18 / 68
青春
しおりを挟む
……いやいや、たまたまだろ。
もう少し身体を意識して、リラックスしてやろう。
「むぅ~!! もう一回!」
「ああ、いいぞ」
再び、打球が来るので意識的に打ち返す!
あれ? さっきより、早く打ち返しちゃったぞ?
「ラ、ライジングショット!?」
「あっ、そういうやつだっけ?」
確か、相手の玉がこっちのコートに入った瞬間に返す技だったかな?
よくテニスの王子○とかで見た気がする。
まあ、俺はある意味で王子だから間違ってないねっ! ……別に関係ないか。
「ず、ずるいわよっ! 何処かでこっそり練習してたんでしょ!」
「いや、そんなことしないし。というか、そんな暇があったら寝てるし」
「ぐぬぬっ……私は何年も練習してたのに……うぅー」
あっ、まずい。
そういえば、セレナはめちゃくちゃ負けず嫌いだった。
幼い頃、よく勝負を仕掛けられたっけ。
……そういや、俺と遊んでくれたのはセレナくらいだったな。
まだカエラもいなくて、トールも知り合ってない頃だ。
物心ついた時には婚約者になって、男も女もない頃はよく遊んでいた。
妹も生まれたばかりで……今思うと、セレナがいたから寂しくなかったのかもしれない。
「ったく、相変わらず負けず嫌いだなぁ」
「う、うるさいわねっ!」
「ほら、続きをやろうぜ。セレナの気がすむまでやるから」
「……ほんとに?」
「ああ、昔みたいにな」
「……うんっ!」
そう言うと、子供みたいに笑う。
その姿は、普通の可愛い女の子だった。
その後、加減をしつつラリーをするが……。
俺に余裕が出来たことで、違う意味で余裕がなくなりそう。
「ふふっ、どうしたの? 段々と精彩がなくなってない?」
「い、いやぁ……」
「やっぱり、体力不足だったんじゃない? これからは、練習しないと」
「……ハハ」
確かに体力は、ほとんど残ってない。
ただ、それ以上に困ることがある……おっぱいである。
なまじ打ち返すのに余裕があるので、相手をよく見ることに。
セレナが左右に動き打ち返すたびに、おっぱいが揺れる揺れる。
当然、健全な十六歳男子の俺は……前屈みにならざるを得ない。
「よし——そこっ!」
「うおっ!? ……俺の負けだな」
「やったぁ! ようやく勝てたっ!」
「粘り勝ちってやつだな」
「ふふ、でも手加減しなかった?」
「いいや、手加減はしてない。それだけは嘘じゃない」
事実、俺は嘘を言っていない。
ただちょっと、おっぱいのせいで集中できなかっただけである。
ちなみにそれを察してか、女子達は男子達をコートの近くから追い出していた。
つまり見ていたのは俺だけ……あざます!
「そう? なら良いけど……」
「それより、久々に遊んだな。昔は、こうやって遊んでいたなー」
「さっきのセリフ……覚えてたんだ?」
「そりゃ、あんだけ相手をしてたらな……」
「でも、いつからかしなくなったじゃない」
結局、その後の俺がダラダラしてたからか関係は拗れたが……。
よくよく考えたら、セレナには恩があるんだよな。
……仕方ない、今の俺が礼を返すべきか。
「んじゃ、これからはたまに顔を出してみるかね。まあ、目の前にいる部長さんの許可があればだけど」
「そ、それって……?」
「あとは、メルル次第だけど。さて、俺は疲れたので休むわ」
「ちょっ!? ……もう」
そんな言葉を背にして、メルルのもとに向かう。
「メルル、できそう?」
「はいっ! とっても楽しそうです!」
「それなら良かった。まあ、俺もたまにはやってみるから、良かったら部活に入るのも良いかもね」
「とりあえず、やってみますねっ」
そう言い、ラケットを持って駆けていく。
「ご主人様、お疲れ様でした」
「ほんとだよ、こんなに動いたのはいつ以来だろ」
「ふふ、たまには良いんじゃないですか?」
「まあ……ね」
俺は汚れるのも構わず、草むらの寝転ぶ。
見上げる空は晴れ渡り、心地良い風が吹いている。
うん、青春っぽい……こういうのも、たまには悪くないかもね。
もう少し身体を意識して、リラックスしてやろう。
「むぅ~!! もう一回!」
「ああ、いいぞ」
再び、打球が来るので意識的に打ち返す!
