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非常識?
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ひとまず、俺の鍛錬が非常識?と判明しつつ、森を進んでいく。
そして、正午になる前に川へと到着する。
そこは貰った地図に描かれていた休憩場所に相違ない。
「わぁ……綺麗な川です!」
「ふぅ、一息つけるわね」
「二人とも、待って」
「ユウマ?」
「どうしたんですか?」
俺は駆け出そうとする二人の手を掴む。
レオンは気づいているので、黙って腕を組んでいる。
「人が最も油断するのは、気を抜いた時なんだ。特に水辺は危ない。近くに魔獣が潜んでいるかもしれないし、水の中に生き物がいるかもしれない」
「……そういえば、授業でも習ったわ。ダメね、気を抜いちゃった」
「わたしもです……」
「二人は慣れてないし仕方ないよ。セリス、今だけ俺が指示してもいい?」
「ええ、お願いするわ」
失敗したことに落ち込んでいたが、セリスの顔は晴れやかだ。
この切り替えの早さと、いざという時にパーティーメンバーに頼れるのも指揮官の素質だと思う。
「レオン、水の中と辺りに生き物の気配は?」
「敵意を感じるような気配はない。水の中に生き物の気配はあるが、辺りには待ち伏せしてる敵もいない」
「了解、俺と概ね同意ってことか」
魔法を使ってないとはいえ、俺の五感は鍛えられてる。
戦闘中ならともかく、平時なら気配察知くらいはできる。
そう……レオンが言った敵意を感じない者、俺達を観察してる人とか。
「ユウマ、どういう意味?」
「ひとまず、安全ではあるみたい。というか、指定の休憩場所ってそういう意味か。セリス、ちょっと見ててね」
俺はそのまま歩いていき、川の近くに踏み込む。
すると足元が盛り上がり罠が発動する!
それにかかる前に一歩後退し、木の上にぶら下がった網を眺める。
これなら引っかかっても命に別状はない。
「まあ、こういうことかな。多分、雇った冒険者が仕掛けたね」
「わ、罠があったのね。どうしてわかったの?」
「さっきも言ったけど、一番油断する場所だから。もし自分だったら、ここに罠を仕掛けるかなって。魔物や魔獣相手ならいらないけど、俺達は盗賊や敵の兵士と戦うこともあるし」
「……そういうことね。これが即死性のある罠だったらと思うと恐ろしいわ」
セリスの言う通りだ。
これが毒とか仕掛けてあったり、刃物が飛び出る仕掛けだったら死ぬこともある。
「こ、怖いですねっ」
「まあ、という感じなので水辺には気をつけるように」
「ええ、わかったわ。ユウマ、ありがとう」
「いえいえ。それじゃ、引き続きよろしくね」
俺はセリス達のところに下がり、セリスにバトンタッチする。
「コホン……レオン、ユウマ、もう罠の類や危険なことはないのね?」
「ああ、問題ない」
「うん、平気」
「ありがとう。それじゃ、水辺に行って休憩をしましょう」
改めて指示を受け、俺達はセリスに従って動き出す。
レオンが匂いを嗅いで、水が問題ないことを確認して水を汲む。
俺は予備のナイフで草木を刈り取り、そこにスペースを確保する。
セリスは土魔法を使って簡易的な椅子やテーブルを作る。
そしてカレンは石や木などを集めていた。
「セリス、終わったけどどうしようかな」
「あら、仕事が早いわね。そうね、出来たら食材を集めてちょうだい」
「了解……それなら、あれでいいか」
俺はズボンの裾をめくり、川の中に入っていく。
「ユ、ユウマ?」
「セリス殿、静かにしよう……アレは狩りをしている」
レオンのおかげで、皆が静かになって見守る。
……自然と一体に……ライカさんに教わった静の間合い。
意を向けるから生き物は反応する、何も意識を向けずに無の境地に。
俺は気配を消して、自分の間合いに入ってくる生き物を待ち……考えるより先に、手が水の中に飛び込む!
「……シッ!」
「わぁ……す、すごいです」
「す、水中にいる魚を手で捕まえるなんて」
俺が手を振り抜いた先には、魚がピチピチとのたまわっていた。
同じように、近づいてくる魚達を手で捕まえていく。
「よし、六匹いれば平気かな」
「ユウマ!凄いわ!」
「ほんとですっ! どうやって取ってるんですか!?」
俺は、ひとまず川から上がり足を拭く。
「簡単な話だよ。気配を消して魚を待って、自分の間合いに入ってきたら獲るだけ」
「……全然、意味がわからないわよ。カレン、わかった?」
「いえ、全然わかりません! そもそも、捕まえる前に逃げられちゃいますよっ!」
「そうよね。そもそも、魚が近寄ってこないわ」
「あれれ? レオンはわかるよね?」
「わかるが……恐ろしい男だな。我でも、その域には達していない。それどころか、それができる者は獣人族でも一握りの者だ」
「……そうなんだ。俺はこれができるまで、川から出るなっていう修行を師匠から受けたのだけど」
何でも、これができるのが当然だとか。
どうやら、ここでも騙されていたらしい。
ぐぬぬっ……ライカさんめ、帰ったら覚えてろよ。
まあ、こっちも当然……返り討ちにあうことは決まってるんですけどね!
