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ヒッキー玲の残念な話術
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そして食事の最中に
どこをどう見ても超絶イケメンにしか見えない璃音から
今すぐ俺の恋人になってくれないかと言われた万年ぼっちでオタクの玲は
そりゃあもうビックリしすぎて頭の中が真っ白になったので
*****
思わず玲はこの直後、
(え~っと…コイビトって なんだっけ?)
と心で呟きながらも一応返事をする為に
「えーっと恋人~と言うのはそのぉ……
つまり愛とか恋とかの、一般的な~恋人?の事なのでしょうか?」
て感じの小学生みたいな語彙力で
璃音に向かって『恋人』の意味を確かめてみたけれど
そんな玲をじっと見つめる璃音は真面目な表情で
「あぁそうだ、愛とか恋の恋人で間違いない……
実は昨日の夜からずっと、お前の事が忘れられなくてな……
こんな気持ちになった事は生まれて初めての経験なんだよ玲」
こうして恥ずかしい愛の告白を次から次へと語るもんだから
情熱的な璃音の顔を直視できないヘタレの玲は下を向いて固まっていたのに
そんな玲の気持ちなど、何も知らない璃音はこの後さらに真剣な眼差しで
「どうしてそんなに困った顔をするんだ?もしかしてお前、彼氏が居るのか?」
て感じのトンデモナイ事をサラッと聞いてきたから
これは流石に璃音の言葉をスルー出来ないと思った恋愛経験ゼロの玲は
何度見ても超絶イケメンの璃音に向かって軽く深呼吸をした後で、
「あの~龍崎さん、えっと私に恋愛は無理だと思います。
なぜなら私は一人も友達が居ないオタクのコミュ障なので
今までリアで誰かを好きになった事は一度もないし……
多分これからも三次元の誰かを好きになる事はないと思うので
龍崎さんの気持ちはとても嬉しいけど……
オタのコミュ障に恋愛とかは絶対に無理だと思うのでごめんなさい」
と一生懸命に自分の気持ちを伝えてみたけれど
間髪入れずに璃音はこの後、真面目な顔で首をかしげながら
「なぁ玲、オタクのコミュ障とは……
一体どういう意味なんだ?それは食いもんの話か?」
こうしてトンデモナイ返事で玲の話を無効化したので
(えっ?どうしてオタクのコミュ障が食べ物になっちゃうの?
私は残念なJKだから、ごめんなさいって事を言ってるだけなのに、
なんて言えばこの人に、それがしっかりと伝わるのかなぁ……)
とは言えない口下手な玲は、とにかくこのカオスな状況をなんとかする為に
この後さらに気合いを入れながら、
「えーとですね~龍崎さん、だからそのぉ……
早い話が私はヒッキーのJKなんですよ。まぁ一応学校には行ってますけど、
お昼ご飯を食べる時はね?旧校舎のお化けが出そうな薄暗い倉庫の中で、
雀と一緒にお弁当を食べているから、だから私みたいなJKに、恋愛なんて100年早いと思うんですよ」
こうして今の自分が持ち得る全ての話術をフルで使って
自分の置かれた残念すぎる状況をはっきりと説明したのに
そんな玲の話を聞いた璃音はこの後、なんだか嬉しそうな表情で
「ほぉ?つまりお前は学校でヒッキーと呼ばれていて、
昼飯は雀のお化けと一緒に食べるのが流行っていると言う事なんだな。
なる程なる程、これはなかなか楽しそうな学校じゃないか、フフフッ……」
と前代未聞のトンデモナイ解釈をかましたその後で
「じゃあ次は俺の話を聞いてもらえるか?あのな玲……
何も俺は今すぐお前をどうこうしたいと言っている訳じゃなくて
これからもこうして俺と逢って欲しいと頼んでいるんだが、それも駄目なのか?」
て感じの優しい口調で玲に返事を迫ってきたから
(この人、出来る……この人はきっと出来る人だ!
つまりここまで誘導が上手い男性と難しい話をしても
100パーセントの確率でコミュ障の私が絶対に負けるんだから、
だったらこんなに不利な状況で話し合いをしても意味がないって事だよね)
と早くも負けを悟ったヘタレの玲は、とにかく今すぐこの窮地を脱する為だけに
「わかりました。じゃあえっと~…これからよろしくお願いしますね」
と適当な返事をする事で、とりあえずこの件を一旦ごまかしてみたけれど
この時の玲はまだ、今もドキドキしている胸の奥の不思議な鼓動が……
いわゆる一般的な愛とか恋とかのトキメキである事を全く気付いていなかった。
どこをどう見ても超絶イケメンにしか見えない璃音から
今すぐ俺の恋人になってくれないかと言われた万年ぼっちでオタクの玲は
そりゃあもうビックリしすぎて頭の中が真っ白になったので
*****
思わず玲はこの直後、
(え~っと…コイビトって なんだっけ?)
