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四章
翻弄
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翌朝、ほとんど眠ることなく俺は庭に出る。
「寝れるわけがない。あんな可愛い顔で無防備な姿……布団から良い匂いがするし……可愛いからずっと見ていたいし……だが手は出せないし……全く、カグヤには敵わんな」
煩悩を振り払うように、素振りを開始する。
「謎の生物に放ったあの剣技は使えそうだな。ハクやドラゴンをイメージしたが、ただ魔力を消耗しすぎる……何か、効率が良く威力がある技を考えなくていけないか」
その後は剣の型を見直したり、魔力を高める精神統一などをして時間を過ごす。
そして、人々が起き出す時間を迎える。
すると、部屋から声がした。
「クロウ~!どこ~?」
「庭にいる!」
「あっ!いたぁ~!」
「なっ──!?」
カグヤに思いきり抱きつかれる! 何が起きた!?
柔らかく甘い匂い……クラクラする。
「もう~!どこ行ってたの!途中で、どっか行かないで!」
猫なで声で、そんなことを言ってくる……可愛い。
「途中……?」
「ふえっ? これって夢……にゃー!」
「うおっ!?」
今度は、思いきり突き飛ばされる。
「違うもん、これ夢だもん——寝る~!!」
……そう言い残し、カグヤは寝室に戻って行く。
ふと見ると、縁側には寝ているシンクを咥えたハクがいた。
「はて、一体全体何がどうなっている……?」
「グルルー(ご主人様、ドンマイ)」
「……また起きるまで、カグヤのことよろしくな」
「グルッ!(任せるのだ!)」
そしてハクも再び寝室に戻っていく。
全く、俺はカグヤに翻弄されっぱなしだ……今に始まったことじゃないか。
その後再び、俺は鍛錬に励むのであった。
そして、1時間ほど経過すると……。
「ク、クロウ!」
「ああ、起きたか。おはよう、カグヤ」
「お、おはよぉ……」
「なんでモジモジしている? そして、顔が赤いぞ?」
俺はカグヤに近づき、おでことおでこをくっつける。
「にゃにゃ!?」
「うん……熱はない」
「バ……バカー!」
「うおっ!?」
俺を突き飛ばし、カグヤは再び寝室へ帰っていく。
「グルルー(今のはご主人様が悪いのだ)」
「ピー!」
「……そうなのか?」
その後、カグヤが戻ってきたので謝ろうとしたらカグヤに止められた。
むしろ、逆に謝られてしまった……そして忘れてと。
一体どんな夢を見ていたんだろうか?
ようやく朝食にありつき、眠たかった俺は少し昼寝をすることに。
「クロウ、昨日一緒に寝てくれたお礼に膝枕してあげる!」
「良いのか? その間つまらなくないか?」
「良いから!」
「グルルー?(ご主人様、また寝室に戻っちゃうよ?)」
「それもそうだな、では有難く……」
ソファーで膝枕をされていると、シンクがよじ登ってくる。
「ピー!」
「ずるいって感じか……ほらっ」
俺はシンクを腕に抱く。
「ピー?」
「たまには、お母さんじゃなくても良いだろ? お父さんが添い寝してやる」
「ピー……ピー!」
「グルルー(仕方ないの、我慢するの!だって)」
「ハハ……良いものだな」
俺はそのまま眠りにつこうとするが……勢いよく起き上がる。
「ど、どうしたの……?」
「グルルー!(何かたくさん来たのだ!)」
「この音は聞き馴染んだ音……軍隊だ」
一糸乱れずに歩くことにより発生する足音、統率された軍隊に間違いない。
「ピー?」
「どういうこと……?」
「わからん。ハク、カグヤとシンクを頼むぞ。俺が外に出て対応する」
「グルッ!(オイラに任せるのだ!)」
「ああ、友好的とは限らないからな。万が一の時は、この都市も出て行かなくてはいけないか」
それにしてもなぜ軍隊が? それとも調査隊の報告?
帝国からカグヤを引き渡せと要求されたか?
とりあえず、何が起きてもいいように覚悟をしておこう。
俺はアスカロンを構えて、意を決して外へ出る。
「何者だ? それ以上近づくなら……敵とみなす」
「貴様、武器をしまえ! 誰に向けてると思ってる!」
「やめなさい!ごめんなさいね、驚かして」
ふむ、敵対するわけではないか……ひとまず、剣をしまう。
もちろん、いつでも抜けるように。
「俺に何の用だ?」
「肖像画にそっくり……サラの言った通りだわ」
「なんのことだ……?」
「そう怖い顔しないでちょうだい。貴方は……私の親戚かもしれないのだから」
「姫様!? 真なのですか!?」
姫……親戚……何がどうなっている?
