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ゲコのシンデレラ
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こうして彰の命令で
今からホステスをする事になった恵は真っ青な顔で事務所を出てすぐに
「じゃあ今からオーナーの席に付いてくれる?あとで一万円を払うからさ?」
と笑顔のジョニーから、再び怪しい一万円の話をされて、
今度は3番テーブルに行けと言われたが、
*****
こんな状況になってもアホの恵は未だにマジで
(だから指名って何?
メッチャお金持ちのサトシみたいなお客さんが、
きみに決めた的な一万円を払うって意味なの?変な店~)
てな事を本気で密かに思っていたから、
きっと永遠にClubベルサイユの指名制度が理解できない事は今さら言うまでもないけれど
そんな事よりも恵はこの後なんとなく
7番テーブルの方向に視線を向けてみると……
(あれ?7番には誰も居ないじゃん、会長はもう帰ったのかな?)
いつの間にか涼宮鋼牙と龍崎璃音が座っていた7番席は空席になっていたので
(なんだかよく分かんないけど……
初めて私を指名した人は涼宮会長って事になるんだよね?
今日は彼とラーメンを食べに行けなかったし、凄く危険な事もあったけど、
でも会長は私の近くで気配を消す事が出来る猛者だから
本気を出した彼は絶対に強い筈だし、だから私が居なくてもきっと大丈夫だよね)
と密かに鋼牙の事を思いながら3番テーブルに向かったが
残念な事に3番のテーブルは目と鼻の先なので
あっと言う間に彰の席へと到着した恵は一応とりあえず、
社長の彰に向かって小さく頭をさげたけど、
そんな恵を見つめる彰は、この店の誰よりも綺麗な顔で微笑みながら
「これはこれは可愛らしいスッピンのホステスさんですねぇ。
なんでも好きな物を飲ませてあげるから、早く俺の隣にお座り?フフフッ……」
「あぃ、わーりましたボス」
こうして遂に彰の隣でチョコンと座った恵の顔を優しい瞳で見つめていたのに
このタイミングで向かいの席に付いたヘルプのホステスはなんと!
「失礼しますオーナー、
初めましてメンバーさん、優香と申します」
と礼儀正しい挨拶の後で、
水割りを作りはじめたナンバーワンホステスの優香だったので
なんだか急にドキドキしてきたアホの恵は勿論このまま
慣れた手つきで飲み物を作っている美人の優香をジッと見つめていたのだが
「オーナーのお飲み物は、コチラのボトルで宜しいですか?」
「あぁ、今夜はロックで飲むからチェイサーも頼むよ優香」
「かしこまりました円行寺オーナー」
て感じのカッコいい二人の会話にメッチャ刺激を受けたから、
この流れなら仲間になれると本気で思ったバカホステスの恵は思わず
「じゃあ私もロックでチェイサーしながら、フルーツ祭りに参加をしてもいいんですか?」
とノリノリな態度で、
ついさっきまでは麦茶だと思っていた高級ボトルの話に食い付いたもんだから
「フルーツ祭りは勿論参加OKですけど、
恵さんはヘネシーのリシャールがロックでイケる口なんですか?」
とイミフな話を笑顔の彰に振られてしまい……
(ヘネシーのリシャールがロックでイケる口って何?口裂け女の進化系?)
とは言えないゲコの恵はついついこの後見栄を張って、
「リシャールのロックは毎晩ガブ飲みしていますから全然イケますよ~」
だって麦茶よりも全然おいしいんだもん!て感じのヤバい嘘をついたから
これで後には引けなくなったアホの恵は勿論、話のなりゆきで
「へぇ?恵さんがこのボトルの銘柄をご存知だったとは驚きましたね~、
じゃあ早速ロックで乾杯をしましょうか、可愛い酒豪の恵さん?フフフッ……」
こうして本物の酒豪である彰とロックで乾杯をする羽目になったのだが……
*****
残念な事に恵は昔から
ウイスキーボンボンを3個食べたら酔ってしまう特異体質なので
度数の高いブランデーをロックで飲むなんて事は無謀以外の何物でもないのに
(えっとお酒は甘酒以外は飲んだ事がないから、なんとも言えないけど……
リシャールのロックはメッチャ量が少ないから、ひと口飲むだけなら大丈夫だよね?)
