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お節介発動
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大分時間がかかりそうなので、併設されているカウンターバーに向かうことにする。
幸いなことに席があり、お酒を頼んでからそこで一息つく。
ちなみに、オルトスにはミルクを注文した。
「ふぅ……美味い」
「ウォン!(うむ!)」
「昼間から酒を飲めるのは贅沢じゃな」
歳をとってからは体に悪いと酒も控えていた。
今は魔王も倒しているし、身体も若いので飲み放題である。
……亡き主君とも、酒を交わしたかったものだ。
「それに以外と静かなのも良い」
「ウォン(確かに他のギルドより空いてるのだ)」
「これも、先程の話と一致するか」
これだけの規模の街で仕事がないわけがない。
それでも他所に行ったり、遠くにある目立つ依頼などを受けに行ってるのだろう。
すると、とある光景が目に入る。
「むっ……アリア殿か」
「ウォン(何やら様子が変なのだ)」
オルトスの言う通り、アリア殿……と言うより、その周りがおかしい。
皆アリア殿を見ては、目をそらしていく。
アリア殿も、それを当たり前のように受け入れているようだ。
「ふむ……やはり訳ありか」
「ウォン?(どうするのだ?)」
「あっちから関わらないでくれと言われたが……」
その時、アリア殿と目が合う。
その瞳は一瞬だけ揺れ、すぐに儂から目を逸らした。
そして、儂と心は決まった……助けを求める目を見ては仕方ない。
「オルトスよ、少々面倒事になるが良いか?」
「ウォン(いつものことなのだ)」
「ふっ、すまんな」
儂は酒を飲み干してお金を置き、スタスタとアリア殿の元に歩いていく。
「アリア殿、先程ぶりじゃな」
「シ、シグルド殿……私に関わってはいけない」
「すまんな、年寄りで耳が遠くてな」
「……ふふ、貴方って人は」
「儂は余所者じゃから気にせんでくれ」
「……ありがとうございます。とりあえず、外に出ましょうか」
注目を集めつつ、儂はアリア殿と共に冒険者ギルドを出ていく。
そのまま、しばらく黙ってついていくと……噴水近くの広場で立ち止まる。
そして近くのベンチに座ったので、少し離れて儂も座ることに。
「この辺りなら人通りも多いのでいいでしょう。実は、その……」
「別に事情は無理に話さんで良いぞ」
言いづらそうにしていたので先手を打つ。
お節介をするのに、無理に理由を聞く必要もない。
何故なら、これは儂が勝手にやることなのだから。
「……へっ?」
「要はアリア殿は困っていて、それをなんとかしたいと思ってるのじゃろ?」
「え、ええ……」
「そしてそのためにはランクを上げたいと。しかしパーティーを組む相手がいない……それさえ分かっていればいいのじゃ。アリア殿さえ良ければ、儂がパーティーを組もう」
すると、見る見るうちに顔が歪んでいく。
ついには泣き出しそうになる。
儂は特に理由も聞くことなく、ただ静かに待つ……のじゃが、相棒はそうもいかんらしい。
オルトスはアリア殿の手を舐めて、アリア殿を見上げてる。
「ウォン!(泣かないのだ! 主人に任せるのだ!)」
「……ふふ、励ましてくれているのかな?」
「まあ、そうじゃな」
こういう時は放っておくのが良い男かと思ったが……それは人間限定じゃな。
どうやら、オルトスも成長しているみたいだのう。
「感謝します。そ、それで……本当にいいのでしょうか? 私といると色々と面倒なことになるかと」
「うむ、面倒事には慣れている……何より、儂は縁というものを大事にしている。ここで知り合ったのも何かの縁じゃろう」
「ありがとうございます……一人では受けられない依頼もあったので助かります」
「そうであろうな。では、一度ギルドに戻るとしようか。儂も自分の依頼を貰わねばならん」
話し合いを終えた儂達は、来た道を歩いて冒険者ギルドに向かう。
そして再び中に入ると、儂らに注目が集まる。
「おい、アリアといるの誰だ?」
「どうせ、見た目に目が眩んだんだろ」
「放っておけって」
……嫌な会話と視線じゃ。
皆が分かっているのに放置しているということか。
そのまま受付に向かい、アリア殿の希望の依頼を受けた。
「シグルド殿、すみません」
「なに、気にするでない。さっさと出るとしよう」
すぐにギルドを出て、再び噴水近くのベンチに座る。
「それで、何の依頼じゃ?」
「トロールの討伐です。人気はありませんが、それなりにポイントは高いので」
「トロールか……まあ、人気がないのは当然じゃな」
トロール、それは中級妖魔に位置する。
体長は三メートルを超え、横幅も広く体格の良い妖魔。
腹は出っ張り、顔は醜悪で……人を丸かじりするのが趣味なのだ。
異臭もするし、誰も好き好んで戦いたくはない。
「はい、そうなのです。ですが、私に出来るのはこれくらいですから。何より、困ってる人も多いので……こんな依頼ですみません」
「ほほっ、良きかな」
「えっ?」
「俄然やる気が出てきたわい。妖魔退治は傭兵である儂の得意分野でもあるし」
「そういえばそうでしたね」
「では、早速向かうとしよう。その道中に、儂の依頼もありそうじゃし」
