11 / 96
璃音編 初めての一目惚れ
しおりを挟む
そして車を降りた璃音は副社長の彰を連れて、
今回の目的地である龍崎ダイヤモンドビルに向かう為、
沢山の人で溢れる歓楽街の一等地を歩いていたのだが
この界隈を歩く時は大勢の女達にキャーキャーと騒がれる事が多いので
*****
(おいおい勘弁してくれよ、俺と彰は芸能人じゃないんだぞ)
とイライラしながらこの道を歩いていたのだが
そうは言ってもレンガの舗道を通らないと目的地であるダイヤモンドビルには行けないから
結局今日もウンザリしながらサッサとこの道を通り抜けようとしていたのに
次の瞬間、向かいのカフェテラスがキラッと光ったその直後、
まるでオレンジ色のサファイアみたいにキラキラと輝く夕陽の下で
いきなり自分の視界に映った一人の女が気になった璃音はこの後なぜか、
まるで恋の天使に弓矢を打たれた男の様に、
片時もその女から目を離す事が出来なくなったから
(な、なっ!なんだよ、あの可愛い女は!)
と密かに呟く璃音は今まさに
一歩も動く事が出来ない状態でピタッと立ち止まっていたけれど
熱い眼差しで黒いスーツの女を見つめる璃音の耳に届いた声は、
「龍崎社長?そろそろ視察のお時間ですが?」
と忠告をしてくれた彰の優しい声だったから
この後すぐに我に返った璃音はこのままダイヤモンドビルに向かったが………
人生初の一目惚れをした璃音の心は微妙に少し浮ついていたので、
このままでは仕事が出来ないと思った璃音はただちに心を入れ替えて、
いつもの様に仕事に集中していたら
自分でも気づかぬ間に正気を取り戻していたので
*****
この後さらに冷静さを取り戻した璃音は午後の仕事をサッサと終わらせて
そして無事にダイヤモンドビルの視察を済ませた後すぐに、
彰と二人でClubベルサイユへと向かったが……
実は今日この店に来た理由は、楽しい世間話をする為ではなくて
オーナーの荒木涼子に貸し付けた金を集金する事が本当の目的なので
今から少し涼子の話をしてみよう。
*****
この店のオーナーである荒木涼子は……
龍崎グループの金融部門から2千万円の金を借りている。
そして涼子の両親は、この街では昔から有名な
老舗宝石店「ジュエリー荒木」の経営者だったが……
今から丁度6年前に、東南アジアで宝石の買い付けをしている最中に、
あろう事か、地元のギャングに殺された。
そして両親の一周忌が過ぎた頃、娘の涼子は両親の遺産を全て放棄したのだが
その理由は彼等に億単位の借金があり……
当時、ジュエリー荒木の事務員だった涼子には
両親が残した借金を返済する能力がなかったからだ。
そして歓楽街の一等地に昔から存在していたジュエリー荒木のふたつの店は
璃音の父親が土地ごと全て買収したので『荒木』の看板は次々と撤去されて、
その後はお決まりのパターンで龍崎宝飾の系列店に姿を変えてしまったが………
この巨大な街はいつの時代も弱肉強食なのだから、当然と言えば当然の結果と言えるだろう。
そして更に涼子の両親が他界してから2年の月日が流れた頃に、
龍崎グループの金融部門から自宅を担保に2千万の金を借りた涼子は
長年の夢だったナイトクラブのオーナーママとなる為に、
歓楽街の一等地に聳え立つ龍崎ビルの最上階で、Clubベルサイユを開店させたのだが、
開店から数年経った今でも涼子の借金は殆ど元本が減っていない状態なので
璃音は時々抜き打ちで、この店の帳簿を確認していたのだ。
*****
そして再び場面は戻り……
本日の仕事を全て終えた璃音は店に到着した後で
さっそくベルサイユの売上帳に目を通してみたけれど……
(はぁ?いくらなんでもこの売り上げは『ムラ』があり過ぎて不自然だろうが!)
と密かに呟く璃音は今、
あまりにもメチャクチャな帳簿の内容に心底呆れていた。
なぜなら3ヶ月も赤字が続いた翌月に、突然500万の利益を出したと思ったら
また次の月には大きな赤字を出していて
最近のベルサイユは綱渡りの様な危ない経営状態に陥っていたからだ。
そしてこの後ため息をつきながら
事務所のソファーに腰をおろした璃音は ふと……
(もしも俺がこの店の経営者ならば
今の内に他の店から有能なスタッフをごっそり引っ張ってくるが……
人脈が浅くて実力不足のクラブママにヘッドハンティングは無理だから
近い将来 涼子の首が回らなくなったら、担保の自宅を抑える事になるだろうな)
て事を考えながら、売り掛けだらけのカオスな帳簿を読んでいると
次の瞬間、いきなり誰かの視線を感じたので……
(……ん?誰か居るのか?)
と思った璃音は思わず顔を上げてみたのだが、
この後、璃音は突然なんと!
