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永遠の純粋
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そしてカツーン カツーンと靴底の音を響かせて
明らかに わざとらしく、ゆっくりと時間を掛けながら
シンデレラのお城みたいな階段をおりてくる仮面のエスパーは
*****
「いやいや、まさか~……
犬にも私と同じサイキッカーが居たとは本当に驚きましたねぇ……
でも たかだが犬の分際で~、この私にイリュージョンを仕掛けるなんて、
それこそ100年早いお話ですから~、この程度の技でいい気なってる悪い犬には、
何かお仕置きをしないといけませんが~、さてさてどんな仕置をしましょうか~……」
何度聞いても気持ちが悪い裏声で、小さな白麗を脅しながら、
早くも黒いステッキをクルクルと回して最後の階段を下りた後すぐに
「じゃあまずは、その目立つ9本の尻尾を~……
今すぐスパッと切り取って差し上げましょうかねぇ、ウフフ~」
なんと、今すぐ九尾のシッポを切ってやると息巻いて
無駄に自信満々な態度でジワジワとコチラに向かって歩いてきたが、
やはり全くエスパーの事を怖がっていない子犬の白麗は、
次の瞬間、トコトコ歩いて自らエスパーの元へと向かい、
そして最高に緊迫した空気の中で……
「さぁ、回りなさ~いセニョリーター!
最高速度でクルクル回ってサッサとシッポをぶったぎってあげなさ~い」
もうこの時点で超~高速回転でグルグルと回っている
エスパーのステッキ攻撃をものともせずに冷めた瞳で微笑みながら
『僕はね、お前の様に愚かな人間が一番嫌いなんだ……
だから今日は特別に、能力者のお前にぴったりのお仕置きをしてあげるよ』
と何やらメッチャ気になる意味深な発言をしてすぐに
『お前達みたいな大馬鹿者は……
未来永劫ずーっと大人になってはいけない存在だと思うよ?』
なんて更に謎だらけの独り言を呟いたその直後!
ついさっきまではブルートパーズの様にキラキラと輝いていた青い瞳を、
いきなり真っ赤に光らせて、そしてこのままの勢いで……!
『だからお前達3人は今日から永遠に……
現世も死後も来世も全て、純粋な子供として生きてもらう事に決めたよ』
まるでルビーの様に真っ赤な瞳で佐竹達を見つめながら、
微妙に意味が分からない事をハッキリと宣言したけれど……
(えっと、純粋な子供って、いったいどう言う意味なの?)
とは言えない玲の疑問はこの後すぐに……!
「あれぇ?ここはどこぉ?きみは、だれぇ?」
「うえ~ん、この人おめん怪人だーー!
たすけてママー!パパー!おじいちゃーん!ぎんじーー!」
(……えっ?な、な、何これ?)
「ねぇねぇおじさん、でんきをつけてよー、あたち暗いのヤだよ~!」
(はぁあ?急にどうしたの涼子さん!
いや、待って……純粋な子供ってまさかーー!!)
「もう、おうちにかえるぅー」
「まってぇ!ぼくもかえるよぉ!」
いきなり幼児退行した佐竹達の言動が全てを物語っていたので
*****
こうして人智を超えた白麗の、
とにかく凄い神業を目撃した玲は……
(いったい何をどうやったら
こんな事になるのか全然わかんないけど……
とにかく白麗って凄い子犬~じゃなくて、凄い力の神様だったんだねー!)
と興奮しながら密かに本音を呟いてしまったが
そんな事よりも、そろそろ もう
長い長い夜が明けそうな時間になったから
『さてと、これで佐竹達は二度と悪さが出来なくなったけど、
璃音の純金を狙っている連中は、コイツラだけじゃないからね、
だから なるべく急いで金塊の隠し場所を変えた方がいいと思うよ?』
「うん、私もそう思うから、なんとかして璃音さんを説得してみるよ」
って感じのフレンドリーな会話を普通にしながらも、
もう本当にそろそろ家に帰らないと家族に心配をかけるから
(きっと白麗は全てを知っていたんだね……
いつも私を守ってくれてありがとう白麗、
本当はもっともっと白麗と沢山お喋りをしたいけど、
でも今すぐ家に帰らないとママと蓮に怒られるから、
だから今から私と一緒に、始発の電車で桜ヶ丘の街に帰ろうねー)
な~んて不謹慎な事をついつい心で呟いていたけれど……
(うん、もちろん僕も玲の事が大好きだよ
だって玲は何回生まれ変わっても、神の世界で大人気の女の子だからねー)
なんと白麗は!心の中で直接大好きだと返事をしてくれたので
なんだか照れくさい玲は、いつもの様に無言でモジモジと下を向いていたのに
次の瞬間、笑顔の白麗は
『じゃあ、そろそろ桜ヶ丘の街に帰ろうか?』
と優しい瞳で玲を見つめて一緒に帰ろうと誘ってくれたから
「うん賛成ー!じゃあ今から一緒に帰ろうよ白麗」
こうして清々しい笑顔の玲は
可愛い白麗と一緒に勝手口まで颯爽と歩いた後すぐに
そのままの勢いで画廊のドアを一気に開けてみたけれど
勝手口のドアから至って普通に一歩を進んだその瞬間………!
「えっ!?えっ!?ええぇええ~!?!?」
なんと!玲は僅か1秒で……
早朝の第一公園に戻ってきたから!
本日2度目の神業に驚きを隠せない玲は
もちろんキョロキョロと辺りを見渡していた事は今さら言うまでもないが
そんな事よりもこの直後、清々しい朝の空気が漂い始めた駅前の公園に……
朝と夕方が溶け合った様にキラキラと輝く、美しい太陽が昇り始めたので
煌めく眩しい太陽を見つめる朝帰りの玲は思わず無意識に
「ねぇ白麗…すごく綺麗な朝陽だね~」と小さな声で呟いていたのに、
次の瞬間、どう言う訳か、
すぐ後ろに居た筈の白麗は……
「えっ?…白麗?」
この時なぜかもう既に、そこに姿は全くなかった。
明らかに わざとらしく、ゆっくりと時間を掛けながら
シンデレラのお城みたいな階段をおりてくる仮面のエスパーは
*****
「いやいや、まさか~……
犬にも私と同じサイキッカーが居たとは本当に驚きましたねぇ……
でも たかだが犬の分際で~、この私にイリュージョンを仕掛けるなんて、
それこそ100年早いお話ですから~、この程度の技でいい気なってる悪い犬には、
何かお仕置きをしないといけませんが~、さてさてどんな仕置をしましょうか~……」
何度聞いても気持ちが悪い裏声で、小さな白麗を脅しながら、
早くも黒いステッキをクルクルと回して最後の階段を下りた後すぐに
「じゃあまずは、その目立つ9本の尻尾を~……
今すぐスパッと切り取って差し上げましょうかねぇ、ウフフ~」
なんと、今すぐ九尾のシッポを切ってやると息巻いて
無駄に自信満々な態度でジワジワとコチラに向かって歩いてきたが、
やはり全くエスパーの事を怖がっていない子犬の白麗は、
次の瞬間、トコトコ歩いて自らエスパーの元へと向かい、
そして最高に緊迫した空気の中で……
「さぁ、回りなさ~いセニョリーター!
最高速度でクルクル回ってサッサとシッポをぶったぎってあげなさ~い」
もうこの時点で超~高速回転でグルグルと回っている
エスパーのステッキ攻撃をものともせずに冷めた瞳で微笑みながら
『僕はね、お前の様に愚かな人間が一番嫌いなんだ……
だから今日は特別に、能力者のお前にぴったりのお仕置きをしてあげるよ』
と何やらメッチャ気になる意味深な発言をしてすぐに
『お前達みたいな大馬鹿者は……
未来永劫ずーっと大人になってはいけない存在だと思うよ?』
なんて更に謎だらけの独り言を呟いたその直後!
ついさっきまではブルートパーズの様にキラキラと輝いていた青い瞳を、
いきなり真っ赤に光らせて、そしてこのままの勢いで……!
『だからお前達3人は今日から永遠に……
現世も死後も来世も全て、純粋な子供として生きてもらう事に決めたよ』
まるでルビーの様に真っ赤な瞳で佐竹達を見つめながら、
微妙に意味が分からない事をハッキリと宣言したけれど……
(えっと、純粋な子供って、いったいどう言う意味なの?)
とは言えない玲の疑問はこの後すぐに……!
「あれぇ?ここはどこぉ?きみは、だれぇ?」
「うえ~ん、この人おめん怪人だーー!
たすけてママー!パパー!おじいちゃーん!ぎんじーー!」
(……えっ?な、な、何これ?)
「ねぇねぇおじさん、でんきをつけてよー、あたち暗いのヤだよ~!」
(はぁあ?急にどうしたの涼子さん!
いや、待って……純粋な子供ってまさかーー!!)
「もう、おうちにかえるぅー」
「まってぇ!ぼくもかえるよぉ!」
いきなり幼児退行した佐竹達の言動が全てを物語っていたので
*****
こうして人智を超えた白麗の、
とにかく凄い神業を目撃した玲は……
(いったい何をどうやったら
こんな事になるのか全然わかんないけど……
とにかく白麗って凄い子犬~じゃなくて、凄い力の神様だったんだねー!)
と興奮しながら密かに本音を呟いてしまったが
そんな事よりも、そろそろ もう
長い長い夜が明けそうな時間になったから
『さてと、これで佐竹達は二度と悪さが出来なくなったけど、
璃音の純金を狙っている連中は、コイツラだけじゃないからね、
だから なるべく急いで金塊の隠し場所を変えた方がいいと思うよ?』
「うん、私もそう思うから、なんとかして璃音さんを説得してみるよ」
って感じのフレンドリーな会話を普通にしながらも、
もう本当にそろそろ家に帰らないと家族に心配をかけるから
(きっと白麗は全てを知っていたんだね……
いつも私を守ってくれてありがとう白麗、
本当はもっともっと白麗と沢山お喋りをしたいけど、
でも今すぐ家に帰らないとママと蓮に怒られるから、
だから今から私と一緒に、始発の電車で桜ヶ丘の街に帰ろうねー)
な~んて不謹慎な事をついつい心で呟いていたけれど……
(うん、もちろん僕も玲の事が大好きだよ
だって玲は何回生まれ変わっても、神の世界で大人気の女の子だからねー)
なんと白麗は!心の中で直接大好きだと返事をしてくれたので
なんだか照れくさい玲は、いつもの様に無言でモジモジと下を向いていたのに
次の瞬間、笑顔の白麗は
『じゃあ、そろそろ桜ヶ丘の街に帰ろうか?』
と優しい瞳で玲を見つめて一緒に帰ろうと誘ってくれたから
「うん賛成ー!じゃあ今から一緒に帰ろうよ白麗」
こうして清々しい笑顔の玲は
可愛い白麗と一緒に勝手口まで颯爽と歩いた後すぐに
そのままの勢いで画廊のドアを一気に開けてみたけれど
勝手口のドアから至って普通に一歩を進んだその瞬間………!
「えっ!?えっ!?ええぇええ~!?!?」
なんと!玲は僅か1秒で……
早朝の第一公園に戻ってきたから!
本日2度目の神業に驚きを隠せない玲は
もちろんキョロキョロと辺りを見渡していた事は今さら言うまでもないが
そんな事よりもこの直後、清々しい朝の空気が漂い始めた駅前の公園に……
朝と夕方が溶け合った様にキラキラと輝く、美しい太陽が昇り始めたので
煌めく眩しい太陽を見つめる朝帰りの玲は思わず無意識に
「ねぇ白麗…すごく綺麗な朝陽だね~」と小さな声で呟いていたのに、
次の瞬間、どう言う訳か、
すぐ後ろに居た筈の白麗は……
「えっ?…白麗?」
この時なぜかもう既に、そこに姿は全くなかった。
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