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イチャイチャ?
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その後、校庭を自由に使って刃がついてない武器でお試しをしていいという許可が出た。
なので、約束通りに俺とセリスは模擬剣を構えて対峙する。
その側では、カレンとアルトが見守っていた。
どうやら、カレンは弓をやってみたいらしくアルトに習うみたい。
「それじゃ、いくわよ!」
「どっからでもいいよ」
言葉を発すると同時に、セリスが踏み込んできた。
その思い切りの良さと速さは中々で、思わず眼を見張る。
俺は軽く一歩下がりつつ、その剣を受け止めた。
「随分と簡単に防いでくれるわね?」
「いやいや、そんなことないよ。結構、速かったしね。魔力の身体強化も上手いし、剣の威力も良いね」
「あ、ありがとう……って褒められてる場合じゃないわ! どんどんいくわよ!」
「うん、望むところだね」
そして上段からの振り下ろし、横薙ぎ、斜め斬り、その全てを避けることなく受け止める。
これは鍛錬であり、セリスのガス抜きの意味もあるからね。
どうやら、少しストレスが溜まってるみたいだし。
「くっ、軽く止めてくれるわね」
「少し軽いかな?」
「むっ、それは女だからってこと?」
「違う違う、要は力の入れ方が悪いってこと。足から順に腰、そして体全体を使って剣を振るうといいかも。剣は振り回されずに、振り回すものだから」
そもそも人によるけど、身体強化を使える時点で女子とか男子とか関係ない。
そんなこと言ったら、俺の師匠達は女性だけどめちゃくちゃ強いし。
もちろん、女性だからっていう人もいるのは知ってるけど。
「足から腰……?」
「まず、剣を振るう上で大前提。手ではなく、腕と体全体で振るう。脚さばきも使ったり、腰をひねって回転を加えたりね」
「むっ、難しいわ……その、教えてよ」
「まあ、そうだよね。ちょっと触るけど平気?」
「え、ええ、変なところ触ったらお父様に言うわ」
……あの人か。
俺がセレナを池に落とした時は、俺を追いかけ回したっけ。
あと時は、殺されるかと思ったし。
まあ、今となっては女の子だったから仕方ないけどね。
「ひぃ、それは勘弁して」
「ふふ、冗談よ」
「ほっ、良かった。それじゃ、背中側から失礼しますっと……」
「ひゃう!?」
「ご、ごめん! 変なところ触った!?」
あれ? 少し背中側からセリスの手に触れただけなんだけど……見ようによっては、後ろから抱きしめるようになったかな。
「へ、平気だわ! 少しびっくりしただけ……それで、どうしたらいいの?」
「えっと、刀と違って剣なので……これが普通の振り」
セリスの腕を持ち上げ、単純に振り下ろす。
「そうね」
「まずは足をあげると同時に剣を振り上げる、そして剣と一緒に足を踏み込む」
「こ、こうかしら? あっ、音が変わったわ」
ブンという鈍い音から、ビュンという鋭い音に変わった。
これが剣を振るうということだと、俺は教わった。
刀にも通ずるものがあるしね。
「でしょ? まあ、実際の戦闘ではこんなにゆっくりできないけど。ただ、ここぞって時には良い一撃を放てると思う」
「なるほど……あとは何かあるの?」
「うーん、足から腰に力を入れて、最後に腕の力を抜く感じ?」
「むぅ……わからないわよ」
そう言い頬を膨らませる様は、昔のまんまだった。
あの当時も、俺の方が剣の腕が上がると同じ顔をしていた。
「じゃあ、ちょっとやってみるから見てて」
「わかったわ」
そして、いつものように素振りをする。
これは剣の腕と関係なく、体の芯を鍛えるためにやってることだ。
刀を覚えた今も、これだけは欠かさずやっている。
「わぁ……なんだか綺麗ね。腰が曲がってなくて、一本筋が通ってるというか。あんまり力が入ってない感じがするわ」
「剣の威力に力は関係ないからね。要は緩急と振り方次第って教わったよ」
「でも、そういうことは私は習わなかったわよ?」
「そうなの? ……俺はライカさんにそう習ったけどなぁ」
「まあ、いいわ。それじゃ、もう一回お願い」
「よしきた。好きに打ってくれていいよ」
その後、剣を振り続け……気が済んだのかセリスの動きがとまる。
動きも大分良くなったし、元々剣の才能はあるみたいだね
「はぁ、はぁ……それでも、一撃も当たらなかったわ。ほんと、昔だったら一撃くらいはいれられたのに」
「そりゃ、仕方ないよ。セリスが勉強やお稽古をしている間にも、俺は戦いに出ていたし」
「そうよね、ユウマは実戦を知っているのね」
「まあ、一応だけど。とりあえず、休憩も兼ねてすわろっか」
今度は俺たちが、アルトとカレンが弓を使って的を射るのを眺めることにした。
アルトの腕は中々で、流石は森で暮らす獣人なだけはある。
カレンは一生懸命やっているが、矢を的に届かせるのが精一杯のようだ。
「ふぅ、久々に動いて気持ちよかったわ」
「そいつは良かったよ。なんか、浮かない顔をしてたからさ」
「気づいてたの?」
「そりゃ、こう見えても幼馴染だしね」
昔も誰かに叱られた時や、嫌なことがあった時も同じ顔をしていた。
側から見ると分かりづらいけどね。
「もう、肝心なことには気がつかないのに」
「あれ? ……もしかして怒られてます?」
「ふふ、どうかしら? 困った幼馴染を持つと苦労するわ。ただ、今日は本当にありがとう。もし何かあったら、また付き合ってくれる?」
「何もなくても付き合うさ」
