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恋愛スキルゼロの寡黙な天然イケメン社長 後編
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そしてカオスなドレスアップがやっとの思いで終了した後
今日もまたまたポニーテールの可愛い髪型にされた玲は……
結局ポニテにされちゃうんですね~と心の中でイライラしながらも
(なんかパリコレ店長さんのヘアメイクって、
ピンクのグロスとかポニテのシュシュとか以下略が……
うちのママとガチでソックリなんですよね~。あっ!これってもしかして、
少女マンガに出てくる今どき珍しい小6のヒロインがテーマなんですか?)
とは絶対に言えないヘタレのコミュ障なので
もちろん無言で下を向いて冷凍コロッケみたいに固まっていたけれど
そんな事よりも、この直後!
「お疲れ様でございましたお嬢様、そして大変お待たせ致しました龍崎社長。
本日のコーディネートは全て終了しましたが、こんな感じで宜しいでしょうか?」
いつの間にか普通の呼吸に戻っていた瀬川店長が
自信満々の顔でドレスアップの終了を璃音の元で告げたのに、
この後なぜか璃音は突然、キンキラキンのソファーを優雅に立ち上がりながら
「いいだろう ご苦労だったな瀬川、じゃあ次の店に行くぞ玲」
と返事をしながら玲の手を取りサッサとお店を出ていったので
(えっ?チョット待って!次の店って何?)
いくらなんでも そんなの全然聞いていない玲はメッチャ焦った表情で
「あのぉ璃音さん?私こんな格好なんですけど
次は何処に行くんですか?えっとラーメン屋さん~じゃなくて、
あっ!もしかして~、先週に行ったイタリア的なお店屋さんですか?」
もはや自分でも何を言ってるのかサッパリわからない質問を口走っていたけれど
「それは着いてのお楽しみだ…」と短く答えた璃音は全く行き先を教えてくれないから
(だからお楽しみって何?皆でお菓子を食べる会の事?
それとも夕べはお楽しみでしたね~の危ないお店とか?)
なんて事を心の中でサラサラと呟くRPGオタクの玲は
次のお店がメッチャ怖くてドキドキしながら歩いていたのに
そんな玲の目の前で、遂に本気を出した璃音はメチャクチャ余裕の表情で
「そんなに心配しなくても大丈夫だ、今から行く所も俺の店だからな」
なんて凄いセリフを真顔で話した後すぐに
昔からセレブの御用達で有名な、龍崎宝飾本店の中に玲を連れて行ったから
*****
人生初の高級宝石店の中へと入った玲は到着早々
早くも冷凍チキンカツの様にカッチカチに固まっていたけれど
そんな事よりも この後ついに!
「お疲れ様です龍崎社長、では例の段取りで~……
さっそく今から始めても、えーっと よろしゅう御座いますか?」
「あぁ 例の奴でいいから、サッサと持ってこい五十嵐……」
まるでマフィアの取り引きみたいな会話をしている璃音に手を引かれながら
先ほど行ったプレタポルテの店よりも、更に高級な作りのソファーに案内されてすぐ
「さてと玲、このソファーに座って右手を出してもらえるかい?」
なんだかとても上機嫌な璃音に優しく右手を握られたので……
大好きな璃音と手が触れた事でドキドキしすぎた占いオタクの玲は思わず
(えっと このシチュエーションで右手を握られたって事はつまり……
やっぱり これはどう考えても璃音さんが手相を占ってくれるんだよね~)
と心で現実逃避をしていたが……
やはりこのお店は最高級の宝石専門店なので
ここは素直に璃音を信じて大人しくしようと思っていたのに、なんと璃音はこの勢いで!
「おい五十嵐、これは8号か?」
「はい!そちらは8号でございます」
五十嵐と呼ばれた中年男性に渡された
オレンジ色の綺麗な指輪を玲が出してる右手の薬指に嵌めながら
(五十嵐さんは8号?じゃあ私は一体なん号なんだろう?)
もはや自分が何者であるのかも分からなくなった玲に向かって唐突に、
「なぁ玲、この指環に付いているオレンジ色の石は…なんだと思う?」
と優しい声で聞いた直後に玲の顎をクイッと上げて
「えっ?」と小さく言葉を返した玲に突然キスをしたから!
