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不思議なリボルバー
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そして3発の銃声が響き渡った後すぐに
(あれ?あれれ?えっと私はついさっき、
めっちゃ至近距離から背中を撃たれた筈なのに、どうしてどこも痛くないの?)
と素朴な疑問を心の中で呟いた玲は、
なぜか無傷の身体をマジマジと見つめながら……
*****
(あっ!そうかー、つまり私は爆速で天国に行ったから
だから3発も撃たれたのに全然痛くないって事なんだよきっと~)
こうして早くも一人で勝手に昇天していたが、
そんな事よりも今のカオスな状況が、サッパリ訳が分からなかったから
とりあえず自分の回りをグルっと見渡してみると
(へぇ~、ココが天国ですか~、
なる程、なる程~、でも天国にしては なんだか薄暗いし、
壁に貼られたポスターが自衛官募集中とか有り得ないから
やっぱり私が立っている場所は、画廊の勝手口の手前で間違いないよね?)
と言う事で、どうやらここは、天国でもなければ地獄でもない、
ごく普通の画廊だったので、運良く命拾いをした玲は、勿論この後この勢いで
(つまり佐竹は撃ち損じたって事なの?私の真後ろから撃った筈なのに?)
敵ながら下手くそ過ぎるでしょ?なんて事を思いながらも今すぐココから逃げる為、
なぜか突然キラキラと輝き始めた勝手口の方向に、
そっと視線を向けてみたのだが、結局じーっと見つめただけで……
(えっと、どうして突然ドアの向こう側が、キラキラピカピカ光っているの?)
…て感じの素朴な独り言をペラペラと喋る事は出来ないから、
今日も無難な心の中で
(じゃあどこかで花火をやっているのかな?でもこのドアは鉄のドアだから、
外の景色が映るなんて事は絶対にない筈だし~…て言うか、まじで何これ?)
なんて本音を密かに呟いていたけれど、そんな玲が見ている前で、
不思議なドアは、先程よりも更にキラキラピカピカと、
まるでダイヤモンドみたいな光を放つ美しいドアに姿を変えたので
ついつい玲は今すぐ逃げなきゃいけない事をすっかりと忘れて
綺麗なドアだなぁ~なんて悠長な事を思っていたのは
もちろん言うまでもないのだが、そんな事よりも
この後いきなり、眩しいドアの向こうから
カチャッ!とドアが開いた直後に、画廊の中へと入ってきた『者は』……!
*****
『もしも おまえ達が玲ちゃんを殺したら……
僕は今すぐ無限の魔界に生きたままのお前達を送るよ?』
と残酷な事を可愛らしい声で話しながら
美しい9本の尻尾をフワフワと揺らして優雅に歩く、
子犬の白麗だったから!
あまりにも突然すぎる白麗の登場にビックリしすぎた玲は勿論、
冷凍のたこ焼きみたいにカチカチに固まっていたけれど、
そんな冷凍状態の玲が見ている目の前で、
なんと この後、またしても!
パーン!パーン!パーン!と再び乾いた銃声が鳴り響いたので!
「ここに来ちゃダメー!早く逃げて白麗!」
思わず玲は白麗に向かって大きな声で早く逃げてと叫んだのに、
まるで先程の玲と全く同じで、なぜか一度も弾が当たらない不思議な白麗は、
超至近距離からのピストル攻撃をもろともせずに、
テクテクと歩いて玲の元へとやって来た後
『こんばんは玲ちゃん、今まで一人でよく頑張ったね。
でもここからは、僕がこの人達の相手をするから、きみはもう何も心配しなくて大丈夫だよ』
といつもの可愛い声で、ニコニコしながら話してくれたから、
大好きな友達の声を聞けた事で一気に安心した玲も
「ありがとう白麗…」と小さな声で返事をした後ニッコリ微笑んでいたけれど
そんな玲達の真後ろで、
早くも弾切れを起こした佐竹は黒いリボルバーを持ったままの状態で
「な、な、なんでピストルの弾が全部マシュマロになってんだよ!
つうか それよりも、どうしてさっきからそこでチビの犬っころが、
一人でペラペラと喋っているんだ?おい斉野!これはお前のイリュージョンか?」
「いえいえ、私はまだ何もしていませんよ?
ですからマシュマロの弾丸は~、そこの犬のイリュージョンだと思いますよ?」
「はぁあ~?犬のイリュージョンだと?んな訳ねえだろうが斉野ー!」
て感じで何度も何度も顔を見合わせながら
大きな階段の踊り場からコチラを見おろすエスパーと
あーでもない こーでもないと意味不明な会話で盛り上がっていたから
えっ?マシュマロ?何それ?と思った玲は、
思わず慌てて辺りをグルっと見回してみると……
(えぇえー?!ウソーー?本当に弾がマシュマロになってるしーー!)
なんと、佐竹が撃ったピストルの弾丸は、
いつの間にか全てがフワフワのマシュマロに姿を変えていたので
まるで魔法みたいな奇跡を目撃した玲は、もちろん密かに心に中で
(なんだかさっきからずっと、トンデモナイ奇跡が連続で起きているから、
正直頭が追いつかないけど、でもこんなに凄い事がポンポンと出来るのは、
きっと神様とか天使とか妖精さんとか……とにかく人智を超えた存在の、
『めっちゃ尊いお方』だけだと思うから、やっぱり白麗は神様なんだよね?)
こんな風にきっと誰も傷付かない
平和的でお子様的な独り言を呟きながら……
もしかしたら白麗の姿を見た事がキッカケで
佐竹も涼子もエスパーも、皆で一緒に『お後がよろしいムード』になって
そしてこの後、まるで何事もなかったかの様に、
全員が笑顔で この画廊を出ていく事が出来るかも!
なんてカオスなハッピーエンドをけっこう本気で思っていたのに、
次の瞬間、世界で一番脳天気な玲が、その目でバッチリ見たものは……
*****
カツ―ン カツ―ンと靴底の音を響かせながら
大きな広い階段の踊り場を出た後で
ゆっくりゆっくり時間を掛けて階段を下りてきて
「おやおやおや~……
しかし見れば見る程、おもしろい犬ですねぇ、ウフフフ~」
しかも右手にステッキを持った最強の状態で
ニコニコしながらネチネチと喋る仮面のエスパーだったから!
(うわぁ!ついにエスパーがきちゃったよー……
て言うか やっぱり黒いステッキを持ってるし、どうしよう!)
とは言えない世界で一番ヘタレの玲が
再び一人でパニクっていた事は、もちろん今さら言うまでもない。
(あれ?あれれ?えっと私はついさっき、
めっちゃ至近距離から背中を撃たれた筈なのに、どうしてどこも痛くないの?)
と素朴な疑問を心の中で呟いた玲は、
なぜか無傷の身体をマジマジと見つめながら……
*****
(あっ!そうかー、つまり私は爆速で天国に行ったから
だから3発も撃たれたのに全然痛くないって事なんだよきっと~)
こうして早くも一人で勝手に昇天していたが、
そんな事よりも今のカオスな状況が、サッパリ訳が分からなかったから
とりあえず自分の回りをグルっと見渡してみると
(へぇ~、ココが天国ですか~、
なる程、なる程~、でも天国にしては なんだか薄暗いし、
壁に貼られたポスターが自衛官募集中とか有り得ないから
やっぱり私が立っている場所は、画廊の勝手口の手前で間違いないよね?)
と言う事で、どうやらここは、天国でもなければ地獄でもない、
ごく普通の画廊だったので、運良く命拾いをした玲は、勿論この後この勢いで
(つまり佐竹は撃ち損じたって事なの?私の真後ろから撃った筈なのに?)
敵ながら下手くそ過ぎるでしょ?なんて事を思いながらも今すぐココから逃げる為、
なぜか突然キラキラと輝き始めた勝手口の方向に、
そっと視線を向けてみたのだが、結局じーっと見つめただけで……
(えっと、どうして突然ドアの向こう側が、キラキラピカピカ光っているの?)
…て感じの素朴な独り言をペラペラと喋る事は出来ないから、
今日も無難な心の中で
(じゃあどこかで花火をやっているのかな?でもこのドアは鉄のドアだから、
外の景色が映るなんて事は絶対にない筈だし~…て言うか、まじで何これ?)
なんて本音を密かに呟いていたけれど、そんな玲が見ている前で、
不思議なドアは、先程よりも更にキラキラピカピカと、
まるでダイヤモンドみたいな光を放つ美しいドアに姿を変えたので
ついつい玲は今すぐ逃げなきゃいけない事をすっかりと忘れて
綺麗なドアだなぁ~なんて悠長な事を思っていたのは
もちろん言うまでもないのだが、そんな事よりも
この後いきなり、眩しいドアの向こうから
カチャッ!とドアが開いた直後に、画廊の中へと入ってきた『者は』……!
*****
『もしも おまえ達が玲ちゃんを殺したら……
僕は今すぐ無限の魔界に生きたままのお前達を送るよ?』
と残酷な事を可愛らしい声で話しながら
美しい9本の尻尾をフワフワと揺らして優雅に歩く、
子犬の白麗だったから!
あまりにも突然すぎる白麗の登場にビックリしすぎた玲は勿論、
冷凍のたこ焼きみたいにカチカチに固まっていたけれど、
そんな冷凍状態の玲が見ている目の前で、
なんと この後、またしても!
パーン!パーン!パーン!と再び乾いた銃声が鳴り響いたので!
「ここに来ちゃダメー!早く逃げて白麗!」
思わず玲は白麗に向かって大きな声で早く逃げてと叫んだのに、
まるで先程の玲と全く同じで、なぜか一度も弾が当たらない不思議な白麗は、
超至近距離からのピストル攻撃をもろともせずに、
テクテクと歩いて玲の元へとやって来た後
『こんばんは玲ちゃん、今まで一人でよく頑張ったね。
でもここからは、僕がこの人達の相手をするから、きみはもう何も心配しなくて大丈夫だよ』
といつもの可愛い声で、ニコニコしながら話してくれたから、
大好きな友達の声を聞けた事で一気に安心した玲も
「ありがとう白麗…」と小さな声で返事をした後ニッコリ微笑んでいたけれど
そんな玲達の真後ろで、
早くも弾切れを起こした佐竹は黒いリボルバーを持ったままの状態で
「な、な、なんでピストルの弾が全部マシュマロになってんだよ!
つうか それよりも、どうしてさっきからそこでチビの犬っころが、
一人でペラペラと喋っているんだ?おい斉野!これはお前のイリュージョンか?」
「いえいえ、私はまだ何もしていませんよ?
ですからマシュマロの弾丸は~、そこの犬のイリュージョンだと思いますよ?」
「はぁあ~?犬のイリュージョンだと?んな訳ねえだろうが斉野ー!」
て感じで何度も何度も顔を見合わせながら
大きな階段の踊り場からコチラを見おろすエスパーと
あーでもない こーでもないと意味不明な会話で盛り上がっていたから
えっ?マシュマロ?何それ?と思った玲は、
思わず慌てて辺りをグルっと見回してみると……
(えぇえー?!ウソーー?本当に弾がマシュマロになってるしーー!)
なんと、佐竹が撃ったピストルの弾丸は、
いつの間にか全てがフワフワのマシュマロに姿を変えていたので
まるで魔法みたいな奇跡を目撃した玲は、もちろん密かに心に中で
(なんだかさっきからずっと、トンデモナイ奇跡が連続で起きているから、
正直頭が追いつかないけど、でもこんなに凄い事がポンポンと出来るのは、
きっと神様とか天使とか妖精さんとか……とにかく人智を超えた存在の、
『めっちゃ尊いお方』だけだと思うから、やっぱり白麗は神様なんだよね?)
こんな風にきっと誰も傷付かない
平和的でお子様的な独り言を呟きながら……
もしかしたら白麗の姿を見た事がキッカケで
佐竹も涼子もエスパーも、皆で一緒に『お後がよろしいムード』になって
そしてこの後、まるで何事もなかったかの様に、
全員が笑顔で この画廊を出ていく事が出来るかも!
なんてカオスなハッピーエンドをけっこう本気で思っていたのに、
次の瞬間、世界で一番脳天気な玲が、その目でバッチリ見たものは……
*****
カツ―ン カツ―ンと靴底の音を響かせながら
大きな広い階段の踊り場を出た後で
ゆっくりゆっくり時間を掛けて階段を下りてきて
「おやおやおや~……
しかし見れば見る程、おもしろい犬ですねぇ、ウフフフ~」
しかも右手にステッキを持った最強の状態で
ニコニコしながらネチネチと喋る仮面のエスパーだったから!
(うわぁ!ついにエスパーがきちゃったよー……
て言うか やっぱり黒いステッキを持ってるし、どうしよう!)
とは言えない世界で一番ヘタレの玲が
再び一人でパニクっていた事は、もちろん今さら言うまでもない。
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