と軽い気持ちで余裕をかまして
彰のグラスと自分のグラスをカチンと合わせた後すぐに
殆ど原液のブランデーを一気にゴクンと飲んだから、そりゃあ勿論 案の定……
「うぅ~わぁああ、おいしぃなぁぁ……うぐっ!!」
この様に……
とても分かりやすくゲホゲホと噎せながら
この後わずか30秒で、あっと言う間にグルグルグルグル目が回り、
そして次第に頭がフワフワとぼやけてきたから
「おやおや?流石にいい飲みっぷりですねぇ、クックックックッ」
「大丈夫ですかメンバーさん、ウーロン茶をどうぞ?」
と目の前の二人に話しかけられても、
全く返事をする事が出来ない恵はこの直後、
広い客席で身体を横にしながら目を瞑り、
そしてグワングワンと変な音が鳴っている騒がしい頭の中で
(あれれ?どうして天井がグルグル回っているの~?
えっと、えーっと…私いま何をしてたんだっけ?
…って言うか、そんな事よりも…なんだかとっても眠いなぁ……)
と残念すぎる独り言を呟く事しか出来なかったのに
そんな恵の隣で座る、社長の彰はメッチャ嬉しそうな表情で……
「ねぇ恵さん、俺の店にはルールがあってね?
客に強要された訳でもないのに自分から勝手に飲んで
そのあと客席で潰れたホステスはその場でクビになるんだよ?
だから貴女は今クビになりましたから…俺と一緒に帰りましょうか」
なんと、この場で恵をクビにしたので
またしても美しいラスボスの手中に嵌まった事を
全く気付いていない恵は客席に身体を横たえたままの状態で
なんとも非情なクビの宣告を聞きながら
「クビ~?クビになったら…困るなぁ…」と最後に一言だけ小さな声で喋ったが、
次の瞬間、キラキラと輝くシャンデリアの下で
甘い香りのコロンをつけた彰にフワッと抱き上げられて、そしてそのまま完全に意識を失った。
今からホステスをする事になった恵は真っ青な顔で事務所を出てすぐに
「じゃあ今からオーナーの席に付いてくれる?あとで一万円を払うからさ?」
と笑顔のジョニーから、再び怪しい一万円の話をされて、
今度は3番テーブルに行けと言われたが、
*****
こんな状況になってもアホの恵は未だにマジで
(だから指名って何?
メッチャお金持ちのサトシみたいなお客さんが、
きみに決めた的な一万円を払うって意味なの?変な店~)
てな事を本気で密かに思っていたから、
きっと永遠にClubベルサイユの指名制度が理解できない事は今さら言うまでもないけれど
そんな事よりも恵はこの後なんとなく
7番テーブルの方向に視線を向けてみると……
(あれ?7番には誰も居ないじゃん、会長はもう帰ったのかな?)
いつの間にか涼宮鋼牙と龍崎璃音が座っていた7番席は空席になっていたので
(なんだかよく分かんないけど……
初めて私を指名した人は涼宮会長って事になるんだよね?
今日は彼とラーメンを食べに行けなかったし、凄く危険な事もあったけど、
でも会長は私の近くで気配を消す事が出来る猛者だから
本気を出した彼は絶対に強い筈だし、だから私が居なくてもきっと大丈夫だよね)
と密かに鋼牙の事を思いながら3番テーブルに向かったが
残念な事に3番のテーブルは目と鼻の先なので
あっと言う間に彰の席へと到着した恵は一応とりあえず、
社長の彰に向かって小さく頭をさげたけど、
そんな恵を見つめる彰は、この店の誰よりも綺麗な顔で微笑みながら
「これはこれは可愛らしいスッピンのホステスさんですねぇ。
なんでも好きな物を飲ませてあげるから、早く俺の隣にお座り?フフフッ……」
「あぃ、わーりましたボス」
こうして遂に彰の隣でチョコンと座った恵の顔を優しい瞳で見つめていたのに
このタイミングで向かいの席に付いたヘルプのホステスはなんと!
