愚者の狂想曲☆

ポニョ

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1章

愚者の狂想曲 18 登録手続き

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リスボン商会、港町パージロレンツォ支店を後にした俺達は、リューディアが紹介してくれた、リスボン商会が経営している武器屋に来ていた。



マルコの荷馬車2号に積まれている武器の数は、様々な種類の物があったが、合計で43本あった。

それに加え、盗賊団の頭のギルスから奪った名剣フラガラッハと、その手下の巨躯の男、ホルガーが使っていた、巨大なバトルアックスがあった。それらを品定めしていた武器屋の店主が、俺達に振り返る。



「いや~なかなかの数だね。買取価格だが…まず、沢山ある黒鉄のCランクの武器だが、一本銀貨8枚、43本合計で、金貨3枚と銀貨44枚。それと、この大きなバトルアックスは、Bランクのマジックアイテムだな。買取価格は金貨3枚。そして、最後のこの剣だが…これはかなりの物だな!これほどの武器は、この大都市、港町パージロレンツォでも、そうそうお目に掛れない。Aランク上のマジックアイテムだ。買取価格は…金貨150枚と言った所だな!総合計は、金貨156枚と、銀貨44枚でどうだ?」

にこやかに言う武器屋の店主が提示した金額に、紅茶を出して貰って飲んでいた、俺とマルガとマルコの3人は、同時にプーっと紅茶を吹き出した。マルガの膝の上で抱かれていた白銀キツネのルナは、俺達に驚いて飛び上がる。



「「「金貨156枚と銀貨44枚!?」」」

余りの大金に、思わず3人で声を揃えてしまった。白銀キツネのルナの顔は、俺達3人を急がしそうに見て動いている。



「き…金貨156枚って、は…蜂蜜パンなら何個食べれるんですかご主人様!?」

「ど…どれくらいだろう!?蜂蜜パン1個、銅貨7枚位だから…えっと…えっと~」

「と…兎に角一杯山ほど食べれるよ!葵兄ちゃんにマルガねえちゃん!」

何故か物の価値を蜂蜜パンで換算するマルガに、真面目に答え様とする俺に、ツッコミを入れるマルコ。



マルガは山ほど食べれると聞いて、『お腹一杯で破裂しちゃいます~』と、言いながら、カクカクした壊れかけのロボットの様な変な動きで、アワアワしている。マルガの尻尾も奇妙な動きをしていた。

俺はそんなマルガに、『大丈夫!破裂する前に食べるのを辞めれば、破裂しないよ!それに一度に全部食べる必要は無いよ!?』と、再度真面目に言う。

マルコは、『と…兎に角、蜂蜜パンから離れようよ!…羊の肉のスープ大盛りで話をしない?』と、冷静なのかどうなのか解らない、更に話がややこしくなる様な爆弾を投下する。



「落ち着くのだ皆の衆!とりあえず、一度深呼吸をしよう!」

俺の言葉に、ウンウンと頷くマルガとマルコ。俺達は大きく深呼吸をする。

ス~ハ~。ス~ハ~。ス~~~ハ~~~。うんうん、落ち着いてきた!

マルガとマルコも、俺と同じ様に、落ち着きを取り戻した様だった。



名剣フラガラッハが、良いマジックアイテムである事は、霊視して解っていたが、まさかA上ランクのマジックアイテムだったとは…。

俺が一番多くお金を持ったのは、金貨60枚が最高だ。

それも、この世界に持って来れた、ダイアの指輪を売った時に得た、金貨60枚が最高だった。

その金貨60枚も、色々買って、半分近くになったのを、半年間頑張って、やっとマルガを買える様に迄になったのだ。

マルガのお母さんの形見のルビーの金貨50枚の査定にも驚いたけど、その3倍の価格。

金貨156枚もあれば、家を買って、慎ましく生活し、贅沢をしなければ、住民登録をして市民権を得て、税金で半分払ったとしても、15年は働かずに生活出来るだろう。それだけの大金なのだ。



「ご主人様。Aランクのマジックアイテムと言うのは、こんなに高額で取引される物なのですか?」

落ち着きを取り戻してきたマルガは、俺に質問をして来た。それを聞いていた武器屋の主人が、俺の代わりに説明をしてくれる。



武器や防具には、それぞれランク付けがある。一般的にはCからS迄のランクが知られている。



Cランクは、一般的な材料で作られ、魔法で強化されていない物。一般的に広く出回っていて、初心者から中級者、一般の兵士達が持つ武器である。安価な黒鉄製の物が殆どで、価格は銀貨10枚から、高くて銀貨30枚程度。



Bランクは、一般的な材料で作られ、魔法で強化された物である。Cランクの物を、魔法で強化しただけと思って差し支えはない。魔法で強化されているので、切れ味や防御力は、Cランクを軽く凌ぐ。

兵隊の隊長格や、上級者が主に持つ装備。価格は金貨3枚から、高くて金貨15枚。



Aランクは、特殊な材料を名工が鍛え上げ、上級な特殊魔法で強化され、作られた物だ。当然BランクやCランクなどとは比べ物にならない、一線を越えた性能を秘めている。滅多に出る品物では無いらしく、持っているのは貴族や、力のある騎士団の幹部クラスなど、ごく一部の者に限定される。価格は金貨100枚から、高い物で、金貨200枚。



Sランクは、世界に滅多に現存しない幻の材料を、天使や悪魔、妖精や精霊と言った、人や亜種以上の力を持った者達が作ったとされる物である。国宝級の物ばかりであり、当然所有しているのは王族等である。

伝説や物語に語られる様な物ばかりで、価格は最低でも金貨1000枚はすると言う。高いものは、価格が付けられないと言う事らしい。

その説明を聞いているマルガとマルコは、目を丸くして、A上ランクである名剣フラガラッハを見つめていた。



ちなみに、俺の持っている召喚武器の銃剣2丁拳銃のグリムリッパーは、Sランクのマジックアイテムらしい。

以前ギルゴマに鑑定して貰った時に、Sランクであると判明した。確かに威力は凄いし、現にあのギルスが操る名剣フラガラッハを、受け止めても傷ひとつ、ついてはいなかった。



そして、俺が通常時にグリムリッパーを使わないのにも、そこに理由がある。

Sランクのマジックアイテムになると最低金貨1000枚の価値はある。それを主立って使うと、Sランクのマジックアイテムを持っていると噂され、きっと奪いに来る輩がいると、ギルゴマに注意されたのだ。



しかも、このグリムリッパーは召喚武器。召喚武器は持ち主と武器との間で、魂の契約をする。

魂の契約をする事で、体の一部として、召喚が出来る様になるのだ。当然使う事が出来るのは、契約をした本人意外は使えなし、契約の解除は、本人が死亡した時のみなのである。

なので、Sランクのマジックアイテムのグリムリッパー目当てに、俺の命を狙う奴等が増える事を防ぐ為に、ここぞと言う時以外は、使わない様にギルゴマに言われているのだ。だから普段は、普通の剣を使っている。