俺は芝生の上に寝転び、空を見上げる。
ずっと戦いの日々だったけど、こういうのも悪くないかもね。
なので、約束通りに俺とセリスは模擬剣を構えて対峙する。
その側では、カレンとアルトが見守っていた。
どうやら、カレンは弓をやってみたいらしくアルトに習うみたい。
「それじゃ、いくわよ!」
「どっからでもいいよ」
言葉を発すると同時に、セリスが踏み込んできた。
その思い切りの良さと速さは中々で、思わず眼を見張る。
俺は軽く一歩下がりつつ、その剣を受け止めた。
「随分と簡単に防いでくれるわね?」
「いやいや、そんなことないよ。結構、速かったしね。魔力の身体強化も上手いし、剣の威力も良いね」
「あ、ありがとう……って褒められてる場合じゃないわ! どんどんいくわよ!」
「うん、望むところだね」
そして上段からの振り下ろし、横薙ぎ、斜め斬り、その全てを避けることなく受け止める。
これは鍛錬であり、セリスのガス抜きの意味もあるからね。
どうやら、少しストレスが溜まってるみたいだし。
「くっ、軽く止めてくれるわね」
「少し軽いかな?」
「むっ、それは女だからってこと?」
「違う違う、要は力の入れ方が悪いってこと。足から順に腰、そして体全体を使って剣を振るうといいかも。剣は振り回されずに、振り回すものだから」
そもそも人によるけど、身体強化を使える時点で女子とか男子とか関係ない。
そんなこと言ったら、俺の師匠達は女性だけどめちゃくちゃ強いし。
もちろん、女性だからっていう人もいるのは知ってるけど。
「足から腰……?」
「まず、剣を振るう上で大前提。手ではなく、腕と体全体で振るう。脚さばきも使ったり、腰をひねって回転を加えたりね」
「むっ、難しいわ……その、教えてよ」
「まあ、そうだよね。ちょっと触るけど平気?」
「え、ええ、変なところ触ったらお父様に言うわ」
……あの人か。
俺がセレナを池に落とした時は、俺を追いかけ回したっけ。
あと時は、殺されるかと思ったし。
まあ、今となっては女の子だったから仕方ないけどね。
「ひぃ、それは勘弁して」
「ふふ、冗談よ」
「ほっ、良かった。それじゃ、背中側から失礼しますっと……」
「ひゃう!?」
「ご、ごめん! 変なところ触った!?」
あれ? 少し背中側からセリスの手に触れただけなんだけど……見ようによっては、後ろから抱きしめるようになったかな。
「へ、平気だわ! 少しびっくりしただけ……それで、どうしたらいいの?」
「えっと、刀と違って剣なので……これが普通の振り」
セリスの腕を持ち上げ、単純に振り下ろす。
「そうね」
「まずは足をあげると同時に剣を振り上げる、そして剣と一緒に足を踏み込む」
「こ、こうかしら? あっ、音が変わったわ」
ブンという鈍い音から、ビュンという鋭い音に変わった。
これが剣を振るうということだと、俺は教わった。
刀にも通ずるものがあるしね。
「でしょ? まあ、実際の戦闘ではこんなにゆっくりできないけど。ただ、ここぞって時には良い一撃を放てると思う」
「なるほど……あとは何かあるの?」
「うーん、足から腰に力を入れて、最後に腕の力を抜く感じ?」
「むぅ……わからないわよ」
そう言い頬を膨らませる様は、昔のまんまだった。
あの当時も、俺の方が剣の腕が上がると同じ顔をしていた。
「じゃあ、ちょっとやってみるから見てて」
「わかったわ」
そして、いつものように素振りをする。
これは剣の腕と関係なく、体の芯を鍛えるためにやってることだ。
刀を覚えた今も、これだけは欠かさずやっている。
「わぁ……なんだか綺麗ね。腰が曲がってなくて、一本筋が通ってるというか。あんまり力が入ってない感じがするわ」
「剣の威力に力は関係ないからね。要は緩急と振り方次第って教わったよ」
「でも、そういうことは私は習わなかったわよ?」
「そうなの? ……俺はライカさんにそう習ったけどなぁ」
「まあ、いいわ。それじゃ、もう一回お願い」
「よしきた。好きに打ってくれていいよ」
その後、剣を振り続け……気が済んだのかセリスの動きがとまる。
動きも大分良くなったし、元々剣の才能はあるみたいだね
「はぁ、はぁ……それでも、一撃も当たらなかったわ。ほんと、昔だったら一撃くらいはいれられたのに」
「そりゃ、仕方ないよ。セリスが勉強やお稽古をしている間にも、俺は戦いに出ていたし」
「そうよね、ユウマは実戦を知っているのね」
「まあ、一応だけど。とりあえず、休憩も兼ねてすわろっか」
今度は俺たちが、アルトとカレンが弓を使って的を射るのを眺めることにした。
アルトの腕は中々で、流石は森で暮らす獣人なだけはある。
カレンは一生懸命やっているが、矢を的に届かせるのが精一杯のようだ。
「ふぅ、久々に動いて気持ちよかったわ」
「そいつは良かったよ。なんか、浮かない顔をしてたからさ」
「気づいてたの?」
「そりゃ、こう見えても幼馴染だしね」
昔も誰かに叱られた時や、嫌なことがあった時も同じ顔をしていた。
側から見ると分かりづらいけどね。
「もう、肝心なことには気がつかないのに」
「あれ? ……もしかして怒られてます?」
「ふふ、どうかしら? 困った幼馴染を持つと苦労するわ。ただ、今日は本当にありがとう。もし何かあったら、また付き合ってくれる?」
「何もなくても付き合うさ」
俺は芝生の上に寝転び、空を見上げる。
ずっと戦いの日々だったけど、こういうのも悪くないかもね。
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