お節介でもあるが、妖魔と聞いたら話は別。
何より自分の最優先の目的があるのに、人のためというのが気に入った。
儂は改めて、アリア殿に力を貸すことを決めたのだった。
幸いなことに席があり、お酒を頼んでからそこで一息つく。
ちなみに、オルトスにはミルクを注文した。
「ふぅ……美味い」
「ウォン!(うむ!)」
「昼間から酒を飲めるのは贅沢じゃな」
歳をとってからは体に悪いと酒も控えていた。
今は魔王も倒しているし、身体も若いので飲み放題である。
……亡き主君とも、酒を交わしたかったものだ。
「それに以外と静かなのも良い」
「ウォン(確かに他のギルドより空いてるのだ)」
「これも、先程の話と一致するか」
これだけの規模の街で仕事がないわけがない。
それでも他所に行ったり、遠くにある目立つ依頼などを受けに行ってるのだろう。
すると、とある光景が目に入る。
「むっ……アリア殿か」
「ウォン(何やら様子が変なのだ)」
オルトスの言う通り、アリア殿……と言うより、その周りがおかしい。
皆アリア殿を見ては、目をそらしていく。
アリア殿も、それを当たり前のように受け入れているようだ。
「ふむ……やはり訳ありか」
「ウォン?(どうするのだ?)」
「あっちから関わらないでくれと言われたが……」
その時、アリア殿と目が合う。
その瞳は一瞬だけ揺れ、すぐに儂から目を逸らした。
そして、儂と心は決まった……助けを求める目を見ては仕方ない。
「オルトスよ、少々面倒事になるが良いか?」
「ウォン(いつものことなのだ)」
「ふっ、すまんな」
儂は酒を飲み干してお金を置き、スタスタとアリア殿の元に歩いていく。
「アリア殿、先程ぶりじゃな」
「シ、シグルド殿……私に関わってはいけない」
「すまんな、年寄りで耳が遠くてな」
「……ふふ、貴方って人は」
「儂は余所者じゃから気にせんでくれ」
「……ありがとうございます。とりあえず、外に出ましょうか」
注目を集めつつ、儂はアリア殿と共に冒険者ギルドを出ていく。
そのまま、しばらく黙ってついていくと……噴水近くの広場で立ち止まる。
そして近くのベンチに座ったので、少し離れて儂も座ることに。
「この辺りなら人通りも多いのでいいでしょう。実は、その……」
「別に事情は無理に話さんで良いぞ」
言いづらそうにしていたので先手を打つ。
お節介をするのに、無理に理由を聞く必要もない。
何故なら、これは儂が勝手にやることなのだから。
「……へっ?」
「要はアリア殿は困っていて、それをなんとかしたいと思ってるのじゃろ?」
「え、ええ……」
「そしてそのためにはランクを上げたいと。しかしパーティーを組む相手がいない……それさえ分かっていればいいのじゃ。アリア殿さえ良ければ、儂がパーティーを組もう」
すると、見る見るうちに顔が歪んでいく。
ついには泣き出しそうになる。
儂は特に理由も聞くことなく、ただ静かに待つ……のじゃが、相棒はそうもいかんらしい。
オルトスはアリア殿の手を舐めて、アリア殿を見上げてる。
「ウォン!(泣かないのだ! 主人に任せるのだ!)」
「……ふふ、励ましてくれているのかな?」
「まあ、そうじゃな」
こういう時は放っておくのが良い男かと思ったが……それは人間限定じゃな。
どうやら、オルトスも成長しているみたいだのう。
「感謝します。そ、それで……本当にいいのでしょうか? 私といると色々と面倒なことになるかと」
「うむ、面倒事には慣れている……何より、儂は縁というものを大事にしている。ここで知り合ったのも何かの縁じゃろう」
「ありがとうございます……一人では受けられない依頼もあったので助かります」
「そうであろうな。では、一度ギルドに戻るとしようか。儂も自分の依頼を貰わねばならん」
話し合いを終えた儂達は、来た道を歩いて冒険者ギルドに向かう。
そして再び中に入ると、儂らに注目が集まる。
「おい、アリアといるの誰だ?」
「どうせ、見た目に目が眩んだんだろ」
「放っておけって」
……嫌な会話と視線じゃ。
皆が分かっているのに放置しているということか。
そのまま受付に向かい、アリア殿の希望の依頼を受けた。
「シグルド殿、すみません」
「なに、気にするでない。さっさと出るとしよう」
すぐにギルドを出て、再び噴水近くのベンチに座る。
「それで、何の依頼じゃ?」
「トロールの討伐です。人気はありませんが、それなりにポイントは高いので」
「トロールか……まあ、人気がないのは当然じゃな」
トロール、それは中級妖魔に位置する。
体長は三メートルを超え、横幅も広く体格の良い妖魔。
腹は出っ張り、顔は醜悪で……人を丸かじりするのが趣味なのだ。
異臭もするし、誰も好き好んで戦いたくはない。
「はい、そうなのです。ですが、私に出来るのはこれくらいですから。何より、困ってる人も多いので……こんな依頼ですみません」
「ほほっ、良きかな」
「えっ?」
「俄然やる気が出てきたわい。妖魔退治は傭兵である儂の得意分野でもあるし」
「そういえばそうでしたね」
「では、早速向かうとしよう。その道中に、儂の依頼もありそうじゃし」
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