「で、どうするんだ?提示した金額で、売ってくれるのか?」

戸惑って困惑していた俺達を見ていて、軽く呆れながら聞いてくる武器屋の店主。俺達は気恥ずかしく苦笑いしていた。



「あ…えっと、このフラガラッハは売らないでおきます。俺が使おうと思っているので」

「…そうか…それは残念だが、仕方無いな!じゃ~それ以外だと買取価格は、金貨6枚と銀貨44枚なるが、それでいいか?」

「ええ、それでお願いします」

俺が肯定して頷くと、武器屋の店主は取引成立の証明である羊皮紙を出す。俺はそこに署名して、取引を成立、終了させた事を示す。それを確認した武器屋の店主が、三級奴隷を呼んで、マルコの荷馬車2号から商品を降ろして行く。



「それから、追加で作って貰いたい物があるのですが」

俺は武器屋の主人に説明をする。

作って貰いたかったのは、マルコの荷馬車2号に、俺の荷馬車と同じ、行商中に水が腐らない様に、青銅製の銅瓶を4つ程注文したかったのだ。取り付けも含めて、武器屋の主人にお願いする。ついでに、名剣フラガラッハの鞘も作って貰う事にした。武器屋の主人は、俺の荷馬車に積まれている青銅製の銅瓶を参考にして、見積りを立ててゆく



「そうだな…青銅製の銅瓶4つと、取り付けを含めて…銀貨60枚って所だな。その名剣の鞘は、銀貨3枚もあれば、普通のやつは作れるだろう。先程の取引の分から、差し引きして…金貨5枚と銀貨85枚を支払おう」

俺は頷き、武器屋の店主から、代金を貰う。



「じゃ~品物は出来上がったら付けに行くから、宿が決まったらこっちに教えてくれ」

俺達は武器屋の主人に挨拶をして、次の目的地に向かう為に、荷馬車に乗り込んだ。











時刻は日中過ぎ、武器屋で少し時間をかけすぎた様だった。

次の目的地である、港町パージロレンツォの役所に、商取引の許可申請をする為に向かっている。



「でもご主人様。取引でお金が儲かって良かったですね!港町パージロレンツォの領主様からも、謝礼として金貨20枚も貰えていますし!」

マルガが俺に寄り添いながら、可愛い微笑みを俺に向けてくれる。自分の事の様に喜んでくれるマルガが愛おしすぎる!



「そうだね~。今回はかなり儲かったね。こんなに一気に収入が増えたのは初めてだよ」

その言葉を聞いて、嬉しそうにしているマルガの尻尾はフワフワ楽しげだ。

確かに儲かった。謝礼として金貨20枚、リューディアとの取引で、金貨5枚と銀貨65枚、武器屋の主人との取引で、金貨5枚と銀貨85枚。元手の掛かった物もあるが、それを除いても大収穫だ。この利益の他に、名剣フラガラッハも手に入れている。

ま…あれだけの事があって、命を掛けてギリギリだったんだしって感じもある。



俺はギルス達相手に、次は勝てる気が全くしない。もし、ギルス達に次に会う事があれば、今度はあの捨て台詞通りに、油断無く、一瞬で切り刻まれて死ぬだけであろう。

正に、行商や冒険はハイリスク、ハイリターンな事を実感する。

今日は富豪だが、明日には一文無しなんて事は、平然と起こりうる。…俺はもう一人じゃないんだから、マルガやマルコの為にも、気を引き締めないと。

俺はそんな事を考えながら、馬のリーズの手綱をギュッと握り締めていると、マルガがクイクイと俺の袖を引っ張る。



「ご主人様!港町パージロレンツォの役所と言うのは、彼処ですか?」

マルガは、建物を指さしながら、見つけましたよご主人様!偉いですか?褒めてくれますか?と、言った感じで、期待の篭った瞳で俺を見ている。そんなマルガを微笑ましく思い、優しく頭を撫でると、嬉しそうに微笑むマルガ。当然、尻尾はブンブンです。はい。



「そうだね。多分あれが港町パージロレンツォの役所だね」

マルガの指さした建物はレンガ作りの大きく豪華な建物で、フィンラルディア王国と、バルテルミー侯爵家の旗を高らかに掲げている。その装飾の施された、丈夫そうな門の前には、10名近い鎧を着た兵士が護衛している。そんな兵士達の間を、沢山の人々が出入りしている。

俺達は邪魔にならない所に荷馬車を止めて、兵士に少しのお金を渡し、荷馬車を見ていて貰う様に頼み、役所の中に入って行く。役所のロビーに入った、マルガとマルコは、人の多さに目を回しそうになっていて、そんな2人を見て、思わずプっと笑ってしまう。そんな俺に若干、不貞腐れているマルガとマルコは、少し拗ね気味で、可愛いほっぺたをプクっと膨らませていた。



「と…兎に角、目的の商取引の許可申請を受付している、公証人が居る所まで行こうか」

苦笑いしている俺を見て、仕方ありませんね!許してあげます~!的な、雰囲気を醸し出しているマルガとマルコを連れて、商取引の許可申請を受付している、公証人が居る所まで来ると、そこには100人以上の人が並んでいて、あっけに取られているマルガとマルコ。



「こ…こんなに人が並んでいるんだね…葵兄ちゃんこれ全部、商取引の許可申請を受付を待っている人なのかな?」

「多分そうだね。それだけ、行商や商売を始めたい人が多いんだよ」

「なるほどです~。でも、何故商売を始めるのに、許可がいるんですか?」

人の多さにげんなりしつつもマルガが聞いてきた。



このフィンラルディア王国に限らず、商売を始めるのに、許可が必要な国は多い。

許可を取らずに、個人で取引が出来る数量が、その国や領地によって決まっているのである。

許可を得ずに個人で取引出来る最大の量は、一番小さいカートタイプのキャリアーが限度。水瓶2つを乗せると、何も積めなくなってしまう程度の物だ。

それで商売をしている人もいるが、そういう人々は遠出をせずに、近くで採れたり作った物を、近くの村や街に売る程度。大きくお金は稼げずに、その日の日銭を稼ぐので精一杯の量が限界だ。

許可を得ると、その制限が緩くなり、荷馬車の大きさに関わらず、荷馬車2台迄を使って、行商や商売を行う事が出来る様になる。店は1軒迄構える事が出来る。

それ以上の数の荷馬車や店を構えるには、商組合の入会が必須になってくる。

商組合に入ると、その制限が無くなり、何台でも荷馬車を使う事が出来、店も何件でも構える事も可能なのである。



「ま~後は、税金の徴収をしやすくしたり、禁止されている物を取引していないか監視したり、申請に来た人物が悪い奴じゃないかを、確認したりする為って名目も有るんだけどね」

俺の説明に、なるほどと頷いているマルガとマルコ。



「でもね、それはあくまでも名目さ。現実は違うんだけどね」

「それはどういう事なんですか?ご主人様」

「マルガとマルコ。列の前を見て。数は少ないけど、2人で一緒に並んでいる人がいるでしょ?」

俺が視線を前方に移すと、数は少ないが、2人で並んでいる人が居る事に、気がつくマルガとマルコ。

そして、一人で並んでいる人の大半が、この今並んでいる受付で、申請して帰るのに対し、2人で並んでいる人は、隣の受付に移動して行くのが解る。



「葵兄ちゃん、あれはどういう事なの?それと、隣の受付では何をしてるの?」

マルコは不思議そうに俺に言うと、マルガもウンウンと同じ様に頷いている。



「何…すぐに解るよ」

俺の含み笑いを見て、戸惑いながら顔を見合せているマルガとマルコ。結構な時間待って、やっと後3人迄来た所で、前の話し声が聞こえてきて、それを聞いていたマルガとマルコは



「し…申請して許可が降りるまで、最低90日も掛るの!?」

「まあね。最低90日だから、もっと掛る可能性も有るって事なんだけどね」

その言葉に、すぐに許可を貰えて、俺と同じ事が出来ると思っていたマルガとマルコは、シュンとしている。そんな2人の頭を優しく撫でながら、大丈夫だからと言うと、キョトンとした顔をしているマルガとマルコ。そして、いよいよ俺達の順番が回ってきた。受付の公証人の前に3人で立つと、公証人は俺達を見て若干眉をピクっと上げる。



「こんにちわ、商取引の許可申請の手続きをお願いします」

「…解った。ネームプレートを出せ。それと、この羊皮紙に必要事項を書け」

そう言って羊皮紙を俺の前に出す公証人



「あ、僕が商取引の許可申請の手続きをしに来たのでは無いんです。この子達2人の商取引の許可申請の手続きをお願いします」

俺がそう説明して、マルガとマルコを公証人の前に出すと、公証人は眉をピクピクと動かし少し呆れながら、軽く貯め息を吐く。



「亜種の一級奴隷の少女に、成人前の少年か…まあいい、2人共ネームプレートを出せ。そしてこの羊皮紙に必要事項を書け」

淡々と流れ作業の様に言う公証人の言われるまま、マルガとマルコはネームプレートを公証人に渡す。マルガは羊皮紙に必要事項を書いていく。マルコはまだ字が書けないので、マルガが代わりに記入して行く。ネームプレートを見て、羊皮紙に書かれたのを確認した公証人は



「では、では手続き費用、2人分で銀貨20枚を支払え」

俺はアイテムバッグから銀貨20枚を取り出し、公証人に渡す。銀貨を確かめる公証人。



「確かに銀貨20枚。これで商取引の許可申請の手続きは終わりだ。後は此方で、お前達に許可を与えて問題ないか審査する。最低90日は掛かる。審査結果や審査状況は別の受付で聞く事が出来る。以上だ。次」

そう言って、俺達を帰らそうとする公証人の前に、俺は再度立つ。



「待って下さい公証人様。僕はこの2人の紹介者として、一緒に来ました」

その言葉を聞いた公証人は、ピクっと眉を動かし、俺を少しきつい目で見る



「紹介者?…ネームプレートを見せてみろ」

公証人の言われる通りに、俺はネームプレートを提示する。公証人は俺のネームプレートを見て



「フム…確かに、紹介者に必要な、商取引許可登録済の者の様だな。それで、お前はこの2人を推薦し紹介すると言うのだな?」

「はい。この2人は真面目で、善なる者です。商取引許可が貰えれば、きっと良き商人になる事を、商取引許可登録済の者として、証明します」

俺は公証人にそう告げると、右手の拳を少し開け、その手の中に握っている物を公証人に見せる。

それを見た公証人の表情が一変する。ニヤっと口元を上げ少し笑うと



「…なるほど…お前は良き商人の様だな。良き商人であるお前が推薦し、紹介するのであれば、間違いはないだろう」

「ありがとうございます公証人様」

俺と公証人は、笑顔で右手で握手を交わす。すると、書き込まれたマルガとマルコの羊皮紙に、バン!と少し大きな音を立てて、判子らしきものを押す。



「此れを持って、隣の受付に行け。その後は隣で説明してくれる。以上!次!」

公証人はマルガとマルコに判子の押された羊皮紙を渡すと、次の申請者の対応を始める。

判子の押された羊皮紙を渡されたマルガとマルコは、訳が解らずに戸惑っていた。

そんなマルガとマルコを連れて、少し人気の少ない場所まで移動する。



「ねえ葵兄ちゃん!オイラ達の羊皮紙に判子押されて、隣の受付に行けって言われたけど、どういう事なの?」

「それはね、マルガとマルコが、審査に合格したって事だよ」

「でもご主人様。審査には最低90日掛るのではないのですか?」

「普通はね。でも商取引許可登録済の者が紹介、推薦して、それを公証人が認めれば、特例として、審査を合格した事にして貰えるんだよ」

俺はマルガとマルコに説明をする。

通常であれば、最低90日以上の審査期間がある。しかし、最低90日であって、どれ位の期間が実際に掛るかは解らない。でも、商取引許可登録済の者が、紹介し推薦すれば、特例が認められる。

だが、商取引許可登録済の者が紹介が推薦しただけじゃ、許可は貰えない。

俺はあの公証人に、賄賂を提示して、あの公証人がその金額で納得したので、許可が貰えた事を説明する。それを聞いて困惑しているマルガとマルコ



「わ…賄賂って…それって…不正じゃん!」

マルコの言葉に、ウンウンと頷くマルガ。



「確かにね。でもあの方法以外で、商取引許可は降りないんだよ」

「え…どういう事なのですか?ご主人様」

「そのままの意味だよ。賄賂を渡さないと、よっぽどの事が無い限り、商取引許可は降りない。回りを見てみてよマルガにマルコ。沢山の人がいるだろう?こんな沢山の人が1日に全部商人になったら、どうなると思う?」

俺の質問に、う~んと唸って居るマルガとマルコ。唸っている様子も微笑ましい。そんな中マルガが、ハイ!と右手を上げて



「商人さんが一杯になります!」

「そうだね。商人さんが一杯になると、取引は活発になるかもしれないけど、数が余りにも多くなると、商人どうしの潰し合いや過度の競争、その中で商人として普通の取引で生活出来無くなった商人は、きっと不正行為に走る。取引禁止の品や、商人を装った野盗とかね。そうなると、治安が悪くなるだろう?そんな事にならない為に、申請者を篩いに掛けて、賄賂を渡してくる人のみに、商取引許可を降ろしているんだよ」

「じゃ…賄賂を渡さなかった人達は…ずっと待ってもは商取引許可は降りないの?葵兄ちゃん」

俺は静かに頷くと、憤っているマルガとマルコ



「ご主人様の言う事は解りますが…その事を知らな人や、お金を持っていない、賄賂を渡せない人達が可哀想です~」

「ま~ね。この事を公表しないのは、申請者をもっと篩いに掛けたい目的もあるんだ。それと、申請に来た初対面の奴を、信用するのは難しいだろ?だから賄賂を渡す事で、これだけのお金を出せるだけの人物であると言う事を、証明しているんだよ。ちなみにこの方法は、この国も、善政をしく事で有名な、バルテルミー侯爵家も黙認している。大ぴらに言ってないだけでね」

それを聞いて更に憤っているマルガとマルコ



「ま~不正は悪い事だけど、それが全てに悪い方に向かうとは限らないって事だね。重要なのは、それがどんな理由があってそうされているのかきちんと理解し、その中でいかに行動すれば最善の結果が出せるかを考えないとダメって事なんだよ。自分で考え、責任をもって行動する。此れが自己責任の基礎なんだ」

俺の話を黙って聞いていたマルガとマルコは、真剣な面持ちで、コクっと静かに頷いている



「ま~偉そうに言ったけど、この言葉も、ギルゴマさんの受け売りなんだけどね。俺も勉強中だし」

俺の苦笑いを見て、アハハと楽しそうに笑うマルガとマルコ



「所で、ご主人様。あの公証人様に、幾ら位の賄賂を渡されたのですか?」

「…金貨2枚だよ」

「き…金貨2枚!?高っけ~!!」

「まだ安い方だよ。通常なら、紹介者に払う手数料が、申請者1人に対して金貨1枚。あの公証人に払う賄賂が、一人銀貨50枚が今の相場かな?本当なら、金貨3枚掛かっていたんだからね」

それを聞いたマルガとマルコは、顔を見合わせながら、少し呆れている様であった。



「じゃ~あの公証人に渡す賄賂は、金貨1枚で良かったんじゃないの?葵兄ちゃん」

「うんそうなんだけどさ…マルガは亜種、マルコは成人前の少年。申請に歳は関係ない事になってるけど、慣行で成人していないうちはって、風潮があるからね。マルガは…言い難いけど、亜種は一部を覗いて、差別を受けているだろう?亜種の行商人が少ないのは、その辺なんだよ。だから、賄賂を相場の2倍払ったんだ。金貨2枚で足りるか心配だったけど、結果許可は降りたから良かったよ」

俺がそう言って微笑むと、マルガとマルコは、顔を見合わせて、申し訳なさそうに俺を見る。



「そうなんだ…オイラ達のせいで、余計にお金掛かっちゃったんだね…金貨2枚…行商1回分の利益位のお金使わせちゃってごめんね…葵兄ちゃん」

そう言うとマルコはシュンとして俯いている。その隣でマルガも同じ様にシュンとなって俯いてしまった。



「…別にいいよ。マルガは俺の大切な一級奴隷だし、マルコには投資してあげるって約束したしね。こんな事で、気を使わなくていいよ」

そう言って優しくマルガとマルコの頭を撫でてあげると、少し涙目になって、嬉しそうにしているマルガとマルコが、なんだか愛おしい。



「さあ!彼処の受付に行って、きちんと商取引許可を貰っておいで!」

そう言って微笑むと、満面の笑みのマルガはマルコは



「ハイ!ご主人様!行ってきます!」

「うん!行ってくるよ葵兄ちゃん!」

元気良くそう返事をすると、嬉しそうにテテテと走って受付に向かって行く。暫く待っていると、ニコニコしながらマルガとマルコは帰って来た。



「おかえり。マルガもマルコも、ネームプレートを開いてみて」

俺の言葉にマルガとマルコはネームプレートを開く。



『名前』 マルガ



『LV』 LV1



『種族』 ワーフォックスハーフ



『年齢』 13歳



『性別』 女



『身体』 身長 130㎝ 体重 30㎏ B67/W43/H63



『戦闘職業』 無し



『取得スキル』 ☆



『住民登録』 無し



『その他1』 身分 一級奴隷  所有者  葵あおい 空そら 遺言状態 所有者死亡時奴隷解放



『その他2』 商取引許可登録済、 商組合 無し、 商会 無し



と、出ている。マルコの方も、



『名前』 マルコ



『LV』 LV1



『種族』 人間族



『年齢』 11歳



『性別』 男



『身体』 身長 145㎝ 体重 40㎏ 



『戦闘職業』 無し



『取得スキル』 ☆



『住民登録』 イケンジリ



『その他1』 商取引許可登録済、 商組合 無し、 商会 無し



と出ていた。



「無事に商取引許可を登録出来た様だね。これで、マルガもマルコも、俺と同じ事が出来るよ。おめでとうマルガにマルコ」

「「やった~~!!」」

嬉しそうに声を揃えて言うマルガとマルコは、軽く飛び上がって、ハイタッチをしている。

そして、マルガとマルコは、自分のネームプレートを見て、ニマニマした顔をして、お互いのネームプレートを見せ合っては、またニマニマした顔をするというのを繰り返している。

マルガもマルコも、そんなに見つめていたら、ネームプレートに穴が開いちゃうYO!

心の中でこっそりツッコミを入れておいた俺は、マルガとマルコの頭を撫でながら



「じゃ~次に向かおうか!」

「ハイ!ご主人様!」

「うん!葵兄ちゃん!」

俺達は、港町パージロレンツォの役場を出て、荷馬車に乗り込んだ。











俺達は次の目的地、港町パージロレンツォの冒険者ギルドに向かっている。

空を見ると、日がかなり傾いてきている。役場では結構な時間待たされた事もあって、もう既に夕刻に近かった。町の人々も、そろそろ夕食の支度を始めるのか、露天や商店に、女性が買い物をしている姿が多く見られる。

少し肌寒くなって来たのを感じながら、荷馬車を進めると、港町パージロレンツォの冒険者ギルドが見えて来た。風格のある古めの大きな建物であるが、レンガ作りのその建物の風格も相まって、少し威厳の感じられる作りになっている。その入口の両側には、右側に冒険者ギルドの創設者である、勇者クレイオスの銅像と、左側にはその勇者クレイオスの妻にして、一番の使者であった使徒エウリュビアの銅像が立てられている。



俺達は荷馬車を道の端に止め、兵士にお金を渡して、荷馬車の番を頼むと、大きな2英雄の銅像を眺めながら、冒険者ギルドに入ってゆく。そのロビーに入った時、マルガとマルコは感嘆の声を出す。

この町に来てから、人の多い所は見て来たが、冒険者ギルドの人の多さには勝てないであろう。

役所や官邸は人間族が多い。町中を歩いていると、亜種もいるが、数は少ない様に感じる。

しかし、この冒険者ギルドには、沢山の種類の亜種が忙しそうに出入りしていて、マルガやマルコが今迄見た事の無い様な、亜種の種族が沢山いる。

好奇心旺盛なマルガはキョロキョロしながら実に楽しげで、マルコも興味津々で辺りをキョロキョロしている。そんな2人にムフフとなっている俺は、2人を連れて目的の受付のある所まで来た。

そして、そこに並んでいる人々の多さを見て、盛大に溜め息を吐いたマルガとマルコ。



「こ…これ…全部、冒険者に登録に来ている人なの葵兄ちゃん?」

「うんそうだよ。冒険者ギルドの登録は、手数料だけ払えば、誰だって出来るからね。だから、人が多いんだよ」

「沢山の列がありますし、一つの列に150人は並んでいますよね…凄いですご主人様~」

呆れながら目を丸くしているマルガとマルコを連れて、列の最後尾に並ぶ。



「ここに居る人全員が冒険者になって、戦闘職業に就くんですかご主人様?」

「だろうね~。冒険者ギルドに登録すると、仕事を受けれるし、この港町パージロレンツォのすぐ傍には、冒険初心者御用達のラフィアスの回廊もあるからね。ラフィアスの回廊を探索すれば、普通に働くよりも沢山のお金が手に入るしね。ま~命がけな事だから、それ位の見返りが無いと、やってられないかもしれないけどね」

苦笑いする俺を見て、確かにと頷いているマルガとマルコ



「でも、儲かるって言っても、どれ位儲かるものなの葵兄ちゃん?」

「う~んそうだね~。ま…標準的な6人パーティーを組んで、一日ラフィアスの回廊の一階を探索して、戦闘したとして…一人頭、大体銀貨6枚位の儲けかな?」

「ええ!?一日銀貨6枚も儲かるの!?普通に働いている人の3倍はあるよね?」

「確かにね。地下二階や地下三階を探索すれば、5倍から8倍、銀貨10枚から銀貨16枚は儲かるね」

マルガとマルコは顔を見合わせて、凄いね~と言い合っている。



「でも、地下に行くほど敵は強くなるし、死ぬ確率も高い。怪我もするだろうし、休養も長めに必要だったりもするからね。確かに、元手も少なく儲けられるけど、毎日沢山の人がラフィアスの回廊で死んだり、怪我で冒険者を引退する人も一杯居る。その事も忘れてはダメだね」

俺の話を聞いて、静かに頷くマルガとマルコ。ほんと素直なんだよな~この2人。

そして、かなりの時間待ってやっと俺達の順番が来た。



「えっと、この子達の冒険者ギルドの登録をお願いします」

俺がそう言うと、マルガとマルコのネームプレートの提示を求められる。それを確認した受付。



「では、登録料一人銀貨10枚頂きます」

俺がアイテムバッグからお金を取り出し渡すと、お金を確認している受付



「確かに頂きました。これで登録は終わりです。後で確認して下さい。では、冒険者ギルドの事を簡単に説明します」

そう言って説明をしてくれる受付。



冒険者ギルドに登録した冒険者には、ランクが付けられている。

初めての登録時は、一番下のランクのアイアンである。ランクは一般的に下から、アイアン、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナ、ダイアモンド。

上のランクの方が、報酬の良い依頼を受けれる。当然依頼の難易度も上がる。

ダイアモンドの上には、レインボーダイアモンドと言うランクも有るのだが、それぞれの所属している国と、その国の冒険者ギルドの両方に認められた者のみに、与えられる最高の高貴なランクである。

現在はフィンラルディア王国には、レインボーダイアモンドのクラスの人は2人しか居ないらしい。

昇格は、依頼をこなして貰えるポイントを、規定量満たした上、冒険者ギルドが審査し合格すれば、上のランクに昇格出来る。

説明を聞いているマルガとマルコは、コクコクと頷いている。



「これで説明は終わりですが、もし解らない事があれば、一階の受け付けで聞いて下さい。それから、チームを組織されるなら、その登録も可能です。何処かのチームに入ったり、作ったりしたら、また此方にお越しください。登録いたしますので」

説明が終わって、ネームプレートの返却を受けるマルガとマルコ。

俺達は少し人気のない壁際まで来て、マルガとマルコのネームプレートを確認させる。



『名前』 マルガ



『LV』 LV1



『種族』 ワーフォックスハーフ



『年齢』 13歳



『性別』 女



『身体』 身長 130㎝ 体重 30㎏ B67/W43/H63



『戦闘職業』 無し



『取得スキル』 ☆



『住民登録』 無し



『その他1』 身分 一級奴隷  所有者 葵あおい 空そら 遺言状態 所有者死亡時奴隷解放



『その他2』 冒険者ギルド登録済、 冒険者ランク アイアン、 所属チーム無し



『その他3』 商取引許可登録済、 商組合 無し、 商会 無し



と、なっている。マルコの方も、



『名前』 マルコ



『LV』 LV1



『種族』 人間族



『年齢』 11歳



『性別』 男



『身体』 身長 145㎝ 体重 40㎏ 



『戦闘職業』 無し



『取得スキル』 ☆



『住民登録』 イケンジリ



『その他1』 冒険者ギルド登録済、 冒険者ランク アイアン、 所属チーム無し



『その他2』 商取引許可登録済、 商組合 無し、 商会 無し



と、なっていた。

マルガもマルコも嬉しそうに、ニマニマしながらネームプレートを見ている。そんな2人の頭を撫でると、ニコっと極上の笑みを返してくる。そんな2人にニマニマしていると、昼刻の6の時を告げる鐘の音が聞こえてきた。



この港町パージロレンツォの様な大都市では、時刻を告げる鐘の音が鳴る。

この世界は、地球と同じ様な時間で存在していて、一日の長さも地球とほぼ変わらないだろう。

時刻を告げる鐘の音は、地球で言う午前6時に、その日最初の時刻を告げる鐘が鳴る。

そして、その日の終わりは、地球で言う所の午後6時が最後なのである。夜は鳴らさない。

1刻置き(1時間置き)に鐘は鳴らされ、合計で12回鳴らされる。ちなみに、朝刻は午前、昼刻は午後を指す。

朝刻1の時(午前6時)、朝刻2の時(午前7時)、朝刻3の時(午前8時)、朝刻4の時(午前9時)、朝刻5の時(午前10時)、朝刻6の時(午前11)が、朝刻(午前)をさしている。

昼刻0の時(午後12時)、昼刻1の時(午後1時)、昼刻2の時(午後2時)、昼刻3の時(午後3時)、昼刻4の時(午後4時)、昼刻5の時(午後5時)、昼刻6の時(午後6時)をさす。

昼刻の6は、地球で言う午後6時と言う事だ。



「もう昼刻の6の時になってしまったね」

「そうだねー。結構並ぶのに時間掛かっちゃったもんね葵兄ちゃん」

「ご主人様。此れからどうされるのですか?」

「とりあえず今日は此処までにして、宿を取って、夕食を食べに行こう。戦闘職業は、明日職業訓練所に行く事にしよう」

俺達は、冒険者ギルドを出て、以前泊まっていた事のある宿屋に向かう。

辺りは夜の帳がそろそろ降りて来るだろう。町を行き交う人々も、足早に家路に向かっていた。

そして荷馬車を進めて行くと、一件の宿屋が見えてきた。その宿屋の前まで行くと、宿屋の受付が椅子に座っていた。俺達を見つけて、椅子から立ち上がった受付は、声を掛けてきた。



「お兄さん宿泊かい?」

「うん、そうなんだ。60日位の宿泊を考えてるんだけど、2人部屋1室と、1人部屋1室開いてる?それと、馬2頭と、荷馬車2台もね」

俺がそう伝えると、受付は羊皮紙を見て、



「大丈夫だよ。2人部屋1室60日間で、銀貨30枚。1人部屋1室60日間で、銀貨18枚。馬2頭と荷馬車2台、60日間で、銀貨24枚。合計72枚だね。前金で貰えるなら、銀貨65枚に負けるけど、どうする?」

「じゃ~前金で払うから、銀貨65枚でお願いするよ」

俺の言葉に、にこやかに笑う受付は、俺から銀貨65枚を受け取ると、部屋の鍵を渡して来た。



「荷馬車と馬は、馬車場と馬小屋に回しておくよ」

そう言うと受付は三級奴隷を呼ぶ。足元に平伏している三級奴隷に荷馬車を移動させる様に命令している。

俺は1人部屋の鍵をマルコに渡し、受付に後の事を任せ、近くにある食堂に向かう。

俺達が向かっている食堂は、以前から俺が利用していた食堂で、価格も良心的だが、味も中々で人気の有る食堂だ。

食堂の中に入ると、沢山の冒険者や商人、旅人達が酒を飲みながら、楽しそうに食事をしている。

その様子を見て、好奇心旺盛なマルガは、嬉しそうにキョロキョロしている。マルコも同様だ。

ちょうど空いていた4人掛けのテーブルに座り、おすすめの品を3人分と、白銀キツネのルナの分を注文する。出された水をゴクっと飲んで、俺達は一息付いていた。



「今日は色々行ったから、マルガもマルコも疲れたんじゃない?」

「そうだねー。結構待たされたから、そう言う意味で少し疲れたかもだよ葵兄ちゃん」

「私もマルコちゃんと一緒ですご主人様」

人の多さにも、行列にも少しゲンナリしている、マルガとマルコは、軽く溜め息を吐いて、苦笑いを浮かべていた



「ま~大都市だからね。人が多いのは仕方無いよ。慣れる事だね。明日はいよいよ戦闘職業に就けるね」

「そうなんだけど…オイラ、どんな戦闘職業が良いのか、悩んじゃっててさ。葵兄ちゃんから見て、オイラはどんな戦闘職業に就いたら良いと思う?」

「私も知りたいです!私にはどんな戦闘職業が良いですか?ご主人様!」

マルコはう~んと悩みながら、マルガはハイハイ!と右手を上げてアピールしながら聞いてくる。



「う~んそうだね~。マルコは魔力が無いから、武器で戦う戦闘型が良いと思うんだけど…」

「え!?オイラ魔力無いの!?…そうか~やっぱり魔力は無いか~」

俺の言葉に軽くショックを受けて、項垂れているマルコ。そんなマルコの頭を撫で撫でしているマルガ。

以前、マルコを霊視した時に、マルコガ魔力が無い事を知っていたのだ。



この世界で、魔法を使える者の人口は少ない。つまり魔力を持つ者が少ない。

全人口の割合で言えば、20%程度しか魔法を使える者は居ない。5人に1人の割合だ。

しかも、魔力を持つ子供は、遺伝では無く、無作為に生まれてくるらしい。両親が魔力を持っていなくても、生まれる事もあれば、両親が魔力を持っているのに、魔力が無い子が生まれたりもする。

魔法は実に様々な用途がり、純粋に戦争や魔物と戦う為の、攻撃や防御と言った魔法。魔法具を作る為に使う製造魔法。傷を癒したり、病気を直したりする癒しの魔法。契約事やルールを守らせる為の制約魔法。

他にも色々あるが、代表的な所はこんな感じだ。

魔法は実に色々多用されているから、魔法を使える人…魔力を持つ人は良い職業に就いて居る。

なので、家族に1人魔法を使える子がいたら、生活は保証されるとさえ言われている。

それ位、魔力を持つ人は重宝されているのだ。



俺は項垂れているマルコに、



「そんなに落ち込む事は無いよ。確かに魔力があると、一般の職業や、戦闘職業に幅が出来るかもしれないけど、魔力が無くても、しっかり勉強や修行、LV上げや、スキルのLVの上げをきちんとすれば、一流と呼ばれる者になる事は可能だからね。それを証拠に、あの殺されそうになった盗賊団の頭のギルスは、魔力を持たない奴だった。魔力を持たなくても、あれだけ強くなれるって事さ」

俺の言葉に、パアアと表情を明るくするマルコを見て、マルガもホッとしている。



「じゃ~オイラは戦闘型のどんな職業が良いと思う?葵兄ちゃん」

「そうだね…マルコはまだ11歳で、此れから成長して行く事も考えて、戦士系が良いと思う。だけどマルコは、結構高い投擲スキルを持っているから、軽業を使うスカウトもいいかもね」

「スカウトって言ったら、エドモンさんと同じ職業だよね?具体的にどんな戦闘職業なの?」

「スカウトはね、軽業を使う職業で、素早さを生かした攻撃をするのが特徴だね。でも、一番の特徴は、ダンジョンで取得した宝箱や、トラップの罠を解除したり、周辺を警戒したりと言った、特殊なスキルを覚えられる。パーティーには必ず1人は欲しい職業だね」

マルコは腕組みしながら、う~んと悩んでいた。



「じゃ~私はどんな戦闘職業が良いですかご主人様!」

マルガは、ハイハイハイ!と右手を上げて、さっきより猛アピールしてくる。そんな可愛いマルガの頭を優しく撫でる。嬉しそうなマルガの尻尾は、パタパタと振られている。



「マルガは、一番難しいね。種族スキルのワーフォックスの加護があるから、身体能力が若干強化されている筈なんだけど、元々の力が弱いから、強化されていても、大きな力を出せていないんだと思う」

マルガは元々力がない。華奢な13歳の少女なのだ。力がなくて当然だ。

マルガの身体能力向上のスキルは、自分の身体能力を、1.5倍位に上げてくれる能力。

普通の成人男性の力を1とすると、マルガの力の強さは、0.3位だろう。そこに身体能力のスキルの効果が加わっても、0.45。強化されても、普通の成人男性に及ばない。

それを聞いたマルガは、シュンとなって俯いてしまった。



「何も力だけが全てじゃないよ?恐らくだけど、マルガは力が無い代わりに、俊敏性は高いと思う。早さを生かした戦い方をすれば、補えるよ」

マルガは俺の言葉に、パアアと表情を明るくする。

マルガは力は無いが、俊敏性はなかなかの物だ。それが解ったのは、行商中の野営の時だ。

テントを張っている時に、骨組みが外れてマルガ目掛けて倒れたのだが、マルガは素早く躱して、俺の傍まで来ていた。

その時に、俊敏性に関しては、一般成人の男性より、優れていると解ったのだ。



「じゃ~私も、俊敏性を生かした、スカウトが良いのですかご主人様?」

「そうだね~。折角の長所を生かさない手はないよ…」

そう言いかけた所で、ふとある事を思い出した。

そう言えば、俺はマルガが魔力を持っているのか知らない。レアスキルを持っているのは解っているけど、俺はマルガを霊視で見た事が無い。

ネームプレートを見れていたので、魔力まで気に留めていなかった。ネームプレートでは、魔力を持っているかどうかは解らない。俺はマルガを霊視してみる。そしてビックリする。



ちょ…マルガ…魔力持ってるじゃん!

レアスキル持ちで、魔力もあって、超美少女のマルガ…

あの時、金貨20枚でマルガを買ったけど…本当なら、かなりの高額で取引されていたかもしれない。

一級奴隷の相場は金貨15枚から50枚。だがそれは何の能力のない、普通の美女の場合だ。

レアスキル持ちで、魔力もあって、超美少女のマルガなら、亜種であっても、ひょっとしたら…金貨数百枚と言う金額が、ついていたかもしれない。当然俺には、高嶺の花過ぎて、手が出せたかったであろう。

そんな事を染み染み思いながらマルガを見ていると、どうしたのですかご主人様?と、言う様な顔をして、可愛い首を傾げている。



「どうやら、マルガには魔力があるみたい。だから魔法系の戦闘職業も良いかもしれないね]

「ほ…本当ですか!?私に…魔力が…」

「え~!…マルガねえちゃんいいな~」

嬉しそうにしているマルガに、羨ましそうに言うマルコ。



「でも、マルガの敏捷性を生かさないのは勿体無いから、戦闘と魔法を両方使える戦闘職業を、選んだほうが良いかもね」

「そんな戦闘職業あるんだ葵兄ちゃん」

「うん。だけど、普通の戦闘職業に比べて、LVが上がりにくいって言う難点も有るけどね」

そう説明していたら、先程注文した料理が運ばれてきた。その美味しそうな匂いに、マルガもマルコも、料理に目が釘付けになっていた。マルガは涎が出そうな顔で、お決まりの、右手にナイフ、左手にフォークをチャキーンと構え、はやく!はやく!と、尻尾を扇風機の様に振り回している。

それを見て、俺とマルコが顔を見合わせて笑っていると、恥ずかしそうに、可愛い舌をペロっと出しているマルガ。



「…とりあえず食べようか。戦闘職業は、明日訓練所に行ってから決めよう。じゃ~頂きますっと!」

「ハイ!いただきます!ご主人様!」

「うん!いただきます!葵兄ちゃん!」

嬉しそうに夕食を食べている、マルガとマルコを、ニマニマしながら見ている俺も料理を食べる。

楽しい夕食の時間はあっという間に過ぎて行くのであった。











宿屋に帰って来た俺達は、それぞれの部屋に戻って来て居た。マルコは1人部屋。俺とマルガは当然2人部屋だ。1人部屋は3帖位の広さで、2人部屋であるこの部屋は6帖位の広さだが、備え付けの収納やテーブルに椅子もあり、ベッドも2つあるので、生活をするには何も問題は無い。俺とマルガは、1人用ベッドをピッタリとくっつけて、簡易のダブルベッドの様にしている。その理由は勿論、マルガと一緒に抱き合いながら眠る為なのだ。

そんなベッドに腰を掛け、マルガの入れてくれた紅茶を、マルガと一緒に飲んでいる。



「今日は色々ありがとうございましたご主人様」

「ううん…。マルガもマルコも、大切だからね。俺に出来る事はなんでもしてあげるよ」

その言葉を聞いたマルガは、ギュっと俺の腕を掴み、嬉しそうにニコっと微笑んでいる。

そんなマルガに癒される俺は、もっとマルガの喜ぶ顔が見たくなった。



「…マルガ、マジカル美少女キュアプリムちゃんの続き見る?」

ニコっとしてそう言うと、マルガは瞳を輝かせて嬉しそうな顔をする。

しかし、今日のマルガは、少し俺の予想を超えていた。

マルガは一瞬だけ嬉しそうな表情を浮かべると、視線を外し、切なそうな表情を浮かべて俺を見る



「…ご主人様。ご主人様は、本当に私に優しくしてくれますね…。私は…ご主人様にどんな事をお返ししたら良いのでしょう…。今日だって…リーゼロッテさんと別れて、ご主人様はきつかったのですよね?それなのに…私達の事を気にかけて…」

マルガは俺の胸に顔を埋め、キュっと抱きしめてくる。マルガのその気持が嬉しくて、俺もマルガをギュっと抱きしめる。



確かにリーゼロッテと別れてきつかった。心が締め付けられているのは、今も同じだった。

なるべくリーゼロッテの事を考え無い様にしていたつもりだったけど、解っていたけど、どうやらその気持を完全に隠し切る程の度量は無かった様だ。

マルガの事だから、きっと俺の事を思い心配し、ずっと俺の表情を隠れて見ていたんだろうと思う。

その俺の事を考えて、想ってくれるマルガが、堪らなく愛おしい。マルガを抱きしめるのにも力が入る。



「…ごめんねマルガ…心配させちゃったね。大好きだよマルガ…」

心の底から出るその言葉に、マルガは瞳を潤ませながら、抱きしめてくれる。

その優しさに包まれていると、マルガは顔を俺に向け、可愛いピンクの唇を俺の唇に重ねる。

マルガの甘く柔らかい舌が、俺の口の中に入って来て、俺の舌を心地良く味わう様に、舌を絡めてくる。



「…私も大好きですご主人様。今日は…私をリーゼロッテさんだと思って、私を抱いて…犯して下さい。リーゼロッテさんみたいに、胸も大きくありませんし、体つきも違いますが…せめて…」

そう言って、更に激しく俺の口の中で舌を絡めるマルガ。そんなマルガが、金色の妖精のリーゼロッテとダブって見えた。



「リーゼロッテ…」

微かに呟く様に言った俺の言葉に、優しく微笑み頷くマルガ。

そのマルガを見た俺は、我慢が出来無くなっていた。

俺は強引にマルガの服を脱がせて行く。マルガの口の中を舌で蹂躙し、体中に舌を這わせて、味わう様に舐めて行く。唇、白く折れそうな細い首、可愛く尖った耳、白魚の様な細く柔らかい指先、綺麗で真っ白な脇の下、可愛く膨らんだ、サクランボの付いている胸、華奢で柔らかく、小さな足の指…

俺はマルガの全身を味わい舌を這わせると、マルガは身を捩れさせながら、俺の舌を喜んでいた。

マルガの秘所は既にヌレヌレになっていて、煌く愛液が、喜びを表している様に、光っている。

俺はマルガの腰を抱え上げ、マルガの秘所に吸い付く様に口を付ける。



「あっ…んんっん…」

桜色に体を火照らせているマルガは、甘い吐息を上げる。

俺はマルガの膣に舌を入れ、マルガの膣を舌で犯していく。マルガの愛液を味わい、マルガの膣を十分に舌で味わっていると、キュキュっと舌を締め付けてくる、可愛いピンク色のマルガの膣に、更に性欲が掻き立てられる。

マルガの膣を堪能して、その舌をマルガのお尻の穴に持って行く。

マルガの可愛い菊の穴に舌をねじ込む。マルガは更に見を捩れさせて、愛液を煌めかせている。

もう俺は我慢出来無くなり、大きくなった俺のモノを、マルガのお尻の菊の穴に持って行く。



「ご…ご主人様…そこは…」

「…今日はリーゼロッテの代わりだよね?リーゼロッテとはこっちでしかしてないんだ。…此処も、男の人を喜ばせる為にある穴なんだよ…。マルガにも…それを教えてあげる…」

そう言って、マルガを正常位で寝かせ、マルガの愛液を俺のモノに付ける。

ヌルヌルと気持ちの良いマルガの愛液が、俺のモノを包み込み、艶かしく光らせる。

俺はマルガのお尻の菊の穴に、モノを持って行き、一気に挿入する。



「…あっ…んんんんっ」

マルガは今迄感じた事の無い感覚に囚われて居るのか、口を池の鯉の様にパクパクさせている。

その表情に、リーゼロッテの面影が重なり、俺は激しく腰を振り、マルガのお尻を犯していく。

部屋中にパンパンと乾いた心地の良い音が響く。そのたびに、マルガは身を捩れさせ、甘い吐息を辺りに撒き散らす。



「マルガ…どう?お尻の穴を初めて犯された気分は…リーゼロッテも…気持ち良さそうにしていたよ?…もっと犯すからね!」

俺はリーゼロッテと重なるマルガと、マルガのお尻の穴を初めて犯す興奮で、激しく腰を振ってしまう。マルガは切なそうにしながら、お尻の穴をキュっと、何度も締め付け、俺のモノを刺激する。

そんな可愛いマルガをもっと感じたくて、マルガの小さく膨らんでいるクリトリスを、指でキュっと掴む。その瞬間、マルガは、体を激しく悶えさせる。



「ご…ご主人様!…き…気持ち良いです!…もっと…もっと…もっと…犯して…下さい!」

マルガも我慢出来無くなって来ているのであろう。腰を自分から振って、可愛くおねだりする姿が、とてもイヤラシイ。



「解った…もっと犯してあげる!リーゼロッテの様にね!」

俺は更に激しく腰を振る。それと同時に、可愛く硬くなっているマルガのクリトリスをキュっと何度も掴みいたぶる。マルガは、玉の様な汗を全身に纏い、ピンク色に輝く宝石の様に光っていた。

そんなピンク色の宝石は、快楽の深淵に居るのか、可愛い秘所からピュピュと少しずつ潮を吹き始める。その直後、大きく体を、弾けさせるピンクの宝石。



「ご主人様!イ…イキます!ご主人様イッちゃいます!…んはあああああ!!!」

大きく体を弾けさせて、甘い吐息混じりに叫ぶマルガ。絶頂を迎えたマルガは、俺のモノを急激に刺激する。その刺激に耐え切れずに、マルガのお尻の中に、ありったけの精を注ぎ込む。

それを感じたマルガは、恍惚の表情を浮かべ、幸せそうに瞳を潤ませていたが、何処か体を悶えさせている。



「ご…ご主人様…私…何だか切ないです…出来れば…此方の方も…一杯犯して下さい…」

そう言って、可愛いピンク色の秘所を、両手で広げるマルガ。

そのマルガの可愛いピンク色の膣は、俺のモノを咥えたくて仕方無い様に、パクパクとまるで誘っている様であった。

俺はマルガのお尻の穴からモノを引く抜くと、お尻の穴からは、先程注いであげた俺の精が溢れて出てきていた。それを見た俺のモノは、ムクムクと復活をする。



「可愛いおねだりに答えてあげるね…」

俺は我慢出来無くなって、一気にマルガの可愛い膣に、モノを捩じ込み犯す。



「んはああああ!!!」

マルガは今迄我慢していたものを吐き出す様に、艶めかしい吐息を上げる。

ギュっと両足を俺の腰に絡みつかせ、自らも腰を振っている。そんな、愛おしいマルガに、目一杯腰を振ってあげると、恍惚の表情を浮かべ、キスをせがむマルガ。

俺の舌がマルガの口の中に入ると、マルガはそれを味わう様に、舌を絡めてくる。

余りにも可愛いので、俺の唾も一緒に飲ませてあげると、コクコクと俺の口に吸い付いて、唾を美味しそうに味わっているマルガに、更に性欲が掻き立てられる。

マルガの顔を両手で抑え、透き通る様なライトグリーンに瞳を見つめながら、激しく腰を振ると、その瞳は突かれる度に、歓喜の色に染まっていく。その直後に、マルガの体は小刻みに震え出す。



「ご…ご主人様!わ…私…また…また…」

「いいよマルガ。一緒に…」

その言葉を聞いたマルガは、嬉しそうに艶かしい瞳を俺に向ける。

俺は一気に腰を振り、マルガの子宮の奥を激しく犯すと、マルガの体は大きく弾ける。



「んんはははああああ!!!」

再度大きな吐息を上げ、絶頂を迎えるマルガの子宮の奥に、タップリと染み込む様に精を注ぐ。

俺はその快楽に身を預ける様に、マルガに覆いかぶさる。マルガも激しく息をしている。



「ご…ご主人様…気持ち良かったです…私は…リーゼロッテさんの代わりになれましたか?」

そう言って覆いかぶさる俺に優しくキスをして、ギュっと抱きしめるマルガ。

他の女の子を思いながら、目の前の女の子を犯すと言う、最低な行為をされているのに、俺を思って受け入れてくれるマルガに、心を激しく揺さぶられる。

俺はマルガを体の上に乗せて、抱きしめながら優しくキスをする。



「うん…十分にリーゼロッテの代わりになってくれたよ。でも…此処からは、大好きなマルガとして、犯したい。とっても大好きなマルガを犯していい?」

俺がキスをしながら言うと、目に涙を浮かべて、嬉しそうに微笑むマルガ。



「ハイ!マルガを犯して下さい!…私はご主人様だけの物…大好きです…ご主人様…」

マルガはそう言うと、俺にキスをして、舌を忍ばせてくる。俺もそれに答え、マルガの舌を味わう。



「大好きなマルガ…今日も一杯犯しちゃうからね!」

口元の緩んでいる俺を見て、ニコっと微笑むマルガ。



俺とマルガは、その夜何度も求め合って眠りにつくのであった。

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