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プロローグ??!!
しおりを挟むまるで、映画のワンシーンを観ているようだった。
バン、と大きな音を立てて、教会の扉が開かれる。
『ちょっと待ったぁっ!』
開け放たれた扉の前で、真っ白なタキシードを着た男が叫ぶ。
おれは混乱した。
この時、結婚式の真っ只中だった。おれ・朧 耀介と、花嫁・日向 白花との、幸せな結婚式。
そこへ全く予想外の乱入者。おれと白花共通の幼馴染みであり、おれの大親友である、雨宮 涼太。
小さい頃からおれの恋を応援してくれた涼太が、いつもクールな涼太が、乱入してまで何をするんだろう?
馬鹿なおれは、指輪を彼女にはめる寸前で止まって涼太を見ていた。
涼太はまた叫んだ。
『白ちゃん。
君を、迎えに来たよ。』 と。
え?
『涼ちゃんっ!!』
疑問を口にする前に、白花も叫んだ。
『私、信じてた……っ!』
彼女は涙を溢れさせて、ほんとうに、幸せそうに笑って、おれの前から消えた。涼太に向かって、走っていった。
手を取り合って、扉の向こうの光輝く未来に飛び込んでいく2人は、まさにチープな恋愛映画のそれだったーーー。
。。。。。
何も、何も分からなかった。
あれからどうやって家に帰ったか、よく思い出せない。
ただ、白花の両親と涼太の両親が、可哀想になるくらい、全力でおれに謝ってた気がする。4人揃っての土下座は珍しいと思った。おれの親と妹は、『息子(兄)になんて事してくれたのか』と怒鳴ってたっけ。そこまでは覚えてる。
おれは今、何をしているんだろう。
本来なら、あの教会の宿泊施設で夫婦2人で寝ている筈なのに。
なんで、こんなに寂しい部屋に1人で居るのだろうか。
白花がおれから離れる時、彼女は何も言わなかった。「ごめんなさい」も、「さよなら」も、「ざまあみろ」でさえ、言わなかった。
まるで、おれの事なんか眼中にない様な。ただ一人、涼太の事だけを見ている様だった。
だったらなんで、彼女はおれのプロポーズを受けたんだろう。
涼太が扉を開けた時、叫ぶ時、あいつはおれを見た。怒り、哀しみ、呆れ、憐みの目で。
今までずっと、馬鹿なおれを楽しそうに見てたじゃないか。本当に楽しそうに、笑っていたじゃないか。
だったらなんで……いや、そもそも笑っていなかったのかもしれない。笑顔の仮面を付けて、冷え切った目でおれを見ていたのかもしれない。
あゝ。
空気が読めないおれ。
頭の回転が遅いおれ。
笑ってくれる周りに甘えていたおれ。
なんて、
なんて馬鹿馬鹿しいんだ!!
。。。
ーー白花へ。
おれは君を、心から愛してた。大好きだった。幼稚園の時からずっと、です。
何よりも君が愛しかった。大切だった。何があっても、君を守るつもりでいた。
おれは愛されたかった。他でもない君に愛されたかった。「愛されていないんじゃないか」と疑う余地も無いほどに、愛されたかった。おれはそれくらい、君を愛していたんだよ。
何もしなくても愛されるなんて思ってない。好きになってもらえるように、努力したんだ。馬鹿なりに、努力したんだ。……してきたつもりだ。
ねぇ、どこがダメだったの?君が欲しい努力とは違ったの?
教えて。
おれは馬鹿だから、分からないから、どうか、教えてください。お願いします。お願いします。
……
(涙でぐちゃぐちゃになった跡)
……
あゝやっぱり、考えてみたけどダメです。分かんないです。馬鹿なぼくには分かんないです。
徳とかが足りないのかな。足りないから幸せになれないし、幸せになる方法も分からないのかも。
徳を積んできます。来世に賭けます。それしか希望が無い。
馬鹿でごめんね。これしかなくてごめんね。母さんも父さんも、澄も、今までありがとう。さようなら。白花の次に、愛してます。笑。
p.s. こういう事書いちゃうのがダメって母さんは言うだろうね。でも、こういうおれも、好きでしょ?なーんて。
片付けやすいように、ブルーシート敷いておきました。では今度こそ、さようなら。
朧 耀介
。。。
結婚式の丁度1週間後、おれは首を吊った
………はずだった。
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