Ray of Light ~コミュ障ぼっち女子高生と恋愛スキルゼロの寡黙な天然イケメン社長~

Pink Diamond

文字の大きさ
42 / 96

璃音の逆鱗

しおりを挟む
そしてこの後……

あっと言う間にコンサート会場と化したグランドの中は、

*****

「ねぇねぇ 今日って何かの撮影なの?」

「…って言うかさぁ、マジであのイケメンが岡田桜の彼氏なの~?」

「んな訳ないでしょ?だってあの人オブシディアンのボーカルじゃん!
もしも彰が桜の彼氏なら、これはまさに桜が丘創設以来の大事件だよ!」

て感じで次々と……

そりゃあもうハイテンションな生徒達が大きな声で騒ぎ始めてしまったので

もうこうなった以上は そう簡単にこの騒ぎが収まる筈もなく

この後もアチラコチラでザワザワと……


「これはあくまでも噂だけどさぁ、
岡田の彼氏はオブシディアンのボーカルらしいぜ?」

「……マジか?スゲェなぁ岡田」

「いやいやそれは有り得ねぇだろ?
だってオブシディアンの彰は大学を卒業してすぐに
龍崎コーポレーションの副社長に就任したんだぜ?
そんな凄い人が高飛車たかびしゃなブスの岡田をマジカノにする訳がねぇだろ?
…つう事でやっぱこの話はさぁ、女子が作ったガセネタなんじゃねーの?」

「じゃあどうしてセレブの彰がこんな所に居るんだよ!」

「まぁ確かに、それは謎だよな~?」と盛り上がっていたけれど

そんな有名人の彰に続いて威風堂々とした態度で

桜が丘のグランドに入った超~目立つ容姿の人物は なんと!


「スゲェ!龍崎璃音だ~!お金下さい龍崎社長ー!」

「なんだよアレ!まんまハリウッドのイケメン俳優みたいな社長じゃねぇか!」

「だよな?天は龍崎璃音に何物なんぶつを与えたんだよ全く!どうすりゃ俺も璃音になれるんだよー」

「無理無理無理無理、お前じゃ無理ゲー!
つうか100万回生きても俺達が璃音になるのは ぜってぇ無理!」

て感じの超有名な龍崎璃音だったので

過去最高にハイテンションな全校生徒の注目を一斉に浴びながら

20人程のSPを連れてコチラに向かう璃音と彰を見付けた桜はこの直後!


「やっぱり来てくれたのね彰さん!
しかも璃音さんが御一緒されているなんて、まるで夢の様ですわ!」

と感動しながら彰のもとに走った迄は良かったが

どう言う訳か この後いきなり桜はピタッと立ち止まった。

なぜなら今、桜の目の前で……!


「よく頑張ったな玲……
あとの事は俺に任せておけばいい」

と低音ボイスの龍崎璃音が……

万年ボッチの泥棒猫である、一条玲を抱きしめていたからだ!

*****

こうして瞬く間に鬼の形相ぎょうそうと化した桜はこの勢いで

先ほど実行委員の男子から奪ったマイクを放り投げながら……

「ちょっと璃音さん!これは一体どう言う事なの?
貴方は何年も前から沙耶香の恋人なんでしょ?フィアンセでしょ?
それなのに、公衆の面前でこんな事をするなんて!なんて酷い男なの?
いくら貴方が龍崎財閥の正当な後継者でも、こんなの絶対に私は許さないわ!」

と大声で喚いて璃音を睨み付けていたが……

なんと璃音はこの直後!

「ところで玲は今からフォークダンスを踊るのか?」

「えっ?わ、私?えっと今日は~、
体操服を忘れてきたから、その~…無理です」

「そうか…じゃあ俺と2人きりの時なら踊ってくれるか?」

こうして岡田桜をシレッと無視した挙げ句の果てに

全校生徒が見ている前で優しく玲を抱き締めて……


「り、り、璃音さん!
二人きりでフォ、フォ、フォークダンスとかよりも……
えっとあの、ババ抜きの方が~…じゃなくて……えーとその……」

「んん?二人でババ抜きをするのか?
俺は構わんが玲はババ抜き弱そうだなぁ。
やっぱりお前はダンスの方がいいんじゃないのか?」

て感じで皆にワザと見せつけながら

玲に向かってニッコリと微笑んでいるので

そりゃあ誰よりもプライドが高い桜の怒りが、

この時点でマックスだった事は今さら言うまでもないけれど

そんな事よりも………

「ちょっと璃音さん?あなた本気で
万年ぼっちの一条さんとダンスをなさるつもりなの?」

とメチャメチャ甲高い声で

今こうして桜がブチ切れている相手は、

『あの龍崎璃音』なのだから………


「もしも貴方が薄汚いバイ菌を
そのハレンチな女に移されでもしたら……
貴方の恋人である私の姉は一体どうなるのよ!」


もうこれ以上の暴言は今すぐめるべきなのに……

生粋きっすいのお嬢様である桜は次の瞬間、大きな声で

「だからいい加減に目を覚ましてよ璃音さん!
そもそも一条さんは一人も友人が居ない嫌われ者なのよ?
しかも沙耶香のフィアンセである貴方を寝取った最低のアバズレよ!」

と、まさにこの瞬間

絶対に言ってはならない言葉を出したので


「俺の玲がアバズレだと?
そうか…それが岡田の出した答えなのか」

こうして遂に、

誰もがビビる冷酷な璃音を本気で一気に怒らせたのだ。

*****

そして勿論この直後……

璃音の逆鱗げきりんに触れた老舗の岡田物産は……

「じゃあ その好意にこたえて今すぐ岡田を切り刻んでやるよ。
勿論ホテルも子会社も、岡田の関連は全部まとめて潰してやるから首を洗って待っていろ!」

と完全にキレた璃音の発言によって

近い将来 確実に消滅する事が決定されたのだが、

恐ろしい璃音の実力が全く分かっていない残念な桜はこの後さらに


「はぁあ~?岡田を切り刻む?貴方さっきから何を言ってるの?
璃音さんが潰すべきものは、岡田物産ではなくて、一条玲の方でしょ?
だって龍崎の当主がそんな不潔な人と付き合っている噂が流れたら、
龍崎グループの信用なんて一日でガタ落ちよ!株価もすぐに反応するわ!」

と身の程知らずの発言を繰り返しながらもこの時すでに……

「そうよ そうよ!今回の事を冷静に考えてみれば……
全て璃音さんが悪いのよ!どうせ貴方は岡田物産を乗っ取る為に
何年も前から私の姉を騙し続けて、一条玲と手を組んでいたんでしょ?
なんて酷い男なの?こんなの絶対に許さないわ!
今すぐ私の父親に、この事を全て報告して、意地きたない貴方と一条玲を―――!」

「あぁ、その件でしたら
桜さんのお父様には既に報告済みですよ?」

と このタイミングで突然いきなり現れた、

憧れの円行寺彰を本気で怒らせていた事に全く気付いていなかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

黒瀬部長は部下を溺愛したい

桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。 人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど! 好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。 部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。 スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

最後の女

蒲公英
恋愛
若すぎる妻を娶ったおっさんと、おっさんに嫁いだ若すぎる妻。夫婦らしくなるまでを、あれこれと。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

エリート警察官の溺愛は甘く切ない

日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。 両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉

処理中です...