「失礼しますオーナー、
初めましてメンバーさん、優香と申します」
と礼儀正しい挨拶の後で、
水割りを作りはじめたナンバーワンホステスの優香だったので
なんだか急にドキドキしてきたアホの恵は勿論このまま
慣れた手つきで飲み物を作っている美人の優香をジッと見つめていたのだが
「オーナーのお飲み物は、コチラのボトルで宜しいですか?」
「あぁ、今夜はロックで飲むからチェイサーも頼むよ優香」
「かしこまりました円行寺オーナー」
て感じのカッコいい二人の会話にメッチャ刺激を受けたから、
この流れなら仲間になれると本気で思ったバカホステスの恵は思わず
「じゃあ私もロックでチェイサーしながら、フルーツ祭りに参加をしてもいいんですか?」
とノリノリな態度で、
ついさっきまでは麦茶だと思っていた高級ボトルの話に食い付いたもんだから
「フルーツ祭りは勿論参加OKですけど、
恵さんはヘネシーのリシャールがロックでイケる口なんですか?」
とイミフな話を笑顔の彰に振られてしまい……
(ヘネシーのリシャールがロックでイケる口って何?口裂け女の進化系?)
とは言えないゲコの恵はついついこの後見栄を張って、
「リシャールのロックは毎晩ガブ飲みしていますから全然イケますよ~」
だって麦茶よりも全然おいしいんだもん!て感じのヤバい嘘をついたから
これで後には引けなくなったアホの恵は勿論、話のなりゆきで
「へぇ?恵さんがこのボトルの銘柄をご存知だったとは驚きましたね~、
じゃあ早速ロックで乾杯をしましょうか、可愛い酒豪の恵さん?フフフッ……」
こうして本物の酒豪である彰とロックで乾杯をする羽目になったのだが……
*****
残念な事に恵は昔から
ウイスキーボンボンを3個食べたら酔ってしまう特異体質なので
度数の高いブランデーをロックで飲むなんて事は無謀以外の何物でもないのに
(えっとお酒は甘酒以外は飲んだ事がないから、なんとも言えないけど……
リシャールのロックはメッチャ量が少ないから、ひと口飲むだけなら大丈夫だよね?)
と軽い気持ちで余裕をかまして
彰のグラスと自分のグラスをカチンと合わせた後すぐに
殆ど原液のブランデーを一気にゴクンと飲んだから、そりゃあ勿論 案の定……
「うぅ~わぁああ、おいしぃなぁぁ……うぐっ!!」
この様に……
とても分かりやすくゲホゲホと噎せながら
この後わずか30秒で、あっと言う間にグルグルグルグル目が回り、
そして次第に頭がフワフワとぼやけてきたから
「おやおや?流石にいい飲みっぷりですねぇ、クックックックッ」
「大丈夫ですかメンバーさん、ウーロン茶をどうぞ?」
と目の前の二人に話しかけられても、
全く返事をする事が出来ない恵はこの直後、
広い客席で身体を横にしながら目を瞑り、
そしてグワングワンと変な音が鳴っている騒がしい頭の中で
(あれれ?どうして天井がグルグル回っているの~?
えっと、えーっと…私いま何をしてたんだっけ?
…って言うか、そんな事よりも…なんだかとっても眠いなぁ……)
と残念すぎる独り言を呟く事しか出来なかったのに
そんな恵の隣で座る、社長の彰はメッチャ嬉しそうな表情で……
「ねぇ恵さん、俺の店にはルールがあってね?
客に強要された訳でもないのに自分から勝手に飲んで
そのあと客席で潰れたホステスはその場でクビになるんだよ?
だから貴女は今クビになりましたから…俺と一緒に帰りましょうか」
なんと、この場で恵をクビにしたので
またしても美しいラスボスの手中に嵌まった事を
全く気付いていない恵は客席に身体を横たえたままの状態で
なんとも非情なクビの宣告を聞きながら
「クビ~?クビになったら…困るなぁ…」と最後に一言だけ小さな声で喋ったが、
次の瞬間、キラキラと輝くシャンデリアの下で
甘い香りのコロンをつけた彰にフワッと抱き上げられて、そしてそのまま完全に意識を失った。
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