Ray of Light ~コミュ障ぼっち女子高生と恋愛スキルゼロの寡黙な天然イケメン社長~

Pink Diamond

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璃音編 Clubベルサイユの奇跡

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そしてこの後、帳簿をパタンと閉じた璃音は

食い入る様な熱い瞳で女の顔をめっちゃ真剣に眺めてみたが

*****

(やはりこの子で間違いない!
あの時に俺が見た女は絶対にこの女だ!
しかしこの女は何歳なんだ?まだ20歳位か?
どうして『こんな店』で黒服の仕事をやっているんだ?)

と聞きたい事が多すぎる璃音は早くも頭がパニックになったので

今日も元気に無言で女に近付いてみたけれど、

次の瞬間、なぜか女は真っ赤な顔で下を向きながら

いきなり猛ダッシュで部屋を飛び出して行ったので

一瞬 璃音はビックリしたが、この女は事務所を出る直前に、

どう言う訳か逆さまのタイムカードをレコーダー突っこんでいたので

思わずタイムレコーダーからカードを抜き取った璃音はこの後すぐに

大きな油性マジックで『一条』と名字が書かれたカードをじーっと見つめながら……


(はぁ?なんだこれ?このマジックの苗字はあの女が書いたのか?
じゃあ今日が初出勤だったのか?まぁきっと今日が初出勤だろうな
なぜなら業界の知識があれば、飲み屋の女がわざわざ油性のマジックで
自分の本名をフルネームで書くなんて事は絶対に有り得ない話だからな)

と思っていたけれど、取り敢えず今はそんな事よりも……


(しかし本当に面白い女だな……
一条玲…これがあの子の本名なのか?)

こうして勿論ますます一条玲に興味が湧いたので

もっともっと詳しく玲の事を知る為に、

この後璃音は店で接客中の涼子を事務所の中に呼び寄せて

*****

「接客中に悪かったな涼子、
早速だが一条玲について教えてくれ。
あの子はドコの誰だ? いつからこの店に居る?」 

と開口一番、さっそく玲の事を聞いてみたのに

玲の名前を出した途端に表情が曇った涼子は何故か

明らかにイライラとした声で

「玲ちゃんは……
昔 私がお世話になったジュエリーデザイナーの娘で
彼女の本名は一条玲。そして彼女の母親は元モデルの一条マリーさん。
そしてあの子の父親は、元プロゴルファーの一条龍太郎さんだけど……
どうして急に玲ちゃんの事を知りたくなったの?あの子は今日店に入ったばかりの新人で、
しかも彼女は現役の女子高生だから、 つまり玲ちゃんはまだ高校3年の学生さんなのよ?」

と衝撃の事実を教えてくれたので


(な、なっ!なんだと?あの女は高校生なのか?
どうして高校生の女が飲み屋で黒服をやってんだ?)

とは言えない寡黙な璃音はこの瞬間に、

ビックリしすぎて頭が真っ白になったのに、

そんな事はお構いなしと言わんばかりの涼子は急に明るい声で


「そんな事よりも璃音さん、龍崎宝飾のダイヤと純金は
ここ最近かなりの数の在庫が減っていると佐竹さんが仰っていたから
だから私、璃音さんの事が毎日凄く心配で…胸がドキドキしているの……」

と何やら訳の分からない事をペラペラと喋り始めたから

くだらない涼子の話は心底どうでもいい璃音はこの後すぐに即行で

スパンコールのイミフな涼子をトットと客席に戻したけれど

そんな事よりもとにかく璃音は今すぐに

28年間の人生で初めての一目惚れをした玲の顔を見たい気持ちでいっぱいになっていた。
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