あれ? さっきより、早く打ち返しちゃったぞ?
「ラ、ライジングショット!?」
「あっ、そういうやつだっけ?」
確か、相手の玉がこっちのコートに入った瞬間に返す技だったかな?
よくテニスの王子○とかで見た気がする。
まあ、俺はある意味で王子だから間違ってないねっ! ……別に関係ないか。
「ず、ずるいわよっ! 何処かでこっそり練習してたんでしょ!」
「いや、そんなことしないし。というか、そんな暇があったら寝てるし」
「ぐぬぬっ……私は何年も練習してたのに……うぅー」
あっ、まずい。
そういえば、セレナはめちゃくちゃ負けず嫌いだった。
幼い頃、よく勝負を仕掛けられたっけ。
……そういや、俺と遊んでくれたのはセレナくらいだったな。
まだカエラもいなくて、トールも知り合ってない頃だ。
物心ついた時には婚約者になって、男も女もない頃はよく遊んでいた。
妹も生まれたばかりで……今思うと、セレナがいたから寂しくなかったのかもしれない。
「ったく、相変わらず負けず嫌いだなぁ」
「う、うるさいわねっ!」
「ほら、続きをやろうぜ。セレナの気がすむまでやるから」
「……ほんとに?」
「ああ、昔みたいにな」
「……うんっ!」
そう言うと、子供みたいに笑う。
その姿は、普通の可愛い女の子だった。
その後、加減をしつつラリーをするが……。
俺に余裕が出来たことで、違う意味で余裕がなくなりそう。
「ふふっ、どうしたの? 段々と精彩がなくなってない?」
「い、いやぁ……」
「やっぱり、体力不足だったんじゃない? これからは、練習しないと」
「……ハハ」
確かに体力は、ほとんど残ってない。
ただ、それ以上に困ることがある……おっぱいである。
なまじ打ち返すのに余裕があるので、相手をよく見ることに。
セレナが左右に動き打ち返すたびに、おっぱいが揺れる揺れる。
当然、健全な十六歳男子の俺は……前屈みにならざるを得ない。
「よし——そこっ!」
「うおっ!? ……俺の負けだな」
「やったぁ! ようやく勝てたっ!」
「粘り勝ちってやつだな」
「ふふ、でも手加減しなかった?」
「いいや、手加減はしてない。それだけは嘘じゃない」
事実、俺は嘘を言っていない。
ただちょっと、おっぱいのせいで集中できなかっただけである。
ちなみにそれを察してか、女子達は男子達をコートの近くから追い出していた。
つまり見ていたのは俺だけ……あざます!
「そう? なら良いけど……」
「それより、久々に遊んだな。昔は、こうやって遊んでいたなー」
「さっきのセリフ……覚えてたんだ?」
「そりゃ、あんだけ相手をしてたらな……」
「でも、いつからかしなくなったじゃない」
結局、その後の俺がダラダラしてたからか関係は拗れたが……。
よくよく考えたら、セレナには恩があるんだよな。
……仕方ない、今の俺が礼を返すべきか。
「んじゃ、これからはたまに顔を出してみるかね。まあ、目の前にいる部長さんの許可があればだけど」
「そ、それって……?」
「あとは、メルル次第だけど。さて、俺は疲れたので休むわ」
「ちょっ!? ……もう」
そんな言葉を背にして、メルルのもとに向かう。
「メルル、できそう?」
「はいっ! とっても楽しそうです!」
「それなら良かった。まあ、俺もたまにはやってみるから、良かったら部活に入るのも良いかもね」
「とりあえず、やってみますねっ」
そう言い、ラケットを持って駆けていく。
「ご主人様、お疲れ様でした」
「ほんとだよ、こんなに動いたのはいつ以来だろ」
「ふふ、たまには良いんじゃないですか?」
「まあ……ね」
俺は汚れるのも構わず、草むらの寝転ぶ。
見上げる空は晴れ渡り、心地良い風が吹いている。
うん、青春っぽい……こういうのも、たまには悪くないかもね。
846
あなたにおすすめの小説
フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!
八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。
『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。
魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。
しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も…
そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。
しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。
…はたして主人公の運命やいかに…
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】
のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。
そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。
幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、
“とっておき”のチートで人生を再起動。
剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。
そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。
これは、理想を形にするために動き出した少年の、
少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。
【なろう掲載】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる