Ray of Light ~コミュ障ぼっち女子高生と恋愛スキルゼロの寡黙な天然イケメン社長~

Pink Diamond

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初めての友達トムと蛍丸

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そしてこの後も……

まだまだ続く猫達の会話を聞いていたら

*****

『でもさぁ兄貴、璃音もなかなかの策士~じゃなくて、
ぶっちゃけ馬鹿ッスよねぇ。だって元武闘派ヤクザの佐竹次郎に
フェイクの純金を掴ませるとか、はっきり言ってアホのする事でしょ?
もしかして璃音って命知らずのバカなんすか?それとも佐竹組~じゃなくて
バンブーファイナンスの事をマジで全然ビビってねぇの?』

『そりゃあ、ちっともビビってねぇよ!
なんせ璃音は、あの龍崎コーポの社長だぜ?つまり奴のバックには
早瀬レベルの武闘派企業がゴロゴロ付いてるって事じゃねぇか!
うちみたいにチンケな金融屋と早瀬観光くらべてんじゃねぇよアンコ!』

と言う事で……

どうやら佐竹と呼ばれた男がもと暴力団関係者である事も分かったのだが

そんな事よりも、この直後……!


『わりぃわりぃ、まぁ貧乏猫のひがみと思って
かる~く聞き流してくれよ銀次の兄貴~、つーかさぁ、
そもそも璃音の金塊って どこにあるんスか?
そんでぇ、いつ その金塊を強奪する予定なんスか?』

『まぁそう焦るなやアンコ、あのな?本物の金塊の隠し場所はもう既に
うちの親父が粗方の目星をつけているから、場所はあそこで間違いないが
そんな事よりも強奪を決行する時期はな?あまり大きな声じゃあ言えないが
ダイヤモンドビルの落成式典の真っ最中にやるみたいだぜ?
なぜなら璃音は去年スイスのオークションで落としたウン百億の高級ダイヤを
その式典で展示する気マンマンだから、凄いダイヤのイベントで皆が盛り上がっている間を狙って、
ここ最近ずっとザル警備が続いている『例の金塊』を頂く事になったんだよ、クックックック』

て感じのトンデモナイ計画を知ったので!

(つまり この猫達の話をまとめたら……
ダイヤモンドビルの落成パーティーをやっている最中に、
璃音さんがドコかに隠した2トンの金塊が盗まれるって事だよね)

と手短に猫の話をまとめた玲は、

流石にこれはただ事ではないと思ったから、

このまま急いでブランコを立ち上がろうとしたけれど……

次の瞬間、なんと、いきなり、唐突に!


『おっ、あんな所に玲発見!
蛍丸も一緒に行こうぜ、お前ネコだから頑張って走れよ~、
俺はカラスだから ひとっ飛びだけどね~、へっへっへ~!』

と、このタイミングで

なんだか聞き覚えがある声のカラスに名前を呼ばれたので、

ビックリした玲が慌てて夜空を見上げてみると


(あっ!あのカラスって……
私が探していたカラスだよね?名前は確か…トムだっけ?)

と密かに喜ぶ玲の思った通り

このカラスは朝から探していたトムである事が分かったから

思わず玲はカラスに向かって小さく手を振ってみると

『うおぉ~、スゲェ!玲が俺に手を振ってるし~、
ねぇねぇ蛍丸~、お前も見たよな?つーかお前、証人な』

て感じのトムが嬉しそうに翼を広げて公園の鉄棒に降りてきて、

そしてその後、蛍丸と呼ばれた大きな銀色の猫がブランコに向かって歩いてきたのに

この後なぜか、どう言う訳か

銀次とアンコは顔を合わせて真っ青な表情で

『げえぇええ~?蛍丸だーー!
さっさと ずらかろうぜ銀次の兄貴!』

『まぁ確かに こりゃあヤベェな!
カラスのトムは別に大した事ねぇが、あのデカい猫は昔から、
桜が丘の街を百年ぐらい仕切っている不死身のボス猫だからな
ぶっちゃけ蛍丸に勝てる猫は不死身のライオン位のもんだし……
つう事で俺も今夜はトットとずらかるぜ。じゃあまた今度な~、アンコ』

と訳の分からない話をしながら物凄い速さで公園から逃げたので


(えっと、不死身のボス猫って何?)

とは言えない玲はポカーンとしていたが

そんな事よりも このタイミングでブランコに来てくれた銀色の猫は

到着早々、玲の足元に近付いてきて……

『玲殿、お怪我はいか?』

と侍の様な言葉で優しく話し掛けてくれたから

もちろん玲もこの後すぐに、

「はい、私は大丈夫です。心配してくれてありがとう蛍丸」

と迂闊に返事をしたけれど、

よく考えてみれば誰も知らない猫の名前を言い当てた訳だから

そりゃあこの後、やっぱり案の定!


『蛍丸……だと?何故そなたが拙者せっしゃの名を?
では まさか玲殿は!我らの言葉が理解できると仰るのか?』

と慌てふためく蛍丸に続いて

『えっ?マジ?ねぇそれマジなの?
…って言うか本当に俺達の声が聞こえてんの?
じゃあ俺から玲に質問ね!日本の首都はドコでしょう?』

そして今度はカラスのトムに日本の首都は何処かと質問されたので

もちろん玲はこの直後

「東京?」と当たり前の返事をしてみると

めっちゃ嬉しそうなトムと蛍丸は玲に向かってニッコリと微笑んでくれて


『スゲェよ玲!アンタやっぱスゲェよ!
じゃあせっかく俺達と話せる様になったんだからさ、
これからも定期的に集まって、皆でいっぱい話そうぜ!』

『それは名案でござるなぁ、しかし玲殿よ、
先程の銀次とアンコには気をつけなされ……
なぜなら彼奴きゃつら二匹は昔から反社会的な猫ゆえに、
おとなしい玲殿が手に負える様なヤカラの猫ではござらんからな』

「うん、わかったー」

こんな感じでとても自然に彼らと友達になれたので

ふと気がつけば玲はついつい、この流れに乗りながら

「みんな友達になってくれてありがとう。
じゃあ次は私の話を聞いてもらっていいかな?
あのね、トム 蛍丸…実は私、最近好きな人が出来たんだけど
さっきの銀次とアンコの飼い主がね?璃音さんの大切な金塊を
2トンも盗むつもりでいる事が分かったから、私はその強奪事件を
なんとか未然に止めたいと思ってるんだけど、やっぱ私じゃ無理かなぁ」

と開口一番、金塊の件を皆に相談していたが……

玲の話を真剣に聞いたトムと蛍丸はこの後すぐに、

『璃音ってまさか、あの龍崎グループの璃音?へぇ~、やるじゃん玲
…んで?銀次んとこの飼い主が なになに?璃音の金塊を強奪するって?
そりゃあヤバいじゃん!でも俺達が協力すれば大丈夫だから心配すんなよ玲』

『確かにトム殿の仰る通りでござるが玲殿よ、
その話……もう少し詳しくお聞かせ願えるかな?』

と次々に協力するよと言ってくれたので

この瞬間に人間の仲間が一人も居ない一条玲は

龍崎璃音の金塊を守る為にカオスな戦いの幕を開けたけど

この時の玲はまだ、この事件に絡んでいる敵達が、

想像も出来ない位にトンデモナイ奴らである事をまだ何も気付いていなかった。
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