花嫁に逃げられたおれが愛されるまで〜魂入れ替わりループで自分を振り返った結果〜

紺Peki獅子

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振り返りますか?※2023/1/18改稿

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 荒縄の繊維が首にチクチクと刺さって痛い。微妙な太さの縄だからか、あまり苦しくない。だけど、ゆっくりゆっくり、首が絞まっていく。息がし辛くなって、ゆっくりゆっくり、脳に空気が届かなくなっていくのが分かる。

「あ、」

足場にしていた椅子は倒れて、パソコンで調べた解けない縄の結び方をした結び目はやはり解けない。全体重が首にかかり、息が詰まる。もう、逃げられないことを悟る。じたばたと椅子に足を伸ばそうとするものの、届かないし、縄はどんどん絞まっていく。

(やっぱおれ、馬鹿だ。)

今更、怖いなんて。


馬鹿だ。



馬鹿。










馬鹿だーーーー。






。。。






ふと目を開けると、真っ暗な画面に、


『END4    2人だけの世界ハッピーエンド


という文字が浮かんでいるのが見えた。

ああ、2って、きっと、白花と涼太のことだ。あの2人は、幸せになれたのか。そっか。よかった。幸せに……














ーーー浮気したくせに??




おれは、被害者じゃないのか。

2人のせいで、自殺に至ったのに。

こんなに、苦しんでるのに。

あいつらは、幸せになれたのか。





おれは、あいつらのせいで、不幸になったのにーーー。





おれは、どこで間違ったんだろう。

おれだって、あんなに幸せだったはずなのに、どうして。どうして、どうして?

どうしておれは今、こんなに不幸なんだ?


おれの、何がいけなかったんだ???




。。。




 ふと目を開ける。いつから目を閉じていたのか覚えがない。目の前に、

『自分の行動を振り返りますか?』

というテロップが見えた。




「『自分の行動を振り返る』?」
自分の手を見る。縄を解こうとして、爪でガリガリやったのが分かる、ボロボロの手だ。
下唇を噛む。

「おれの、どこがいけなかったか分かるってことか。」

知りたい。

何がいけなかったのか。どこで間違ったのか。

知りたい。



そして、あわよくばーーー幸せになりたい。






おれは目を上げて、テロップを見た。


『自分を振り返りますか?』

  ▶︎はい

   いいえ







。。。






「えっ。」







『視点を設定出来ます。』

   自分

   他人(ランダム)


 すぐにでも『振り返り』というのが始まると思っていたおれは、出鼻を挫かれた。

「どういうこと?」
 呟いただけだったが、すぐに新しい文字が浮かんできた。


『自分視点では、今までの人生がそのままムービーとして流れます。貴方がその時考えていたこと(心の声)や忘れていたことも全て再生されます。』
『他人視点では、貴方と深い関わりのあった人物がランダムで選択され、その人物視点のムービーが再生されます。プライバシーの観点から、その人物の人生の中で、その人物と貴方との関わりがあった時のみがムービーとして再生されます。』
『その人物の心の声も再生され、その人物が貴方や貴方の行動をどう思っていたか、知ることが出来ます。』


「なんだか難しいけど、つまり簡単に言えば……例えば白花とか涼太とかがおれをどう思ってたか分かるってこと?」



『その通り!』
おれの言葉に反応してパッと現れたテロップだったが、なんか、いきなりフランクになったな。まぁいいけど。


「おれは馬鹿だから……、自分視点で振り返ったところで、何が駄目だったか気付けないと思う。だから……」


『OK。』

  ▶︎他人(ランダム)



『それでは視点をランダム選択します。』

   朧 辰彦(父)

   朧 美影(母)

   朧 夜澄(妹)

   日向 白花(恋人・婚約者)

   雨宮 涼太(親友)

 え、家族視点あるの?!そりゃそうか、 " 深い関わり " なんだから……。でも友達ももっといたつもりだったんだけど、家族と幼馴染しか " 深い関わりがあった人物 " にカウントされてないなんて、なんか悲しい。
 とにかく、家族視点じゃないといいなぁ。絶対黒歴史しかなさそうじゃん!自分を振り返る前に羞恥心がやばそう。やだなぁ。


『視点決定しました。』

  ▶︎日向 白花(恋人・婚約者)



 良かったーーーっ!

 いや、良くない。白花に「キモい」とか思われてたら死ねる。あ、ていうか結婚式で逃げられて、そのショックでおれはもう死んでるんだった☆


「……はぁ。」


 自分で言って悲しくなってきた。

 よく考えたら、自分のバッドエンドを振り返ったところでバッドエンドに変わりは無いわけで……………。




  つまり、ハートフルボッコの気配。





 しかし、もはや止める術はない。覚悟を決めたところで、は始まった。





『それでは、日向 白花の視点で、朧 耀介の人生を振り返ります。』




  ▶︎ムービーをスタートします。





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