そして、正午になる前に川へと到着する。
そこは貰った地図に描かれていた休憩場所に相違ない。
「わぁ……綺麗な川です!」
「ふぅ、一息つけるわね」
「二人とも、待って」
「ユウマ?」
「どうしたんですか?」
俺は駆け出そうとする二人の手を掴む。
レオンは気づいているので、黙って腕を組んでいる。
「人が最も油断するのは、気を抜いた時なんだ。特に水辺は危ない。近くに魔獣が潜んでいるかもしれないし、水の中に生き物がいるかもしれない」
「……そういえば、授業でも習ったわ。ダメね、気を抜いちゃった」
「わたしもです……」
「二人は慣れてないし仕方ないよ。セリス、今だけ俺が指示してもいい?」
「ええ、お願いするわ」
失敗したことに落ち込んでいたが、セリスの顔は晴れやかだ。
この切り替えの早さと、いざという時にパーティーメンバーに頼れるのも指揮官の素質だと思う。
「レオン、水の中と辺りに生き物の気配は?」
「敵意を感じるような気配はない。水の中に生き物の気配はあるが、辺りには待ち伏せしてる敵もいない」
「了解、俺と概ね同意ってことか」
魔法を使ってないとはいえ、俺の五感は鍛えられてる。
戦闘中ならともかく、平時なら気配察知くらいはできる。
そう……レオンが言った敵意を感じない者、俺達を観察してる人とか。
「ユウマ、どういう意味?」
「ひとまず、安全ではあるみたい。というか、指定の休憩場所ってそういう意味か。セリス、ちょっと見ててね」
俺はそのまま歩いていき、川の近くに踏み込む。
すると足元が盛り上がり罠が発動する!
それにかかる前に一歩後退し、木の上にぶら下がった網を眺める。
これなら引っかかっても命に別状はない。
「まあ、こういうことかな。多分、雇った冒険者が仕掛けたね」
「わ、罠があったのね。どうしてわかったの?」
「さっきも言ったけど、一番油断する場所だから。もし自分だったら、ここに罠を仕掛けるかなって。魔物や魔獣相手ならいらないけど、俺達は盗賊や敵の兵士と戦うこともあるし」
「……そういうことね。これが即死性のある罠だったらと思うと恐ろしいわ」
セリスの言う通りだ。
これが毒とか仕掛けてあったり、刃物が飛び出る仕掛けだったら死ぬこともある。
「こ、怖いですねっ」
「まあ、という感じなので水辺には気をつけるように」
「ええ、わかったわ。ユウマ、ありがとう」
「いえいえ。それじゃ、引き続きよろしくね」
俺はセリス達のところに下がり、セリスにバトンタッチする。
「コホン……レオン、ユウマ、もう罠の類や危険なことはないのね?」
「ああ、問題ない」
「うん、平気」
「ありがとう。それじゃ、水辺に行って休憩をしましょう」
改めて指示を受け、俺達はセリスに従って動き出す。
レオンが匂いを嗅いで、水が問題ないことを確認して水を汲む。
俺は予備のナイフで草木を刈り取り、そこにスペースを確保する。
セリスは土魔法を使って簡易的な椅子やテーブルを作る。
そしてカレンは石や木などを集めていた。
「セリス、終わったけどどうしようかな」
「あら、仕事が早いわね。そうね、出来たら食材を集めてちょうだい」
「了解……それなら、あれでいいか」
俺はズボンの裾をめくり、川の中に入っていく。
「ユ、ユウマ?」
「セリス殿、静かにしよう……アレは狩りをしている」
レオンのおかげで、皆が静かになって見守る。
……自然と一体に……ライカさんに教わった静の間合い。
意を向けるから生き物は反応する、何も意識を向けずに無の境地に。
俺は気配を消して、自分の間合いに入ってくる生き物を待ち……考えるより先に、手が水の中に飛び込む!
「……シッ!」
「わぁ……す、すごいです」
「す、水中にいる魚を手で捕まえるなんて」
俺が手を振り抜いた先には、魚がピチピチとのたまわっていた。
同じように、近づいてくる魚達を手で捕まえていく。
「よし、六匹いれば平気かな」
「ユウマ!凄いわ!」
「ほんとですっ! どうやって取ってるんですか!?」
俺は、ひとまず川から上がり足を拭く。
「簡単な話だよ。気配を消して魚を待って、自分の間合いに入ってきたら獲るだけ」
「……全然、意味がわからないわよ。カレン、わかった?」
「いえ、全然わかりません! そもそも、捕まえる前に逃げられちゃいますよっ!」
「そうよね。そもそも、魚が近寄ってこないわ」
「あれれ? レオンはわかるよね?」
「わかるが……恐ろしい男だな。我でも、その域には達していない。それどころか、それができる者は獣人族でも一握りの者だ」
「……そうなんだ。俺はこれができるまで、川から出るなっていう修行を師匠から受けたのだけど」
何でも、これができるのが当然だとか。
どうやら、ここでも騙されていたらしい。
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