Ray of Light ~コミュ障ぼっち女子高生と恋愛スキルゼロの寡黙な天然イケメン社長~

Pink Diamond

文字の大きさ
73 / 96

不思議なリボルバー

しおりを挟む
そして3発の銃声が響き渡った後すぐに

(あれ?あれれ?えっと私はついさっき、
めっちゃ至近距離から背中を撃たれた筈なのに、どうしてどこも痛くないの?)

と素朴な疑問を心の中で呟いた玲は、

なぜか無傷むきずの身体をマジマジと見つめながら……

*****

(あっ!そうかー、つまり私は爆速で天国に行ったから
だから3発も撃たれたのに全然痛くないって事なんだよきっと~)

こうして早くも一人で勝手に昇天していたが、

そんな事よりも今のカオスな状況が、サッパリ訳が分からなかったから

とりあえず自分の回りをグルっと見渡してみると

(へぇ~、ココが天国ですか~、
なる程、なる程~、でも天国にしては なんだか薄暗いし、
壁に貼られたポスターが自衛官募集中とか有り得ないから
やっぱり私が立っている場所は、画廊の勝手口の手前で間違いないよね?)

と言う事で、どうやらここは、天国でもなければ地獄でもない、

ごく普通の画廊だったので、運良く命拾いをした玲は、勿論この後この勢いで


(つまり佐竹は撃ち損じたって事なの?私の真後ろから撃った筈なのに?)

敵ながら下手くそ過ぎるでしょ?なんて事を思いながらも今すぐココから逃げる為、

なぜか突然キラキラと輝き始めた勝手口の方向に、

そっと視線を向けてみたのだが、結局じーっと見つめただけで……


(えっと、どうして突然ドアの向こう側が、キラキラピカピカ光っているの?)

…て感じの素朴な独り言をペラペラと喋る事は出来ないから、

今日も無難な心の中で

(じゃあどこかで花火をやっているのかな?でもこのドアは鉄のドアだから、
外の景色が映るなんて事は絶対にない筈だし~…て言うか、まじで何これ?)

なんて本音を密かに呟いていたけれど、そんな玲が見ている前で、

不思議なドアは、先程よりも更にキラキラピカピカと、

まるでダイヤモンドみたいな光を放つ美しいドアに姿を変えたので

ついつい玲は今すぐ逃げなきゃいけない事をすっかりと忘れて

綺麗なドアだなぁ~なんて悠長な事を思っていたのは

もちろん言うまでもないのだが、そんな事よりも 

この後いきなり、眩しいドアの向こうから

カチャッ!とドアが開いた直後に、画廊の中へと入ってきた『者は』……!

*****

『もしも おまえ達が玲ちゃんを殺したら……
僕は今すぐ無限の魔界に生きたままのお前達を送るよ?』

と残酷な事を可愛らしい声で話しながら

美しい9本の尻尾をフワフワと揺らして優雅に歩く、

子犬の白麗だったから!

あまりにも突然すぎる白麗の登場にビックリしすぎた玲は勿論、

冷凍のたこ焼きみたいにカチカチに固まっていたけれど、

そんな冷凍状態の玲が見ている目の前で、

なんと この後、またしても!

パーン!パーン!パーン!と再び乾いた銃声が鳴り響いたので!


「ここに来ちゃダメー!早く逃げて白麗!」

思わず玲は白麗に向かって大きな声で早く逃げてと叫んだのに、

まるで先程の玲と全く同じで、なぜか一度もたまが当たらない不思議な白麗は、

超至近距離からのピストル攻撃をもろともせずに、

テクテクと歩いて玲のもとへとやって来た後


『こんばんは玲ちゃん、今まで一人でよく頑張ったね。
でもここからは、僕がこの人達の相手をするから、きみはもう何も心配しなくて大丈夫だよ』

といつもの可愛い声で、ニコニコしながら話してくれたから、

大好きな友達の声を聞けた事で一気に安心した玲も

「ありがとう白麗…」と小さな声で返事をした後ニッコリ微笑んでいたけれど

そんな玲達の真後ろで、

早くも弾切れを起こした佐竹は黒いリボルバーを持ったままの状態で


「な、な、なんでピストルの弾が全部マシュマロになってんだよ!
つうか それよりも、どうしてさっきからそこでチビの犬っころが、
一人でペラペラと喋っているんだ?おい斉野!これはお前のイリュージョンか?」

「いえいえ、私はまだ何もしていませんよ?
ですからマシュマロの弾丸は~、そこの犬のイリュージョンだと思いますよ?」

「はぁあ~?犬のイリュージョンだと?んな訳ねえだろうが斉野ー!」

て感じで何度も何度も顔を見合わせながら

大きな階段の踊り場からコチラを見おろすエスパーと

あーでもない こーでもないと意味不明な会話で盛り上がっていたから

えっ?マシュマロ?何それ?と思った玲は、

思わず慌ててあたりをグルっと見回してみると……


(えぇえー?!ウソーー?本当に弾がマシュマロになってるしーー!)

なんと、佐竹が撃ったピストルの弾丸は、

いつの間にか全てがフワフワのマシュマロに姿を変えていたので

まるで魔法みたいな奇跡を目撃した玲は、もちろん密かに心に中で


(なんだかさっきからずっと、トンデモナイ奇跡が連続で起きているから、
正直頭が追いつかないけど、でもこんなに凄い事がポンポンと出来るのは、
きっと神様とか天使とか妖精さんとか……とにかく人智を超えた存在の、
『めっちゃ尊いおかた』だけだと思うから、やっぱり白麗は神様なんだよね?)

こんなふうにきっと誰も傷付かない

平和的でお子様的な独り言を呟きながら……

もしかしたら白麗の姿を見た事がキッカケで

佐竹も涼子もエスパーも、皆で一緒に『お後がよろしいムード』になって

そしてこの後、まるで何事もなかったかの様に、

全員が笑顔で この画廊を出ていく事が出来るかも!

なんてカオスなハッピーエンドをけっこう本気で思っていたのに、

次の瞬間、世界で一番脳天気な玲が、その目でバッチリ見たものは……

*****

カツ―ン カツ―ンと靴底の音を響かせながら

大きな広い階段の踊り場を出た後で

ゆっくりゆっくり時間を掛けて階段を下りてきて


「おやおやおや~……
しかし見れば見る程、おもしろい犬ですねぇ、ウフフフ~」

しかも右手にステッキを持った最強の状態で

ニコニコしながらネチネチと喋る仮面のエスパーだったから!


(うわぁ!ついにエスパーがきちゃったよー……
て言うか やっぱり黒いステッキを持ってるし、どうしよう!)

とは言えない世界で一番ヘタレの玲が

再び一人でパニクっていた事は、もちろん今さら言うまでもない。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】純血の姫と誓約の騎士たち〜紅き契約と滅びの呪い〜

来栖れいな
恋愛
「覚醒しなければ、生きられない———       しかし、覚醒すれば滅びの呪いが発動する」 100年前、ヴァンパイアの王家は滅び、純血種は絶えたはずだった。 しかし、その血を引く最後の姫ルナフィエラは古城の影で静かに息を潜めていた。 戦う術を持たぬ彼女は紅き月の夜に覚醒しなければ命を落とすという宿命を背負っていた。 しかし、覚醒すれば王族を滅ぼした「呪い」が発動するかもしれない———。 そんな彼女の前に現れたのは4人の騎士たち。 「100年間、貴女を探し続けていた——— もう二度と離れない」 ヴィクトル・エーベルヴァイン(ヴァンパイア) ——忠誠と本能の狭間で揺れる、王家の騎士。 「君が目覚めたとき、世界はどう変わるのか......僕はそれを見届けたい」 ユリウス・フォン・エルム(エルフ) ——知的な観察者として接近し、次第に執着を深めていく魔法騎士。 「お前は弱い。だから、俺が守る」 シグ・ヴァルガス(魔族) ——かつてルナフィエラに助けられた恩を返すため、寡黙に寄り添う戦士。 「君が苦しむくらいなら、僕が全部引き受ける」 フィン・ローゼン(人間) ——人間社会を捨てて、彼女のそばにいることを選んだ治癒魔法使い。 それぞれの想いを抱えてルナフィエラの騎士となる彼ら。 忠誠か、執着か。 守護か、支配か。 愛か、呪いか——。 運命の紅き月の夜、ルナフィエラは「覚醒」か「死」かの選択を迫られる。 その先に待つのは、破滅か、それとも奇跡か———。 ——紅き誓いが交わされるとき、彼らの運命は交差する。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。 **2026.01.02start~2026.01.17end**

鬼隊長は元お隣女子には敵わない~猪はひよこを愛でる~

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「ひなちゃん。 俺と結婚、しよ?」 兄の結婚式で昔、お隣に住んでいた憧れのお兄ちゃん・猪狩に再会した雛乃。 昔話をしているうちに結婚を迫られ、冗談だと思ったものの。 それから猪狩の猛追撃が!? 相変わらず格好いい猪狩に次第に惹かれていく雛乃。 でも、彼のとある事情で結婚には踏み切れない。 そんな折り、雛乃の勤めている銀行で事件が……。 愛川雛乃 あいかわひなの 26 ごく普通の地方銀行員 某着せ替え人形のような見た目で可愛い おかげで女性からは恨みを買いがちなのが悩み 真面目で努力家なのに、 なぜかよくない噂を立てられる苦労人 × 岡藤猪狩 おかふじいかり 36 警察官でSIT所属のエリート 泣く子も黙る突入部隊の鬼隊長 でも、雛乃には……?

距離感ゼロ〜副社長と私の恋の攻防戦〜

葉月 まい
恋愛
「どうするつもりだ?」 そう言ってグッと肩を抱いてくる 「人肌が心地良くてよく眠れた」 いやいや、私は抱き枕ですか!? 近い、とにかく近いんですって! グイグイ迫ってくる副社長と 仕事一筋の秘書の 恋の攻防戦、スタート! ✼••┈•• ♡ 登場人物 ♡••┈••✼ 里見 芹奈(27歳) …神蔵不動産 社長秘書 神蔵 翔(32歳) …神蔵不動産 副社長 社長秘書の芹奈は、パーティーで社長をかばい ドレスにワインをかけられる。 それに気づいた副社長の翔は 芹奈の肩を抱き寄せてホテルの部屋へ。 海外から帰国したばかりの翔は 何をするにもとにかく近い! 仕事一筋の芹奈は そんな翔に戸惑うばかりで……

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

処理中です...