愚者の狂想曲☆

ポニョ

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1章

愚者の狂想曲 0 プロローグ

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俺の名前は、あおい そら。某大学に通う学生だ。年齢は20歳。18の時に両親を飛行機事故で無くし、天涯孤独の身となってしまった。

もともと親戚付き合いが無かったので、18歳と言う年齢もあり一人で生きて行く事にした。

幸い両親の保険金が3000万程入って来ていたので、大学の学費も十分補えている。なので普通の生活で困る事は無かった。

両親を無くして当時は悲しんでいたが、今はそれなりに楽しんで生活をしている。

そんな俺は休日である今日、近所にあるGEOGEOにDVDを借りようと足を運んでいた



「う~ん。何か良い物は無いかな…と」

そんな事を小さく口ずさみながら、借りる物を探していた



「…これにしようかな」

一本の映画を選んだ。B級映画のホラーである、229週目と言う名前のゾンビ系の映画である。全力でゾンビが追いかけてくると言う、なかなか面白そうなホラー系物であった。俺はそれを手に取り1Fに戻る。そして、ゲームコーナーに立ち寄り、何か面白そうなゲームは無いか探していた。



「…と、良いのは無いな…」



陳列されたゲームを見ながら、何気にふと視線を横にやった。

その時俺の目に、ワゴンセールのゲームの山が見えて来た。色々古いゲームや、売れ残りを山積みにしている。俺はそのワゴンセールの前に来ていた。

そして、徐にそのワゴンセールを漁り始めた。色々懐かしいゲームがそこにはあった。昔子供の頃に遊んだゲームだとか、クソゲーと言われるネタ物まで。俺は懐かしさを感じながら見て行くと、ふと一本のゲームが目に止まった。俺はそれを手に取って見た。



「ファンタジークエストランド☆Ⅸ~遥か彼方の世界~」

と、言うタイトルのゲームであった。ファンタジークエストランド…その有名なゲームは良く知っている。俺もそのゲームのファンであるからだ。

でもそのゲームは名前こそ似ているが、パッケージのデザイン等、俺の知っているゲームとは違っていた。良く名前を見たら☆も付いているし、そもそもあのゲームにⅨなんてシリーズは無い。副題の~遥か彼方の世界~なんてのも聞いた事が無い。ちょっとした戸惑いを感じながらパッケージの横を見ると、製造元が書いてある



「製造元 Ouroboros 」



とだけ書いてあった。株式会社なのか有限会社なのかさえ書いて無かった。それどころか、住所、連絡先、その他、会社に関わる事は何も書いて無かった。そんな事があって良いのか解らなかったが、現に売り出されているのだから、不思議には思ったが深くは考えない様にした。そして、パッケージの裏を見て、ゲームの内容を見てみる



「100種類を超える種族、1000種類を超える職業。10000種類を超えるアイテム。様々なダンジョン、遺跡、様々な国や街…貴方の知らない世界で繰り広げられる冒険世界」



と書いてあった。このゲームは俺の知っているファンタジークエストランドとは、似て非なる物であった。俗に言うパクリのゲームである。コンセプトは似ているが色々追加要素が有る様で、全く別のゲームだと思って良い。道理で知らないメーカーなはずだ。

しかし…このパクリゲームは、俺の心をくすぐった。何か俺のゲーム心を刺激する。ファンタジークエストランドのファンとしては複雑な気分であるが、興味は十分そそられるものであった。そして、再度パッケージを表に向けて見てみる。



「これ…パソコンのゲームなんだ…666円!安!」



思わず声を上げてしまった。周りを見回して誰もいなかった事に安堵した。

俺はこのゲームを買って見る事にした。ファンタジークエストランドのファンであると同時に、このパクリゲームの内容が知りたい。内容も俺向きだ。

もし面白くなくても666円である。話のネタ位にはなると思ったのである。俺はそのゲームを手に取りレジに向かい、支払いを済ませ家に帰ってきた。

そして、帰る途中に買ったハンバーガーセットを食べながら、借りてきたDVDを見る。B級映画と言えどかなり面白く、つい見入ってしまった。

そして、DVDを見終わり休憩している時に、ふと買ってきた例のゲームがある事を忘れていた。俺は袋からゲームを取り出しパソコンの前に行く。パソコンを立ち上げゲームをセットする。すると、ゲームが立ち上がって、画面が出てタイトルが出た。



「…Startっと…」



俺はスタートをクリックして始める事にした。すると、オープニングが始まり、色々な風景や、魔物、町や国、世界地図などが出て来た。そして、そのオープニングが終わると、画面が切り替わった

。そこには、一人の黒いスーツを来た悪魔っぽい男の二頭身キャラが立っていた。



「ヤ~ハハ!良く来たな!運命に導かれし、哀れな子羊ちゃんよ~!」

高笑いしながら言う悪魔のキャラ



「これ…声が出るんだな。…この時点で既に俺の知ってるファンタジークエストランドでは完全に別物だな。ま~とりあえず先に進めるか」

俺は先に進める事にした。



「とりあえず、貴様の名前をオレ様に教えろって、教えろって~!」

悪魔のキャラが言う。そして。名前を入れるスペースが出る。



「…あおい そら…」

そう言って名前を入れる俺。すると悪魔キャラが



「アオイソラってえ~のか!よろしくな!」

声で喋る悪魔キャラ。そんな機能が付いているのにちょっとビックリしたが先に進める



「次に、お前はオスか?メスか?どっちなんだよはっきりしろや~!それと、歳は幾つだ!」

悪魔キャラが笑いながら言う



「…クチの悪い悪魔だな…」

軽く溜め息を付きながら性別の男を選ぶ。年齢は16歳にした。ファンタジークエストランドは高齢になると、老衰で死ぬ事があるからだ。



「じゃ~次は、お前の種族を決めやがれ!一杯あるからな!好きに選びやがりやがれ!」

高笑いする悪魔キャラ。俺はその種族を見て見る事にした。一覧を見てびっくりする。

ざっと見ただけで、100種類以上の種族がのっていた。一般的な俺と同じ人間から、ゲームにはお馴染みのエルフやもろもろ。ワーウルフやワードラゴン、悪魔や天使などもある。実に様々。巨人族なんてものもある。その種族の多さに見ているだけで楽しくなって来た。その様々な種族の特徴や能力を見ていると、気になる種族があった



「…ヴァンパイア…吸血鬼か…」

クリックして種族の特徴を見る。



「なになに…不死の王ヴァンパイア。究極の不老不死に近い種族。歳はとらず、特定の手段を取らないと殺せないし、死なない。超人的な身体能力と膨大な魔力を持ち、雷を操り、霧になったり、影に潜んだり、蝙蝠になったりする事が可能。飛行能力もある。自分の血を利用して、眷属にする事も出来る。但し日光には弱いので、日中は行動出来無い…か」



魅力的な種族ではあるが、日中行動出来無いが痛い。ヴァンパイアなので夜行性なのは解るが、能力が高いので行動制限が掛かるのかな?と、思いながら、とりあえずキープしておく。するとその下に、また気になる職業を見つけた



「ヴァンパイアハーフ…」

小さく呟きソレをクリックする



「なになに…不死の王ヴァンパイアと人間のハーフ。不死の王、ヴァンパイアと同じ様に、超人的な身体能力、膨大な魔力、限定的ではあるが不老不死の能力を持つ。別名、ダンピール。ヴァンパイアと人間のハーフの為、ヴァンパイアの弱点である物は効果が無いが、本家のヴァンパイアと比べると不死性は弱い。回復能力を上回る攻撃を受けると死ぬ。日中でも行動が可能なデイウォーカーでもある。闇属性や雷を操る事は出来るが、霧になったり、影に潜んだり、蝙蝠になったりは出来無い。普段は普通の人間とは変わらず、ヴァンパイアの能力を解放する事でその力を発揮する。開放状態時のみ飛行可能。能力の解放は一度使うと暫く使用出来無い。能力の高さはLVによって上がっていく。月に3回血を吸わないと死ぬ」



ヴァンパイアに比べて色々出来無い事があるが、日中行動できるのは魅力的だな。ま…月に3日最低血を吸わないとダメって事は否めないが、能力も高そうだし…これに決めた!種族を選ぶと、次の画面に切り替わる。



「種族はヴァンパイアハーフか!えらくマニアックなのを選びやがったな!じゃ~次は、お前にプレゼントだ!レアスキルを3個選びやがれ!やがれ~!」

と、悪魔キャラ。すると画面が切り替わりスキルの一覧が現れる



「ここから、3個選べばいいのか…」

俺は一覧からレアスキルとやらを選ぶ事とする。魔力増強、攻撃強化、防御強化…様々な物がある。癒しの声とか、不思議な踊りなんて物もあった。その中でまず目についたスキルを見る。



「闘気術…気を体内で練り戦いに使うスキル。生命力、精神力が続く限り使用可能。その使い方は多岐にわたる…か…。これにしよう!」

一つ目はこれにする事にした。そして次々見ていく。次に気になったのが 



「霊視…相手の力や能力、状態を見ぬく能力。か…。」

初めて相手にする敵の能力や、その人の力、状態まで見抜ける。物体の力と本質も見極めれるのか…なんか便利そうだな。これに決めた!そして最後のレアスキルとやらを決める為に探す事にする。最後なので色々悩む。魅力的な能力が多いからだ。色々悩みながら見ていると、



「魅了…一時的に相手を従わせる能力。自意識を占拠し、操り人形にする事が出来る。操られている者は、操られている間の記憶は無い。操れる対象は1人のみ。但し、相手が意思の強い者や、魔力等が高い者には効き目が無い」

ふむふむ。強い相手には効かないって事だろう。使い方次第かな?そんな事を考えながら、このレアスキルにする事にした。そして、すべてのレアスキルを入れ終わると、



「闘気術、霊視、魅了この3つで良いんだな?もう決めちゃうぞ?決めるぞこのやろ~!」

と悪魔キャラ。すると、次の画面に切り替わり、



「最後に、あちらの世界に持って行きたい物を、3つ入力しやがれやがれ!」

悪魔キャラが言う。俺はこの質問の意味が解ら無かったが、入力しないと次の画面に行けそうにも無いので、入力を済ませる事にする。そして、しばし考慮して、仮定の設定で考えた3つを入力する



「とりあえず…一つ目は、最近買ったばかりのパソコンセットかな~。ゲーム用のかなりスペックの高いノートパソコン。デジカメ、スキャナー、にマウス、A4の用紙や、ボールペンまで付いている。そのセットが一つ目でいいや」

詳細を打ち込んで行く。



「2つ目は~タバコとジッポ。3つ目は…ま~適当に大きなダイヤの宝石!かな~。タバコは無いとイライラするし、ジッポがないとタバコは吸えないしな。宝石は売ったらお金になる?ま~仮定の話なんで適当でいいや!」

半ば何も考えずに入力する俺。すると画面がまた切り替わる。



「じゃ~これで全部選んで貰ったぞ!確認しやがれやがれ!確認が終わったらクリック押せや!」

と悪魔キャラ。そこに、選んだ項目が出てくる



「名前 あおい そら



「性別 男」



「年齢 16歳」



「種族 ヴァンパイアハーフ」



「レアスキル 闘気術、霊視、魅了」



「持ち込み品 ノートパソコンセット タバコセット ダイヤの指輪」



「これで、良いんだな?だな?変更はしなくて良いんだな?後悔するなよ?コノヤロ~!」



悪魔キャラが聞いてくる。ステータスのボーナスポイントの振り分けや、見た目を選んだりは出来無いのか…。それに職業はここでは選べないのか?ファンタジークエストランドなら、初めから高いボーナスポイントを振り分けて、高い職業、侍、聖騎士、忍者などの職業に就く事が出来るのに。流石にファンタジークエストランドで出来無い事が出来る代わりに、出来ていた物が減らされていると言った所か。成る程…

俺はYesをクリックして、この項目でOKする事にした。すると、チャッチャラ~と音がして



「良し!これで、OKだ!OKだ!」

踊りながら言う悪魔キャラ。そして、ひと通り踊ると、クルっと葵の方を見て真剣な顔で



「…では、最後の質問だ。お前は…このゲームに全てを捧げるか?」

今までと雰囲気の違う悪魔キャラ。その下に、Yes、Noが表示されている。



「全てを捧げるって大げさな。高々ファンタジークエストランドのパクリゲームに、捧げる奴なんていないよな。な~んて言ってもゲームなんだから、ここをYesにしないとゲームは出来無いだろうしな。ま、ゲームの雰囲気作りなのだろうから…当然Yesっと。」



俺はYesをクリックする。すると悪魔キャラが、再度本当に全てを捧げるか聞いて来た。当然Yesを選んで、次の画面に切り替わるのを待つ。すると、悪魔キャラがニヤっと寒気のする笑みを浮かべ言う。



「契約はなされた!お前の全ては…このゲームに捧げられた!さあ!行くが良い!新しい世界に!」

と言って、高笑いする悪魔キャラ。するとソレと同時に、パソコンの画面が激しく光り出す。



「うわあああ!な…なにこれ!?」

大きな声を上げる。その光は俺を包みこんだ。その光の中に吸い込まれていく俺。そして、俺の部屋には誰も居なくなった。



「…良き旅を。フフフ…アハハハハ~!」

高笑いする悪魔キャラ。そして、そのゲームは霧の様に消えてしまった。静寂に包まれる俺の部屋。



俺は訳の解らない所…グニャッとひん曲がった様な、奇妙なズレを感じさせる様な空間の中に居た。訳が解らずその光景を見ていると、空間から妙なプレッシャーを受けて気を失ってしまった。

これから、何が起こるのか解らずに…
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