花嫁に逃げられたおれが愛されるまで〜魂入れ替わりループで自分を振り返った結果〜

紺Peki獅子

文字の大きさ
1 / 3

プロローグ??!!

しおりを挟む

 まるで、映画のワンシーンを観ているようだった。



 バン、と大きな音を立てて、教会の扉が開かれる。

『ちょっと待ったぁっ!』

 開け放たれた扉の前で、真っ白なタキシードを着た男が叫ぶ。


 おれは混乱した。
 この時、結婚式の真っ只中だった。おれ・朧 耀介おぼろ ようすけと、花嫁・日向 白花ひゅうが しらはなとの、幸せな結婚式。
 そこへ全く予想外の乱入者。おれと白花共通の幼馴染みであり、おれの大親友である、雨宮 涼太あまみや りょうた

 小さい頃からおれの恋を応援してくれた涼太が、いつもクールな涼太が、乱入してまで何をするんだろう?
 馬鹿なおれは、指輪を彼女にはめる寸前で止まって涼太を見ていた。



 涼太はまた叫んだ。


『白ちゃん。
 君を、迎えに来たよ。』   と。





え?





『涼ちゃんっ!!』

疑問を口にする前に、白花も叫んだ。

『私、信じてた……っ!』

 彼女は涙を溢れさせて、ほんとうに、幸せそうに笑って、おれの前から消えた。涼太に向かって、走っていった。



 手を取り合って、扉の向こうの光輝く未来に飛び込んでいく2人は、まさにチープな恋愛映画のそれだったーーー。



。。。。。




 何も、何も分からなかった。
 あれからどうやって家に帰ったか、よく思い出せない。
 ただ、白花の両親と涼太の両親が、可哀想になるくらい、全力でおれに謝ってた気がする。4人揃っての土下座は珍しいと思った。おれの親と妹は、『息子(兄)になんて事してくれたのか』と怒鳴ってたっけ。そこまでは覚えてる。

 おれは今、何をしているんだろう。
 本来なら、あの教会の宿泊施設で夫婦2人で寝ている筈なのに。
 なんで、こんなに寂しい部屋に1人で居るのだろうか。

 白花がおれから離れる時、彼女は何も言わなかった。「ごめんなさい」も、「さよなら」も、「ざまあみろ」でさえ、言わなかった。
 まるで、おれの事なんか眼中にない様な。ただ一人、涼太の事だけを見ている様だった。

 だったらなんで、彼女はおれのプロポーズを受けたんだろう。



 涼太が扉を開けた時、叫ぶ時、あいつはおれを見た。怒り、哀しみ、呆れ、憐みの目で。
 今までずっと、馬鹿なおれを楽しそうに見てたじゃないか。本当に楽しそうに、笑っていたじゃないか。

 だったらなんで……いや、そもそも笑っていなかったのかもしれない。笑顔の仮面を付けて、冷え切った目でおれを見ていたのかもしれない。






あゝ。


 空気が読めないおれ。

 頭の回転が遅いおれ。

 笑ってくれる周りに甘えていたおれ。












なんて、


なんて馬鹿馬鹿しいんだ!!











。。。













ーー白花へ。


 おれは君を、心から愛してた。大好きだった。幼稚園の時からずっと、です。

 何よりも君が愛しかった。大切だった。何があっても、君を守るつもりでいた。
 おれは愛されたかった。他でもない君に愛されたかった。「愛されていないんじゃないか」と疑う余地も無いほどに、愛されたかった。おれはそれくらい、君を愛していたんだよ。

 何もしなくても愛されるなんて思ってない。好きになってもらえるように、努力したんだ。馬鹿なりに、努力したんだ。……してきたつもりだ。

 ねぇ、どこがダメだったの?君が欲しい努力とは違ったの?

 教えて。



 おれは馬鹿だから、分からないから、どうか、教えてください。お願いします。お願いします。

……

(涙でぐちゃぐちゃになった跡)


……

あゝやっぱり、考えてみたけどダメです。分かんないです。馬鹿なぼくには分かんないです。

徳とかが足りないのかな。足りないから幸せになれないし、幸せになる方法も分からないのかも。
徳を積んできます。来世に賭けます。それしか希望が無い。

馬鹿でごめんね。これしかなくてごめんね。母さんも父さんも、澄も、今までありがとう。さようなら。白花の次に、愛してます。笑。


p.s.  こういう事書いちゃうのがダメって母さんは言うだろうね。でも、こういうおれも、好きでしょ?なーんて。

片付けやすいように、ブルーシート敷いておきました。では今度こそ、さようなら。


            朧 耀介



。。。





 結婚式の丁度1週間後、おれは首を吊った



















………はずだった。


       
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【書籍化】番の身代わり婚約者を辞めることにしたら、冷酷な龍神王太子の様子がおかしくなりました

降魔 鬼灯
恋愛
 コミカライズ化決定しました。 ユリアンナは王太子ルードヴィッヒの婚約者。  幼い頃は仲良しの2人だったのに、最近では全く会話がない。  月一度の砂時計で時間を計られた義務の様なお茶会もルードヴィッヒはこちらを睨みつけるだけで、なんの会話もない。    お茶会が終わったあとに義務的に届く手紙や花束。義務的に届くドレスやアクセサリー。    しまいには「ずっと番と一緒にいたい」なんて言葉も聞いてしまって。 よし分かった、もう無理、婚約破棄しよう! 誤解から婚約破棄を申し出て自制していた番を怒らせ、執着溺愛のブーメランを食らうユリアンナの運命は? 全十話。一日2回更新 完結済  コミカライズ化に伴いタイトルを『憂鬱なお茶会〜殿下、お茶会を止めて番探しをされては?え?義務?彼女は自分が殿下の番であることを知らない。溺愛まであと半年〜』から『番の身代わり婚約者を辞めることにしたら、冷酷な龍神王太子の様子がおかしくなりました』に変更しています。

王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る

家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。 しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。 仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。 そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。

婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました

kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」 王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。

もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。 だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。 その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

処理中です...