ビックリしすぎて声が出せない恋愛偏差値ゼロの玲は
今日も無難な心の中で……
えっ?うわぁ!璃音さんー!と密かに一人でパニクっていたけれど、
そんな心臓バックバクの玲とは真逆の冷静な璃音は、ゆっくりと唇を離したその直後、
「これはサファイヤの一種でパパラチアと言う名前の宝石なんだが……
夕陽みたいに綺麗な色の石だろう?だからこの石で作った指輪とネックレスを
今夜お前にプレゼントしたいんだ…勿論もらってくれるよな?俺の可愛い玲……」
まるで恋愛映画に出てくるイケメン主人公の様に
カッコいいセリフでバッチリ決めた筈なのに、この後なぜか どう言う訳か、
「じゃあ次はパパラチアのネックレ……!
…んん?おい五十嵐!早くネックレスを持ってこい!」
なんと金色に輝く二つ目の宝石箱にはネックレスが入っていなかったので
急いで真っ赤な顔のトンデモナイ五十嵐にパパラチアのネックレスを持ってこさせたが
キンキラキンに輝く綺麗な箱を片手に持って、ダッシュで走る赤い奇妙な五十嵐店長は……
「ふぁ~い!お待たせしましたぁーー!
こぉちぃらぁがぁ~!ネ、ネ、ネ、ネ、ネックレスになりましゅぅ~!」
いつの間にか汗だくの赤面妖怪と化していたので
完全に壊れた五十嵐を華麗にスルーした璃音は自分で宝石箱を開けた後
オレンジ色の夕陽みたいな輝きを放つパパラチアのネックレスを玲の首に付けてすぐ
「とても綺麗だ玲。じゃあ そろそろ食事に行くか?」と優しい笑顔で玲の肩に手を置いて
そして二人で宝石店を出た後に、表で横付けされていた高級外車の中へと乗り込んだけど
*****
いつもよりも派手な車の後部座席に座った後も
今日の璃音は玲の右手を握ったままで離さなかったから
そろそろ対人スキルの限界が近付いてきたコミュ障の玲は小さな声で……
「り、璃音さん…手を…」
と呟きながら璃音の手を離そうとしたのに
「んん?どうした玲……
手の繋ぎ方が不満か?じゃあ こうして…指を絡めて欲しいのか?」
もはや遊んでいるのか天然なのか誰にも分からない璃音はこの直後
わずかに震える玲の右手を恋人繋ぎでしっかりと握り直してしまったので……
ドキドキと騒ぐ玲のハートは今まさに、オーバーヒート直前の危険な状態になっていた。
今日もまたまたポニーテールの可愛い髪型にされた玲は……
結局ポニテにされちゃうんですね~と心の中でイライラしながらも
(なんかパリコレ店長さんのヘアメイクって、
ピンクのグロスとかポニテのシュシュとか以下略が……
うちのママとガチでソックリなんですよね~。あっ!これってもしかして、
少女マンガに出てくる今どき珍しい小6のヒロインがテーマなんですか?)
とは絶対に言えないヘタレのコミュ障なので
もちろん無言で下を向いて冷凍コロッケみたいに固まっていたけれど
そんな事よりも、この直後!
「お疲れ様でございましたお嬢様、そして大変お待たせ致しました龍崎社長。
本日のコーディネートは全て終了しましたが、こんな感じで宜しいでしょうか?」
いつの間にか普通の呼吸に戻っていた瀬川店長が
自信満々の顔でドレスアップの終了を璃音の元で告げたのに、
この後なぜか璃音は突然、キンキラキンのソファーを優雅に立ち上がりながら
「いいだろう ご苦労だったな瀬川、じゃあ次の店に行くぞ玲」
と返事をしながら玲の手を取りサッサとお店を出ていったので
(えっ?チョット待って!次の店って何?)
いくらなんでも そんなの全然聞いていない玲はメッチャ焦った表情で
「あのぉ璃音さん?私こんな格好なんですけど
次は何処に行くんですか?えっとラーメン屋さん~じゃなくて、
あっ!もしかして~、先週に行ったイタリア的なお店屋さんですか?」
もはや自分でも何を言ってるのかサッパリわからない質問を口走っていたけれど
「それは着いてのお楽しみだ…」と短く答えた璃音は全く行き先を教えてくれないから
(だからお楽しみって何?皆でお菓子を食べる会の事?
それとも夕べはお楽しみでしたね~の危ないお店とか?)
なんて事を心の中でサラサラと呟くRPGオタクの玲は
次のお店がメッチャ怖くてドキドキしながら歩いていたのに
そんな玲の目の前で、遂に本気を出した璃音はメチャクチャ余裕の表情で
「そんなに心配しなくても大丈夫だ、今から行く所も俺の店だからな」
なんて凄いセリフを真顔で話した後すぐに
昔からセレブの御用達で有名な、龍崎宝飾本店の中に玲を連れて行ったから
*****
人生初の高級宝石店の中へと入った玲は到着早々
早くも冷凍チキンカツの様にカッチカチに固まっていたけれど
そんな事よりも この後ついに!
「お疲れ様です龍崎社長、では例の段取りで~……
さっそく今から始めても、えーっと よろしゅう御座いますか?」
「あぁ 例の奴でいいから、サッサと持ってこい五十嵐……」
まるでマフィアの取り引きみたいな会話をしている璃音に手を引かれながら
先ほど行ったプレタポルテの店よりも、更に高級な作りのソファーに案内されてすぐ
「さてと玲、このソファーに座って右手を出してもらえるかい?」
なんだかとても上機嫌な璃音に優しく右手を握られたので……
大好きな璃音と手が触れた事でドキドキしすぎた占いオタクの玲は思わず
(えっと このシチュエーションで右手を握られたって事はつまり……
やっぱり これはどう考えても璃音さんが手相を占ってくれるんだよね~)
と心で現実逃避をしていたが……
やはりこのお店は最高級の宝石専門店なので
ここは素直に璃音を信じて大人しくしようと思っていたのに、なんと璃音はこの勢いで!
「おい五十嵐、これは8号か?」
「はい!そちらは8号でございます」
五十嵐と呼ばれた中年男性に渡された
オレンジ色の綺麗な指輪を玲が出してる右手の薬指に嵌めながら
(五十嵐さんは8号?じゃあ私は一体なん号なんだろう?)
もはや自分が何者であるのかも分からなくなった玲に向かって唐突に、
「なぁ玲、この指環に付いているオレンジ色の石は…なんだと思う?」
と優しい声で聞いた直後に玲の顎をクイッと上げて
「えっ?」と小さく言葉を返した玲に突然キスをしたから!
ビックリしすぎて声が出せない恋愛偏差値ゼロの玲は
今日も無難な心の中で……
えっ?うわぁ!璃音さんー!と密かに一人でパニクっていたけれど、
そんな心臓バックバクの玲とは真逆の冷静な璃音は、ゆっくりと唇を離したその直後、
「これはサファイヤの一種でパパラチアと言う名前の宝石なんだが……
夕陽みたいに綺麗な色の石だろう?だからこの石で作った指輪とネックレスを
今夜お前にプレゼントしたいんだ…勿論もらってくれるよな?俺の可愛い玲……」
まるで恋愛映画に出てくるイケメン主人公の様に
カッコいいセリフでバッチリ決めた筈なのに、この後なぜか どう言う訳か、
「じゃあ次はパパラチアのネックレ……!
…んん?おい五十嵐!早くネックレスを持ってこい!」
なんと金色に輝く二つ目の宝石箱にはネックレスが入っていなかったので
急いで真っ赤な顔のトンデモナイ五十嵐にパパラチアのネックレスを持ってこさせたが
キンキラキンに輝く綺麗な箱を片手に持って、ダッシュで走る赤い奇妙な五十嵐店長は……
「ふぁ~い!お待たせしましたぁーー!
こぉちぃらぁがぁ~!ネ、ネ、ネ、ネ、ネックレスになりましゅぅ~!」
いつの間にか汗だくの赤面妖怪と化していたので
完全に壊れた五十嵐を華麗にスルーした璃音は自分で宝石箱を開けた後
オレンジ色の夕陽みたいな輝きを放つパパラチアのネックレスを玲の首に付けてすぐ
「とても綺麗だ玲。じゃあ そろそろ食事に行くか?」と優しい笑顔で玲の肩に手を置いて
そして二人で宝石店を出た後に、表で横付けされていた高級外車の中へと乗り込んだけど
*****
いつもよりも派手な車の後部座席に座った後も
今日の璃音は玲の右手を握ったままで離さなかったから
そろそろ対人スキルの限界が近付いてきたコミュ障の玲は小さな声で……
「り、璃音さん…手を…」
と呟きながら璃音の手を離そうとしたのに
「んん?どうした玲……
手の繋ぎ方が不満か?じゃあ こうして…指を絡めて欲しいのか?」
もはや遊んでいるのか天然なのか誰にも分からない璃音はこの直後
わずかに震える玲の右手を恋人繋ぎでしっかりと握り直してしまったので……
ドキドキと騒ぐ玲のハートは今まさに、オーバーヒート直前の危険な状態になっていた。
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