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玲の恋人(仮)
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そして何がなんだか訳か分からないうちに
龍崎璃音と取り敢えずの恋人関係(仮)になった玲は……
「じゃあ今日はそろそろ帰るぞ」
「はい、わかりました、えっと今日はそのぉ……
美味しい御料理をご馳走して頂いてありがとうございました」
と高級ランチのお礼を言った後すぐに
あいかわらず上機嫌な璃音と二人で白い外車に乗った後
桜が丘の第一公園まで一緒に帰ってその後サッサと解散をしたので
これで暫くの間は璃音と逢う事はないだろうと思っていたのに……
*****
この日の夜、Prrrrr!Prrrrr!
とお婆ちゃん的なガラホの携帯が
充電中の勉強机で突然いきなり鳴ったので
滅多に電話が鳴らない玲は、えっ?何?と思いながらもこの後すぐに
今どき珍しい折りたたみ式の携帯電話を開いて画面を確認してみると……
電話の待ち受け画面には、
午前中に璃音から掛かってきた時と同じ番号が表示されていたから
(えっと、この番号って多分璃音さんだよね)
と思った玲は5回目のコールが鳴ったところで通話ボタンを押してみたけれど
電話の中の璃音はこのままの勢いで
「お前…イタリアンは好きか?」と低い声で喋ったので
思わず玲は反射的に、えっと はい好きです…と返事をしてみたら
「そうか、じゃあ明日の夜7時にお前を迎えに行くから家で待ってろ。わかったな」
と璃音が何かを話した直後にサッサと電話が切れたので……
突然すぎる璃音の話がイマイチ理解できない玲は、再びガラホを勉強机に置きながら
(えっと、なんだろうこの電話~……
まさか璃音さんが明日ウチに来るって事なの?
でもそれは絶対に有りえない話だよね、だって私は今日彼に、
自分の住所とか学校の名前とか、プライベートな事は一切話さなかったから……)
と心の中で勝手に安心していたが、
そんな事よりも、そろそろ日付けが変わる時間なので
(さてと~…もうすぐ12時になるから今日はそろそろ寝ようかな?)
と思った玲はこの後サッサとベッドに向かい、
さっきのイミフな電話の件は綺麗サッパリ忘れる事にして
そしてこのままベッドに入って布団をかぶってみたけれど……
でも昨日の夜と全く同じハイテンションな玲の頭は冴えていて、
(でも仮に、もしも璃音さんが明日この家に来たら……
明日も彼と逢えるって事だよね?でも私は自分の住所を教えてないから、
実際に璃音さんがウチにやって来る事は不可能だし……でも、えっと!
明日いきなり奇跡が起きて、それでホントに彼が来たら、それって凄い事だよね~!)
て感じの絵空事を次から次へと想像していたら
(だって昨日は初めてのバイトで夜の繁華街に行ってぇ、
そして今日は武家屋敷みたいな凄い料亭に連れてってもらって
しかも明日もどこかへ外出するなんて事になれば………
つまり3日も連続でお出かけ出来る訳だから、そうなったら新記録が達成できるじゃん!)
こうして更に布団の中で盛り上がってきたので、結局玲はこの後も
遠足前夜の子供みたいにウキウキしすぎて夜中の2時まで起きていたけれど、
この時の玲はまだ、ぼっちでオタクでコミュ障の三拍子が揃った孤独な高校生なので……
無愛想なイケメン社長の龍崎璃音に最大級の危険が迫っている事を全く気付いていなかった。
龍崎璃音と取り敢えずの恋人関係(仮)になった玲は……
「じゃあ今日はそろそろ帰るぞ」
「はい、わかりました、えっと今日はそのぉ……
美味しい御料理をご馳走して頂いてありがとうございました」
と高級ランチのお礼を言った後すぐに
あいかわらず上機嫌な璃音と二人で白い外車に乗った後
桜が丘の第一公園まで一緒に帰ってその後サッサと解散をしたので
これで暫くの間は璃音と逢う事はないだろうと思っていたのに……
*****
この日の夜、Prrrrr!Prrrrr!
とお婆ちゃん的なガラホの携帯が
充電中の勉強机で突然いきなり鳴ったので
滅多に電話が鳴らない玲は、えっ?何?と思いながらもこの後すぐに
今どき珍しい折りたたみ式の携帯電話を開いて画面を確認してみると……
電話の待ち受け画面には、
午前中に璃音から掛かってきた時と同じ番号が表示されていたから
(えっと、この番号って多分璃音さんだよね)
と思った玲は5回目のコールが鳴ったところで通話ボタンを押してみたけれど
電話の中の璃音はこのままの勢いで
「お前…イタリアンは好きか?」と低い声で喋ったので
思わず玲は反射的に、えっと はい好きです…と返事をしてみたら
「そうか、じゃあ明日の夜7時にお前を迎えに行くから家で待ってろ。わかったな」
と璃音が何かを話した直後にサッサと電話が切れたので……
突然すぎる璃音の話がイマイチ理解できない玲は、再びガラホを勉強机に置きながら
(えっと、なんだろうこの電話~……
まさか璃音さんが明日ウチに来るって事なの?
でもそれは絶対に有りえない話だよね、だって私は今日彼に、
自分の住所とか学校の名前とか、プライベートな事は一切話さなかったから……)
と心の中で勝手に安心していたが、
そんな事よりも、そろそろ日付けが変わる時間なので
(さてと~…もうすぐ12時になるから今日はそろそろ寝ようかな?)
と思った玲はこの後サッサとベッドに向かい、
さっきのイミフな電話の件は綺麗サッパリ忘れる事にして
そしてこのままベッドに入って布団をかぶってみたけれど……
でも昨日の夜と全く同じハイテンションな玲の頭は冴えていて、
(でも仮に、もしも璃音さんが明日この家に来たら……
明日も彼と逢えるって事だよね?でも私は自分の住所を教えてないから、
実際に璃音さんがウチにやって来る事は不可能だし……でも、えっと!
明日いきなり奇跡が起きて、それでホントに彼が来たら、それって凄い事だよね~!)
て感じの絵空事を次から次へと想像していたら
(だって昨日は初めてのバイトで夜の繁華街に行ってぇ、
そして今日は武家屋敷みたいな凄い料亭に連れてってもらって
しかも明日もどこかへ外出するなんて事になれば………
つまり3日も連続でお出かけ出来る訳だから、そうなったら新記録が達成できるじゃん!)
こうして更に布団の中で盛り上がってきたので、結局玲はこの後も
遠足前夜の子供みたいにウキウキしすぎて夜中の2時まで起きていたけれど、
この時の玲はまだ、ぼっちでオタクでコミュ障の三拍子が揃った孤独な高校生なので……
無愛想なイケメン社長の龍崎璃音に最大級の危険が迫っている事を全く気付いていなかった。
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