あまりの衝撃に、俺は呆然とするのだった。
「寝れるわけがない。あんな可愛い顔で無防備な姿……布団から良い匂いがするし……可愛いからずっと見ていたいし……だが手は出せないし……全く、カグヤには敵わんな」
煩悩を振り払うように、素振りを開始する。
「謎の生物に放ったあの剣技は使えそうだな。ハクやドラゴンをイメージしたが、ただ魔力を消耗しすぎる……何か、効率が良く威力がある技を考えなくていけないか」
その後は剣の型を見直したり、魔力を高める精神統一などをして時間を過ごす。
そして、人々が起き出す時間を迎える。
すると、部屋から声がした。
「クロウ~!どこ~?」
「庭にいる!」
「あっ!いたぁ~!」
「なっ──!?」
カグヤに思いきり抱きつかれる! 何が起きた!?
柔らかく甘い匂い……クラクラする。
「もう~!どこ行ってたの!途中で、どっか行かないで!」
猫なで声で、そんなことを言ってくる……可愛い。
「途中……?」
「ふえっ? これって夢……にゃー!」
「うおっ!?」
今度は、思いきり突き飛ばされる。
「違うもん、これ夢だもん——寝る~!!」
……そう言い残し、カグヤは寝室に戻って行く。
ふと見ると、縁側には寝ているシンクを咥えたハクがいた。
「はて、一体全体何がどうなっている……?」
「グルルー(ご主人様、ドンマイ)」
「……また起きるまで、カグヤのことよろしくな」
「グルッ!(任せるのだ!)」
そしてハクも再び寝室に戻っていく。
全く、俺はカグヤに翻弄されっぱなしだ……今に始まったことじゃないか。
その後再び、俺は鍛錬に励むのであった。
そして、1時間ほど経過すると……。
「ク、クロウ!」
「ああ、起きたか。おはよう、カグヤ」
「お、おはよぉ……」
「なんでモジモジしている? そして、顔が赤いぞ?」
俺はカグヤに近づき、おでことおでこをくっつける。
「にゃにゃ!?」
「うん……熱はない」
「バ……バカー!」
「うおっ!?」
俺を突き飛ばし、カグヤは再び寝室へ帰っていく。
「グルルー(今のはご主人様が悪いのだ)」
「ピー!」
「……そうなのか?」
その後、カグヤが戻ってきたので謝ろうとしたらカグヤに止められた。
むしろ、逆に謝られてしまった……そして忘れてと。
一体どんな夢を見ていたんだろうか?
ようやく朝食にありつき、眠たかった俺は少し昼寝をすることに。
「クロウ、昨日一緒に寝てくれたお礼に膝枕してあげる!」
「良いのか? その間つまらなくないか?」
「良いから!」
「グルルー?(ご主人様、また寝室に戻っちゃうよ?)」
「それもそうだな、では有難く……」
ソファーで膝枕をされていると、シンクがよじ登ってくる。
「ピー!」
「ずるいって感じか……ほらっ」
俺はシンクを腕に抱く。
「ピー?」
「たまには、お母さんじゃなくても良いだろ? お父さんが添い寝してやる」
「ピー……ピー!」
「グルルー(仕方ないの、我慢するの!だって)」
「ハハ……良いものだな」
俺はそのまま眠りにつこうとするが……勢いよく起き上がる。
「ど、どうしたの……?」
「グルルー!(何かたくさん来たのだ!)」
「この音は聞き馴染んだ音……軍隊だ」
一糸乱れずに歩くことにより発生する足音、統率された軍隊に間違いない。
「ピー?」
「どういうこと……?」
「わからん。ハク、カグヤとシンクを頼むぞ。俺が外に出て対応する」
「グルッ!(オイラに任せるのだ!)」
「ああ、友好的とは限らないからな。万が一の時は、この都市も出て行かなくてはいけないか」
それにしてもなぜ軍隊が? それとも調査隊の報告?
帝国からカグヤを引き渡せと要求されたか?
とりあえず、何が起きてもいいように覚悟をしておこう。
俺はアスカロンを構えて、意を決して外へ出る。
「何者だ? それ以上近づくなら……敵とみなす」
「貴様、武器をしまえ! 誰に向けてると思ってる!」
「やめなさい!ごめんなさいね、驚かして」
ふむ、敵対するわけではないか……ひとまず、剣をしまう。
もちろん、いつでも抜けるように。
「俺に何の用だ?」
「肖像画にそっくり……サラの言った通りだわ」
「なんのことだ……?」
「そう怖い顔しないでちょうだい。貴方は……私の親戚かもしれないのだから」
「姫様!? 真なのですか!?」
姫……親戚……何がどうなっている?
あまりの衝撃に、俺は呆然とするのだった。
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