と心で呟きながらも一応返事をする為に
「えーっと恋人~と言うのはそのぉ……
つまり愛とか恋とかの、一般的な~恋人?の事なのでしょうか?」
て感じの小学生みたいな語彙力で
璃音に向かって『恋人』の意味を確かめてみたけれど
そんな玲をじっと見つめる璃音は真面目な表情で
「あぁそうだ、愛とか恋の恋人で間違いない……
実は昨日の夜からずっと、お前の事が忘れられなくてな……
こんな気持ちになった事は生まれて初めての経験なんだよ玲」
こうして恥ずかしい愛の告白を次から次へと語るもんだから
情熱的な璃音の顔を直視できないヘタレの玲は下を向いて固まっていたのに
そんな玲の気持ちなど、何も知らない璃音はこの後さらに真剣な眼差しで
「どうしてそんなに困った顔をするんだ?もしかしてお前、彼氏が居るのか?」
て感じのトンデモナイ事をサラッと聞いてきたから
これは流石に璃音の言葉をスルー出来ないと思った恋愛経験ゼロの玲は
何度見ても超絶イケメンの璃音に向かって軽く深呼吸をした後で、
「あの~龍崎さん、えっと私に恋愛は無理だと思います。
なぜなら私は一人も友達が居ないオタクのコミュ障なので
今までリアで誰かを好きになった事は一度もないし……
多分これからも三次元の誰かを好きになる事はないと思うので
龍崎さんの気持ちはとても嬉しいけど……
オタのコミュ障に恋愛とかは絶対に無理だと思うのでごめんなさい」
と一生懸命に自分の気持ちを伝えてみたけれど
間髪入れずに璃音はこの後、真面目な顔で首をかしげながら
「なぁ玲、オタクのコミュ障とは……
一体どういう意味なんだ?それは食いもんの話か?」
こうしてトンデモナイ返事で玲の話を無効化したので
(えっ?どうしてオタクのコミュ障が食べ物になっちゃうの?
私は残念なJKだから、ごめんなさいって事を言ってるだけなのに、
なんて言えばこの人に、それがしっかりと伝わるのかなぁ……)
とは言えない口下手な玲は、とにかくこのカオスな状況をなんとかする為に
この後さらに気合いを入れながら、
「えーとですね~龍崎さん、だからそのぉ……
早い話が私はヒッキーのJKなんですよ。まぁ一応学校には行ってますけど、
お昼ご飯を食べる時はね?旧校舎のお化けが出そうな薄暗い倉庫の中で、
雀と一緒にお弁当を食べているから、だから私みたいなJKに、恋愛なんて100年早いと思うんですよ」
こうして今の自分が持ち得る全ての話術をフルで使って
自分の置かれた残念すぎる状況をはっきりと説明したのに
そんな玲の話を聞いた璃音はこの後、なんだか嬉しそうな表情で
「ほぉ?つまりお前は学校でヒッキーと呼ばれていて、
昼飯は雀のお化けと一緒に食べるのが流行っていると言う事なんだな。
なる程なる程、これはなかなか楽しそうな学校じゃないか、フフフッ……」
と前代未聞のトンデモナイ解釈をかましたその後で
「じゃあ次は俺の話を聞いてもらえるか?あのな玲……
何も俺は今すぐお前をどうこうしたいと言っている訳じゃなくて
これからもこうして俺と逢って欲しいと頼んでいるんだが、それも駄目なのか?」
て感じの優しい口調で玲に返事を迫ってきたから
(この人、出来る……この人はきっと出来る人だ!
つまりここまで誘導が上手い男性と難しい話をしても
100パーセントの確率でコミュ障の私が絶対に負けるんだから、
だったらこんなに不利な状況で話し合いをしても意味がないって事だよね)
と早くも負けを悟ったヘタレの玲は、とにかく今すぐこの窮地を脱する為だけに
「わかりました。じゃあえっと~…これからよろしくお願いしますね」
と適当な返事をする事で、とりあえずこの件を一旦ごまかしてみたけれど
この時の玲はまだ、今もドキドキしている胸の奥の不思議な鼓動が……
いわゆる一般的な愛とか恋とかのトキメキである事を全く気付いていなかった。
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