夕暮れのカフェテラスで一目惚れをした黒いスーツの女とバッチリ目が合ったので
(なっ!なっ!なんでこの女がココに居るんだ?)
とは言えない無愛想な社長はビックリしすぎて僅かにフリーズしたけれど
そんな事よりも今の璃音は確実に、
ポニーテールの可愛い女から目をそらす事が出来なくなっていた。
今回の目的地である龍崎ダイヤモンドビルに向かう為、
沢山の人で溢れる歓楽街の一等地を歩いていたのだが
この界隈を歩く時は大勢の女達にキャーキャーと騒がれる事が多いので
*****
(おいおい勘弁してくれよ、俺と彰は芸能人じゃないんだぞ)
とイライラしながらこの道を歩いていたのだが
そうは言ってもレンガの舗道を通らないと目的地であるダイヤモンドビルには行けないから
結局今日もウンザリしながらサッサとこの道を通り抜けようとしていたのに
次の瞬間、向かいのカフェテラスがキラッと光ったその直後、
まるでオレンジ色のサファイアみたいにキラキラと輝く夕陽の下で
いきなり自分の視界に映った一人の女が気になった璃音はこの後なぜか、
まるで恋の天使に弓矢を打たれた男の様に、
片時もその女から目を離す事が出来なくなったから
(な、なっ!なんだよ、あの可愛い女は!)
と密かに呟く璃音は今まさに
一歩も動く事が出来ない状態でピタッと立ち止まっていたけれど
熱い眼差しで黒いスーツの女を見つめる璃音の耳に届いた声は、
「龍崎社長?そろそろ視察のお時間ですが?」
と忠告をしてくれた彰の優しい声だったから
この後すぐに我に返った璃音はこのままダイヤモンドビルに向かったが………
人生初の一目惚れをした璃音の心は微妙に少し浮ついていたので、
このままでは仕事が出来ないと思った璃音はただちに心を入れ替えて、
いつもの様に仕事に集中していたら
自分でも気づかぬ間に正気を取り戻していたので
*****
この後さらに冷静さを取り戻した璃音は午後の仕事をサッサと終わらせて
そして無事にダイヤモンドビルの視察を済ませた後すぐに、
彰と二人でClubベルサイユへと向かったが……
実は今日この店に来た理由は、楽しい世間話をする為ではなくて
オーナーの荒木涼子に貸し付けた金を集金する事が本当の目的なので
今から少し涼子の話をしてみよう。
*****
この店のオーナーである荒木涼子は……
龍崎グループの金融部門から2千万円の金を借りている。
そして涼子の両親は、この街では昔から有名な
老舗宝石店「ジュエリー荒木」の経営者だったが……
今から丁度6年前に、東南アジアで宝石の買い付けをしている最中に、
あろう事か、地元のギャングに殺された。
そして両親の一周忌が過ぎた頃、娘の涼子は両親の遺産を全て放棄したのだが
その理由は彼等に億単位の借金があり……
当時、ジュエリー荒木の事務員だった涼子には
両親が残した借金を返済する能力がなかったからだ。
そして歓楽街の一等地に昔から存在していたジュエリー荒木のふたつの店は
璃音の父親が土地ごと全て買収したので『荒木』の看板は次々と撤去されて、
その後はお決まりのパターンで龍崎宝飾の系列店に姿を変えてしまったが………
この巨大な街はいつの時代も弱肉強食なのだから、当然と言えば当然の結果と言えるだろう。
そして更に涼子の両親が他界してから2年の月日が流れた頃に、
龍崎グループの金融部門から自宅を担保に2千万の金を借りた涼子は
長年の夢だったナイトクラブのオーナーママとなる為に、
歓楽街の一等地に聳え立つ龍崎ビルの最上階で、Clubベルサイユを開店させたのだが、
開店から数年経った今でも涼子の借金は殆ど元本が減っていない状態なので
璃音は時々抜き打ちで、この店の帳簿を確認していたのだ。
*****
そして再び場面は戻り……
本日の仕事を全て終えた璃音は店に到着した後で
さっそくベルサイユの売上帳に目を通してみたけれど……
(はぁ?いくらなんでもこの売り上げは『ムラ』があり過ぎて不自然だろうが!)
と密かに呟く璃音は今、
あまりにもメチャクチャな帳簿の内容に心底呆れていた。
なぜなら3ヶ月も赤字が続いた翌月に、突然500万の利益を出したと思ったら
また次の月には大きな赤字を出していて
最近のベルサイユは綱渡りの様な危ない経営状態に陥っていたからだ。
そしてこの後ため息をつきながら
事務所のソファーに腰をおろした璃音は ふと……
(もしも俺がこの店の経営者ならば
今の内に他の店から有能なスタッフをごっそり引っ張ってくるが……
人脈が浅くて実力不足のクラブママにヘッドハンティングは無理だから
近い将来 涼子の首が回らなくなったら、担保の自宅を抑える事になるだろうな)
て事を考えながら、売り掛けだらけのカオスな帳簿を読んでいると
次の瞬間、いきなり誰かの視線を感じたので……
(……ん?誰か居るのか?)
