈子』と一致するのか、不安と期待が綯交ぜになった複雑な感情で掠れた声が出た。

「・・・・・・如何にも。
この中に眠る女性は、『ヒナコ』という名の聖女だ。そして、その名を口にすることができる君こそはヒナが待ちわびていた新たな聖女に間違いない。
私が掛けた制約でヒナの名前を呼べるのは、新たな聖女のみとしていたからね。

さぁ、こっちへ来て棺の模様に君の魔力を流してくれ。
ヒナは、死する最後の日を眠りで遅らせているだけなんだ。
早く、こちらへ!」

なんだか、たくさんの情報をいっぺんに供給されたが、急かすようなオーフェンの言葉に従い握られていた手を放して一歩、一段登り棺に寄る。

ガラスの棺の上部には、手のひらサイズの魔法陣が描かれていた。

「この模様は、ヒナの生命を維持するための魔力を流しこむ魔法陣なんだ。
普段は私が魔力を流しているが、血縁者なら誰でも生命維持の魔力を流すことができる。
それ以外の魔力は、弾かれる。
だが、例外が新たな聖女となる人の魔力なんだ。
新たな聖女の魔力は、ヒナを起こすことができる。

・・・・・・そして、目覚めたヒナから聖女の力を、継承してほしい。そのために、ヒナは眠り生き永らえているのだから・・・・・・」




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