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璃音編 一人ぼっちのプロポーズ
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そして一旦、場面は数日前に戻り……
人生で初めてのオムライスを食べた璃音はこの日の夜に
期末テストが終わるまでは、絶対に玲と逢わない事を約束して
でも本当は、朝から晩までずーっと逢いたい気持ちを胸に隠した状態で
翌日からの仕事に精を出していたけれど……
*****
龍崎ダイヤモンドビルの落成式典を3日後に控えた七夕の夜、
忙しかった仕事を終えて、夜の11時半を過ぎた頃にやっと帰宅をした璃音は
今日も広い玄関ホールで革靴を脱いで楽なスリッパに履き替えた後
(もうこんな時間になっていたのか……
じゃあそろそろ、玲からのメールが届く時間かな?)
なんて事を思いながらスマホのメールを確認してみると、
今日も玲から いつもの様に……
「こんばんは璃音さん。
おかげさまで無事に期末テストが終わりました。
今日は学校の行事が色々とあって少し疲れたので、
ちょっと早いけど今から寝ますね。おやすみなさい。玲より」
と書かれた可愛いメールが届いていたので
(本当は今すぐお前に逢いたいけど……
期末テストが終わったばかりで疲れている筈だし
そもそも玲は まだ高校生なんだから、こんな夜中に
今から来いよ…なんて事は絶対に言ったらダメだよな?)
て感じの常識的な判断をしたのだが
明日は朝からダイヤモンドビルに出向いてレイアウトの指示をして、
そしてその後は本社に戻って重役会議に参加して、
なんだかんだで結局やっぱり、明日は一日中ハードなスケジュールになる訳だから
(つまり玲に逢える時間は……
明日の夜中か、明後日の夜中だけ だよな?
なんだよ それは!けっきょく逢えないって事じゃないか!)
こうして早くも不機嫌になった璃音は、
ため息まじりでキンキラキンのバスルームに向かい、
少し熱めのシャワーを浴びて、スッキリさっぱり身体を洗った後すぐに
やたらと広いリビングのソファーに一人で座って、いつもの煙草に火をつけながら
どうせきっと見ないであろう、大型テレビのリモコンをパチンと押した後
一人ぼっちで冷えた缶ビールを飲んでいたけれど、
次の瞬間シーンと静かな部屋の中で、突然璃音はどう言う訳か、
今まで一度も感じた事がないレベルの強い孤独感に襲われて、
そして遂に……
(はぁ…一人で飲んでも虚しいだけだな……
どうして俺のマンションは、あっちもこっちも無駄に広いんだよ、
こんな だだっぴろい所に一人で居たら、よけいに寂しくなるだろう?
よく俺は今まで一人で何年も、こんなに寂しい家で暮らせたもんだよなぁ……)
まさにこのタイミングで自分が孤独だったと言う事を、
今になって ようやく、はじめて気が付いたから
「なぁ玲……お前の生活費は俺が一生出してやるから
だから早く学校を卒業して、このマンションに引っ越してくれよ……」
と無意識に、誰も居ない静かな部屋でただ一人……
壁に飾ったルノワールの『少女』を相手にプロポーズをしながら、
今夜も寂しいリビングで、
言葉に出来ない位に虚しい、強烈すぎる孤独の時間をたった一人で過ごしていた。
人生で初めてのオムライスを食べた璃音はこの日の夜に
期末テストが終わるまでは、絶対に玲と逢わない事を約束して
でも本当は、朝から晩までずーっと逢いたい気持ちを胸に隠した状態で
翌日からの仕事に精を出していたけれど……
*****
龍崎ダイヤモンドビルの落成式典を3日後に控えた七夕の夜、
忙しかった仕事を終えて、夜の11時半を過ぎた頃にやっと帰宅をした璃音は
今日も広い玄関ホールで革靴を脱いで楽なスリッパに履き替えた後
(もうこんな時間になっていたのか……
じゃあそろそろ、玲からのメールが届く時間かな?)
なんて事を思いながらスマホのメールを確認してみると、
今日も玲から いつもの様に……
「こんばんは璃音さん。
おかげさまで無事に期末テストが終わりました。
今日は学校の行事が色々とあって少し疲れたので、
ちょっと早いけど今から寝ますね。おやすみなさい。玲より」
と書かれた可愛いメールが届いていたので
(本当は今すぐお前に逢いたいけど……
期末テストが終わったばかりで疲れている筈だし
そもそも玲は まだ高校生なんだから、こんな夜中に
今から来いよ…なんて事は絶対に言ったらダメだよな?)
て感じの常識的な判断をしたのだが
明日は朝からダイヤモンドビルに出向いてレイアウトの指示をして、
そしてその後は本社に戻って重役会議に参加して、
なんだかんだで結局やっぱり、明日は一日中ハードなスケジュールになる訳だから
(つまり玲に逢える時間は……
明日の夜中か、明後日の夜中だけ だよな?
なんだよ それは!けっきょく逢えないって事じゃないか!)
こうして早くも不機嫌になった璃音は、
ため息まじりでキンキラキンのバスルームに向かい、
少し熱めのシャワーを浴びて、スッキリさっぱり身体を洗った後すぐに
やたらと広いリビングのソファーに一人で座って、いつもの煙草に火をつけながら
どうせきっと見ないであろう、大型テレビのリモコンをパチンと押した後
一人ぼっちで冷えた缶ビールを飲んでいたけれど、
次の瞬間シーンと静かな部屋の中で、突然璃音はどう言う訳か、
今まで一度も感じた事がないレベルの強い孤独感に襲われて、
そして遂に……
(はぁ…一人で飲んでも虚しいだけだな……
どうして俺のマンションは、あっちもこっちも無駄に広いんだよ、
こんな だだっぴろい所に一人で居たら、よけいに寂しくなるだろう?
よく俺は今まで一人で何年も、こんなに寂しい家で暮らせたもんだよなぁ……)
まさにこのタイミングで自分が孤独だったと言う事を、
今になって ようやく、はじめて気が付いたから
「なぁ玲……お前の生活費は俺が一生出してやるから
だから早く学校を卒業して、このマンションに引っ越してくれよ……」
と無意識に、誰も居ない静かな部屋でただ一人……
壁に飾ったルノワールの『少女』を相手にプロポーズをしながら、
今夜も寂しいリビングで、
言葉に出来ない位に虚しい、強烈すぎる孤独の時間をたった一人で過ごしていた。
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