と思った璃音は思わず顔を上げてみたのだが、
この後、璃音は突然なんと!
夕暮れのカフェテラスで一目惚れをした黒いスーツの女とバッチリ目が合ったので
(なっ!なっ!なんでこの女がココに居るんだ?)
とは言えない無愛想な社長はビックリしすぎて僅かにフリーズしたけれど
そんな事よりも今の璃音は確実に、
ポニーテールの可愛い女から目をそらす事が出来なくなっていた。
10
あなたにおすすめの小説
【完結】純血の姫と誓約の騎士たち〜紅き契約と滅びの呪い〜
来栖れいな
恋愛
「覚醒しなければ、生きられない———
しかし、覚醒すれば滅びの呪いが発動する」
100年前、ヴァンパイアの王家は滅び、純血種は絶えたはずだった。
しかし、その血を引く最後の姫ルナフィエラは古城の影で静かに息を潜めていた。
戦う術を持たぬ彼女は紅き月の夜に覚醒しなければ命を落とすという宿命を背負っていた。
しかし、覚醒すれば王族を滅ぼした「呪い」が発動するかもしれない———。
そんな彼女の前に現れたのは4人の騎士たち。
「100年間、貴女を探し続けていた———
もう二度と離れない」
ヴィクトル・エーベルヴァイン(ヴァンパイア)
——忠誠と本能の狭間で揺れる、王家の騎士。
「君が目覚めたとき、世界はどう変わるのか......僕はそれを見届けたい」
ユリウス・フォン・エルム(エルフ)
——知的な観察者として接近し、次第に執着を深めていく魔法騎士。
「お前は弱い。だから、俺が守る」
シグ・ヴァルガス(魔族)
——かつてルナフィエラに助けられた恩を返すため、寡黙に寄り添う戦士。
「君が苦しむくらいなら、僕が全部引き受ける」
フィン・ローゼン(人間)
——人間社会を捨てて、彼女のそばにいることを選んだ治癒魔法使い。
それぞれの想いを抱えてルナフィエラの騎士となる彼ら。
忠誠か、執着か。
守護か、支配か。
愛か、呪いか——。
運命の紅き月の夜、ルナフィエラは「覚醒」か「死」かの選択を迫られる。
その先に待つのは、破滅か、それとも奇跡か———。
——紅き誓いが交わされるとき、彼らの運命は交差する。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
明日のために、昨日にサヨナラ(goodbye,hello)
松丹子
恋愛
スパダリな父、優しい長兄、愛想のいい次兄、チャラい従兄に囲まれて、男に抱く理想が高くなってしまった女子高生、橘礼奈。
平凡な自分に見合うフツーな高校生活をエンジョイしようと…思っているはずなのに、幼い頃から抱いていた淡い想いを自覚せざるを得なくなり……
恋愛、家族愛、友情、部活に進路……
緩やかでほんのり甘い青春模様。
*関連作品は下記の通りです。単体でお読みいただけるようにしているつもりです(が、ひたすらキャラクターが多いのであまりオススメできません…)
★展開の都合上、礼奈の誕生日は親世代の作品と齟齬があります。一種のパラレルワールドとしてご了承いただければ幸いです。
*関連作品
『神崎くんは残念なイケメン』(香子視点)
『モテ男とデキ女の奥手な恋』(政人視点)
上記二作を読めばキャラクターは押さえられると思います。
(以降、時系列順『物狂ほしや色と情』、『期待ハズレな吉田さん、自由人な前田くん』、『さくやこの』、『爆走織姫はやさぐれ彦星と結ばれたい』、『色ハくれなゐ 情ハ愛』、『初恋旅行に出かけます』)
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
「25歳OL、異世界で年上公爵の甘々保護対象に!? 〜女神ルミエール様の悪戯〜」
透子(とおるこ)
恋愛
25歳OL・佐神ミレイは、仕事も恋も完璧にこなす美人女子。しかし本当は、年上の男性に甘やかされたい願望を密かに抱いていた。
そんな彼女の前に現れたのは、気まぐれな女神ルミエール。理由も告げず、ミレイを異世界アルデリア王国の公爵家へ転移させる。そこには恐ろしく気難しいと評判の45歳独身公爵・アレクセイが待っていた。
最初は恐怖を覚えるミレイだったが、公爵の手厚い保護に触れ、次第に心を許す。やがて彼女は甘く溺愛される日々に――。
仕事も恋も頑張るOLが、異世界で年上公爵にゴロニャン♡ 甘くて胸キュンなラブストーリー、開幕!
---
DEEP FRENCH KISS
名古屋ゆりあ
恋愛
一夜を過ごしたそのお相手は、
「君を食べちゃいたいよ」
就職先の社長でした
「私は食べ物じゃありません!」
再会したその日から、
社長の猛攻撃が止まりません!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる